なんてことない普通の日になる…….はずだった。
その日は暇だったので二番車の戦車長のレトと共に戦車の外に出てキャッチボールを楽しんだ
「今日はいつもと比べて気味が悪い程静かですね」
「こういう日は決まって何か悪い事が起きるんだよな」
「嵐の前の静けさってやつですね?」
「その通り。レト、車内に戻って索敵だ。」
「了解ですチハルさん」
互いに車内に戻ろうとしたその時、チハルの戦車長席から嫌なブザー音が響く
「ち…チハルさん!」
余りに大きな音にチハルの搭乗する一号車は停止
運転士のトウカが耳を塞ぐ
「隊長これを!」
装填士が私に連邦生徒会から受け取った装置を投げてくる
音の原因はそれで、受話器のマークが赤く光っていた
なんでも押して損多やかましい音を止めようとその受話器のボタンを押し込む
「聞こえますか?チハルさん」
「行政官…やかましすぎますよこれ…」
「申し訳ございません。それより前にこの装置を渡した際に話したことを覚えていますか?」
「うん。場所は?」
この装置が鳴ったということは連邦生徒会が何か危機に見舞われているということ
七神リンに場所を聞き出す
「場所はサンクトゥムタワーの正面です。大量のスケバンやヘルメット団が屯していて現在交戦中です。至急来てください」
「いいけどお金は払ってよね」
「終わり次第送金します」
それだけ聞くと通話を切り、レトに連絡を送る
『レト見てる?』
『うん、見えてるよ』
レトにモモトークでサンクトゥムタワー制圧を命令する
『政権を揺るがす悪魔を焼き払うためにサンクトゥムタワー前の暴徒を鎮圧する。ついてきて』
了解と返事が返ってくる前にサンクトゥムタワーの方へ進み出す
「敵暴徒隊と…ミレニアムの会計と正義実現委員会の副部長、ゲヘナの風紀委員に…ヘイローを持たない民間人!?」
「トウカ、了解した。当てないように暴徒隊を貫く」
二両のティーガー戦車が砲塔旋回、照準を合わせる
「わざわざ噛ませ犬が出てきてくれたんだ!存分に噛み殺してやろう!行進射撃用意!!」
刹那二つの猛虎がその牙を剥き出しにして噛みつき始めた
先生視点
皆が必死に戦うが、余りの数の暴徒に戦局は均衡を保っていた。
私も必死に指揮はしていたが、直接的に支援できるものは無く、生徒達が少し前進しては撤退を繰り返していた
“みんな大丈夫!?“
「敵の数が多いですね…」
「一個中隊でもあれば話は大きく変わっていたのに…」
ユウカやハスミが嘆く。
「弾もあまり多くないですし…このままだと…」
スズミが残弾を確認しながら呟く。
リンは大丈夫だという顔をしているけど……
そんな時、突如として後ろからの砲音と、前方で2つの爆炎が巻き起こる
「第七戦車小隊、連邦捜査部シャーレと合流。七神行政官の指示を待つ」
「シャーレまでの道のりを確保してそこを防衛してください」
「了解」
予想していたかのようにリンはそう命令し、私達とは別の声がそれに対して承諾の旨を伝える。振り返るとそこには二両の猛虎戦車が堂々と佇んでいた
それらは止まることを知らず、速度も一切落とさず前進してくる
「皆さん、戦車が通るので横に避けてください」
「やぁ、先生…とやら。第七戦車小隊の小隊長 山本チハルです」
戦車のハッチから上体を出す彼女と目が合うとぺこりと一礼して過ぎ去っていく。
刹那もう一度虎が吠える。
「先生…なんでここに第七が?」
「まさか私達を殲滅しに来た…!?」
「私が要請しました。彼女達とはとある約束をしているので」
どうやらリンちゃんがあの戦車隊を呼び出したようだ。
「だ、第七戦車小隊って…?」
思わず聞いてしまう。元々ドイツに興味があり、軍事史などを学んでいたから覚えている。豪運によって何度も大きな戦果を挙げた第七戦車小隊…確か外の世界の昔のドイツにそのような部隊があったような……
「先生、話は後です。今は彼女達について行きましょう」
ハスミに言われて彼女達に前進を命令する。
「進んで!」
敵の混乱する声を聞きながら前進する
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