転界録:リムル・テンペスト オラリオ編   作:るにゃは

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自分の無知を恥じるばかりです。
ご指摘頂いたモンスターの出現についてですが、修正を加えました。
ありがとうございます。
この後の展開も少しずつ修正する箇所がありますので、おかしくならないよう書き直ししますが、もしありましたらまた教えて下さると幸いです。



第十話 冒険者としての一歩

「ふぅ……」

 

朝靄が残るオラリオの街並みを、リムルはゆっくりと歩いていた。昨日のダンジョンでの実戦──ベルの初めての大きな戦果は、彼の胸に確かな自信の芽を植え付けたようだった。

 

(ベル、あれで少しは成長できたかな)

 

《観察結果:精神的成長を確認。戦闘能力の向上速度は平均値を超過しています》

 

(そっか。さすが、ベル君だね)

 

心の中でのシエルとのやり取りを終えると、リムルはひとつ息を吐いた。今日もまた、ダンジョンへ向かうつもりだった。が──

 

「リムルさーんっ!!」

 

背後から元気な声が聞こえた。振り返ると、ベルがこちらへと駆け寄ってくる。

 

「おはよう、ベル」

 

「お、おはようございますっ! その……あの……今日も、一緒にお願いできませんか!?」

 

昨日の成果がよほど嬉しかったのか、ベルは頬を紅潮させ、目を輝かせていた。

 

「もちろん。けど、無理はするなよ?」

 

「はいっ!」

 

そのまま二人は連れ立って、再びダンジョンへと足を向けた。

 

 

 

◆ 

 

 

 

第一層──昨日と同じ階層だが、今日はベルの動きが明らかに違っていた。

 

「はっ!」

 

短く呼気を吐きながら、ベルは《インパクトスラッシュ》のような動きでコボルトを斬りつける。リムルの助言に従って動きを観察し、的確に間合いを詰めていた。

 

「いい動きだ、ベル。昨日よりずっと落ち着いてる」

 

「ありがとうございますっ! なんだか、体が軽い気がします!」

 

モンスターの討伐も次第にテンポがよくなり、危なげない進行が続く。だが──

 

「うおっ!?」

 

突然、足元が崩れ、ベルが落ちかけた。

 

「ベル!」

 

リムルが影から伸ばした糸で彼の腕をつかみ、落下を防いだ。

 

「す、すみませんっ……!」

 

「油断しすぎるのもダメだぞ。調子がいい時ほど、足元をすくわれる」

 

「……はい!」

 

ベルは苦笑しながら立ち上がると、再びナイフを構えた。

 

 

 

◆ 

 

 

 

その日の冒険は大きなトラブルもなく終了した。

 

「今日は本当に……昨日より手応えがありました。リムルさんのおかげです」

 

「いや、お前自身の力だよ。俺はあくまで助言しただけだ」

 

「でも、やっぱりリムルさんがいてくれると、安心できるんです。何ていうか……うまく言えないんですけど」

 

「それでいいんだ。仲間がいるって、そういうことだよ」

 

その言葉に、ベルの目がわずかに潤む。

 

「……僕、もっと強くなりたいです。誰かを守れるくらいに。リムルさんみたいに……!」

 

「強くなれるさ。時間はかかっても、お前ならできる。だから──焦らず、でも諦めずにな」

 

その笑顔に、ベルは大きくうなずいた。

 

「はいっ!」

 

 

 

◆ 

 

 

 

その夜、ファミリアの小さな部屋に戻ったベルは、ベッドに身を投げながら天井を見つめていた。

 

(リムルさん……あの人は、いったい何者なんだろう)

 

強くて、優しくて、どこか寂しげで。

 

まるで、どこか別の世界から来たような──そんな、不思議な気配がする。

 

「でも、僕には関係ないか。僕が強くなりたいって思えるのは、あの人のおかげなんだから」

 

静かに目を閉じ、深い眠りに落ちていく。

 

リムルと過ごす日々が、確かにベルの中で何かを変え始めていた。

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