ある日はやり始めた闇カジノ。
それはある者には夢を見せ、ある者には富を与えた。
そんなある日、とあるビルから一つの人影が逃げ出した。
彼はこの世界で何を見、何を変えるのだろうか。


作者はギャンブルエアプです。
何か変だなと思っても笑って流してくれると嬉しいです。

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書きたかっただけなので初投稿です。
なにか指摘がございましたら教えていただけると嬉しいです。


アイムジャングラー

【悲報】ワイ、何もわからない

1:名無しのギャンブラー

助けてクレメンス

 

2:名無しのギャンブラー

おっ、新スレか

 

3:名無しのギャンブラー

どういう事なんだよ

 

4:名無しのギャンブラー

それがワイもよくわかってないんや

 

5:名無しのギャンブラー

>>1無能

 

6:名無しのギャンブラー

わからんて何がわからんのや?

スレタイから何も伝わってこないんやが

 

7:名無しのギャンブラー

それが本当に何もかもわからんねんな

 

8:名無しのギャンブラー

は?

 

9:名無しのギャンブラー

とりあえずイッチコテハンしてくれ

それくらいはわかるよな?

 

10:一般記憶喪失

これでええか?

 

11:名無しのギャンブラー

記憶喪失なら掲示板開けないだろJK

 

12:名無しのギャンブラー

釣り乙

 

13:名無しのギャンブラー

早くもこの釣りスレは終了ですね

 

14:名無しのギャンブラー

釣るならせめてもうちょい設定練ってクレメンス

 

15:一般記憶喪失

掲示板は携帯付けて一番に出てきたンゴ

 

16:名無しのギャンブラー

私生活終わってて草

 

17:名無しのギャンブラー

てかワイらに聞く前に病院行ったら?

 

18:一般記憶喪失

それがなワイも病院に行きたいんやけどな

『画像』

 

19:名無しのギャンブラー

ふぁっ!?なんやこの腕?

 

20:名無しのギャンブラー

着ぐるみか?出来ええな

 

21:名無しのギャンブラー

てかイッチが普通にイケメンで嫉妬やわ

この後会わない?

 

22:名無しのギャンブラー

ホモが湧いてて草

 

23:名無しのギャンブラー

手かこれ何処から撮ってるんだ?

 

24:名無しのギャンブラー

これほんとにイッチか?

ID持ってくれ

 

25:一般記憶喪失

>>23

公園のトイレやで

>>24

【画像】

これでええか?

 

26:名無しのギャンブラー

トイレかよwww

どんなところで撮ってるんだよwww

 

27:名無しのギャンブラー

てか完全体バージョンあるの草

 

28:名無しのギャンブラー

何モチーフなんだこれピエロか?

若干ダサクね

 

30:名無しのギャンブラー

手かその恰好でトイレにいるのかよwww

 

31:名無しのギャンブラー

で?病院に行かない理由にならなくね?

そのままいけよwww

 

32:名無しのギャンブラー

あー、怪人病とかいうやつか?

 

33:名無しのギャンブラー

そんなのもあったな

 

34:名無しのギャンブラー

あれはヤラセで結論出てたでしょ

 

35:名無しのギャンブラー

自由に変身できるん?

動画うpはよ

 

36:名無しのギャンブラー

ワシも着てみたいんやがどこにおるん?

 

37:名無しのギャンブラー

おーいイッチ?

 

38:名無しのギャンブラー

消えたか?

 

39:一般記憶喪失

ちょっとトイレしてた屋ですまんな

>>31

この体で行くのなんか怖いし、てかなんかの施設から抜け出したばっかやねんけどな

>>35

動画な了解やでちょい待ってな

>>36

これ他の人がなれるんか?場所はここ屋で

『画像』

 

40:名無しのギャンブラー

画像ポン付けする奴があるかよ

 

41:名無しのギャンブラー

今北産業

 

42:名無しのギャンブラー

記憶喪失

怪物参上

個人情報流出←イマココ

 

43:名無しのギャンブラー

テンクスいろいろ終わってて草

 

71:名無しのギャンブラー

あれ着ぐるみやとしてもあの出来のやつ見られただけで価値あるのでは?

