【オルクセン王国史二次創作】前線歩兵輸送車(仮称)事前評価及ビ導入提案(特別機密二ツキ複製ヲ禁ズ) 作:リラクシン
原作:オルクセン王国史 ~野蛮なオークの国は、如何にして平和なエルフの国を焼き払うに至ったか~
タグ:オルクセン王国史 野生のオルクセン 装甲車 騎兵 参謀本部 歩兵
NBC兵器脅威下での歩兵戦闘力の発揮のため、前線歩兵輸送車(仮称)の導入の可否を定める事前評価。
オルクセン陸軍は機械化歩兵を導入できるか否か。
政策評価書(事前の事業評価)
※本資料は、一般公開を禁ず。
担当:国軍兵器局第六課騎兵部
星暦九五八年五月四日
国防省統合参謀本部参謀次長兼作戦局長
同・研究課課長
同・研究課機甲部部長
同・兵站局長
国防省運用計画庁陸上戦闘研究局局長
同・将来陸上戦闘研究部部長
陸軍歩兵学校研究部主事
同・教導連隊本部第三部長
陸軍騎兵学校研究部主事
同・教導連隊本部第三部長
同・機甲兵科教育課長
兵器局第六課騎兵部部長兼首席計画官
同・第六課騎兵部装甲班班長
同・種族混成戦闘研究部首席研究官
陸軍教育訓練研究本部装備実験隊隊長
同・第一実験科科長
陸軍装甲教導連隊部隊評価班首席運用分析官
第一擲弾兵師団師団長
同・司令部第三部長
アンファウグリア師団副師団長
同・司令部第三部長
◯ 事業名
前線歩兵輸送車(仮称)事前評価及び導入提案。
㈠ 事業の概要
核戦力及び化学兵器脅威下における敵前歩兵輸送を遂行するため、将来の陸上戦闘に必要な機能を前線歩兵輸送車技術を確立、導入する。
㈡ 総事業費(予定)
約●●●ラング(研究総経費)
㈢ 実施期間
星暦九五八年度から星暦九五九年度まで研究を実施する。また、本事業成果と合わせて、関連部隊(歩兵学校及び騎兵学校並びに装甲教導連隊)研究を実施し、その成果を検証する(部隊研究のための試験研究費は別途計上予定)。
◯ 計画根拠
統合参謀本部策定第九次国防戦備大綱に係る次期兵器研究計画の大綱。
㈠ 国軍能力等に関する主要事業かつ戦力の中心的な構成要素の強化における優先事項。
㈡ 大戦戦訓に基づき将来陸上戦闘における絶対的優位の確保による、我が国の永世中立の安定化。
◯ 導入計画の目的
歩兵部隊、支援部隊等に装備し、機動火力発揮による前進援護、人員及び装備の保護並びに敵人員、陣地等の制圧及び撃破のために使用する。
◯ 導入計画の方針
㈠ 歩兵部隊、支援部隊等に装備し、機動火力発揮による前進援護、兵員及び装備の保護並びに敵人員、陣地等の制圧及び撃破のために使用する装軌車両をいう。
㈡ 歩兵部隊、支援部隊等の兵員及び装備の防護を容易ならしめるため、装甲化された兵員室を有する車両を整備する。
㈢ 導入に当たっては、国内の兵器生産・技術基盤の維持・強化に配慮して整備する。
星欧列国類似車両は、オーク族の収容及び搭乗が不可能であり、本計画においては当初より候補から除外する。
◯ 導入計画の目標
本兵器の必要事項、前提事項等は、次の通り。
㈠ 装備品に必要となる主要な機能
機動性能
・広域かつ迅速に機動できること。
・種族を問わず、輸送及び戦闘を行えること。
・鉄道輸送及び海上輸送等により戦略的機動性を確保すること。
火力性能
・前線における高強度戦闘間において、敵野戦陣地を制圧し得る持続的な火力支援ができること。
防護性能
・敵携帯歩兵火力に対する防護力を保持すること。
・核戦力及び化学兵器に対する完全防護力を保持すること。
その他
・装具及び火器を装備した一個歩兵分隊全員が乗車できること。
教育訓練基盤
・教育訓練に必要な器材を有するとともに、教育制度の整備により操縦、運用及び整備の教育を可能な限り現有装備を使用し実施できること。
本計画用兵事前評価
※本資料は、参謀本部佐官級以上及び計画指定機密取扱者並びに特別機密指定取扱者のみ閲覧を許可する。
㈠ 歩兵学校及び騎兵学校
先の大戦において、敵火力下における歩兵の行動は著しく制限され、従来通りの火力及び機動力を発揮することは困難である事が分かった。
また、我が国をはじめ星欧各国は既に核戦力の保持を進め、戦術レベルでの使用もあり得る。化学兵器についても、条約により使用を禁ぜられど、使用の懸念は拭い去れず。
