【完結】祥子が自分だけの世界に逃げ込むお話 作:紫陽花の季節に会いましょう
「ここが芸能事務所か……雰囲気あるね」
「当たり前ですが芸能人以外もたくさん出入りしますので、そう身構えないでください。あと豊川さんからは事務所に着いたと30分前に連絡がありました」
「え、でも祥ちゃんって今日お仕事なかったよね?」
「事務所の運営にも関わってますからね。仕事は山積みのはずです」
それを聞いて初音は不満そうな顔を、立希は焦燥感に襲われる。やはり祥子1人に凄まじい負担が掛かっているであろうことは想像に難くない。初音は初音で、家でやってくれれば手伝えるのにと思っていた。
「豊川さん、入りますよ」
祥子の専用仕事部屋は社長室の隣にある。豊川家の力で事務所に干渉している祥子のポジションをよく表した構図だ。
中に入ると、そこには1体の人形がいた。
アンティークの古めかしい椅子にお上品に座る女の子ーー豊川祥子は目を瞑ったまま微動だにしていない。あまりにも生気がないものだから、本当に生きているのか不安になってくる。現に初音は物凄い表情で祥子に駆け寄った。
「さきちゃん!?」
祥子に駆け寄り手を取る。
冷たい。
だが脈は動いている。
ホッとしたのも束の間、海鈴と立希は深刻そうに祥子の頬や額に触れる。
「体温が低すぎます。この状態はよろしくないのでは?」
「祥子はもともと体温が高めだったはず。……あれ、でも少しずつ上がってる?」
手で触れたことで、祥子の体温の変化が分かりやすいくらい伝わってくる。少しだけ穏やかな表情に変わった。この変化は……夢の中で何が起こっているのだろうか。
「水辺から上がった時のような体温の上がり方ですね。夢の中にあるという湖で泳いでいるのでしょうか?」
「……わからないけど、とにかく夢の中に入ってみないと。祐天寺さんはなんて?」
「先ほどきたメッセージ曰く、『さきこのこと考えてたらなんか入れてた』だそうです。具体性がないですね」
そう吐いて捨てる海鈴。初音も同意見だ。
「私も……いつもさきちゃんのこと考えてるよ。眠ってるさきちゃんに触れる時だってそう。だから、それだけじゃないのかも」
「ふーん。それじゃ私は、祥子戻ってこいとか念じながら触れば…………なーーーーッ!?」
暗転。
暗転。
暗転。
視界がぐるりと切り替わる。
身体中がひっくり返るような感覚を味わって、地面に倒れ込む。そうして目を開けた頃には、
「な、に、ここ……うぅ……きもちわる……」
「うっ、さっき飲んだジンジャーエールが出そうです……」
「ちょ、こんなとこで吐かないでよ海鈴! ってあれ、ここもしかして……」
薄暗い森。
鉛色の空。
土と水と木の匂い。
にゃむから聞いた通りの空間に、海鈴と立希は座り込んでいた。……1人、足りない。
「三角さん、三角さんはどこですか?」
「………来てない、のかな。だとしたらなんで私たちは来れたわけ? 海鈴、あの瞬間何を思った?」
「人間の豊川さんに戻ってきてほしいと思いました。立希さんは?」
「同じく。あいつは……もっと人間らしく笑っているべきだから……」
「……そうですか。では結論は1つですね」
海鈴は立ち上がって自慢のお尻についていた枯葉を叩き落とした。立希に向かって手を伸ばし、彼女が起き上がるのを支える。
「1つ……?」
「三角さんは、豊川さんのことを神様だと思っています。だから無意識に"人間の豊川さん"を望んでいない」
「ーーーーッ!? そんな、こと……」
「別に良い悪いの話ではないですよ。三角さんにとって豊川さんは大切なんでしょう。今回はそれが仇となったみたいですが」
「……どういう、こと」