 

72:名無しのギャンブラー

てかイッチ遅いな

 

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

「さて、こんなもんかな」

 

 大便器に括り付けたスマホを確認し、ヨシッと指差し確認する。

 こんな時間にトイレで何をしているかというと、何を隠そう掲示板に上げるための動画作成である。

 動画が見てみたいと言われわかったと即答したものの公園のトイレにはスマホを固定できるものなどなく、どうしたものかと首をひねっていたのだ。

 だが、あきらめて逃げるかと言われればそうでもなく、書き込んだことはやり遂げなければならないという覚えてないのに知っている言葉に従い、こうして便器にスマホを固定していたのだ。

 

 そしてついにその時は来た。

 固定した状態での試し撮りは満足のいく結果に達したのである。

 ついに本番の時が来た。

 多くのページが破り捨てられている手帳にIDがしっかりと書かれていることを確かめ、撮影を開始する。

 

 バチッバチという虫が電灯にぶつかる音を聞きながら考える。

 ただ、立っているだけでいいのだろうか?もっとこう踊ってみたりだとか何か芸をするべきなんじゃないだろうか?などと考えてみるがなけなしの記憶には自分ができる芸などは存在しなかった。

 仕方がない、変異だけ動画にとるか。

 

 はあとため息をつき、すぅと息を吸う。

 まるで自分が膨らんでいくような感覚が襲い掛かる、自分が広がっていく。自由になる。

 広がった自分は体を覆い、服を飲み込み一つの形を作る。

 感覚が収まり、息を吐いたころにはそこに人は存在しなかった。

 

 口が耳まで裂けた醜悪な顔、赤と緑で彩られた目を引く格好。

 そして破裂しそうなほどに膨らんだ腹にはスロットマシンが埋め込まれており。

 その尖ったその左肩にはS1996と焼き付けられていた。

 そこには怪物がいた。

 

 またしてもはあとため息をつく。

 自分はこの姿が嫌いだったのだ。

 動きづらいし、あちこちに引っかかるし、そして何よりも見た目がなんとなく嫌だった。ナニカガ違うと確信があったのだ。

 そして同時にこれが自分なのだろうと理解していた。

 理由なんていくらでもある初めて目覚めたときにはこの姿だったし、逃げ出す前に見た書類にもこの格好の写真が貼ってあった。

 そんな自分の姿に嫌気がさしつつも、これで掲示板の人達は喜んでくれるだろうかと、一歩踏み出したその時だった。

 

 

 個室の壁をぶち抜いて飛んできた槍がどてっぱらにぐしゃりとめり込む。

 ふわりと体が浮かび、何枚も壁を破壊して、コンクリートの壁にぶつかってようやく地に着いた。

 何事かと見たその先に、赤と黒の人影が4つある。

 

「探したぞ被検体1996号」

「手間取らせやがっておい!聞いてるのか?」

「まあ落ち着きなさいよ。あいつ生まれてすぐなんでしょ?殺したらまずいんだから手加減しないと」

「回収対象を確認、捕縛する」

 

 人影はべらべらとしゃべりながらじりじりとこちらに距離を詰めてくる。

 色々と情報が入ってきてよくわからないが被検体1996号とやらは自分の事だろうか?

 壁に手を突きながら立ち上がろうとするが体にうまく力が入らない。

 ふらりと踏んだ足がじゃらりと音を立てる。

 これは……コイン?

 

「おいおいおい、あいつ立ってくれちゃってるよどうすんだよめんどくさいなぁ」

「仕方がない暴れるようならもう少し痛めつけてもいいだろう」

「ちょっと殺さないでよね?こんなくだらないことで首が飛ぶだなんていやだからね?」

「了解、鎮圧行動を開始する」

 

 槍が突き刺さった腹からじゃらじゃらと赤と白のコインが零れ落ちる。

 これは、チップという奴だろうか?

 ふと顔を上げると奴らが各々の武器を構えていた。

 体が冷えていく。寒いのは嫌だな。

 そんなことを漠然と考えたその時だった。

 軽快な音を鳴らし、スロットが回り始める。

 

「おいおいあいつ、この期に及んでスロット回し始めたぜ」

「はぁ、これだからジャンキーは嫌なのよ。気持ち悪い」

「おい、何が起こるかわからない、やめさせろ」

「了解」

 

 

 一つ、2つとリールを止めていく。

 した記憶などないのにしていたこのように体が動いた。

 そして、3列目、というところでガツンと頭が真っ白になる。

 どさりと崩れ落ちる。体に力が入らない。

 

 そこには、棍棒を振りぬいたクラブの男が立っていた。

 

「きめぇんだよ糞ピエロ!」

 

 ダイヤの顔が尖った石突をスロットに叩きつける。

 ガシャン!という音と共にリールが回転を止めてしまう。

 逃げ道がないかと入り口を見るとハート盾が道をふさぎ、その上からスペードの矢じりがこちらを狙っている。

 万事休すだ。自分にはここからどうすれば助かるかまるで思いつかない。

 

「組織に逆らうからこうなるのだ」

 

 グワンと視界が揺れる。

 チップが散らばる。

 もう何もわからなくなってきていた。

 

「よし、拘束しろ」

 

 ただ、それでも手はスロットに向かう。

 チップを入れ、レバーを倒す。すると壊れた音色を立てながらリールが回転し始めた。

 

「いい加減現実みなよピエロさんよぉ」

 

 

 リールを止める。

 

