呪いの女帝 両面宿儺   作:ジャズ

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遅くなり申し訳ありませんでした……(汗)
今回めちゃくちゃ難産だったのと、仕事が忙しすぎて時間が取れませんでした。

と言うわけでじゅじゅさんぽ回です。アンケートの結果より宿儺がスイーツ巡りをするお話です。


幕間 じゅじゅさんぽ

 ある日、釘崎野薔薇は東京の繁華街へと向かっていた。今日はオフの日。多忙な呪術師の日々の中で貴重な休暇だが、彼女は宿儺の「現代の甘いものが食べたい」と言うリクエストに応えるべく若者の街、渋谷へと降り立つ。グルメ、ファッションやその他娯楽が全て集う場所、渋谷。

 待ち合わせ場所である渋谷109の入り口前に到着した釘崎だったが、そこに何やら人混みができていた。なんだなんだと最後列から奥の方を覗き込んだ釘崎はそこで衝撃の光景を目にする。

 

「喧しい奴らだ、とっとと往ね」

 

 中央にいたのは紛れもない美女。茶色の長髪をオールバックにした、切れ目の整った顔立ちの女性。美人を前に群がる人々を鬱陶しそうにしっしっと追い払う彼女について野薔薇は面識はない。しかし微かに残る同期の面影と、何より彼女が身に纏っている高専の制服が、その人物が何者なのかを物語っていた。

 

「アンタ何してんの???」

 

「む?おお、ようやく来たか野薔薇よ」

 

 人だかりを押し除けて宿儺の前に駆け寄った野薔薇。なんで呪いの女帝がこんなところにいるんだと問い詰める。

 

「なんで虎杖の身体を乗っ取ってんのよ」

 

「何のことはない、此奴との縛りだ」

 

 元々宿儺は虎杖との間に『宿儺が契闊と唱えたら1分間体を明け渡すこと』と言う縛りを結んでいた。だが今回、宿儺はどうしても自分の足で現代の街を歩き、グルメを堪能したいと思っていた。

 そこで虎杖と相談し、縛りの内容を今日一日に限り上書きすることにしたのだ。『今日一日限り、虎杖悠仁は自身の肉体を宿儺に貸す』と言う内容に変更し、その代わり『宿儺は今日、一切呪力は出せず術式も使用不可』というデメリットを課した。

 

「私は呪力を練れないから、こうして顕現したとしても他の奴らに気付かれることはない。つまり今日は何のしがらみもなく自由に歩けると言うわけだ」

 

「この女帝なんでもアリか」

 

 縛りをこの上なく上手に活用し現代を闊歩する宿儺のあり様に野薔薇はため息をついた。本来であれば呪術規定に基づいて彼女は今この場で宿儺及び虎杖悠仁を処刑しなければならない。しかし釘崎は、ここまでの虎杖と宿儺との交流で彼らが少なくとも多くの人に害をなそうとする呪いではないことは熟知していた。

 

「そんなことより野薔薇、早う案内しろ。もう飯時はとっくに過ぎている、私の空腹もそろそろ限界だ」

 

 さっさと行くぞと釘崎を手招きして渋谷の街を進んでいく宿儺。

 

「ちょっ、待ちなさいよ!私が案内するのに先行ってどーすんのよ!」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 渋谷の街を練り歩く中で、宿儺は様々なものに興味を示した。ホイップクリームがたくさん乗ったショートケーキ、片手で歩きながら食べられるクレープ、最近若者の間で流行っているタピオカミルクティーなど、気になるものがあれば片っ端から食べ漁っていた。その豪食っぷりには釘崎も少し引いており、何より目を引く商品を次々に買い込むたびに宿儺の頭に虎杖の抗議の声が響き渡っていた(全て無視したが)。

 食べ物だけではない。宿儺は現代の衣類、つまりファッションにも興味を示していた。その結果、釘崎主導のコーデと虎杖のポケットマネーでシンプルな高専服から宿儺は現代のお洒落な服に着替えた。メイクも整え、彼女の特徴的な目元のもう一対の瞳は閉じられた上にファンデーションで隠された。その結果、道行く人間からナンパされたりモデルのスカウトがやって来て、その度に宿儺が素っ気なく追い払うことになったのだが。

 

 そうしていくうちにあっという間に1日は過ぎ、すっかり日も落ちて夜になった。しかし渋谷の街の明かりがあまりにも眩く、ほぼ昼間と変わらない明るさを保っていることに宿儺は「この街は明るすぎる」と驚愕していた。

 1日の最後に、釘崎は展望施設である渋谷スカイに宿儺を連れ出した。この街で最も高いビルの展望施設から眺める東京の夜景を見せられた宿儺は思わず感嘆の瞳でそれを眺めていた。

 

「現代も悪くないでしょ?」

 

 と生暖かい目で宿儺を見つめる釘崎に、宿儺は「うむ、実に良い」と答えた。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 時刻はすでに23時。電車を乗り継いで高専の寮へと戻ってきた2人はここでそれぞれの自室に帰っていく。

 

「今日は良い1日であった。礼を言うぞ、野薔薇よ」

 

 宿儺の礼に釘崎は「1つ貸しだかんなー」と答えて部屋に引っ込んでいった。

 

「ケヒッ、ああそうだな。借りができてしまったな」

 

 翌日、自身の財布から貯めていたお金の2/3が無くなっていた虎杖の悲鳴が高専中に響き渡ったのは、また別のお話。

 

 




読了ありがとうございました。
完全オリジナルの話だったので正直めちゃくちゃ苦戦しましたがいかがでしたでしょうか?

さて、次からはいよいよ渋谷事変となります。宿儺もこれから大いに活躍する予定ですので、ぜひご期待ください。

幕間でみたい話

  • 女教師宿儺パロ
  • 虎杖と一緒に漫喫でジ◯ンプを読み漁る宿儺
  • 宿儺が野薔薇と一緒にスイーツ巡り
  • 本作の宿儺マテリアル
  • 宿儺の1日in虎杖
  • 1日外出録スクナ
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