Nランク[のじゃロリ天使姫]に転生した!   作:何処にでもある

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 話次第ですが、ストーリーだけの方が嬉しいのが大半です。
 演出があるなら別ですが。
 



ソシャゲの他視点で戦闘するのは7割くらいある

 

 

 エラトリア ワトシト皇國

 精霊歴2001年 春 「不可逆の時代」

 

 

「うおお! 我は『害病誕因』! ありとあらゆる病を1つに纏めて消し去ろうとしたら死ねなくなった者! 死んだらクソ厄介な病が生誕するぞ!」

「そして私は『欲情疾陥』! 108の煩悩を一つにして解脱に挑戦したら異能となって解脱も出来なくなった生臭坊主! 死んだら新たな欲望が発生します!」

「『殺起災害』でーす。災害の生贄にされたら幾つかの認識系の災害を圧縮した異能になった者でーす。殺されたら閉じ込めた災害全部解放されまーす」

 

「「「我ら! 死んだらアカン戦隊! そもそも死ねないんジャー!」」」

 

「不死性を与える異能との噛み合わせ最悪だな」

 

 あぁー! と叫んで吹き飛ばされる3人の異能者を横目に、ヤマトは新たな空間へと転移した。

 異能者もピンキリであり、今のはキリの方であった。

 ある意味無害な異能を持って不老不死に成れた勝ち組であったが、前に出たのでヤマトは斬り伏せた。

 

 …………タタタタ

 

「‭─‬‭─‬足音だ」

「私の近くに来なさい、道を譲るわよ」

 

 転移先の深い森の中、向かってくる足音を合図に3人が草むらに避難する。

 リフターから霧が薄く展開され、ヤマト達を包み込んだ。

 

「だから、今すぐ全部隊を動員しろ!」

「くそっ何処の誰だ異能者を解放した反国民は!」

「無害な連中は放っておけ! 先ずは敵対的な奴らからだ!」

「成り代わる奴の脱獄が確認された! 常に異能反応に気を配れ!」

「誤作動はどうする!?」

「殺しても意味のない相手だ! 片っ端から確保しろ!」

 

 余裕があれば正体不明の3人を見つけられただろう逸材達も、この騒動で視野は狭くなっているらしい。

 隠れた3人の横を走って通り過ぎ、次の場所へと転移していった。

 

「…行ったか。先へ進もう」

「そうね」

「ああ」

 

 草むらから出た3人が先に進み、脱獄出来るのに呑気にうたた寝をしている異能者の横を通り過ぎて転移した。失敗者の暴れっぷりを思うと何とも平和なものである。

 そうして夕暮れの砂浜、大きな寺、病室、何処までも続く道路……といった異空間を飛び越え、ヤマト達はサクラとルシファーの影を探し続けた。

 そうしていると最初の緊張感も薄れ、暇を持て余したリフターが雑談の火蓋を切り始めた。

 音すら隠す「正体不明」の霧があるおかげの暇つぶしである。

 

「それにしても、侵入ミッションの難易度が下がるなんて運の良い奴ね? 退屈で欠伸が出そうよ」

「何処の誰かは知らないけど好都合だったよね。おかげで探し回るのに苦労しない」

「なんでも良いだろう。収容施設を回っていくだけだ」

「まぁちょっとした障害物とかあるけど、このくらいなら余裕だものねー?」

 

「ぐるる……くすぐったいから登るのやめてくれないか? 言っとくとお前らの他には誰も乗ってないぞ?」

 

 大陸サイズまで肥大化した『生変進態』……狼の異能者の毛を掻き分けながら、ヤマト達は捜索を続ける。

 足場から文句が出ているが、そんなのは知った事ではないと3人はスルーした。

 

「ぐる……よくもこの異空間で人探しなんぞ出来るものだ……」

 

