死んだ装甲兵は忘れし神々の夢を見るか   作:てきだんへー

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衝撃と畏怖

「っ……ここは……」

 

謎の大きな爆発音と共にチハルはもう一度目覚める。

 

「先生は……一体…?」

 

チハルは激怒した。必ずかの邪智暴虐な敗北主義者共を市街灯に吊るさねばならないと。

 

「あいつら!!」

 

遠くには大量の白服と辺りに展開する青白い幽霊 ユスティナ生徒会が先生を取り囲んでいた。

 

「……後悔させてやる」

 

体を小さくしてナイフを構えて、狙撃手らしき者2人のうち1人の背中に一刺し、そしてこちらを振り返ったものの指を切り落とす

 

「うわぁぁぁぁぁああああ!!!」

 

「ゆ、指が!指がぁぁぁぁああああ!!!」

 

傷を抉るようにそこを蹴り、殴り頭を尖った瓦礫の山に何度も打ちつけ、2人のアリウス生徒を半殺しにする。

 

「はぁ…はぁ…敗北主義者はやっぱり……最低だな。」

 

疲れが体を襲い、地面に倒れる。意識が遠くなり、何も聞こえなくなる。

 

 

そんな時だった。

無線が入り、レトの声が聞こえる。

 

『こちら主力機甲隊、古聖堂にて、生存中の隊員はいるか?』

 

「……こちら…山本チハル……生存中だ。」

 

『あと30秒で近くの壁裏に着く。意表を突くためにそちらの合図とともに壁を破って参戦する。』

 

仲間がすぐそこまで来ている。仲間を助けないとと強く思う。しかし体は起き上がらない。

 

戦う意思はある。しかし体は起き上がらない。

 

空崎ヒナが先生を連れて逃げていたがアリウススクワッドとの戦闘で疲弊しきって動けなくなる場面を目にする。しかし体が起き上がらない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先生の体に銃が向けられる。

すると体は起き上がって近くのアリウス生が落とした狙撃銃で先生の体に向けられたその銃を撃ち抜き、跳ね飛ばす。

 

「なっ!?まさかまだ生きていたか!」

 

錠前サオリの驚愕の声とともに誰も反応できない速度で先生の目の前に立つ。

 

「はぁ…はぁ…忠告しておいてやるぜ敗北主義者共。後ろを見ておけ……よ。」

 

「どうやら限界ようですね……苦しいはずなのに……」

 

(後ろを見ておけ……か…)

「生憎、後悔するタチじゃ無いのでな。貴様の総兵力は叩き潰した。どうやらミサイルに対応できなかったみたいだな」

 

錠前サオリはもう一度立ち上がったチハルの頭に狙いを定めて引き金をひこうとする

 

「いいや違うぜ……そんな比喩的表現とかじゃなくて……物理的な話だ……」

 

「?」

 

アリウススクワッドに疑問符が浮かぶ

 

「問題だ…。錠前サオリ。私が誰か分かるか?」

 

「第七戦車小隊の小隊長だろう?」

 

「ははは……不正解だ」

 

「は?」

 

「今はもう第七機甲大隊」

「総員に命令を下す……ここにいる者のうち幽霊以外を生け捕りにしろ。全てだ。幽霊は殺せ。」

 

『了解』

 

刹那アリウススクワッドの後方の壁が崩れ落ちる

 

「まだ崩壊の余韻があったなんて……」

 

槌永ヒヨリがオドオドする中、錠前サオリは1人考えていた。

 

(いや…そんな訳が無い……あの規模が崩れ落ちたんだ…いやしかし……)

 

「悩んだのが運の尽きだ!主力隊砲門構え!」

 

凄まじい音でエンジンが響く

猛虎を統べる王虎4両が、瓦礫の向こうから見えてくる。それに追随するように大量のクルセイダー巡航戦車 歩兵を載せたAPC 猛虎が襲来する

 

「やっと来たぜ……総員構えて…撃てっ!」

 

無線を開いてそう命令すると一斉に全ての戦車が吠える

 

「くっ…!!悪足掻きもいい所だ!」

 

「先生逃げるよ!空崎さんここはお願い!」

 

「分かったわ」

 

正直、私が先生の元から離れるのは心許ないが、現在動けるのが私と空崎ヒナしかいない以上、空崎ヒナに先生を任せてチハルは戦車に乗り込もうとする。

 

「えぇ…何とか…とりあえず、救急医学部に運ばせるわ。セナが数分で到着するから、それまではあいつらを止めて欲しい」

 

「任せて」

 

空崎ヒナ達はどこかへ逃げて、一部のアリウス生がそれを追いかける。

 

トウカ達は恐らく回収されたので私はエルやヨナタが乗る車両に乗り込み、戦闘を続ける

 

「チハルさん!?頭から血を流してるけど…大丈夫なの?」

 

