白い犬   作:一条 秋

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 今回から光秋とアヤの同居が本格的に書かれますが、同時にようやく光秋らしさが出てくる回でもあります。どういうことかは読んで確かめてください。
 では、どうぞ!


13 穏やかな日々

 7月3日土曜日午前7時。

 食事等を済ませ、白い半袖のTシャツと緑の長ズボンを着た光秋は、アヤの部屋の前に立ってドアを2回ノックする。

「アヤ、光秋だ。入るぞ」

言うと光秋は、左手をズボンの左腰のポケットに伸ばして鍵を取り出し、開錠して丸ノブを回し、ドアを開ける。

 玄関でサンダルを脱いだ光秋は、中に入ってすぐ左に風呂場がある廊下を進むと、居間との仕切りであるピンク色のカーテンに左手を掛ける。

「アヤ、開けるよ」

と言ってカーテンを左にずらす。

 と、

「!」

驚いたのも一瞬、光秋はすぐにカーテンを閉め直す。

―油断した!そうだよ、充分考えられることだった!―「ごめんアヤ。なにも言わなかったからさぁ……」

カーテンに背を向け、右手を頭に置いた光秋は、軽い自省を覚えながら言う。

 が、今見た上半身裸のアヤの背中、その綺麗な黒い肌は、なかなか脳裏から離れない。

―……羞恥心も覚え直し、か……―

 と、背後のカーテンが開く音を聞き、光秋は振り返る。目の前にはピンクのワンピースを着たアヤが、顔を少し上げて、不思議そうな表情をして光秋のすぐ前に立っている。

「……コーシュー?」

「あぁ、いや……ところで、朝ご飯なにがいい?」

「パン!」

「わかった、ちょっと待ってて」

元気な注文に応じた光秋は、朝食を作るために自室へ向かう。

 

 アヤがトーストと牛乳、光秋が慣れない手で剥いたリンゴの朝食を終えると、光秋は戸松教授の作成した指導の説明書に従って、アヤに文字の読み書きを教え始める。

「これが『あ』だ。いいかい、『あ』」

アヤの部屋の中央にある脚の短い丸テーブルに画用紙を置き、その中程に黒いクレヨンで大きく「あ」と書きながら、光秋は左側に座るアヤに説明する。

「…………あぁ……」

「そう、『あ』。書いてみて」

そう言って光秋はアヤにクレヨンを渡し、自分が書いた字の下辺りを右の人差し指で指す。

 右手でしっかりとクレヨンを持つアヤは、若干先端が震えながらも、見事に大きく「あ」と書いてみせる。

「あ!」

「そう、これが『あ』」―初めてなのに、かなり上手い!説明には、『何らかの形で知的刺激を与えれば、そこから連鎖的に知能が回復するはず』とあったが?……―

 光秋がそう思う間に、アヤは、

「い!……う!……え!……お!」

と、紙の左側の空白に自分から書いた字を読み上げる。

「!……そう!そうだよアヤ!」―こういうことか!―

光秋は微笑みながら右手でアヤの頭を撫で、アヤも笑顔を返す。

 

 30分程でひらがなを一通り終えると、光秋とアヤは気分転換と運動を兼ねて小屋の近所の草原の散歩に出る。

―この周辺も、合衆国政府の直轄地だと教授から聞いた。自然保護を名目に、こういう土地が散在していることも……なるほど、見事なもんだ―

強い日差しの下、迷彩柄の小さい丸帽子を被った光秋は、周囲の開かれた草原と、ここからは青く見える遠くの山々を見ながら思う。

 と、自分の左肩に両手を添えて浮かびながら進む、薄ピンクのツバの大きい帽子を被ったアヤを見る。

「アヤ、ちゃんと歩いて進みな。そうしないと『散歩』にならない」

「はーい」

 素直に応じたアヤは、ゆっくりと地面に両足を着け、ピンクのサンダルを履いた足で歩きだす。ただ両手は、光秋の肩に添えたままである。

―にしても、なにからなにまでピンク尽くしかぁ……研究所の人たちが用意したと聞いたが……似合ってるからいいものの、ワンパターンというか……―

目の前のアヤの服装と部屋の布物全般の記憶から、光秋はそんなことを思う。

 しばらく歩くと、2人の前に森林が広がり、その内の根元が座り易くなっている樹の下に腰を下ろす。

「かなり歩いたなぁ」

光秋は、日陰の中でそよ風の涼しさを感じながら言う。

「ちょっと疲れたぁ」

左隣に座るアヤが、脚を伸ばしながら言う。

「少し疲れるくらいが、案外ちょうどいいんだよ。その分、お昼も美味(うま)くなる」

「ホント?」

「君の疲れ次第」

「じゃあアヤ、帰り走っていく!」

「いやいや、そりゃ疲れすぎだよぉ。夏はあんまり、明るい内は騒がない方がいい」

「ナ、ツ?」

「こんなふうに、暑い季節のことを『夏』っていうんだよ」

「暑いの嫌い」

「そういうわけにもいかないよ。暑いからこそ、いいこともあるんだし」

「どんな?」

「例えば……アヤや僕が毎日食べてる米。あれは、今暑い時に、どんどん成長して、夏の次の季節、『秋』には、僕らが食べる様なあんな形になるんだ。もし今涼しかったりしたら、米がなくなっちゃうかもしれない」

