死んだ装甲兵は忘れし神々の夢を見るか   作:てきだんへー

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ーーキヴォトスに来訪して以来、金の為仲間の為に彼女…エーリッヒ アーデルハイトこと山本チハルは戦い続けた。
犯罪者を裁き金を手に入れ、名声を手に入れ、しかしながら学園には所属しないそのフリーランスなスタイルはキヴォトスで人気の話となる。
それをよく思わない者もいるが、風紀委員会や正義実現委員会など治安維持組織にとっては仕事が減るので助かっているところもあった。

しかし、それは上層部に限った話であって所属している者の一部は自分達の自治区に勝手に入られて金銭目的で裁く、実質的な領事裁判権の強奪を強く嫌う者や、裁いたヘルメット団やヤンキーグループから逆恨みを買い奇襲されることも少なくなかった


第7戦車小隊長として

「戦車小隊、前進開始!」

 

この1年の間に、私の第7戦車小隊の志願者が計11名弱に達した。ティーガー戦車が2両のみと小隊としては少し心許ない気もするが、かっこいいし小隊と名乗ってもいいだろう。

 

全員元は半グレだったりヘルメット団だったりしたが、規律と仁義を叩き込み今は立派な軍人と化し、私のかつての戦車中隊の戦力の3分の1はあるだろう。歩兵もよく戦ってる。最近はヘルメット団や半グレ共が連合を組んで襲いに来たが歩兵達の活躍により跳ね返し、戦車の準備が間に合ったことが1番感動した。

 

勇猛果敢で知られるドイツの将兵もこのような活躍をできるものは少ない。

 

「本日は連邦生徒会にまた呼ばれている。恐らく先日の連合軍についてだが君達は気にしなくていい。のらりくらりと躱して来るよ」

 

「外でのんびり待っときますね」

 

前の世界の運転手の数倍は優れた能力を持つトウカがそう告げてくる。

端を見れば初期メンバーのヨネハや"2番戦車の戦車長に任命した"レト達が新しい新入り戦車隊の皆を教えながら談笑の花を開かせている

 

「あぁ。そうしててくれ」

 

そういうとトウカからコートを受け取って羽織り、連邦生徒会のドアをくぐり抜けて連邦生徒会長まで会いに行く。

エレベーターのボタンを人差し指で押しながら携帯電話を開く。

 

「この位置かな?」

 

記念ということで写真を撮っておく。

前の世界の常識からキヴォトスの常識に大分変えることに成功し、最近は自撮りを覚えた。

 

 

 

 

 

 

「失礼します、山本チハルです。」

 

ドアを3回ほど叩いて相手からの応答を待つ。

 

「入ってください。」

 

連邦生徒会長の声は街中で1度聞いたことがあるがまた別の声が聞こえてくる。どうやら秘書のようだ。

 

「失礼します。」

 

ドアを開けて入り2歩ほど入ったところで敬礼をする。党の敬礼だが、敬愛する人に敬愛していることを示す敬礼をしたところで何も問題では無い。

 

「って…七神行政官…」

 

「そこに座ってください」

 

「行政官、本日は一体どのようなご用件で?」

 

「あなたに生徒会長からの伝言があります。」

 

「な…何をですか?」

 

連邦生徒会長とは接点など全くない。強いて言うなら先程の通りかかった時に総出で敬礼をしたくらいだが……

 

楕円形の机に向かい合うように私は座り、七神リンは真剣な眼差しで私を見つめてくる。まるでレーザーでも出しているかのように。

 

「もうすぐ、キヴォトスの外からとある人物が来ます。」

 

「私に話して一体なにを?しかも、それは連邦生徒会長が言うべきなのでは?」

 

七神リンはどこか疲れ切った表情で告げてくる。しかし、そんなこと言われても何も知らない私は理解が追いつかず、質問攻め…ではないが、少しキツイ口調のようになってしまう

 

「あなたにこれを渡します。これがもし音を発せば、あなたはすぐにその場所に向かってください。以上です」

 

「ぎょ、行政官!文脈がゴタゴタ過ぎますよ!そ、そもそも、音を発せば向かえって一体どこに!?」

 

「それはその時になれば分かります。それでは」

 

七神リンはカツカツと音を鳴らしてドアを開けて立ち去っていく。

 

「ま、待ってください行政官!」

 

「それと……"それ"は肌身離さず身につけておいてください。」

 

なんか装置を貰ったのでとりあえず普段寝泊まりする戦車に提げておくことに決めてエレベーターのボタンを押して地上まで降りる。

 

「もうすぐとある人物…か…」

 

予言的な言葉に首を傾げながら小隊の元まで向かう。

 

「小隊長、話の内容は?」

 

「恐らく他言無用だと思うけど……ま、言ってもいいと思うから言うよ。まず、変な装置を渡された。爆弾みたいじゃなさそうだし音が鳴るみたい。そしてもうすぐとある人物がキヴォトスの外からやってくるらしい。」

 

新入りの子が質問してきて、それに話したことをざっくりまとめて返す。

こちらも分からないことだらけなので聞かれてもかなり困るのだが…

 

「了解しました。問題はありません。」

 

「とある人物って?」

 

「さぁ?」

 

私の戦車小隊は犯罪者を裁き、金の方へ流れる。ただの喧嘩なら雇われるし、治安維持組織ともぶつかることは少なくない。が、最近は何もすることがなくキヴォトスに平穏が訪れている。ついこの間まではゲヘナに行ってトリニティに行ってを繰り返していたが、連邦生徒会長の手引きの元エデン条約なるものが結ばれるらしく最近は双方の対立が落ち着いて収入源が少し減ってきている

 

「帰って寝るとしよう!」

 

「チハルさん…そんなんだから私達の中でも1番筋肉がないんですよ?」

 

「女の子に筋肉は必要ないと思いますー」

 

「その可愛い可愛い女の子に血反吐吐くほど腕立て伏せと腹筋させてたのはどこの誰!?」

 

「可愛いなんて言ってないですー自意識過剰もいい加減に…………いやごめんなさい…」

 

昔の第7もそんな感じだった。身分は私の方が上だが、皆からは揶揄われることなんてざらにあるような。

 

まるで昔のみんなが転生してきたかのように思える。

 

「ま、平和なのはそうですし私も寝たいですねー」

 

「起きる人皆で王様ゲームでもやろうよ!」

 

「いいね!やろやろ!」

 

次こそは全てを守り抜いて天寿を全うしてやる。

その決意を強く胸に秘めて深い眠りについた。

 

総統閣下、私はこちらでも幸せです。あなたは一体今何をしていますか?




現時点でヒナ達とは普通に話したり遊んだり()する仲で、ミカはゲヘナとの対立の際に共闘し仲良くなって連絡し合う程度の仲だと思っていただけると幸いです。
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