安らかに眠れデュオ。

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R.I.P. Duo

 流石に勉強しなければマズい。そう危機感を持ったとき、私はデュオリンゴをすることを決めた。

 そもそもデュオリンゴとはなにか? という人もいるだろう。デュオリンゴとはあまり可愛くない鳥がアイコンでマスコットの外国語を学べるアプリ。インスタやティックトックで公式がとち狂った投稿をしていることで定評のあるアプリだ。

 

 私とデュオリンゴの最初の出会いはインスタであった。脳死でインスタのリールをスクロールしていたとき、ムキムキの緑の可愛くないギョロ目の鳥? がスマホの画面に現れた。最初は海外の面白系インフルエンサーかなにかだと思ってプロフィールを覗いた。まさか、勉強用アプリだとは思いもしなかった。これが私とデュオの最初の出会い。

 

 私はもともと『ELSA Speak』という英会話アプリを使っていた。とても、本格的な英語の発音を学べるアプリでいいと思ったのだが飽き性な私は1週間足らずで辞めてしまった。それから新しく始めたデュオリンゴ、どうせ1週間も経たないうちにやめるだろうと思っていた。

 

 その私の考えとは裏腹にデュオリンゴは意外にも続いた。続いた理由はなんとなくわかる。デュオリンゴは一日1分から3分、短いときは30秒ほどでレッスンが終わる。色々と英語学習アプリを試してきたがここまで早くレッスンが終わるものはそうない。それと、デュオがレッスンをするように毎日通知してくれる。そのおかげでレッスンをし忘れることを防いでくれていた。

 

 私とデュオによる共同学習は1週間、2週間、1ヶ月と続いていった。40日間連続記録の達成の際の演出を見て私は感極まる思いだった。継続力のない私が40日という長期間、毎日学習を続けていたというのは自分自身でも衝撃だった。

 

 最初は小学校6年から中学1年くらいのレベルの英単語。英語から逃げてきた私にとってはシャトルランと同じくらい過酷な難易度だった。英語学習の洗礼を改めて受けると同時に英語の面白さを知った。日本語とは全く文法が違う。非日常を味わっている気分だ。

 だが、それも日にちを重ねるごとに変わっていった。最初は一つのレッスンに2分ほどかかっていた私も2週間経つ頃には1分もかからずにレッスンを終わらせるほど進化していた。これから、私の止まっていた成長が改めて始まる、そう思った。

 

 しかし、そうではなかった。中学2年から3年くらいの難易度に上がった時、私の前に大きな壁が現れた……。それは過去形だ。ただえさえBe動詞、3人称などで頭がこんがらがった私にはあまりにも高すぎる壁だった。動詞の形が変わるのだ。ここで諦めてしまおうかと思った。

 

 でも、デュオはそんな私を見捨てなかった。毎日、レッスンを受けるように通知してくれたのだ。デュオは私が英語ができるようになることを信じてくれてる……。そう直感した。デュオの期待を裏切るわけにはいかない。私は再び自らを奮い立たせた。

 2週間に渡る死闘の末、私はついに過去形のレッスンをコンプリートした。その瞬間の達成感は異様なものだった。デュオと私の2人で勝ちとった勝利だった。デュオがいついかなるときも私を見捨てなかったおかげだ。

 

 それからも私はデュオとのレッスンを続けた。こんな日々がいつまでも続くと思っていた。

 

 けど、それも突然として終わった。スマホ買い替えたときだった。デュオリンゴの通知設定が切れていた。それと同時に私事が忙しくなったこともあり、すっかりデュオリンゴのことを忘れていた。気づけば最後のレッスンから3日が経っていた。私は広告でデュオリンゴのことを思い出し急いでアプリを開いた。

 だが、時はすでに遅かった。デュオリンゴはこの世から旅立っていた。『最多記録86日』という文字だけが画面に表示された。

 

 その日、私は誓った、デュオリンゴが教えてくれた英語学習の楽しさを忘れないと。

 

 英検をとるよデュオ。まずは3級から。見ていてね、デュオが私に教えてくれたこと……、絶対に無駄にしないから。

 

 ごめんデュオ。私はいまあなたのために学んでいない。今はただ英語学習が楽しい。

 安らかに眠っていて、そして、天国から見ていて私のことを……。


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