「それはヤッ!……じゃあ、暑いの我慢する」

「……にしても、アヤに会えて、僕はよかったかもしれない」

「どうして?」

「こんな所に来られたからだよ。ここは、全部が全部じゃないが、故郷(くに)を思い出す」

「ク、ニ?」

「『ふるさと』とも言うな。自分が生まれた場所だよ」

「自分が、生まれた場所…………」

言うとアヤは、少し顔を俯ける。

―……変なこと思わせちゃったかな?―

 そう感じた光秋は、アヤの気を取り直すことも兼ねて話題を変える。

「なにより、こんな広くて静かな所に来ると、世界について色々考えたくなる」

「セカイ?」

アヤが顔を上げて言う。

「君や僕、他にもいろんなモノがある、目の前に広がっているもの、とでも言えばいいのかな?人によっては、『宇宙』って言う人もいるけど」

「ウチュー……」

「まぁとにかく、今見てる目の前の景色とか、どこからか聞こえてくる鳥や虫の声、風の音とか、肌で感じる風の涼しさ、日の光の暑さとか、草や樹の独特の匂いとか、そういった、体で得られた情報から、人は、いや、生き物は、世界を認識するんだろう。それを僕は、『知感(ちかん)』って呼んでるんだけどね」

「ふーん……」

光秋が目を横にやると、アヤは難しそうな顔をしている。

「……ちょっと、難しすぎたかな?」

「うん……」

「ま、今すぐ全部解からなくてもいいよ。ただ、とりあえず聞くだけ聞いておいて欲しい。なにかの役に立つかもしれないから」

「……うん」

「それじゃ。さっき、世界を、色んなことを感じるのが知感だって言ったけど、でも、1人が一度に知感できることなんて、世界のほんの一部なんだろう」

「……どういうこと?」

「例えば僕らは、今目の前の草原や山は見ることができる。でも、こうしてる間にも、僕らの見えない所では、すごく悲しんでる人がいるかもしれない。逆に、すごく幸せを感じてる人がいるかもしれない。でも僕らはそれを知らない。いわゆる、『知感の限界』だね」

「……なんか、大変そう」

「だな。でもだからこそ、こうやって外に出て、いろんなものを感じたり、他の人と話し合って、足りない知感を補い合わなくちゃいけのかもしれない。それ程に、世界は広い……と、偉そうなことを言ってるけど、実際の僕は、人付き合いが苦手な(たち)質だ」

「ふーん?」

 と、アヤが返事をした直後、

「!コーシュー!」

と、アヤは左腕を見ながら驚いた声を上げる。

「ん?」

光秋が右手でアヤの腕を引いて見てみると、手首の近くに赤い腫れを見つける。

「あぁ、こりゃ蚊だな。そうだ、そういう季節だった」

「カぁ?アヤ、病気?」

「いや、蚊っていう虫がいて、それに刺されるとこうなるんだ。小屋に薬があったから、それ塗れば治るよ」

「……なんかかゆい!」

「じゃあ速く帰って塗ろう。ただかゆいからって、無暗にかかない方がいい。かえって酷くなる」

「んーん!」

アヤがそう言ったのを最後に、2人は立ち上がって前に歩み出す。

 

 小屋に戻った光秋とアヤは、薬塗りを済ませて、光秋手製のチャーハンの昼食をとり、文字教育を再開する。

 午後1時から始めて30分程でカタカナを一通り終えると、簡単な漢字の書き取りに入る。

 休憩を挟みながら4時まで書き取りを行うと、光秋は一息ついて、夕食の調理を行う。

 大皿一枚に盛った野菜炒めと、作り置きのご飯とみそ汁の夕食をアヤの部屋で2人で食べると、光秋は食器等の片付けを行い、アヤは風呂に入る。

 片付けを終えた光秋がアヤの部屋を訪ねると、ピンクチェックのパジャマに着替えたアヤが、居間の床に寝むそうな目をこすって座っている。

「眠いのか?」

光秋が尋ねる。

「……うん」

アヤが答えると、光秋はズボンの左の脚ポケットから携帯電話を取り出し、画面を開いて時計を見る。

―7時ちょい前……ちょっと頑張らせすぎたかな?……散歩かな?―「眠いんなら、無理せず寝た方がいいぞ」

「でも……」

「やりたいことがあるなら、今日寝て、明日ゆっくりやればいいよ」

「……じゃあコーシュー、アヤが寝るまでここいて!」

「あぁ」

光秋が応じると、アヤは廊下側に立つ光秋には右側にある柵付きのベッドに入り、ピンクのタオルケットを掛けて玄関側を頭にして横になる。

 光秋がベッドのそばに腰を下ろすと、1分とせずにアヤは寝入ってしまう。

「おやすみ、アヤ…………」

アヤの額を軽く撫でながら、光秋は小さな声で言う。

 