「なあ、最後に聞かせてくれよ、あんたらは何なんだ」

「なんだと?」

「言う訳ないじゃない」

「まあいいじゃねーか、こいつが喋れば俺たちの地位も上がるかもしれないぜ?」

「まあ、言っても構わないか、我らはトゥーペアーズだ」

 

 リールが止まる。

 

「聞くことも聞いたならお縄に着こうかピエロちゃん」

 

 リールが‥‥‥止まった。

 手が伸びてくる。

 

「ピエロピエロと人の事をなんだと思っている」

「あ?なんだお前状況わかってんのか?」

 

 

「知らないね、生憎何も知らないもんでね。だが気に入らないのさ」

 

 役が揃う。

 

「俺はピエロじゃない」

 

 チップが払い出されていく。

 

「俺はジャグラー、いや、

            ジャングラーだ

 

 

 

 

 払い出されたチップが体を覆っていく広がっていた自分が集まっていく。

 顔は洗練され、膨らんでいた腹は引き締まり、尖っていた肩はアーマーに覆われていく。

 そして埋め込まれていたスロットが輝きを放つ!

 その光が、集まっていたチップを弾き飛ばした。

 

 

『Yes,I'm Jumgglur!』

 

 全身が光を放つ。

 先ほどまで感じていた恐怖はもうない。

 目覚めてから感じていた嫌悪感はなりを潜めている。

 ああ、自由だ。真の自由だった。

 

 

 そして、低い役に向けてこう言い放つ。

 

「さあ、賭けようじゃないか」

 

 

 

「ハート!奴の動きに注意しろ、ダイヤ!俺と一緒にクラブの援護をするぞ!クラブ!前衛を頼む!」

「「「了解」」」

 

 

 奴らが陣形を組んでくる。

 完璧なコンビネーションだ、遠距離からスペードが狙い、ダイヤが中距離から隙を伺い、クラブが暴れ、ハートが攻撃を受け止める、といったところだろうか。

 

 だが、慌てることは無い。

 チップを入れ、レバーを倒す。

 そして絵柄を揃える。それだけで大丈夫なのだ。

 

「うおおおおおおお!!」

『チェリンジ!』

 

 クラブの猛攻を懐に入り込むことで躱し、スペードから射線を切る。

 チャリ、と音を立ててチップが払い出された。

 レバーを倒し、スロットが回る。

 

「隙ありだぜぇ!」

『ベルーグッド!』

 

 クラブの掴みかかりを躱す為、背後に抜けたところをダイヤが襲い掛かってくる。

 その槍を掴み、ハートへ向けて蹴り飛ばしてやる。

 ジャラリとチップが払い出される。

 また、スロットが回る。

 

「くっ、これは、まずいか」

『グレイプ!』

 

 隙を埋めるために慌てていられたスペードの矢をかがんで避ける、すると矢を避けれなかったクラブが受けのけぞった。

 その胸倉を掴み盾にして、突き進む。

 

「っつ!このお!」

 

 司令塔であるスペードを守るためにハートがクラブを受け止める。

 このままでは起き上がって陣形を組み立てなおすだろう、だからクラブの顎を殴りぬく。その大柄な体から力が抜けた。

 ズシリと重くなった盾を支えきれずスペードに向かって倒れこんでしまう。

 また、チップが払い出される。

 スロットが、まわる。

 

「くっ、奴の力が上昇している?しかし、いったいなぜ?」

「おいおいおい、雑魚の捕縛じゃなかったのかよ」

「まさか、スロットか?」

 

 

 スロットを、止める。

 

「まずい、なんでもいいやつにスロットを回させるな!」

 

 

 スロットを止める。

 

「ちょっと、どいてよクラブ!」

「おい、こいつ伸びてるぞ!」

 

 

 スロットを、止めた。

 

「みんな、逃げろ!」

 

 

『LUCKY☆SEVEN』

 

 チップが、払い出された。

 

「トレード、キック」

『OK!キーン

 

 

 空中に浮かんだ7が反転し、キックに代わる。

 払い出されたチップが右足に集まり、巨大な金の靴を形成していく。

 逃げることすらできない獲物に近づくたびに地面が揺れる。

 

 

「悪いが、今回の賭けは俺の勝ちだ」

 

 

 そしてその足を、振り下ろす。

 

 

ラッキーストライク

 

 

「いやだ、こんな・・・・」

 

 振り下ろされた黄金に触れたトゥーペアーズの体がチップの塊へと変わっていく。

 受け止めようとした槍も、盾も体さえも変えていく。

 

 がしゃり、とチップの山を崩す。

 

 すう、と黄金の靴が形を失い、それと同時に体に纏わりついていたアーマーがチップになり体へと吸収されていく。

 振り返った先には、カラフルなチップが残っているだけだった。

 

 

「さて」

 

 

 

 自分にはやらなければいけないことがある。

 粉々になり、水を撒き散らしている便器だったものを見て、スマホは無事だろうかと、ため息をついた。

 




続きますん。

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