ご指摘頂いたモンスターの出現についてですが、修正を加えました。
ありがとうございます。
この後の展開も少しずつ修正する箇所がありますので、おかしくならないよう書き直ししますが、もしありましたらまた教えて下さると幸いです。
「ふぅ……」
朝靄が残るオラリオの街並みを、リムルはゆっくりと歩いていた。昨日のダンジョンでの実戦──ベルの初めての大きな戦果は、彼の胸に確かな自信の芽を植え付けたようだった。
(ベル、あれで少しは成長できたかな)
《観察結果:精神的成長を確認。戦闘能力の向上速度は平均値を超過しています》
(そっか。さすが、ベル君だね)
心の中でのシエルとのやり取りを終えると、リムルはひとつ息を吐いた。今日もまた、ダンジョンへ向かうつもりだった。が──
「リムルさーんっ!!」
背後から元気な声が聞こえた。振り返ると、ベルがこちらへと駆け寄ってくる。
「おはよう、ベル」
「お、おはようございますっ! その……あの……今日も、一緒にお願いできませんか!?」
昨日の成果がよほど嬉しかったのか、ベルは頬を紅潮させ、目を輝かせていた。
「もちろん。けど、無理はするなよ?」
「はいっ!」
そのまま二人は連れ立って、再びダンジョンへと足を向けた。
◆
第一層──昨日と同じ階層だが、今日はベルの動きが明らかに違っていた。
「はっ!」
短く呼気を吐きながら、ベルは《インパクトスラッシュ》のような動きでコボルトを斬りつける。リムルの助言に従って動きを観察し、的確に間合いを詰めていた。
「いい動きだ、ベル。昨日よりずっと落ち着いてる」
「ありがとうございますっ! なんだか、体が軽い気がします!」
モンスターの討伐も次第にテンポがよくなり、危なげない進行が続く。だが──
「うおっ!?」
突然、足元が崩れ、ベルが落ちかけた。
「ベル!」
リムルが影から伸ばした糸で彼の腕をつかみ、落下を防いだ。
「す、すみませんっ……!」
「油断しすぎるのもダメだぞ。調子がいい時ほど、足元をすくわれる」
「……はい!」
ベルは苦笑しながら立ち上がると、再びナイフを構えた。
◆
その日の冒険は大きなトラブルもなく終了した。
「今日は本当に……昨日より手応えがありました。リムルさんのおかげです」
「いや、お前自身の力だよ。俺はあくまで助言しただけだ」
「でも、やっぱりリムルさんがいてくれると、安心できるんです。何ていうか……うまく言えないんですけど」
「それでいいんだ。仲間がいるって、そういうことだよ」
その言葉に、ベルの目がわずかに潤む。
「……僕、もっと強くなりたいです。誰かを守れるくらいに。リムルさんみたいに……!」
「強くなれるさ。時間はかかっても、お前ならできる。だから──焦らず、でも諦めずにな」
その笑顔に、ベルは大きくうなずいた。
「はいっ!」
◆
その夜、ファミリアの小さな部屋に戻ったベルは、ベッドに身を投げながら天井を見つめていた。
(リムルさん……あの人は、いったい何者なんだろう)
強くて、優しくて、どこか寂しげで。
まるで、どこか別の世界から来たような──そんな、不思議な気配がする。
「でも、僕には関係ないか。僕が強くなりたいって思えるのは、あの人のおかげなんだから」
静かに目を閉じ、深い眠りに落ちていく。
リムルと過ごす日々が、確かにベルの中で何かを変え始めていた。