 7月4日日曜日午前9時。

 小屋の前に停まった黒い公用車の後部右口から現れた白衣姿の戸松教授を、灰色の半袖に茶色の長ズボンを着た光秋がアヤの部屋の前で出迎える。

「おはようございます」

「おはよう。早速だが、アヤの様子は?」

「体調はよさそうです。今朝もちゃんと食べてましたし……能力や人格の方は、まだはっきりとした変化は……」

「いや、そういうことではなくて……」

―?……あぁ。なるほど―「定期検査のことは今朝の内に知らせましたし、機嫌もいいです。初めてお会いした時の様なことには、なり難いかと」

「……そうか……」

 戸松が浮かない顔で応じると、光秋は右に退いて左手でドアを指し、教授とその後ろの黒い医療カバンを持った白衣2人を部屋に通す。

―また壁に叩き付けられるのを恐れてるか。わからんでもない、が……―

白衣たちに続いて部屋に入った光秋は、その背中たちに理解を示しながらも、煮え切らない自分を自覚する。

「アヤ、おはよう。久しぶりだね」

「おはようございます……」

戸松の挨拶に、居間に腰下ろしたアヤが光秋から教えられた通りに応じると、教授は手を振って2人の白衣にカバンの中のノートパソコンと帯状の機器を設置させる。

 パソコンをテーブルの上に、それと数本の線で繋がっている帯状の機器をアヤの額に設置すると、2人の白衣はそれぞれの電源を入れ、1分程して戸松を含む3人は、パソコンの画面を注意深く眺め始める。

―脳波の測定か?―

居間の手前に立ってその光景を見る光秋は、教授たちの行動をそう推測する。

 と、近くで車のエンジン音とその停車音が聞こえたかと思うと、

「加藤三曹ですか?」

と、後ろから呼び掛けられる。

「はい?」

言いながら光秋は振り向き、玄関先に灰色のツナギと帽子を着た男性の姿を認める。

「補充品の確認と、サインお願いします」

―あぁ、そうだった!―「はい」

応じながら光秋はツナギの許に歩み寄って、グリップボードに留められた「水」、「洗剤」などの品名と量が書かれた補充品の一覧表に目を通し、右手でボードに付いているボールペンを持って表の右下に「加藤 光秋」とサインをする。

 ボードを受け取ったツナギが表の確認をする間に、光秋はツナギの合間に目をやり、戸松たちの公用車の後ろに停まるコンテナ状の荷台を持つ2台のトラックと、そこから多数の段ボール箱を運び出すツナギたちの姿を見る。

 玄関先に着いたツナギの1人が、

「これ、どちらに?」

と、右側から両手で抱えた段ボールを顎で指しながら尋ねると、光秋は、

「玄関先に並べておいてください。あとはこっちでやります」

と返す。と、今度は左から、

「貯水タンクはどこです?」

と、両手に白い大容量のポリタンクを持ったツナギに尋ねられると、光秋は外に出て小屋の左端に移動し、右手を小屋の裏側へ伸ばし、

「この裏の、白い丸いやつです」

と応じる。

 ツナギが一礼して裏に向かうのを見送ると、光秋は振り返って作業が続くトラックを見る。

―急造工事で水道が引けず、僕が運転できなきゃ町に買い物にも行けず、結局ESOの補給網を利用するしかない、か……この人たちには、ここで何が行われているか知らされてないだろうし、忙しくてその好奇心も湧かんだろうなぁ……都合、ボードの兄ちゃんと、段ボールの兄ちゃんと、ポリタンクの兄ちゃんの3人だけだし―