以上のように烈度を増す現代戦において、本計画のような前線歩兵輸送車の導入、配備は喫緊の課題なれど、現在軍は種族混成の部隊編成となっており、一個分隊を輸送するには各分隊で車両配備数に差異が出るのは明白である。
一個分隊全員を一両にまとめて搭乗させる前提で車両を設計・製作する場合、かなり大型の車両となるのは不可避であり、そのような大型装軌車両は隠蔽が困難で、敵陣地接近前に敵遠距離火力により破壊される危険性が高い。
本車両を有効に活用するには、種族を別とした部隊編成の徹底と、搭乗種族に合わせた車両設計をする必要があり、その為には戦闘教義の大幅な見直しに迫られる。
これは歩兵科、騎兵科のみならず、陸軍ひいては陸海空軍の三軍の運用、人事、教育に重大な影響を及ぼす。
㈡ 兵器局種族混成戦闘研究部
想定運用部隊の指摘の通り、種族混成である現段階においては、前線歩兵輸送車を有効に活用する事は極めて難しい。
現在、特に頑強なオーク兵及びドワーフ兵のみで編成され、小銃弾防御鎧を着用する『装甲擲弾兵』部隊があるが、歩兵火力以外に対する抗堪性は無いに等しく、また積極的な攻撃には投入し難く、火消し的な運用に留まっている。
本計画は装甲擲弾兵のみならず全歩兵に防御力、更には対砲兵・対核兵器・対化学兵器への抗堪性を持たせ、あらゆる戦闘において歩兵戦力の均一的な投入を可能とする事が骨子である。
然るに、通信職種等、部隊本部に別種族が混在する現在の部隊編成を維持したまま本車両を導入するは、歩兵学校及び騎兵学校が既に指摘している通り、無謀であると言わざるを得ない。
本車両の兵員室部分を自動貨車の荷台のごとく入れ替えられるようにし、汎用性を確保する事で、種族の体格に合致した適切な車体規模を確保する事を提案する。
㈢ 国軍参謀本部兵站局
全部隊に同じ車両を配備しても、部隊に種族が混成する現在においては、車両を各部隊同数配備することは不可能である。
兵の異動や装備の更新に応じて、その度に車両の入れ替えや転換が必要となる。
このような運用は戦時どころか平時においても、兵站にかなり負担をかけることになるのは、将校ならば容易に理解し得ると私は信じる。
従来、食糧や弾薬の補給においても同様の問題は発生していたが、現場で解決している所が大きかった。しかし、本計画は戦闘教義の大幅な変更も加わり、大きな混乱を引き起こす。
軍は常に変化し続ければならない、とロジスティクスの立場のみならず、全ての将校が口にするところである。大戦終結後の今こそ、本車両の導入をきっかけにより合理的な現代化された軍隊へ、旧来の在り方から脱却するべきではないか。
◯ 総合的評価
国防省統合参謀本部参謀次長兼作戦局長
●●特別演習において、戦術核の使用により攻撃前進中の一個師団が壊滅したのは記憶に新しい。
兵器局第六課騎兵部の提案内容は、将来陸上戦闘において我が軍の優位性を絶対的なものとする非常に有用なものであることは疑いようのない事実である。
従来より、種族混成は用兵上の問題を孕んでいる事は諸官のご存知の通りである。
本計画は、単なる一兵器の導入に留まらず、より種族別の性格や能力を活かした部隊編成による合理化を推進する、軍全体の現代化の一端とする。
議論の本筋より外れるが、軍の現代化は我が国の主権確保及び永世中立の堅持、将来の無条件の核並びに化学兵器運用を前提とした最終戦争においても、国体を護持するための非常に高度な政治的、外交的手段である。
よって、本計画は単年度政策評価から、統合参謀本部直轄研究事案とする。用兵研究として第一擲弾兵師団及びアンファウグリア師団は、装備実験隊と共同して当たるべし。
爾後、本計画は指定機密事案とする。
我らの母なる大地、母なる祖国に豊穣あれ。
正署
国防省統合参謀本部参謀次長兼作戦局長
陸軍歩兵中将
ヴァルター・ライスヴィッツ
副署
同・参謀本部研究課課長
陸軍歩兵少将
パウル・アルテスグルック
提案
兵器局第六課騎兵部部長兼首席計画官
陸軍騎兵中将
アルディス・ファロスリエン
陸軍教導連隊部隊評価班首席運用分析官
陸軍装甲兵大佐
テオドーア・マンシュタイン
オルクセン王国史と大サトーが好きです。