 大きな狼はスルーされた事に傷付いて不貞寝した。

 そんな人の話を聞かない3人ではあるが、実力は本物なのがタチが悪い。

 そしてタチは悪いが、糸の眼を使ってないと運が絶望的になる集団なのも確かだった。

 毛を掻き分け、空を飛んで狼の尻側に行き転移した後、新たな人影がすれ違い様に転移する。

 

 

 ↙︎視点変更:EX → N/EX

  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

 

 人影は目の前の大陸サイズの大きな狼に両手をあげて全身で驚きを表現した。

 

「わぁ、おっきなおおかみさんだー!」

「ぐる…? なんだ小娘、見ない顔だな」

「わたしはかえる! こんにちは、おおかみさん!」

「お前から見たら毛の壁だろうによく分かったな。そうだ、俺はすごく大きな狼だ」

「えっへん。"友だち"が上から見ておしえてくれたんだよ! ぴゅーってとんだの!」

 

 まるでカエルと狼が登場する童話のようなやり取りだが、実際は天使と毛の壁の会話である。

 それも毛から口が生えての物だからか、一見触手と話しているよう。

 『生変進態』は進化と変態を自在に行えるグロめの異能だった。

 

「ねーねー、おおかみさんはわたしのおうちを知ってたりする?」

「知らないが、雛鳥の家は藁の中だろう? だったら藁に囲まれれば帰れるんじゃないか?」

「とりじゃないよ! てんしだもん!」

「だったら水の中に行けばいい。カエルの家は池の中だ」

「かえるだけどてんしだよ! "友だち"が言ってたもん!」

 

 むーっと頬を膨らませてかえるが怒りを示す。

 大きな狼はイジワルな狼だと、かえるの中で印象が決まった。

 最初に転移して会った若返ったり老けたり忙しない奴よりも随分と揶揄おうとする相手だ。

 

「天使だって? なら、尚更雛鳥で良いだろう? だって裸の天使はいつだって赤子のように小さな者達じゃないか」

「むっ! てんしじゃないよ! かえるだよ!」

「なら水の中だな」

「………あれ!?」

「クックック!」

 

 最も、揶揄い甲斐のあるかえるにも幾らかの責があるのかも知れない。

 簡単にうーっと唸り、かえるは友人に助けを求めた。

 

「……言いかえしたい!」

(クックと笑っておるし鶏呼ばわりで良いのではないか?)

「このにわとりめー! おまえなんか、"おおかみじゃなくてにわとり"だー!」

「…あっ! なにをす‭─‬‭─‬」

 

 かえるがそう言うと、大きな狼はみるみると小さくなって、小さな鶏となってしまった。

 『生変進態』は他人に比喩された通りの進化と変化を果たせる異能である。

 かえるの幼稚な決めつけでも、それは間違いなく"比喩"。

 大きくなる変化だと世界の寿命が削れるが、小さくなる分には何も問題はない。狼は今後鶏以上の存在に進化出来ないように管理されるのがここに決定したのだった。

 

「あ…あ…世界一つ食い潰して大きくなった身体が! みるも無惨なことに!」

「わー、ちっちゃくてかわいくなった! にあってるよ、()()()()さん!」

「こ…この‭─‬‭─‬」

「そういえばわたしのこと…なんてよんでたっけなー? たしかー、ひなーどー…」

「この鶏、誠心誠意尽くしてご帰宅にご協力させていただきましょう!」

 

 かえるの友人がチキン野郎になっちまったのじゃ、とボヤくのを聴きつつ、かえるは現実世界に戻る為の近道を鶏から教えて貰えた。

 オマケにそこら辺に落ちている狼の抜け毛でオシャレな服を仕立てて貰うオマケ付きである。

 

「まんぞくしたー!」

「左様ですか。では私が死ぬまで一生こないでくださいね」

「うん! またあそびに来るからねー! ばいばいにわとりさん!」

 

 天然入っとるなぁコヤツとは彼女の友人の感想である。

 鶏から二度と来るなと言われていたが、かえるはそれに気付かないまま次の場所へと転移したのだった。

 

「とうちゃーく! おっ? なにあれおもしろそー! まーぜーてー!」

(待て待て明らかにヤベいっていうか虚空の魔物じゃ近付いたらいかんのじゃ!)