 と、光秋がそこまで考えると、

「加藤三曹?」

「!」

右からボードを右手に持ったツナギに呼び掛けられ、光秋は顔を向ける。

「補充品の受け取りは確認しました。何か持って行く物は?」

「……いえ、今回はけっこうです」

「わかりました」

 ツナギが答えたところで、

「荷物の搬送、完了しました!」

「水の補充、完了しました!」

と、2人のツナギが駆け寄って報告する。

「了解。では加藤三曹、我々はこれで」

「ありがとうございました」

 光秋の一礼を後ろに、3人はそれぞれトラックに乗り込み、普通車より若干時間を掛けてUターンをして来た道を引き返して行く。

「……補給は終わったのかな?」

アヤの検査を終えたのか、玄関先に立つ教戸松の声に、光秋は体を後ろに向ける。

「はい。そちらは?」

「微々たるものだが、回復には向かっている様だ。君の尽力に感謝するよ」

「僕は大したことはしていません。教授の説明の通りにやってるだけですよ」

「君だからこそ、彼女にそういうことができるのだよ。現にさっきやっと、能力測定もできたのだからな。君が躾けてくれたおかげか、無闇に壁に叩き付けられなくなった」

「それは言ったじゃないですか、初めてお会いした時の様にはなり難いと」

「そうだが……それによると、彼女のサイコキネシスはレベル(セブン)だそうだ。君も気を付けてな」

 そう言うと教授は、医療カバンを持った2人の白衣を従えて車に戻り、来た道を引き返して行く。

―レベル7……確かレベルは9段階だから、9中の7。かなり高いな―

教授たちの車を見送りながら、光秋はそんなことを考えてみる。

 と、

「コーシュー?」

いつの間にか玄関先に立っていたアヤの声に、光秋は振り返る。

「ん?」

「先生と、なに話したの?」

「いや、別に……それより、傷まない内にこれ片付けちまおう」

言いながら光秋は、右手で玄関脇に積まれた段ボールを指す。

「はーい」

アヤが応じると、2人は段ボールを光秋の部屋に運び込み、フタを開けて中身を仕分けする。食品は冷蔵庫に、洗剤は洗濯機や台所水盤のそばに、石鹸類は風呂場に、と、物をあるべき場所に置いていく。

 その作業を一通り終え、玄関近くに開いた段ボールを重ね置きした光秋が居間に戻ると、

「?……」

居間の中央に、未開封のまま置きっぱなしになっている中規模大の箱を1つ見つける。

「いかん、1つ気付かなかったか」

言いながら光秋は箱に歩み寄り、テーブルの上のハサミで封を切る。

 光秋はハサミをテーブルに戻し、フタを開けると、

「?」

「なに?」

アヤが光秋と向かい合う位置に腰を下ろして箱の中を見る。2人の視線の先には、縦に並べ詰めされた4冊の薄い本と、その上に四つ折りの白紙が乗っている。

 アヤが紙を取って開くと、光秋はそれを手紙と理解する。

「『アヤちゃんの』……これなんて読むの?」

アヤから差し出された手紙を左手で受け取った光秋は、右手でメガネを軽く前にずらして続きを読む。

「『助けになると思うので送らせていただきます。ご利用ください。横尾 富美子』……横尾中尉から?」

 言うと光秋は、一番手前の1冊を出して表紙を見てみる。

―……『かぐやひめ』?―

そこには愛嬌のある平安女性の絵と、上の方に大きい字で「かぐやひめ」という題名が印刷されている。他の3冊も出してみると、「ももたろう」、「シンデレラ」、「いっすんぼうし」、と、いずれも絵本である。

―『助けになる』?…………!―「そうか絵本かぁ!確かにこれは……」

「エ、ホン?」

「本っていうのは、お話や自分の伝えたいことを字で書いて、こんなふうに束ねた物のこと。絵本っていうのは、それに絵を加えた物のことだよ。確かに、これなら助けになる!」

「なんで?」

「これなら、楽しみながら言葉の勉強ができる。なにより、本自体面白いと思うぞ」

「ふーん?」

解からないという顔をしながらも、アヤは試しとばかりにパラパラと本をめくってみる。

 それを見ながら光秋は、

―表をちゃんと見なかったから気付かなかったんだな。しかし本かぁ……確かに、これは使える。中尉には後でお礼を言っとかないとなぁ…………―

と、先日会った横尾の顔を思い浮かべる。

 

 7月5日月曜日午前10時50分。

 白地に赤と青の線模様が描かれた半袖のワイシャツに緑の長ズボン、迷彩柄の帽子にサンダルを着た光秋は、白い半袖のワイシャツに黒い長ズボンを着たタッカー中尉の運転する車の右助手席に数冊の本が入ったビニール袋を膝に抱いて座っている。

「なぁ、ジャップ……」

左の運転席でハンドルを握るタッカーが言う。

「はい?」

「ちょっと気になることがあるんだが……」

「なにか?」

「お前さ……アヤと、伊部二尉?……のことを、ゴッチャに見てないか?」

「?…………」

予想外の質問に、光秋は束の間返事に困る。

「…………沈黙は肯定の証、と取っていいのかな?」

と言うタッカーに、光秋は、

「そんなことは!……」

と、少し強い調子で返す。

「……それは、中尉の感じ過ぎじゃ?」

とも付け加える。

「バーカ、鈍感にパイロットが勤まるか。少なくとも俺は、自分は繊細な奴だと思ってるよ」

と、タッカーは静かに返す。

「「…………」」

2人の間に、沈黙が横たわる。

 

