ルナリア大陸年代記 狼の章 〜鉄火の野望穿つ灰狼の牙 〜
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オリジナルファンタジー/戦記
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大陸歴669年。
未だ夏の残滓を引きずる大陸南方――スクトゥム王国に、北方の大国〈鉄の帝国〉が宣戦を布告した。
国境線で続いていた一進一退の攻防は、帝国の智将ヴィルヘルムが山岳地帯を踏破し、戦線後方の要衝を攻略したことで激変する。

王都防衛のため撤退する王国軍を尻目に、王国軍山岳旅団付き「補給」中隊――通称〈ヤマイヌ山賊団〉は、逆に北を目指して進路を取る。

わずかな手勢を率いながら帝国領へ突き進む、山賊団の指揮官――
一介の補給参謀にすぎない男・アルベルトは、不敵に笑う。

「た、隊長、ど、どうするんですかぁ……?」
「戦の基本中の基本をやるのさ。奴らがやられて嫌なことは、俺たちにはぜーんぶお見通しだろ?」
「ちげぇねぇ!」
「さすがは隊長、性根がひん曲がってやがる!」
「行くぞ野郎共! 帝国の連中に、一泡吹かせてやる!」

飢えた狼たちの、小さく細い牙が――
電撃戦でやせ細った帝国の兵站へと、深く食い込もうとしていた──。
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