「えー?」

(アレに近付いちゃイカンのじゃ! 妾が許さん! お主そのまま死ぬから絶対ダメじゃぞ!)

「ぶー、わがままな"友だち"だなぁ、なまいきだなぁ……もう、しょーがないなー」

(全く……くそじゃりめ……)

 

 転移したらなにやら丸いものを蹴って遊んでいる者達がいる。

 面白そうだと声を掛けようとするも、友人に止められてしまった。

 友人からすれば髑髏(しゃれこうべ)に追い討ちをしてる魔物でしかないので当然なのだが、未だ人の死もよく分からない子供がかえるである。

 ケチんぼな友人を持つと大変だと思いながら、その場を言われた通りコッソリと抜け出していく。

 

「わたしかくれんぼの天才かも…」

(自惚れるなよ小娘。メッッチャ堂々と歩いてたじゃろうが)

 

 かえるはかくれんぼの才能があるかもと自惚れたが、鶏の仕立てた服の効果によるものだ。

 異能者の毛を使った特別製である。本気で二度と来るなという念の籠った逸品であった。

 

(ふーむ…鶏の言葉によれば酒蔵の「バーボン展」の1645年物の酒から溢れる粒子じゃったか? かえるよ、見つけ出すのじゃ)

「ふすー、こんなのかんたんタンタンタタンのタンだよ! ばんぼんてんのいろよっこ(1645)でしょ? らくしょー!」

(うーむ不安になる覚え方じゃなぁ…)

 

 こんな風に話している裏ではヤマト達が『敵性付与』の異能に被曝して転生者のボスラッシュをしているのだが、そんな事よりも初めてのお使いである。

 産まれて数十分で喋り始めるような利発な子ではあるものの、何せ場所が場所だ。

 彼女達が原因を知る所ではないが、『再演劇場』がヤマトとの戦闘で創り出して流れ込んだ虚空の魔物が彷徨っているのだ。

 必要なのはスニーキングや巡回法則を覚える賢さである。その上で欲しい物を見つけるのだから、かえるからすればかなりの難題ではあった。

 

「するするぐぅっと!」

(まぁ妾が俯瞰して見れるからの。この辺は楽なもんじゃて)

 

「ぶべらぁ!」

(おっとかえる選手流れ弾らしき謎の本棚に衝突したぁ!? 大丈夫かぁ!?)

 

「よくかんがえたんだけど、この羽があればとべるんじゃないかな」

(お主天才じゃなぁ! 早速試してみようではないか!)

 

「しつ問、ここからおちたらどうなるの?」

(気合いで羽ばたけ。もしくは風を捕まえよ‭─‬‭─‬落ちるからの)

 

 gurrr………

「ワタシ ホン タダノ ホン」

(目と鼻の先にでっけぇ魔物が居る時はどうすればよいのじゃろうなぁ…)

 

「………なーんにもわかんない!」

(お主はバカ過ぎてこのエレベーターを使う事が出来ません! 因みに妾も分からんぞ!)

「ふぇ…バカって言った方がバカだもん! ばーか!」

(あ、ガチで傷付きおった! すまぬ冗談の類いじゃ!)

 

「のじゃのじゃのーじゃーのーじゃー♪」

(……なんの真似じゃ?)

「"友だち"のまね! なのじゃ!」

(さよけ……ふぅ、機嫌が直って良かったのじゃ…マジで)

 

「さいしょはとべなかったけど、今なら少しだけとべるから!」

(酒樽を登ってバーボン展覧会に向けてフォー! いけー! 完璧な翼ぁー!)

