メイフィールド   作:コンテナ店子@コミケ出ます

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明日はコミケ当日なので更新はお休みです。
当日はg-41bにてお待ちしています。


第23話「そのためであれば、私もどんなことでもしよう」

「ストライカー! 大変だ……」

 

 僕が引き留めたせいで中途半端に開けっ放しになってたドアを完全に開けて、その音が部屋中にいきなり響き渡った。

 それのせいで、僕もストライカーさんも勢いよくそっちに振り向くことになる。ただ、一緒に向こうは僕のことを離れるように両手で指示してきて。それと一緒に両手を胸元で重ね合わせながらこっちは数歩後ろに下がることになった。

 

 一方で、相手はすぐに来た人の方に振り返るとそっちの方で話してる。さっきの声とは打って変わって小さめな声で会話してるそっちの方を見てたら。こっちはほんの少しの首動きで相手の方を見ることになって。でも、それも数秒間だけ。

 しばらく時間が経ったら僕も手持ち無沙汰になって体を左右に小さく口を開けながら目尻を落っことして。それからそこを噤みながら顔の向きを下の方に向ける。

 

 それから一度だけ瞬きしながら立ってたら、それでも耐えきれなくて体の向きを振り返らせながら窓の方に歩いてく。それからそこをもう1回眺めると、外の様子が今までと何も変化してなくて。

 いくつもの白い建物だけが高さも不安定なままそびえ建ってる様子だけが並んでて。こっちからだと影になっててほとんどが見えないけど、壁の先端辺りの方だけが円を描くみたいに並んでるのだけはわかる。

 

 そっちを見てる間、最初の数秒はただ立ってそっちの方を見つめ続けてた。だけど、それも数秒間。ゆっくりとした動きで窓の所に手を当てるけど、それはほんとに人差し指と中指の腹だけが擦れるくらいの感じに。小さくそこから息を吐くけど、それで窓が曇ることもないし僕の顔の角度が変わることもない。

 

 ただまっすぐ向こう側の空を眺めるみたいに、この街の中で一番高い建物の窓から街とその向こうにあるずっと僕らが歩いたり過ごしたりしてた砂漠の様子を眺めてた。

 でも、相変わらずこっちからだと何も見えない。洞窟はどこなのかわかんないし、砂の色も全部白色のだけが見えたままだった。

 

 僕がずっとそっちを見てるだけにしてるつもりだったのに、気づけばストライカーさんが部屋の外へ走り出してて。すぐそこにある窓を開けてそこから飛び降りてた。僕がそっちに振り返って追いかけようとしたら、そこにいた大人の人が「君は、ここで待っててくれ」って言ったせいで止まることに。

 

 だけど、こっちの方が全然強いし、その脇の所をしゃがみながら通り抜けるだけで楽勝で避けれる。そのまま僕も同じ窓から出ようとするけど、もうストライカーさんの姿は見えなくなってるし、この建物自体もすごく背が高くて地面の様子なんか見えないから、一度腰を落として魔力を溜めることに。

 

 その間、向こうにいる大人の人もこっちに何かする訳でもなくて。ただ僕が1人でそうしてるだけになる。でも、それも数秒間のこと。それが終わってから足に魔力を貯めたままその窓を開けて。助走をつけるために後ろに数歩下がる。その音が聞こえてるのか聞こえてないのか、自分でもわからないまま全力で走り出して窓から外に出る。

 

 体を大の字にするみたいに両方の腕と足を延ばしながら空中に飛び出した僕は、そのままどこに行くかもわからないまま風で飛ばされて行きそうになって。すぐに空中で体勢を変えようとしたら、それだけで魔力を使うことになった。

 

 まっすぐ体を下に向けるまま飛び降りてた僕がようやく地面に着地する頃、そこは街の中でもストライカーさんの建物とは全然違う場所で。そこにいるだけで周囲で乗り物が車輪を回転させてる音だったり、人たちが話してる音や足音がいっぱい聞こえてきて。それだけで耳が支配される。

 

 僕が今いるのは何の建物かもわからない屋根の上で。そこから伸びてるおっきな針みたいなのに掴まって降りてきてた。それから地面へ飛び降りる前に1回、ため息をついて肩を落としてから目を瞑りそうになる。

 

 でも、それも1回だけにして周囲を見渡すけどストライカーさんの姿がある訳もなくて。どこかもわからない方にストライカーさんの名前を呼ぶ。

 

 それでもそっちにいる人たちが一瞬だけ僕の方を見るだけで、それが何になる訳でもない。それからこっちの方から建物の上から飛び降りようとするけど、一度立ち止まってから魔力を体に込めてもう一度行こうとする。一度路地裏の狭い通りの所で一度目を閉じて周囲の魔力を探ろうとした。

 

 だけど、そのために両方の手を落としながら目を閉じたのに、それと一緒に背中を引っ張られるみたいにされたら、それだけで体を傾けさせられて。

 それだけで目を大きく開けたら、そっちに兵頭彩芽がいて。その名前を呼ぶだけになる。だけど、それに対して向こうはこっちの耳についてた翻訳装置を奪い取るだけ。それから操作をしてる間、こっちが何を言っても向こうはただ、「時間がない。後にしろ」って言うだけだった。

 

