【本編完結】黒死の蝶の唯一留まる花   作:SUN'S

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若返り事件 破

「遅いぞ。パピヨン!糸色、秋葉!」

 

「フン。愛を込めて名前を呼べ、津村」

 

「すみません。少々」

 

「仕度に手間取っておりました」

 

津村斗貴子の言葉に謝罪を言いつつ、キャプテン・ブラボーのために用意した子供服型シルバースキンを差し出す。効果はレプリカ同様の防弾及び防刃、瞬間的にシールドとして扱える特殊繊維を使用しています。

 

「ブラボー、実にブラボーだ!」

 

「賛さん、オレには!?」

 

「カズキ君は持っているでしょう?」

 

「くうっ、オレも着たかった…!」

 

すごく悲しそうに訴える武藤カズキの態度に「また新しく作ってあげます」と伝え、現在判明している相手の武装錬金の形状は投擲短剣(スローイングダガー)、能力は「生物の年齢操作」と仮定し、陣形を組む事を伝えます。

 

しかし、問題は遠隔操作型(ドローンタイプ)か自立起動型(オートタイプ)かです。

 

前者の場合は所有者は武装錬金を視覚できる範囲内を移動できます。そして、後者の場合は予め設定した様に攻撃を繰り返す。

 

「っと、出てきたみたいだよ」

 

銀成高校の校門を出ようとした瞬間、武藤カズキの足元から現れた黒色の投擲短剣に、みんなの視線は集まり、警戒心を強める。下校時刻を狙うとは、武藤カズキ達なら一般人を庇う事を想定して攻撃していますね。

 

「カズキ、足元にもう一本だ!」

 

「チッ、仕方ない!」

 

「剛太!?…………剛太…おじいちゃん…?」

 

ドンと武藤カズキを押し退けて、白色の投擲短剣を受けた中村剛太のくすんだ金髪は白髪に変わり、立派なお髭を生やしたお爺様に老化してしまった。

 

成る程、老化に掛かる時間は凡そ5秒ですね。白髪の私に視線を向け、私達は狐の尻尾を伸ばして戦えない後輩であり、武藤カズキの友人を守る陣形を組む。

 

「ありがとう、剛太。武装錬金ッ!!」

 

ヴィクター・パワード化していない頃の大きな突撃槍の武装錬金「サンライトハート」を起動した武藤カズキは飾り布を振り、エネルギー状の円陣を作り、瞬時に反応して二対一体の白黒の投擲短剣を弾く。

 

「賛(さん)、お前の右側にも見えるぞ」

 

「捕まえました」

 

「流石は白髪の私です」

 

そう伝えながら私の方にも飛んできた黒色の投擲短剣の柄を握って受け止める。二対一体ではなく、四対一体?と怪しんでいたとき、私達を取り囲むように投擲短剣が増えていきます。

 

「ホウ。向こうは二人組の様だな。賛(ほまれ)、見える範囲で構わない。掴んだ短剣を投げつけろ」

 

「畏まりました。白髪の私、あとは任せます」

 

「承りました」

 

私は尻尾を戻して一斉に降り注ぐ短剣を槍で弾き、往なし、見える範囲に跳ね返していたとき、武藤カズキの近くに不自然に現れた投擲短剣が津村斗貴子の背中を貫く光景を目撃しました。

 

「(広範囲に及ぶ操作能力、マスター・バタフライ様とドクトル・バタフライ様の持つ金属薄片(チャフ)の武装錬金に酷似した能力────)」

 

「名付けるなら『ミラーアリス』だろうな。そして、能力は『鏡像の投影』と言ったところか。賛(ほまれ)、賛(さん)、後は武藤と津村に任せておけ」

 

その言葉に槍を縮めてスカートの中に戻し、白髪の私は尻尾を戻して、お坊っちゃまの傍に寄り添い、無数に増える投擲短剣を見据える。

 

「津村さん、此方をお使い下さい」

 

「──今だけ感謝してやる。武装錬金っ!!」

 

津村斗貴子は小さな子供の姿のまま四本の駆動肢を持つ処刑鎌(デスサイズ)の武装錬金「バルキリースカート」を展開し、武藤カズキと背中合わせのまま百本を越える投擲短剣を切り落とす。

 

流石は、私の好敵手です。

 

 

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