 しばらくして、タッカーの黒い乗用車は光秋とアヤが住む小屋の前に停車する。

 シートベルトを外した光秋は、タッカーの方を向き、

「今日はありがとうございました」

と、軽く頭を下げる。

「気にすんな。どうせ非番で暇だったからな」

と、中タッカーは軽い調子で返す。

 光秋は袋を持って右のドアから降りると、

「よろしければ、お茶でも飲んでいきませんか?」

と、ドアの間から尋ねるが、

「いや、遠慮しとく」

と、タッカーはすぐに断る。

「そうですか?」

「2人きりの愛の巣に単身で乗り込むほど、俺はバカじゃないんでな」

「え?」

「さぁ、速く行った行った!」

タッカーの言葉に、光秋はすぐにドアを閉め、数歩下がって車から離れる。

 光秋が距離を取ったのを確認したタッカーは、車をUターンさせて来た道を戻って行く。

 それを見送る光秋の心中は、少しザワついている。

―……『アヤと二尉をゴッチャにしてるんじゃないか?』、『二人きりの愛の巣に』……僕は、ちゃんと()()を見てるのか?ただその姿に、()()()()の面影を見てるだけじゃないのか?―

すぐに答えの出せない自問を振ると、光秋は振り返って小屋へ向かう。

―確かに、今目の前にいるアヤを見ず、早く伊部法子に戻って欲しいって感じることは、あるな…………―

 歩きながらそれだけははっきりさせると、光秋はアヤの部屋の前で立ち止まる。

「…………」

1回大きく深呼吸をして気持ちを切り替えると、右手でドアを2回ノックする。

「アヤ、ただいま」

言うと光秋は鍵を開け、ドアを開ける。

 と、

「おっかえり!」

「!……」

ピンクのワンピースを着たアヤが跳びかかる様に抱き付き、光秋は後ろに吹き飛ばされそうな体をなんとかその場に押し留める。

「寂しかったぁ!」

光秋の胸に顔を付けて甘えるアヤに、光秋は右手で頭を撫でる。

「ごめんごめん。アヤの本を買ってきたんだが、待たせちゃったな」

「本?」

光秋の言葉に、アヤは顔を上げて嬉しそうな表情を向ける。

「あぁ、これ」

答えながら光秋は、アヤの体を少し離して左手の袋を差し出す。

「!……コーシュー!ありがとう!」

袋を受け取ったアヤは満面の笑みで言い、両手で袋を抱えて居間へ駆けていく。

 その背を見ながら、光秋は思う。

―そうだよ。今回の買い物にしたって、アヤが喜ぶと思って……少なくとも、アヤと二尉をゴッチャには見ていない!……なら、もう少し目の前のアヤのことも、考えてやるべきか…………―

 