「人間としての豊川さんを望んだ方のみが、豊川さんの世界に入ることが出来るのだとしたら? もしこの仮説が正しかった場合、私たちは残機の調整をしなくてはなりませんね」
海鈴は決して人間関係の機微に疎いわけではない。ただそれを自分に置き換えて行動が出来ないだけで、実際観察眼はある方だ。
MyGO!!!!!崩壊時の行動が良い例である。自分の我を出そうとすると途端に不器用になってしまうのだが、今回海鈴は1人じゃない。信用できる友人がいることで海鈴本来のパフォーマンスが発揮されている。
「残機?」
「恐らく、三角さんと今の若葉さんでは豊川さんの世界に入れない。となると残機は5です」
「私、海鈴、そよ、燈、愛音か」
「……ですので慎重に進みましょう。場合によっては何度も足を運ぶことに……なッ!?」
海鈴の顔が強張った。
反応を怪訝に思い、海鈴の視線の先を視界に映す立希も思わず硬直する。
森を構成する木々、その木から何やらゆらゆらとしたものがぶら下がっている。それに気付いて2人とも怖気と寒気が止まらなくなった。
一本一本の木に、一つ一つロープが結ばれ、その先の輪っかには人形たちが吊るされていた。それも、首を絞めた状態で。
あたりの木々全てに首吊り人形がいた。それはまるでこの世界の創造主の願望を反映しているかのようで……。
「……急ぐよ、海鈴。祥子の精神、思ったより消耗が激しい」
「ええ、同感です。勘弁してくださいよ、豊川さん……私、怖いのダメなんですよ……」
などと少しズレたことを言いながら、2人は湖に向かって歩き出す。
湖までの道は一本道で、迷うことなく進むことが出来た。聞いていた通り幻想的な場所だ。森と湖の境界にピアノが設置され、そこには主人のいないピアノ椅子がある。周囲にはお墓が4つ。それ以外には特に何もない。
そして肝心の祥子もいない。
この周囲には特に人の気配もなく、他にも行けそうな場所もない。森も一見広そうに見えるが脇道などはなく、どうやら森の奥には入れないらしい。ゲームのマップで言えば、この一本道とピアノ周辺しか祥子の世界は存在していない。2人とも途方に暮れてしまった。
「豊川さん! いらっしゃいますか? 豊川さん!」
「ちょ、大声……」
「寧ろ気づいてくれたら万々歳です。他に行けそうなところもありませんし。豊川さん! 豊川さん!」
それから名前を叫び続けたが、ついぞ祥子が出てくることはなかった。楽譜が残されていたのでここに居たのは間違い無いのだろうが、それでもどこにもその姿は見当たらない。
「出直そう海鈴。三角さんも心配してるだろうし」
「………そうですね。しかし困りましたね。どこに行ったんでしょう、豊川さん」
そうして海鈴と立希がピアノ周辺を探している間、あいもかわらず祥子はモーティスとお茶していた。
◇◆◇
「祥子ちゃん……また来たの? 作曲は? 仕事しなよ」
「ここ数日の作曲作業は大詰め。次のマスカレードにおける脚本の手直しや演出プランについても専門チームと詰め終わっています。抜かりはありませんわ。さ、今日はなんのお話をしましょうか、睦、モーティス」
「………………」
ここ数日、毎日のようにモーティスたちの元を訪れる祥子をモーティスはもはやなんとも言えない表情で出迎える。
自分の家かのようにテーブルにお茶とお菓子を広げ、暇があればモーティスや睦の髪をブラッシングしたり、彼女たちに話しかける祥子。まるで睦が起きているかのように振る舞うので、「睦ちゃんは寝てるけど?」と何度も釘を刺すのだが、その度に「分かっていますわ」と少し困った顔で笑う祥子をみて、モーティスは相変わらず嫌な気持ちになった。
モーティスにとって、祥子は嫌いな幼馴染だ。
