市庁舎に向かう為にリンは街の至る所にウイルスを仕掛けてそれを起動させた。
至る所で騒ぎが発生して婦警達はその対処に専念している間に私達は市庁舎に向かっていた。
向かっている最中、私はとある事を思い出していた。
死者のデータはムーンセルにおいては削除される物でそれが異常事態において溜まり続けた結果発生した現象である。
それを使えるのは同じく死者だけらしく使いすぎると怨念だけで動く存在になってしまう。
そんな事を考えていたが市庁舎の近くに来ている事に気づき一旦止めて聖杯戦争に集中した。
セイバーはその様子を見て
(まだ、不安ですね。やはり自分を象徴するのが無いのがやばいですね。死者と認識しているから、そんな彼女に生者へと変えさせるようにカウンセリングをしないといけませんね。)
と思考した。
市庁舎の入り口近くに来たがそこには三体のサーヴァントが既に待ち構えていた。
「あちゃー、バレていたかー」
すでに作戦がバレていたがリンは壁を張りサーヴァント達を足止めしてエレベーターの端末を操作する。
「ノンストップで最上階まで行くわ!」
「わかりました。いきましょうマスター!」
と私をエレベーターへと誘導した。
私はリンに
「リン!無事でいてください!」
と声をかけてエレベーターに乗った。
最上階の光景は下で見たのとは違う光景だった。
私にとっては監獄だった学園と似ているが別の学校だった。
私はその中を歩き屋上へと辿り着いた。
そこにはシンジがいた。
「初めまして間桐シンジさん。私はセイバー、聖杯戦争を再開させる為に停滞の街の主たるあなたに挑戦をします。
セイバーが告げた言葉にシンジは反応した。
「停滞の街ときたか、随分と言ってくれるじゃないか。」
「その通りでしょう。」
「何も知らないくせに、僕は精一杯頑張っているんだぜ。クズ共の為に楽園を作ってやったんだ。維持だってやったよ。これ以上何をしろっていうんだ。」
シンジはうんざりしたように言う。
「今更聖杯戦争かよ、なぁ冗談だろ。」
私の方を見てくる。
「私はまだ登る理由は定まっていないですが、停滞したままは会わないです。だから上へと登ります。」
私の言葉にシンジは変な反応をした。
その事にセイバーは何かに気づいたようで旗を構えて軽く振った。
「すいませんシンジ、私のマスターは特殊な生まれでしてね。マスター、あなたはおそらく複数の死者が関わっているようです。」
「どう言う事でしょうか?」
「どう言う事だよ?」
「おそらくただの死者ではないのでしょう。複数の死者が集まって生まれた死者の集合体なのでしょう。ドッペルゲンガーのように無意識的に見ている存在が殺した人物に見えてしまう、だからこそシンジは自分が殺した人物に見えていたのでしょう。」
その事にシンジは納得したようだった。
「なるほどつまりはお前は僕が殺した敗者でもある訳か。で、僕に復讐するのか?」
そう言っていたが私はそうではないと言える。
「それはないと思います。確かに私は死者でもあるのでしょうがシンジへの恨みはありません。」
私の返答にシンジは疑問が浮かんだみたいだった。
「なぜそうだと言える。だってお前は僕が殺して来た敗者も含まれているんだろ。」
「ですが私は岸波ハクノという自身があります。つまり私は彼らではありません。復讐の権利は彼らにあり私にはありません。だって私は彼らから生まれていますが本人ではないのですから。」
私の返答に納得したみたいで
「確かにな、復讐の権利は彼らにあってお前ではないからな。では改めて言う。何故聖杯戦争に挑む?」
それに対して私は
「まだわからないですがいつかは定まると思います。とりあえず今は聖杯戦争を終わらせる事に集中します、その結果私が消えるとしても。」
と答えた。
そしてシンジは
「いいだろう。その挑戦を受けようではないか、何故なら俺はチャンプだからだ!」