次の層へと向かう最中に私は不思議な空間にいた。
その場所には中央のテーブルと椅子、周りには無数の本棚、床のカーペットには大樹が描かれていて天井には星空が描かれていた。
そして私の向かいには私を呼び出したと思われる少女がいた。
『ふふふ、始めまして。岸浪ハクノさん。私は■■■■。』
自己紹介をされたが私には名前が聞き取れなかった。
『まぁ、私の事を呼びたいなら、【全能】とでも呼びなさい。』
そう言った全能は私に告げる。
『私はあなたの事を見ていました。』
「どう言う事でしょうか?」
『私はさまざまな人を観測しているの。その観測対象の1人があなたね。』
「何故そうしているのですか?」
『それは秘密ね。』
くすりと全能は笑う。
『でも時には干渉をしたりすることもあるのよ。セイバーがあなたの元に来たのも私が干渉したからよ。』
「そうなんですか。結果的に私は助かりました。」
『礼を言うのはまだ早いわ。』
そう言った後全能は私に聖杯戦争について言ってくる。
『まずは一回戦お疲れ様でしたね。なかなかの頑張りでしたね。』
そう言っているが私はマスターとしては頑張れてはいない。
『それは当たり前ね。まだスタイルなどは決まっていないから戦いは未熟なのは当たり前よ。』
『では1回戦を終えて何を思いましたか?』
それについては私はこう答えられる。
シンジが作りし停滞の街、そしてシンジの絶望と無念の独白。
他には狂ってしまったムーンセル、死者が生者のように振る舞う事態。
『なるほどわかりました。ではあなたは聖杯戦争を諦めますか?』
「どうしてそういう事を聞くの?」
『まずはあなたの実態を言いましょう。確かにあなたは死者から生まれた存在。それもムーンセルが機能を停止してから溜まり続けた敗者や死者といったものが集まり生まれたまさに死の集合体。』
彼女は私の正体を簡単に判明させて私に説明して来る。
『あなたは今、死者が怨念で動いているのを困っている。生者のように振る舞うのをあなたの中の常識が認めていない。そう思っていますね。』
私が心の中でしか思っていない事を彼女が読み口にしてくる。
だが彼女は
『それがどうしたというの。』
『そういう事を思える時点であなたはただの死者ではないわ。むしろまだ戦えている時点であなたは死者ではないわ。』
と否定してきた。
どう言う事かを聞こうとしたがだんだん眠気がしてきた。
『それは次の戦いが終わった後にしましょう。ではおやすみそして目覚めの時間よ。』
最後に視界に映ったのは笑顔で手を振る彼女の姿だった。