死んだ装甲兵は忘れし神々の夢を見るか   作:てきだんへー

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エデン条約
接触


エデン条約

 

「エデン条約?」

 

アビドスの事件から3週間後。

起きた事と言えばレトと先生が仲良くなった事や第七戦車中隊が全体的に先生との関わりが深くなったことだろう。そんな中に飛び込んできたニュースがエデン条約調印の日

 

あれからカイザーハントを続けたり、ゲヘナの不良集団から色々奪ったりして前回よりも更に強くなった。車載の8.8cm Flakや牽引式の2 cm Flak 38を2台入手し、ヘリにも対応できるようになった。

 

クルセイダーも前回の8両よりも更に増え、計10両。ティーガーも6両と今からクルスクでも始めるのかとせん勢力だった。

歩兵も150を超え、何とブラックマーケットにて対空レーダーを購入することに成功。

滅多に表に出したくないが、エデン条約調印の日、第七戦車中隊改めて第七機甲大隊の閲兵式といこう

 

「それで?私を呼び出すってことは大きな用事なんだね?」

 

"うん。できればトリニティ近辺で待機してて欲しくて……"

 

「理由を聞いても?」

 

"実はね、エデン条約調印の日が近くて、ナギサも思い詰めているような状況だから少しでも安心させてあげられるように、正義実現委員会の他に君たちもいて欲しいんだ。"

 

「構いませんが……恐らく第七からは不評でしょうね。前回のトリニティとの一件以来、先生とは仲良くしよう。けどトリニティは駄目。みたいな意見が増えたような気がします。」

 

"そっか……"

 

「 まあ、皆に聞いてみるだけ聞いてみます。」

 

この時、私は極限まで愚かだった。いや、あれは予測できなかったし仕方がない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「先生がそれを望むなら……」

 

「私はトリニティが嫌いだが……先生は例外だ。仕方なく守ってあげるか。」

 

多数の仲間は先生を守ると言うに合致した。新規の仲間達はトリニティの生徒も守ると言い出したが、それはあくまで一部だった。

なぜなら彼女達第七機甲大隊大半の構成員ににとって、トリニティは誤射だとはいえ内部崩壊の危機を送り付けてきたもので、それにより生じた損害に対する贖罪は謝罪のみで、シャーレの先生を敵に回すのも大隊長であるチハルが首を縦に振らないため泣き寝入りしていたからだ。

 

「ただ、先生からの連絡があるまでは先生のご好意でトリニティ内を歩き回って良いようだ。つまり……何が言いたいかわかるな?」

 

「スイーツ!」

 

「パフェ!」

 

「いわsi___」

 

「化粧品!」

 

みんなが口々に叫ぶ。……最後は汗で意味ないと思うが。

 

「そんな訳だ。みんな、最低でも分隊規模で動くことと私からの連絡にはすぐに応えることを条件に解散っ!」

 

解散の言葉に戸惑ったものが多く居たが、一部の理解の早い者は戦車や銃 APCを持ってトリニティに駆け出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これがスイーツ……!!クッキーしか食べたことないからなぁ…楽しみ!!」

 

私はレト達と共に行動していた。純白の生クリームに惹かれた私達はショーウィンドウにへばりつきながら羨望の眼差しで見ていた。

 

「あ、あの…すいません。」

 

「ん?ってあぁ、すいません。邪魔でしたね」

 

最近、日本語の扱いが上手になっていると思う。

 

「いえ、大丈夫ですよ………って第七機甲大隊ですか?」

 

「おや…もしかして有名?」

 

「えぇ、カイザー殲滅に一役買ったんですよね。」

 

振り返ると4人の子達がこちらを見ていた。1人は猫のような、もう1人はどこかポケっとしたような…もうひとりは可愛くて、最後のひとりはスケバンっぽさを感じさせた

 

「あら…知っておられて。」

 

「はっ…所詮政治闘争に追われた敗北者共__」

 

「__レト?」

 

「ちっ…わかったよ、トウカ…」

 

レトがトリニティの生徒に条件反射嫌悪感を示そうとしたので般若の形相でトウカが止める

 

「すまないね。トリニティから誤射とはいえ攻撃を受けて以来、ずっとこの調子なんだ」

 

「…大丈夫ですよ。それと、ここら辺で失礼してもいいですか?」

 

「あぁ、もちろん。どうぞ。」

 

そういうと私達はまた歩き始めた。

話は変わるが、戦車はどこに置いてあるかというと、色々なところの裏路地に分散させ、その上罠を仕掛けまくったその先に擬態した状態で置いている。

 

特徴的なスネイルドラムを装着した強力な9mmパラベラムを発射するMP18を携え、トリニティ総合学園へと歩き出す。久々に正義実現委員会の面々とも会っておきたい。

 

私が先頭を歩いている時、レトが口を開く

 

「はぁ…堕天使共の通う学校はやけにくすんで見えるな。そういえば大隊長、私達は今どこへ向かってるんだ?」

 

「伝えてなかったっけ?トリニティ総合学園内の正義実現委員会だ。それと、トリニティ内で連中に嫌悪感を示すのはやめろ。」

 