 7月10日土曜日午後6時。

 コンコンという自分の部屋のドアがノックされる音に、白いTシャツに薄黄色の長ズボンを着た光秋は、

―来たな―「はーい」

と返して玄関に歩み寄り、ドアを開ける。

「オッス!加藤。おじゃましまーす」

赤い半袖のワイシャツに茶色い半ズボンを着た竹田二尉がビニール袋を持った右手を上げて中に入ると、その後ろから青い半袖のワイシャツに茶色い長ズボンを着た上杉、

「よう!」

白い半袖のワイシャツに黒い長ズボンを着たタッカー、

「ジャマするぜ」

緑の半袖のTシャツに青いジーンズを着た横尾が続く。

「こんばんは」

いずれも手にビニール袋を持っている。

 4人に続いて光秋も居間に向かうと、先に4人に混ざって丸テーブルの廊下側に腰を下ろしているアヤの右隣に座る。

 と、

「ごめんなさいね。アヤちゃん大勢が苦手なのに、こんな人数で押し掛けて」

と、アヤの左隣に座る横尾が、アヤを見て言う。

「大丈夫、です……」

とアヤが気恥ずかしそうに応じると、光秋が、

「今日の小パーティのことは、昨日竹田二尉から連絡をいただいた際に言ってあるので。それに、たまには僕以外の顔を見るのも、刺激になるでしょうし」

と、付け加える。

「それはよかった」

と、横尾はホッとした顔で応じる。

 「よくねぇよ!まったく」

タッカーを挟んで光秋の右隣に座る竹田が、袋から食品用のトレーや大き目のペットボトルを出しながら、半ば愚痴る声で言う。

「昨日の夜加藤に電話した後、掛け直してきてこいつも来るって言うから……それさえなきゃ……」

目を左にやった竹田は、タッカーを見ながらそう続ける。

「こっちだって、横尾中尉を誘ってちょっと遊びに行こうと連絡したら、あんたに先越されてて仕方なく……」

不満そうな目を竹田に寄こしたタッカーが返す。

「まーまー、今日は喧嘩はなしで、楽しく行きましょうや」

竹田の右隣に座る上杉が、6つの紙コップにウーロン茶を注いで各々に配りながら言う。

 「ところでよう、加藤」

竹田がウーロン茶を一口すすって言う。

「こないだ、お前買い物に出た時、送り迎えこいつに頼んだそうだな?」

そう言って竹田は、左の親指でタッカーを指す。

「はい?」

光秋が答えると、

「オレという奴がいながら……」

と、不満の籠った声を出す。

「そう言われても、ニ尉はその日仕事でしたし、対して中尉は非番だと聞いてたので……」

「そうだがよー……」

そう言うと竹田は、右手に持った割り箸でトレーから2、3の品を紙皿に取ってそれを口に運ぶ。

 「ところでアヤちゃん、その服なかなか似合ってるな」

上杉が紙コップを右手に持ちながら言う。

「ありがとう、ございます……」

と、アヤがぎこちなく返すと、光秋は、

「僕もなかなかいいとは思うんですが、なにぶん布物は全部こんな色ばっかで、違う服も、着せてやりたいんですがねぇ……」

と、以前から思っていたことを口にする。

「買い物に連れて行ってあげたら?休みの日なら私が車出すけど?」

「そう思うんですが、街へ行くことを、戸松教授が許可してくれるかどうか……」

横尾の問いに、光秋はそう応じる。

「アヤちゃん、レベルいくつだ?」

「7です」

上杉の質問に、光秋はそう答える。

「7?かなり高いな!……でも一応、アクセサリー付ければなんとか……」

「「アクセサリー?」」

上杉の言葉に、光秋とアヤは同時に聞き返す。と、タッカーが、

「『リミッター・アクセサリー』、超能力抑制機のことだよ。お前知らないのか?」

と、少し驚いた調子で説明する。

「こいつ、機械に疎いんだよ!」

と、竹田がすぐに光秋を指さして言う。

―そうだ、タッカー中尉には、僕が異世界人ってこと言ってない!というか言えないんだよな、機密の内だから……が、『アクセサリー』……要するに、Eジャマーの個人版か?……Eジャマー、か……―

その単語に光秋は、雨の中、首から血を噴き出して倒れる伊部の姿を思い出す。

「……加藤?」

「!……あ、はい!」

上杉の呼び掛けに、光秋はハッとし、我に返る。

「これだよ、アクセサリー」

言いながら上杉は、右手で服の中に隠れていた円形の首飾りを出す。

「……!」

それ見て光秋は、アヤと初めて会った日に上杉が同じ物を首に提げていたこと、上杉と初めて会ったタッカーがその首飾りをチラッと見たことを思い出す。

「これが?」

「横尾中尉も付けてるぞ」

と言う上杉の言葉に、光秋が横尾に目をやると、横尾は左手を上げて手首の腕輪を見せる。

「中尉も?」

光秋の驚きに、横尾は、

「あれ、法子や竹田二尉から聞いてない?私、レベル(ファイブ)5のテレパスだけど?」

と、首を傾げて応じる。

 それを聞いて光秋は、

「初耳ですが……とにかく、それを付ければアヤの能力も抑えられて、人前に出ても大丈夫だと言えると?」

と、話を本題に戻すと、上杉が、

「完全ってわけにはいかないな。タッカー中尉が言ったように『抑制機』と言っても、最高出力でも4つまで落とすのが限界だ。ただ、それで実質レベル(スリー)だから、今のまま丸腰でっていうよりは話が通り易いかもな」

と応じる。

「よかったら、私が今度適当なの買って送るけど?」

と言う横尾の言葉に、

「それに、行くんなら行くで、オレと上杉も付き合うぜ?」

「オレもっすか?」

と、竹田と上杉が続き、

「あんただけに任せられるか!俺も行く!」

と、タッカーも続く。

 と、

「ありがとうございます。ただ……」

言うと光秋は、ゆっくりとアヤの方に顔を向け、

「アヤ、お前はどうしたい?」

と、静かに尋ねる。

「アヤは…………知らない人がいっぱいいるとこ、嫌い…………でも……コーシューや、横尾さんたちが一緒なら……我慢できる、かも……」

「行くかい?」

光秋の問いに、

「…………行く!」

アヤははっきりと答える。

「よーし、じゃあ、来週の休みはどうだ?」

竹田のその言葉をきっかけに、6人は食べながら詳しい予定を協議し始める。

 