 

 そうして到着したのが30分後。悪戦苦闘の末に彼女達は目的地に辿り着く事に成功した。

 肝だったのは"友だち"の有効活用、協力プレイである。

 友達が全体を見て、かえるが走ったり滑空したり、そうしてアッサリ(大本営発表)と魔物の網から抜け出し、ちょっとだけ飛べるように成りつつも目的地の「バーボン展」に到着したのだった。

 

(そういえば何回か見つかっとったよな。お主)

「見うしなってたからセーフ……じゃ、だめかな? な?」

(……むぅ、まぁ初めてじゃったろうしセーフでよいじゃろ)

「やたー!」

 

 甘い対応だが、結果さえ出ていれば許容するのが彼女の友人である。

 あざとくねだられるまでも無く許す程度には、この子供の成果を友人は認めてはいた。

 

「みっけ!」

(それは「バンテージ」、手袋と包帯が合体した奴じゃよ。折角じゃし着けるか?)

「うーん……かわいくないしいたいからやっ!」

 

「みっけたよ!」

(それは「絆創膏」、傷付いた場所に貼ると治るのじゃ。折角じゃし持ってゆけ)

「ばんそーこー、ゲットだぜ! あ、ちょうどいい木のぼうだ! ひろおっと!」

 

「ほかにバンがない! でもパンなら有った! 美味しい!」

(こら、拾い食いするで無い。……かえるよ、よく思い出すのじゃ。「ばんぼんてん」は場所の名前、ここの事じゃよ)

「‭─‬‭─‬‭─‬‭─わたし、‬ぜんぶりかいしたよ」

(大 袈 裟)

 

 そうして探し始めた結果がコレである。

 冒険を終えても子供は子供と言うべきか、場所の名前を少しでも覚えているだけマシと言うべきか。

 その後「色4個(164)」だの「いろむっこ(1665)」だのと間違えたものの、かえるはなんとかひとっ飛びで現実世界に行ける転移先‭─‬‭─‬即ち「異能対策本部 出入り口」に辿り着くことが出来たのだった。

 

「とーちゃーく!‭─‬‭─わぁお、‬なんだかせいぞろい、みたいな?」

 

 そんな訳で出入り口来た2人が見た景色は‭─‬‭─‬。

 

「……そういえば、成り代わる奴とやらはアレか? ルシファーに似ているが」

「さぁ? 一先ず殺してから考えましょう?」

「自力で消せて良かったね。ヤマト、他の奴をなんとかした方が良いよ」

 

 彼女から見て右手側にヤマト達3人が。

 

「新手か?」

「異能の反応は無いな」

「なら殺しておけ。弱ければな」

 

 左手側には同じ格好をして円盤を浮かせた100人の転生者達が。

 

「………だれ?」

「知らん、お前の知り合いか?」

「分からん、多分別の奴だ」

《なんか見覚えがあるような……》

「前に出てきおったな?」

「お前猫は好きか?」

 

 背中側には好き勝手に喋る異能者達が。

 

「‭─‬‭─‬‭─‬‭─‬誰であろうと、通りたければ私を倒してからだ」

 

 眼の前の出入り口には、黄金の豪華な将軍衣装を纏った‭─‬‭─‬サクラの姿が。

 

「……もしかして、今ってすっごくピンチだったりぃ…するかんじだぁ…どーしよー…」

(ど真ん中とかどう足掻いても逃げられない位置じゃな。どうすっぺこれ。妾にゃキツいのじゃ)

「…だったらわたしが、がんばればいいんだよね?」

 

 そして、それらのど真ん中に唐突に転移したのが我らがかえるとその友人である。

 なんという事だろうか。四面楚歌になったでは無いか。

 

「‭─‬‭─‬さくせんターイム!!」

(流石に無理じゃろ)

 

 かえる、ココでまさかの作戦タイムである。

 当然通る筈も‭─‬‭─‬。

 

「はい、ヤマトに代わりにセンがチーム代表として認めます」

「……大将軍の前だ。弁明の機会は与えてやる」

「はい異能者チーム、面白そうなので見学に回ります」

「‭─‬‭─‬‭─‬‭─‬許可する」

 

「ありがとーございます!」

(イケるもんじゃのう案外!)