睦が祥子に抱くほんの少しの不満を押し付けられたのがモーティスなのだから当たり前なのだが、それはそれとして祥子の"在り方"が嫌いだった。
どうしてそんなに沢山の友達がいるのか。どうして祥子を思う子のことを大事にしてあげないのか。どうして睦ちゃんだけを見てあげないのか。……どうして、私を見てくれないのか。
同時に、それが豊川祥子という女の子だということも充分理解していた。溢れんばかりの光を放って周囲の人間を焼き尽くしていく太陽のような女の子。やること成すこと全てが面白く新鮮で、彼女と居ると何一つ退屈しない。そんな人間がただ1人だけのモノになるはずが無い。分かっている。分かっているけれど。
「祥子ちゃん嫌い」
「はいはい。あら? この服、少しほつれていますわ。すぐ縫って差しあげます」
「…………」
いつものようにモーティスの髪を櫛で梳かしていると、服にほつれを見つけた。ソーイングセットを取り出して彼女の袖に針を通す。楽しそうな祥子の横顔。ムカつくほど綺麗で、ムカつくほど儚い。豊川祥子がこんな顔をしていいわけがない。こんな穏やかに全てを悟って、全てを諦めたような顔をしていいわけがない。
「出来ましたわ! 今日も可愛いですわよ、モーティス」
「ーーーーッ!!! すぐそういうこと言う! 刺されちゃえ! 100回刺されちゃえ!」
「では次は貴方がわたくしの身体に針を通してくださる? 針治療というもの、わたくしやったことがありませんの」
「できるわけないじゃん!? 馬鹿なの? あれって凄い知識とかいるんだよ。テキトーなところに刺すのはダメなの」
「知っています。揶揄ってみただけ。ね? 睦。モーティスはよくわたくしを揶揄うのでお返しですわ。……ふふっ、そうですわね。次は睦の好きなケーキを焼きましょうか。モーティス、手伝ってくださる?」
「……………いーや。自分で焼けば?」
「特別に摘み食いを許可しますわ」
「……………なにすればいいの?」
合間合間で睦に語りかけ何か話している素振りをする祥子を見て、やはり複雑な気持ちになるモーティス。
モーティスから見てもこの状態はあまりにも不健全だ。というか祥子の壊れる速度があまりに速い。相変わらず睦のことになると脆い祥子は、このままでは本当に睦と心中しかねなかった。
(今の祥子ちゃんなら、その時私も含めて3人一緒に死んでくれるんだろうな……)
その事実が……少しだけ嬉しくて、そんな自分の感情を振り払うようにして頭を振った。
◇◆◇
RiNGの2階……ではなく、スタジオ内にて燈・愛音・そよ・立希・海鈴・にゃむが集まっていた。
そこにムツミと初音はいない。
それが意味するところを、にゃむはなんとなくだが理解していた。
「結論から言うと、祐天寺さんが言ってた世界に入れた。私と海鈴で」
「え!? どうだったの!?」
「祥子が不在だった。でもいくつかわかったことがある。あの世界の変化も含めて」
そうして立希はあの世界を言葉によって出来るだけ詳細に描写する。首吊り人形の話、祥子のいないピアノ椅子、残された楽譜。そして、海鈴の仮説。
その話を聞いているだけで、そよや燈の表情はみるみるうちに曇っていく。祥子の精神状態が最悪な方向に向かっていることを嫌でも理解してしまう。
豊川グループの件を大まかに理解しているとはいえ、祥子がここ1年で隠してきた苦しみは未だ全貌が見えない。ムツミの失言で補完できる部分もあるが、やはりそれ以上に何かを抱え込んでいそうだも考えられる。正直祥子の境遇に関しては想定しうる最悪を毎回更新していくので、どう受け止めていいのかわからなくなってしまう。そのようにそよは感じていた。