 午後9時。

「この調子じゃあ、伊部に戻るのも早いかもな。じゃあな、2人とも」

玄関先で振り返った竹田が、左手を上げ、少し機嫌のいい声で言う。

「はい、お休みなさい」

左手にアヤを従えた光秋が応じると、竹田はドアを閉め、タッカー等3人が待つ車に向かう。

 車のエンジン音がある程度遠ざかると、光秋とアヤは振り返って、パーティの片付けが済まされた居間に腰を下ろす。

―来週の土曜日、17日かぁ……―

と、光秋が出かけの日程を確認すると、

「コーシュー」

と、左からアヤが話し掛ける。

「ん?」

「タケダさんたち、なんでコーシューのこと『カトー』って言うの?コーシューはコーシューでしょ?」

「あぁ。加藤って言うのは、僕の名字だよ」

「ミョージ?」

「なんて言ったらいいかなぁ?……つまり、どこの家の者かっていうのを、はっきりさせるために付けるものなんだけど……アヤには、ちょっと解かり難いかな?」

「アヤには、ミョージないの?」

「ないけど…………そうだ!僕が付けよう!」

と、突然思い浮かんだことを声にした光秋は、アヤの返事を待たずに速足で玄関へ向かい、アヤの部屋から画用紙束とクレヨンのケースを持って戻ってくる。

 テーブルに束とケースを置いて座ると、光秋は左に置いた束から紙を1枚取って自分の前に置き、右前に置いたケースから右手で黒いクレヨンを取って紙に大きい字を縦書きする。

―戸籍登録するわけじゃなし。『アヤ』って名前も、これが大多数だろうし、いいだろう……本来は筆と墨で書くものだが、それも仕方ない……―「できた!」

言うと光秋は、紙を持ってそれを左に座るアヤに見せる。

(あや)、これがお前の名前だ!」

 そう言って光秋が見せている紙には、大きく「加藤 綾」と書かれている。

「……なんて読むの?」

「『カトウ アヤ』。漢字で書くとこうなるんだよ」

「カトオ?……コーシューと同じ!」

「あぁ。同じだ!」

「……やったー!」

言いながら綾は、顔に笑みを浮かべる。

「ねぇ、コーシューはなんて書くの?」

「僕?僕は……」

答えながら光秋は、紙束からもう1枚取り、

「加……藤……光……秋、と!」

と言いながら、大きく「加藤 光秋」と黒いクレヨンで書き上げる。

「こう書くんだよ」

「ミョージ、同じ!」

「そう、同じだ」

光秋の返事に、綾は笑顔を返す。

 が、その笑顔にはいつもより若干影があることを、光秋はついに気付けない。

 