 

 通った。

 人は案外分かり合える物である。この調子で争うのもやめて欲しい物だが、そちらは無理難題なので流石に無理だろう。この状況で停戦協定を結べただけでも奇跡という物である。

 

「はい! なんでみんなそんなにぶっそーなの?」

 

「ほらヤマト、子供が相手なんだから答えてやりなさい?」

「……妹のサクラが将軍とやらの端末にされた。ルシファーも見つからない。だから殺す」

 

「異能者が脱走し暴れているからだ。既に死者も出た。外に出せば異能により世界が滅ぶ。死兵として突撃すべきと断じた」

 

「外に出て面白いものが欲しい。後は其々の理由だ」

《面白い自作の演目を創りたい》

「暇つぶしに付き合ってるだけじゃ」

「気まぐれにゃあ理由はにゃい」

 

「‭─‬‭─‬‭─‬‭─‬今でなくて、いつ大将軍が出ると言うんだ?」

 

 以上、其々の主張である。

 かえるにはとても難しい話だったが……要は、

 

 やらかされた奴/ヤマトと、

 やらかした奴/転生者達と、

 やらかそうとする奴/異能者達と、

 やってる奴/サクラを端末にした大将軍と、

 やめて欲しい奴/かえる達である。

 

 とんでもない事に全員程度の差は凄まじくも彼女の関係者であった。

 とはいえこのままだと戦いの中心地で爆散するのは間違いない。

 全員どうにか騙くらかしてこの場を解散する他に無いと、友人は考えを纏めた。

 

(……かえる、今から言うことをそっくりそのまま言うんじゃ)

「うーん……うん、うん。分かった、やってみるね?」

 

 そこで友人は何処に目に付いたか。かえるの髪の色である。

 

(いいか? お主とコヤツは何処と無く似ておるから……)

 

「…言いたい事が纏まったようだな。それで、遺言は‭─‬‭─‬」

「助けて、パパ!」

 

「‭─‬‭─‬?????」

 

 かえるがヤマトに向けて走り、抱きついて上目遣いで助けを求める。

 

 あれ、コイツルシファーのパチモンじゃないのか? あれ、でも確かに特徴が…いつのやつ…まさか…いやでも時間が…3ヶ月かかる転移の奴か!?………。

 

 ヤマトは情報の処理が追いつかずフリーズした。

 

「……ん?…ん?」

 

 そうしてヤマトがフリーズしている間にもかえるは友人の助言に従い行動する。

 なにも知らないが故の憶測や推理以下の、出鱈目と勘違いを根拠にした言葉通りに。

 

(もっとヤバい奴が出たとか言えば行けるか? 泥が溢れてたとか……)

「けんぺーさん、わたし、まい子になってたらね? あちこちでどろがあふれてたんだけど……アレって大じょうぶなの?」

 

 友人が出した出まかせは、唯一知ってる異能者へのなすりつけであった。

 上手く人が消えたら御の字の言葉である。その場で確認されたら秒でバレるが。

 

「……はっ? はっ?」

「えっ1番危険な異能者の収容室壊れたの?」

「待て!………確認が取れた。その結果、こんな所で油を売ってる場合ではないと分かった」

「今すぐ1人を残して対処に当たれ! ここの雑魚どもなんか気にしてる場合じゃないぞ! 最悪逃げても捕まえられるがこっちは今すぐじゃないとマズい!」

 

 その結果、1人を残して100人近くの人員がこの場から立ち去る事となった。

 どうやら本当に泥が溢れてたらしい。

 嘘から出た誠、運のいいのか悪いのか分からない友人である。

 かえるはこの調子だと、次に話しかける者を見定めて突撃した。

 

(もう素直に頼もう。最悪ヤマトどもが倒すじゃろ)