「仮説が正しければ、初華ちゃんとムツミちゃんはあの世界には入れないってこと?」
「三角さんは豊川さんを神聖視していますし、現状の若葉さんは豊川さんになんの思い入れもありません。人間の豊川さんの心に触れられるとはとても思えない」
「アタシもなんとなーく心当たりあるわ……。今のサキコを気持ち悪いって思ってる時にサキコに触れたから入れたってことか」
「内面を慮れずに追い出されましたけどね」
少しだけムッとなるにゃむ。海鈴に他意はない。
「ということで、他の方にも是非あの世界を見て頂きたいんです。特に、豊川さんとすぐ接触できそうな羽丘のお二人には」
「わ、わかった」
「任せて!」
「私も明日、羽丘に行ってもいいかな?」
燈が嬉しそうに頷く。そよの申し出を断る理由はなかった。海鈴やと同じクラスの立希、羽丘生徒の燈・愛音と違い、そよには祥子に接触する手段がない。ムツミが祥子に触れられないかもしれないと分かった今ならなおさら。
一応連絡先はあるが、今の祥子に反応するだけの余裕があるとも思えない。ここは燈・愛音についていくのが得策だと判断した。
「正直助かる。今の祥子の内面は本当にヤバいから、感受性の高い燈だと凄いショックを受けると思う。燈……祥子を助けるのに祥子の世界に入るのは確定だから多くは言わないけど……無理しないで」
「たき、ちゃん……」
「冷たいこと言うけど、私は選ぶしかなくなった時……燈を選ぶよ。燈が傷つくのは……嫌だから」
「…………あり、がとう。でも……私は……行きたい。行かなきゃダメだと、思う。ちゃんと、向き合いたい……」
「ともり……」
その日はそれで解散し、翌日。
燈と愛音はタイミングを見計らっていた。恐らくチャンスは昼休み。
だが燈はその前に現実の祥子と話がしたいと思っていた。祥子の心がその世界にあるのなら現実の祥子は今どういう状態なのか。それが知りたくて。
「さき、ちゃん」
「……ともり?」
いつものようにベンチに腰掛けて眠ろうとする祥子を呼び止めた。祥子は何も苦しそうな素振りをみせず、首をかしげる。
「お話……いいかな?」
「ええ。燈の頼みですもの。勿論ですわ」
燈は覚悟を決めて、祥子の腕を掴む。少し驚く祥子を気に留めずそのまま校門へと引っ張っていく。そこには愛音と月ノ森の制服を着たそよが待機していた。
「そよ? どうしてこんなところに?」
「ご機嫌よう祥ちゃん。いきなりでごめん。でもどうしても話したくなったの。こうでもしないと私は祥ちゃんに会えないから」
そよは恐る恐る切り出した。
「今の祥ちゃんは、私のことどう思ってる?」
「……どういう、意味ですの?」
「答えて」
そよの有無を言わせぬ態度に、祥子は一呼吸置いてから穏やかな表情で答えた。
「大切な友達ですわ」
その表情があまりにも穏やかで、まるで何事もなかったかのようで、そよがずっと求めていた答えで……。
だからこそ、そよは耐えられなかった。きっと人間の祥子なら……罪悪感たっぷりの感情で苦しそうに答えるだろうから。
「なんで、CRYCHICやめたの」
今となってはもう分かりきった質問。それでもそれはそよにとって重要で、祥子にとっても重要なはずだった。
「……そよには謝っても謝りきれませんわね。ごめんなさい、全てはわたくしの責任です」
「違う、謝って欲しいんじゃないの」
「では、何を」
「私は……CRYCHICを引きずってる。燈ちゃんも、立希ちゃんも、睦ちゃんもそうだったと思ってる。祥ちゃんは?」
そよは、見極めるように目を細めて祥子を見た。
そこにはなんの感情もない。ただ穏やかに、少しだけ困惑したように、全てを受容し全てを認め、そして全てを諦めたような神様がいるだけだった。
