私が夢から覚めた時、外はまだ夜だった。
二度寝は出来そうになかったから見た夢について考えてみる。
あれはおそらく私の体を構成している死者の記憶でその中でもかなりの実力を持っている人物だったと思う。
熾天の檻、夢の中で見た場所はそう呼ばれていた。
その人物はSE.RA.PHの中でも最上階に当たる場所まで辿り着いていたのだろう。
だがそこで待っていた人物によって敗れた。
そしておそらくは熾天の檻に先にいた人物がこの事態の原因だろう。
とりあえずそう考えた後、気分転換として外に出てみる事にした。
外に出てみて結界から出ないように散策をしていたらラニに会った。
ラニはおそらくこの階層で死んだであろうマスター達の墓の弔いをしていた。
他にもラニにそっくりな人形が複数も動いていた。
「ドールのコアを利用したコピーです。動く人形程度で戦力にはなりませんが入力次第でそれなりに複雑な行動もできます。使用者が必要ですが剣や銃器のような武装プログラムに変形できますよ。」
ラニがその人形に関して説明してくれた、私は便利だなと感心してたらラニが問いかけて来た。
「それで、どうかなされましたか?」
「嫌な夢を見ました。」
そして私はラニにお願いをしてみた。
「弔いを手伝ってもいいでしょうか?」
「殆ど終わっていますがいいですよ。」
ラニが許可してくれたので弔いをしながらこの層にいたマスター達の事を説明してもらった。
「悪人も善人もいましたが、誰もが必死に生きていました。それだけで私にとっては弔うに値します。私は彼らの意思と共にあるとあると決めたのです。」
そんな事を聞きながら弔っていると今度はラニが問いかけて来た。
「貴女は何故上を目指すのです?どのように貴女はマスターとなったのでしょうか?」
そう問われたが私にはどちらも正直答えづらいものだった。
上を目指す理由はほぼなくてただ聖杯戦争のルールの通りに登るだけでマスターとなったのは『全能』が干渉して来たからだ。
「すいませんそれらはうまく言えません。まだわからないのです。」
そう答えてから少し疑問が浮かんだのでラニに質問してみた。
「そう言えば、今は何年でしょうか?私は最近生まれたイレギュラーですから年代などはわからないのです。」
「あまり知らないのですね。今は西暦3020年です。」
私の記憶よりも遥かに年代がずれているのに私は驚いた。
「SE.RA.PH崩壊から約1000年、地上の人口は10万をきり時期滅亡域に到達する。文明圏を維持する事が人の証であるなら、このSE.RA.PHにいる私達は最後の人類。つまりSE.RA.PHが崩壊すれば人類はこの宇宙から消え去るのです。」
そうラニが言って来て私はこの状況に恐怖した。