本編に行く前にできればあらすじを最後まで読んでいただけると助かります。
そして処女作になりますので注意事項としても書きましたが色々おかしい部分もあるかと思いますが暖かい目で見てくれると嬉しいです。
世界を焼くような輝きと共に、空間が裂けた。
天をも穿つ銀の閃光。その中心にいたのは、一人の青年の姿──いや、彼を“青年”と呼ぶのはあくまで人の尺度においてだ。
蒼銀の髪に金の瞳。涼やかな顔立ちは人間離れした美しさを持ち、それでいて不思議と親しみを感じさせる雰囲気をまとう。
リムル=テンペスト。
魔王にして、盟主。かつて異世界で国を築き、人魔を問わず多くの者に慕われた存在。
彼は今、“ありえざる”転移の渦に巻き込まれていた。
その原因は、ただ一つ。
──妖魔王フェルドウェイ。
歪んだ正義と執念を持つ男が、禁忌の時空魔法《クロノサルテーション》を発動したことに端を発する。
時空を超えるその魔法は、理すらも捻じ曲げ、リムルを既知の世界から排除した。
通常ならば、魂は崩壊し、存在は虚無へと還るはずだった。
だが、リムルには“神智核(シエル)”がある。
あらゆる魔法理論、次元論、存在解析を統括する究極の演算体。
《クロノサルテーションによる次元隔離を確認。退避処理を実行。》
その声と共に、彼の身体は光に包まれ、世界と世界の狭間を滑り落ちていった。
──そして。
眩い光の向こう側に、リムルは“新たな空”を見た。
◆
蒼天が広がっていた。まるで水晶のように澄み切った青。
視界の端には巨大な塔──いや、天に届かんとする白亜の巨塔が存在していた。
その根元には石造りの建築が整然と並び、人々が行き交っている。
どこか中世ヨーロッパ風の都市。だが、それだけではない。
肌に触れる空気に“魔力”が混じっていた。自然発生したものではない。秩序的で、まるで意図されたかのような流れ。
リムルはゆっくりと立ち上がり、周囲を見渡す。
彼が立っていたのは、都市郊外の草原だった。転移時の衝撃か、草が一部焼け焦げている。
《環境解析完了。魔力構造、言語体系、文明水準、既存世界との相違多数──ここは“別世界”です、リムル様》
「……シエル、状況報告を頼む」
《こちらは既知世界群とは異なる位相の独立世界。上位存在──“神”と呼ばれる存在が物理世界に直接干渉し、地上に降臨している模様です》
「……神が地上に? しかも普通に生活してるってことか」
《はい。さらに、住民の多くが“加護”という名の成長促進効果を神々から付与されているようです。魔力循環構造と連動してステータスを獲得し、スキルや魔法の顕現に影響しています》
「……RPGっぽいね。力を得て、神に導かれる……か」
リムルは空を見上げ、塔を見つめる。その名も知らぬ巨大な構造物。
(……あれがこの世界の中心か)
《補足:あの塔は“バベル”と推定。内部に“ダンジョン”と呼ばれる階層型異空間が存在し、魔石と呼ばれる資源の供給源となっています》
「……なるほど。この世界は“神々”と“ダンジョン”を中心に回ってるんだね」
リムルは一歩を踏み出す。
──かつて魔王と呼ばれた者が、新たな世界に降り立った瞬間だった。
今は力を抑え、静かに行動するべきだ。
この世界に無闇に干渉すれば、無用な混乱を生む。
だが、彼の存在はそれだけで“異質”だった。
街の人々の目に映るリムルは、どこか常人と異なる雰囲気を放っていた。
やがて彼は、都市の名を知る。
──オラリオ。
神々と人々が共に生きる街。
リムルの新たな物語は、ここから始まる。
そしてこの出会いが、後にオラリオ全体を巻き込む激動の序章となることを……この時、まだ誰も知らなかった。
少しでも面白いと感じてくれたら嬉しいです。