忘れていたと言わんばかりの顔でその質問に答える。レトはその解答に対して渋々頷き、歩き出す。第七機甲大隊の特徴である、灰色の大きなロングコートや、全体的に黒で整えられた軍服はトリニティの清楚的なイメージとは相反し、水に浮かぶ油のように目立ち辺りの視線を意のままにしていた。

 

「……全員分かってると思うけど何でこんな練り歩いてると思う?」

 

「足の筋トレ?」

 

「暑さに耐えるためだろ?ったく、レトはチハルさんの代弁者的な振る舞いをするのになんも分かってないな」

 

トウカがレトを罵る。レトはムッとしていたが、そんな傍らヨナタは溜息をつき、チハルの思うことを的確に話す

 

「チハルさんの事だ。このうちに少しでも市街地の情報を叩き込んで市街戦になった時に有利に立ち回れるようにするとかでしょ?」

 

「その通り。君たちも少しはヨナタを見習って欲しいね。」

 

「「……はーい…」」

 

(しっかし…ここまでの都市だと航空機が欲しいと強く思うな…)

 

無い物ねだりをするが、もしここにMe110があれば歓喜の嵐に包まれることは容易に想像できる

 

「っと…先生からの連絡だ。」

 

新隊員に機械に精通した人物がいたのでこのデバイスの連絡音を下げてもらった。

 

『もしもしチハル?』

 

「はい、こちら精鋭無比 最強の第七機甲大隊です。前回よりも戦力は向上したので対空攻撃などもお手の物ですよ。」

 

『それは心強いね。そこでチハルに1つお願いなんだけど……』

 

先生が何やら頼み事をしたそうに頼んでくる。

 

「えぇ、要件を聞かせていただいても?」

 

『来てもらったら分かるから、トリニティ総合学園の合宿所まで来て』

 

「まあ、正義実現委員会に顔を出す予定だったので構いませんが……あ、レトを連れて行っても?」

 

『うーん……騒動を起こさないなら』

 

「私の目から離すとどうにも暴れそうで。」

 

『なら連れてきてもいいよ。』

 

レトは心底憤慨したように、「私は怒り狂った牛じゃない!」と叫んでいた

 





「で、来ましたが……」

トリニティのとある一角に清楚とはかけ離れた灰色(服装以下略)2つの影がある建物に接近していた。

「はぁ…金持ち共が」

「レト。先生やその関係者の前で次そんな言葉言ったらその頭を撃ち抜いてやるからな」

「っ…分かったよ」

インターホンを押し、返答を待機する

「はぁ…ただ、私もトリニティの連中と会うのは鬱だ。だけどな、私はこの世界に来てから色んなことを学んだんだ。」

「……分かった、分かったから。」

「理解してくれて嬉しいよ」

そう言い終えるとドアが開く。
中から一際大きな影が私達を覆う。

「来たよ。先生」

"わざわざありがとうね。それで要件なんだけど……勉強についてなんだ。大丈夫?"

「勉強……えぇ…暗記しかできないよ?」

"二次関数とかはできないの?"

先生がキョトンとした表情で訊ねてくる。

「………え先生もしかして私ら二次関数利用して戦車砲撃ってると思ってる?」

"違うの?"

「あれ言っちゃなんだけどほぼ暗記と経験だよ」

シュトリヒを利用した射撃だが、どうやら先生の目には超高速で演算して撃っているように見えていたらしい。

"………え?"

どうやら先生の中で、私は
計算が出来る(かはどうか分からない)
立派(かどうかは分からない)
で、紳士的(かどうかも分からない)
な優秀(は事実)
な生徒(ではない)
というイメージはポロポロと崩れていっているようだ

「てかあそこまで平たい二次関数やらないと思うのですが…まあ国語や歴史とか文系なら余裕だけど…」

"レトは数学できるよね!?"

「先生。私も暗記と経験だ」

シュトリヒの説明をしたって勉強で使う機会は来ない。確実に

「はぁ…文系なら幾らでも教えてさしあげますから。」

"なら、社会の歴史についてな___"

「暗記です頑張ってください」

"国語について…!"

「分かりました。軽く1つ問題文を選んで下さい。お教えします」

そうして勉強部屋に招かれた瞬間紙を渡されて解かされた。高校生レベルだし、何故かドイツ語のように読めたのでさっくりと解説していく。

「まず記号問題についてですが、これらは消去法で~~」

今まではギムナジウムなどで教わる立場だったが、いざ教える立場になると先生達の偉大さに気づく。

(あの子すっごい馬鹿だ…!)

先生から名前を聞いたコハルという子だが、ずっと頭に?を浮かべている。
逆に、アズサという子は合点がいったようにスラスラ解いており、ヒフミは興味深そうにこちらの話を聞いていて、ハナコという子はニコニコしていた。不気味だった。

「まあ大きくまとめて言うと、記号問題は文と当てはまらない所を選択して回答の選択肢の中から除外していくこと。言葉を入れる問題は前後の文脈から読み解くこと。記述は本を読め」

「凄いな…何だか一気に簡単になった気がする。」

アズサが唸る。コハルは未だに理解をしていないようなので付きっきりで教える。レトはハナコに振り回されていたが、どこか心を許しているような気もした。

「分かったわ!」

「分かったか?良かった。」

コハルが理解をしたことで国語は大体の不安はなくなる。古文?生憎、私は日本人じゃない。
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