 7月11日日曜日午後1時。

 灰色の半袖に緑の長ズボンを着た光秋は、両手に横尾から届いた小包の段ボール箱を抱え、一礼してそれを運んできた補充品を運ぶトラックを見送る。

 頭を上げると自室に戻り、箱の封を開けて中身を取り出す。首飾り型のアクセサリーと、「しらゆきひめ」の絵本である。

―!……アクセサリーの方は昨夜送ると聞いていたが、一緒に新しい本まで送ってくれるとはなぁ!―

横尾の心遣いに感謝すると、光秋はその2つを左手に持って綾の部屋へ向かう。

 ドアの前に着いた光秋は、右手で2回ノックする。

「綾、光秋だ。入るぞ」

言いながらドアを開けて中に入り、居間のテーブルの、光秋から見て左側に元気なく俯いて座るピンクのワンピース姿の綾の許に歩み寄る。

―今朝からずっとこの調子だよなぁ?……―

綾の様子をそう感じながら、光秋はテーブルの廊下側に腰を下ろす。

「綾、昨日話してたアクセサリー、届いたよ」

 そう言って光秋は、左手の首飾りを綾の前に出す。

「うん…………」

「?」

素っ気ない返事を気にしながらも、光秋は続いて絵本を差し出す。

「あとこれ、横尾ちゅ……さんから、新しい本が」

「…………本……嫌い……」

「!?」

 綾のその一言に、光秋は少し驚かされる。

「どうした?いつもは喜んで読むのに?」

「……イベって、誰?」

「!」

 その言葉に光秋は、昨夜の竹田の去り際の姿を思い出すと共に、

―あの時かぁ!……―

と、その時の竹田の言葉を気にしなかった自分に若干の呆れを抱く。

「タケダさんが帰る時、綾の方見て『早く戻る』って言ってたし!ヨコーさんたちも、買い物の話が終わったら、時々綾の方見て『イベ』とか『ホーコ』とか言ってたし!誰?」

左から身を乗り出して迫る綾に、光秋は、

―そろそろ、潮時かぁ?……―

と、綾に、加藤綾と伊部法子の関係を話すことを決める。

 「それは……なんて言ったらいいかなぁ?……簡単に言うと、伊部法子っていうのは……『お前の前の人』だ」

「?……前の人?」

「……あぁ……」

我ながら空想的な輪廻論の様な言い方、その様な言い方しかできない自分に、光秋は軽いもどかしさを覚える。

―が、解かり易く言うには、この言い方の方がいいか……―「戸松先生は知ってるよな?たまに頭の検査に来る、メガネに髭の人」

「うん……」

「あの人が、伊部法子って人の中にあった超能力、お前が宙に浮いたり、触れずに物を動かしたりできる“力”を引き出して、その結果生まれたのが、お前、加藤綾だ……」

「…………」

綾は黙ったままだが、その表情からは、光秋の言葉の意味をきちんと理解しようと努めているのがわかる。

「僕がこうして、お前にいろんなことを教えてるのは、頭がよくなれば、伊部さんが戻ってくるって、そう先生に教えられて、僕も伊部さんには戻ってきて欲しいから、協力してるんだ」

「…………じゃあ、頭よくなったら、綾、いなくなっちゃうの?」

自分を真っ直ぐに見詰めてくる綾の両目に、光秋は不安が宿っていると感じる。

「……いなくなるって言い方は、どうかと思うな。前の人が戻ってくる、つまり、元に戻るって言った方が……」

「でも、前の人に戻ったら、もう、綾はいないんでしょ?」

「……綾……」

「綾、消えたくない!頭よくなって消えるのなら、本も勉強ももうしない!なんにもしない!嫌い!」

「…………それは、ちょっと話が違うんじゃないか?」

「……?」

「人間は、いや、生き物は、生きている。生きていく上では、変わることも必要なんだよ」

「……変わる?」

「そう。前に、世界の話をしたよな」

「……うん」

「世界っていうのは、いろんなモノが互いに影響し合う場所でもあるんだ。その中で、変わっていくからこそい続けられることもあるんだよ。無理に変わらないでいようとするからこそ、おかしくなることもある」

「…………」

「それに、わざわざこんな難しいこと言わなくたって、放っておいても生き物は変わるもんなんだよ。綾がいい例だ」

「…………綾、が?」

「だって、もう変わってるじゃないか。昨日までは本や勉強が好きでしょうがなかったのに、竹田さんたちの言葉を聞いて、今は嫌いになってる。これも変わる、変化の一種だ。そもそもこの前まで綾、ちゃんと喋ることもできなかったんだよ。それが今は、ちゃんと喋って、自分の考えていることを伝えている。人見知りだって、だいぶよくなってきた」

「…………」

「もちろん、全部が全部変わるわけではないし、変わることがいいってわけでもない。ただ生きてる以上、なにもしないってわけにはいかないし、生きる上で、なにかする上で、変わっていくこともあるし、その必要が生じることもあるんだよ。普段はゆっくり少しずつだから、変わっていくことに、なかなか気付けないだけでね」

「…………光秋の言うこと、わかりたい、けど…………でもそういうふうに言って、光秋は綾より、イベさんが好きなの?」

「…………それは、僕にもよくわからない」

「え?……」

「伊部さんとは、確かに仲よかったけど、まだまだ知らないことの方が多かった。それは綾についても言えることだよ」

「綾にも?」

「あぁ。綾は変化が早いから、これからも僕の知らない綾が出てくるだろうし、そもそも、知らない人のことを、好きとも嫌いとも言えないよ」

「……じゃあ、綾が頭よくなって、変わって、光秋が綾のこといっぱい知ってくれたら、綾のこと、好きになってくれる?」

「……それは、わからない。その変わった綾が、僕が好きになれる綾かどうか、まだわからないから。ただ、綾が僕に好かれる努力をしてくれたら、好きになるかもしれない」

「……イベさんよりも?」

「……それも、綾次第としか言えないな」

「…………」

綾は少し俯き、考え込む様な顔をする。

 と、

「じゃあ綾、変わる!変わって、光秋が好きになれる人になるようにドリョクする!」

綾はそう言って、光秋の目を真っ直ぐに見る。

「綾…………」

光秋は、綾のその態度に嬉しさを感じる。

 が、

―……綾の消えたくないって話を、僕は大袈裟なこと言って、すり替えちゃったんじゃないか?―

と、自分の言葉に対する不安が、一瞬脳裏を過る。




 いかがでしたか。
 今回は光秋がよく考え、よく喋った回でしたね。
 彼のこうしたところは、僕自身の性格を多分に反映させています。というか、そもそも僕自身がモデルなんですが。もちろん違いはあります(具体的にはプライバシーのため書けませんが)。まさに「作者の代弁者」ですね。
 一応、こんな性格であるはっきりとした伏線は5話あたりに書いてあります。といっても短い文章なので、ゆっくり読まないとわからないかもしれませんが。その点に関する指摘もお待ちしています。
 では、また次回。
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