「わたくしにとってもヨスガでした。ですから、わたくしに出来ることはなんでもいたします。そう望むのなら、それを叶える義務がありますわ」
ああ。
ああ、気持ち悪い。
これは、違う。こんなの豊川祥子じゃない。こんな心のない人間が豊川祥子であっていい筈がない。
思わず燈を見たが、燈も同意見のようだった。やはり目を大きく開いて気持ち悪さを耐えているように見える。
絶句して言葉を失っている間も、祥子は次の反応を待っている。自我がなく、意思もない。ただみんなの求める太陽のような豊川祥子を演じ、それに沿って祥子のスペックを活用して全てを解決する。そんな怪物が目の前に誕生していることに、そよは恐怖を覚えずにいられなかった。
「かえ、して……」
「そよ?」
「祥ちゃんを返して!!!」
思わず祥子に掴み掛かるが、愛音がそれを止めた。ここは羽丘で、月ノ森生であるそよが問題を起こすのはまずい。既に一度同じことをやっているのだ。今度は厳重注意じゃ済まされない。
「そよりん! 気持ちは分かるけど落ち着いて! 祥子ちゃん、ありがとう。もう大丈夫だから」
「ええ。それではそよ、ご機嫌よう。今度ゆっくりお茶でもしながらお話ししましょう?」
悪意もなく、善意もなく、ただ求められた笑顔を浮かべて立ち去っていく祥子。そよは今でも自分を押さえつける愛音を睨んだが、愛音はこれが正しいと思っている。こんなところで騒ぎを起こすべきじゃない。
その強い視線が通じたのか、そよは観念したように脱力して……涙が溢れ出てくるのを感じた。
「祥ちゃん…………祥ちゃん…………」
「そよ、ちゃん…………行こう」
燈はぺたりと座り込むそよに目線を合わせ、尚も向き合う。その目は覚悟が決まった目だった。
「祥ちゃんに会いに行こう。本当の祥ちゃんに……会いに」
「ほんとう、の」
「今の祥ちゃんは……違う。祥ちゃんの心、何も見えなかった。何もなくて、どこにもなくて、だから、心を……探しに行こう」
そよとてアレを祥子と認めたくはなかった。
燈に奮起を促され、そよは涙を拭って立ち上がる。
「私も、今の祥ちゃん絶対嫌。祥ちゃんを見つけに行く」
そうしてやけに強気な燈とそよを先頭に、若干温度感に戸惑ってる愛音がついていく形で3人は中庭へと向かって……。
「そよちゃん!!! 助けて!!!」
ドンッ! とそよの胸に誰かが飛び込んできた。「きゃっ」と言いながらその子の肩を掴んで止めると、
「え、祥ちゃん…………?」
先ほど校門前で話をしていた神様ーー豊川祥子がそよに縋り付くように涙目になっていた。さっきとのギャップが凄すぎて、そよは思わずフリーズしてしまう。
だが祥子はそのまま困惑したような表情でそよをみて、
「え、祥子ちゃん………? 誰が? 私が? ……え、何これ」
さっきまでの一切心がなさそうな祥子ではない、少し幼さすら垣間見えるその反応。そよは思わず呟いた。
「…………モーティス、ちゃん?」
だがその呟きに反応する前に、祥子は顔を手をペタペタと触って……。
「うわぁあああああ!!! 何これ祥子ちゃんの身体じゃん! 気持ち悪い! やだああああ!!! 祥子ちゃん嫌いなのになんで私が祥子ちゃんやらなきゃいけないの!?」
普段の祥子から想像もつかないような声で、喚き散らし始めた。気持ち悪い、嫌い、気持ち悪いと貧相な罵倒語を繰り返し、地団駄を踏む。
そんな祥子をぽかんとした顔で見つめる3人。何故か祥子の怒りはそちらに向いた。
「なんでぼーっとしてるの!? ううううう! もうなんでもいいから! そよちゃんお願い! さっさと祥子ちゃんを連れ帰って!」
少女の切実な叫び。
祥子ーーもといモーティスは、祥子の声で祥子のお引き取りを願うのだった。