「はい! ていあんです! わたしの"友だち"が言ってるので、みんなかえりましょー!」

 

「……どうする?」

「憲兵が帰ってってるし俺は帰るわ」

「猫は人混みに紛れて泥の方にいったな。外出よりレアだしまぁ妥当だろう」

「じゃあわしはそっちに行こうか。泥との攻防戦の方が面白そうだ」

《うーん…四巴じゃないなら絵面がつまらんか。よし、カットぉぉ!!》

「帰るが帰れと言ってるし帰ろうじゃないか。利口な箒星が言うならそれが吉だ」

「なんか従ったほうがいい気がするから帰る」

「みんな帰るなら私も帰ろうかな…」

「主神の使いっぽいので俺は従いますね」

「じゃあ外出はまた今度だなー。後は行きたい奴が行く感じでー」

 

 ぞろぞろと異能者が帰宅し、もしくは泥の氾濫の見学に向かう。

 果たして友だちという言葉にどれほど効果が有ったかは不明だが、かえるが言った事には意味が有ったらしい。

 産まれたばかりの子供に一体何を見出したのかは不明だが、全体的に帰る流れが出来るとそれに引っ張られる者も出てくるものだ。

 気が付けば誰1人として残らず、異能者は自ら檻の中へと戻っていった。

 

「……はなせば分かり合えるね! 言葉ってすごい!」

(そうじゃなぁ…妾には何か大きな誤解が横たわった気がするのじゃが……やって欲しい事はやってくれたし…微妙な塩梅じゃなぁ…)

 

 すっかり人が消えた出入り口は広々としており、ヤマトは未だにフリーズしたままリフター達に目元を弄られていた。どうやら暇になったので、頼まれた通りヤマトの異能を無力化するつもりらしい。

 

(そやつは…言葉が通じなさそうじゃし横を通る感じがよいか?)

「ふっふん、おねがいすれば大じょーぶ!……おねがいします! どいてくーださい!」

(あっ!……まぁ、やってみよ)

 

 後は出入り口を塞ぐ人を退かすだけである。

 友人が脇道を通ることを提案したが、かえるは今さっきの成功体験からお願いしてみる事にした。

 酷い目に遭うという予感が友人の脳裏に過ったものの、物は試しだと見守る事にした。

 

「‭─‬‭─‬‭─‬‭─‬出る気か?」

 

 サクラの姿を借りた大将軍が変わらぬ言葉を問いかける。

 そして、かえるの答えも変わらないものだった。

 

 だから、この結果は偶然でも、ましてや神の悪戯でもなんでもなく。

 

 必然の運命だった。

 

 

 

 

 「う

‭─‬‭─‬‭‬‭─‬‬‭─‬‭─‬→‬

   ん?」 視点固定:大宇宙大将軍

  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

 

 

 

‭─‬‭─‬‭─‬‭─‬二振り、断頭/断翼。

 

 そこから友人が…ルシファーが見れる景色は大いに移り変わったが、その直前、彼女が見たものは理解し難いもので。

 

 かえるの首と翼が刎ねられて、その胴体にサクラの頭が飛び込む、非常に物理的な乗っ取りであった。

 

 






██「[██世█(██フ██)]大宇宙大将軍」
 ██歴‭─‬‭─‬‭─‬██‬‬█████████に造られた改変の辻褄合わせの化身。
 ルシファーとヤマトによる明後日への爆走により、世界に定められた影響を与えなければならなくなった。ある意味2人の息子。
 壊れた世界が改変から遺せた数少ないものの1つでもあり、時間が経つに連れて歴史の闇へと消える宿命も背負っている。謂わば天命(シナリオ)の強制、世界の修正力。
 その為どれだけの偉業でも後世には何一つ伝わる事はなく、全てから忘れられる末路が約束されている。
 性能はM(ミステリースキル)「全存在選択目録」のみ。
 自分と定義する存在を定めるスキルで、PLとして制限なく選んだPCを操作する力。

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