「待ってくれた…の?」
「そうよ、貴女が来るまで待ってなさいってね。」
「でも私が来れなかったらどうするの?」
「でも貴女は来れたから良いでしょ。」
そう言って凛はふらついた来るのと待つ事が負担になったのだろう。
私は凛を支えてあげた。
「ありがとう。後は私が。」
そう言ってムーンセル中枢に触れる準備を整えた。
「情緒ないのね。」
「時間がないのと私には情緒とかについてはわからない。流石に恥じらいはあるけど。」
そう言った後私は凛にお礼を告げた。
「凛、最後まで気をつかってくれてありがとう。」
「えーとね、ムーンセルの正常化はシステム更新のような物よ。貴女個人の願いにはカウントされないと思う。望めば叶うわ。コマンドもいらない中枢に触れて思考の一つでも送り込むだけでいい。全てとは言えないけど結構いろんな事ができるはず。貴女は何を望むの?」
凛はムーンセルの使い方を教えてくれた。
そして私に何を望むのかを聞いてくる。
そう言われて最初は自分がちゃんとした生命として在りたいと思った。
だけどトワイスによって見せられた地上の光景を思い出して最初の願いを私は諦めた。
「やり直しは出来ないのなら代わりに新しい世界へと作り変える。託される人達には本当にしんどい話だろうけど。」
凛はその願いを聞いて泣きそうになった。
そして私はムーンセル中枢へと手を伸ばした。
最後に凛へ笑顔を向けて。
ヴァルティンが崩壊していくのを見てアルトリアは聖杯戦争が終わった事を悟った。
「かくして聖杯戦争は幕を終えた。これから先の未来は私には知る事は出来ないがそれでも輝かしいのが待っていると私は信じている。そして私のマスター岸浪ハクノよ、その儚くも輝きし生に盛大に祝福しましょう。」
そう告げてこの世界には存在していない英霊は退去していった。
一冊の本が描かれきった。
最後に表紙に2種類の顔を持った少女が描かれてタイトルには岸浪ハクノと書かれてその本は完成した。
全能は完成した本を中身を確認した。
「この世界線の未来は私にはもう観測は難しく出来ないだろうかもしれないけど、
全能はそう岸浪ハクノへと告げそして苦笑した。
「でもこんなエンドを無茶苦茶にしてしまうのが私なんですよね。未来の為にこの事を忘れないようにしてそして対策の為に敢えて捨てさせないという事をしている私もいるわけですから。」
全能が言った通り岸浪ハクノは完全には消えていなかった。
たったの一欠片だけどそれはまだ残っていた。
全能は観測から作り上げた本から岸浪ハクノのデータを引き出してその欠片を元の岸浪ハクノへと戻してあげた。
そして全能が作りし領域に新たに人が入ってきた。
「ようこそ岸波白野さん。月の聖杯戦争を勝利した世界線の私。」
岸波白野と呼ばれた少女は全能に問いかけた。
「頼んだ事は出来たの?」
「出来ましたよ。殆ど干渉が出来ないからってこのような事を頼むとは、そして危険なものを集めるとはムーンセルも困ってそうですね。」
「それが私の方針なの。同じ様な事が起きるかもしれないからこそ敢えて完全に消去させずにわざとデータを残すの、また同じ様な事が起きてもすぐに対処できる様に。だから早く別の月の聖杯戦争の世界線を観測してよ、魔性菩薩とかBBとかサクラファイブとかをコレクションしたーい!」
「そんな都合よく観測はできません。」
ムーンセルを危機にさらした者のデータを自身の世界線のムーンセルに登録したいと喚く岸波白野に全能は頭を悩ませた。
岸波白野 (女)
月の聖杯戦争を勝利した月の王となった少女。
自身の方針で本来ならムーンセルに消去されるのを保護している。
また同じ様な事が起こらないようにする為にそして万が一起きてもすぐに対処出来るように。
彼女が存在する世界線はextellaに近い。