 ただ、その次の瞬間、周囲に突風が吹いて僕の体はもちろん、兵頭彩芽のも吹き飛ばされそうになって。僕の体が掴まれる所もないせいですぐに大通りの方に飛ばされることになる。向こうはなんとかその場にとどまったのが分かったのは、こっちの方が地面に激突して、口から一気に唾液をいっぱい噴き出した時。それのせいで、体が地面にたたきつけられることになってた。

 

 体に来た衝撃と痛みのせいで両目を瞑りながら起き上がると、僕の通信端末を走って取りに来てる兵頭彩芽が体を前のめりにして倒れそうになりながら走って来てる向こうに、まっすぐ進んで来てるストライカーさんの姿があった。

 

「お前、あの時のやつ……」

 

 僕が一度相手の名前を呼ぶのもそれよりも辺りを歩いてた人たちがその名前を次々に呼ぶ声の方が早い。その結果、こっちの声なんかすぐに打ち消されることになった。僕も大通りの方に歩いてくるストライカーさんの方を中腰みたいな姿勢のまま見ようとすると、自然と首を上に持ち上げることに。

 そして、その動きをすることになってるのは兵頭彩芽も同じ。

 

 気づけばどっちからということもなくお互いに目線を合わせるけど、それも数秒の間だけ。すぐにまたストライカーさんの方を見ることになった。僕らが視線を合わせてるうちに間にいた人たちはもう捌けてて。向こうの姿が完璧に見えることに。

 

「何とかやつの気を引けないか」

 

 しばらく静かになってた所からいきなり向こうが話しかけたのもあって、まっすぐ立ったまま足を少しだけ開いて相手の方を見る。でも、兵頭彩芽の方は顎を自分の体に近づけながら唇を強く潰してそのままいるだけ。こっちが視線を相手にもストライカーさんの方にも向けられずにずっといた。

 

「でもどうやって……」

 

「何とかしろ!」

 

 こっちが両方の手を下の方に向けながら広げる感じにして。それから何とか兵頭彩芽の方で視線を向けるだけにしてたのに、それに対して向こうは一瞬でこっちに視線と顔を向けながら一気に近づいてきて。それだけで僕は喉を締め付けられながら首を持ち上げる。

 

 そのまま呼吸を何度も繰り返してる相手の姿を見てたら、小さな声で「わかった」とだけ。顔を横に向けながら目元を落っことすことになった。

 

「あの、ストライカーさん……」

 

「後にしてくれ」

 

 僕の方から相手に向けて歩き出す足取りはいつもよりも小さくてゆっくりになってて。脇も強く締めたまま、瞼を落っことして視線もずっと同じままにしてた感じで話しかける。

 だけど、その時にはもう相手は足を動かす速さを変えてて。早歩きくらいになってて。もうこっちの顔を見るどころか声を出してる途中でもう僕の横を通り過ぎてた。

 

 それから僕が声を出しながら振り返ったら、もう向こうは逃げ出してた兵頭彩芽の頭を掴んで地面にたたきつけてた。そっちの方に慌てて相手の名前を呼びながら走り出したけど、でもやられた側の頭からたくさんの血が流れてる上に目の辺りが大きく腫れてる姿を見たら、小さな声を出しながら身動きを止める。

 

「お前、ブラッドガーディアンの封印を解いて、どれだけの人が死んだかわかってるのか!」

 

 その大きな声がしたのに対して、兵頭彩芽は何も答えられないままただその場でぶら下がってるだけだった。でも、そう思ってたのは僕だけで、相手はぶら下がって揺らしてるだけに見せかけてた腕を自分の裏側に回してそこで僕の翻訳装置を操作してて。

 

 それだだけで大きな声を出しながらそっちに体を前のめりにしながら走っていくことになってた。

 

「ストライカーさん!」

 

『もちろんだ。一緒にいよう。君のこと。君の夢。もっと聞かせてくれ』

 

 兵頭彩芽の手から転げ落ちてた僕の耳の翻訳装置から声が再生されてた。ストライカーさんの録音された声が流れ始めた途端、辺りの人たちの視線もそっちに吸い込まれることになる。

 結果として辺りはただ録音された2人の会話の音だけが聞こえることに。でも、僕はただ、目を大きく開いたまま、口を振るわせてそっちを見てることしかできなかった。

 

『僕は、色々あるんだけど……』

 

 一度声を遮るために兵頭彩芽の名前を呼ぶ。それだけじゃなくて、足を一歩前に出してそっちの方に体を乗り出す。だけど、ストライカーさんに胸倉をつかまれたままにされてる向こうは相手に向けて歯を見せてるだけで。それ以外には何もしてなかった。

 

 一方で、それをされてるストライカーさんの方は僕と同じように目を開けたままいるだけにしかできなくて。口を紡いだままただ体の中で動かしてるのははためいてるマントだけ。そして、僕も2人の様子を離れた場所から眺めていることしかできない。

 

『僕の世界を守れるヒーローになりたくて……』

 

 辺りがただその音しかしないだけの状態が続く。ただ、僕の声がした後、しばらく間があったけど、でも、その間はずっと翻訳装置からは何も聞こえてこなくて。それのせいでこっちも顎を自分の体に近づけながら唇を強く潰すみたいな動きしか出来なかった。

 

『素敵なことじゃないか』

 

『一緒にその願い。かなえよう。そのためであれば、私もどんなことでもしよう』




読了ありがとうございます。
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