「憎悪は連中にぶつけてやれ。無線を開け、全隊員にもう一度伝えろ。紫髪の奴と帽子を被った奴とマスクの奴とでかい鞄を持った奴は何があっても生け捕りにしろ。」

 

「りょ、了解しました大隊長!」

 

無線士がその旨を伝えると戦車は指定の奴以外に砲撃を始め、歩兵隊は練り上げられた絶対的な練度で錠前サオリ達を捕らえようと包囲網を形成する。

 

「こちら大隊長だ。現在主力隊のうち第4戦車小隊と第1歩兵小隊は敵将捕獲に動け。優先的にランチャー持ちの黒マスクをしばけ。気を失わせても構わない。」

 

既にそこら中にアリウスの生徒は倒れている。

まだ立っている者も居るが、それらもどれだけ持つかは分からない。

 

中央に遮蔽物が多くあり、それにより頑強に抵抗するアリウスの兵士達により歩兵隊の進軍速度が遅いが、十分な速度は維持している。全員が敵の援軍が来る前に何とか終わらせようと躍起になっている。

 

「戦車前進!」

 

「幽霊の数が一挙に増えてます!」

 

「戦車は奮闘せよ!歩兵隊はこちらを気にするな!!APCの車載機関銃も幽霊を薙ぎ倒せ!!」

 

その瞬間だった。

目の前で戦う戦車2両が一瞬で擱座する

 

「前方に謎のデカイ物体が!!」

 

「ば、バルバラ……!?」

 

「バルバラって何!?」

 

無線内が一気に混乱する。

全員が1度距離を取るために機関銃を持つ両腕を全員で攻撃しながら遮蔽物まで逃げる。____が、さらに第七機甲大隊を絶望が襲う。

 

『大隊長!!先生が撃たれました!!』

 

「_____は?」

 

『急所は外れていますが出血多数!!』

 

「ほ、ほへ、歩兵小隊を今すぐに回せ!」

 

『もう回してます!青マスクです!青マスクが!!』

 

「それ以上言わなくていい。黙って任務を遂行しろ。」

 

『ひっ…!!』

 

ドスの効いた声で歩兵隊を指揮する者に命令する。

戦車隊の無線はバルバラについてで混乱しており、皆が口々に叫ぶ

 

『なんなんですかあれ!!』

 

『う、撃て!撃て!』

 

このままだと指揮系統は完全に崩壊して、救援隊としてきた主力隊まで殲滅される。それだけは防ぎたい。のでチハルが大きな声で無線機に話しかける。

 

「全員落ち着け!!何があってもあれを歩兵隊に向けさせるな!!第七機甲大隊の真髄を見せつけてやれ!我々こそが正義の盾となるのだ!行くのはヴァルハラだ!そこでもう一度落ち合い、共に笑い合おう!」

 

そう言うと運転士に前進命令を出し、泣きそうになりながらも運転士はバルバラへと向かう。

 

『だ、大隊長が!』

 

『1人にさせるな!行け!』

 

「総員!距離を保ちながら両腕を攻撃しろ!機関銃は下の幽霊を駆逐し続けろ!化け物は戦車砲のみで仕留める!」

 

まずは右腕を重点的に攻撃する。

かなりの速度で走りながらの攻撃なので、当たらないことはあるが、圧倒的練度で無理矢理それを命中させる。

 

何人か幽霊を轢いた気もするがまあいいだろう。

 

『大隊長!連中を捕らえました!』

 

程なくして、歩兵隊からアリウススクワッド捕獲の連絡か入る。

 

「よくやった!歩兵はAPCに乗って撤収しろ!戦車と共に格納庫まで逃げろ!」

 

『大隊長は!?』

 

「何とかやる」

 

『……ご武運を』

 

APCの1つが離脱する。

それを見届け、バルバラの片腕を動かなくする。

 

「全員!奴の頭を撃ち抜け!」

 

砲塔が旋回を始め、頭に狙いを定める。

砲塔が唸ると共に数十の榴弾がバルバラの頭に命中する。

 

その一撃は一撃と称するにはあまりにも重く、バルバラを吹き飛ばすことに成功。

 

配下のユスティナ聖徒会を蹴散らしてとうとう戦車隊も逃亡を始める。

 

先生は救急医学部に匿われたらしく、これ以上ここに留まる理由は無いので逃げおおせようとする。

 

(……いや、ゲヘナに恩でも売っておくか)

「まだ戦いたいやつはいるか!?」

 

『はい!大隊長!強い相手も好きですが弱いやつを蹂躙したいです!』

 

『おいバカ!すいません大隊長』

 

「そういうの好きだよ。着いて来たいやつだけついてこい!今からゲヘナに恩を売りに行く!」

 

一部の車両は逃亡ルートからは外れて、元が分からなくなった調印会場を練り歩いて困ってる人を助けてる題して

「恩の押し付け機動作戦」を展開する

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