魔法科高校の劣等生ver.2   作:Marthe

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皆さんおはこんばんにちわ。なんだか寝不足っぽい作者です。

今回は国立魔法大学付属第一高校の受験です!

深雪に勉強を見てもらったことが身についているのか、必見です。

では!


高校入試

「次、267番司波深雪」

 

深雪が試験番号を呼ばれるそれに、はい、と返事をした深雪は試験台に手をつき魔法を発動した。

 

おお・・・

 

深雪の魔法力に感嘆の声が上がる。深雪の魔法はそれだけ洗練されていてその力を示すものとなった。

 

「次、268番司波達也」

 

「はい」

 

達也も同じように魔法を発動する。しかし達也の魔法は深雪と比べギリギリ合格レベルの程度のものだった。

 

「次、269番衛宮士郎」

 

「はい」

 

ついに士郎の番だ。士郎は若干緊張しながら魔法を発動する。

 

おおー!と感動の声が上がり、評価は上々のようだ。

 

(特訓したかいがあったな)

 

この実技試験では、処理能力、キャパシティ、干渉力。この三つを総合したうえで審査される。後にわかることだが士郎のそれは深雪に勝るとも劣らないものだったそうな。

 

(知ってる魔法がそんなに多くないし、深雪には負けるな)

 

そうなのだ。士郎は泉の精霊に授けられた能力に反して知識が追い付いていない。絶大な魔法力を持ちながら知識はまだまだこれからという何ともしがたいものだった。

 

(試験は実技の比率が多いと聞くこれは何とか受かったかな)

 

残るは筆記だが、深雪の猛勉強のおかげでそちらもどうにかなりそうだった。

 

(怖かったからなー・・・深雪)

 

自分のためを思ってくれているのはわかるのだが簡単な問題を間違えると雰囲気で圧してくるのである。

 

そんなこんなで深雪と士郎は無事合格また、達也もなんとか合格することができた。

 

そして入学日。

 

「二人とも一科生での合格、おめでとう」

 

「ありがとう。深雪と達也のおかげだ。おれには合格する余地なんてなかったんだからな」

 

「・・・。」

 

「深雪?」

 

何かをこらえかねたように深雪は、

 

「お兄様が二科生だなんて深雪は納得いきません!」

 

その言葉に達也は苦笑を浮かべて。

 

「実技試験がわるかったんだ。深雪と同じ一高に通えるだけでも幸運と思わないとな」

 

「ですが!」

 

「まぁまぁ深雪。一科生も二科生も授業に優劣はない。ここは無事三人とも受かったことを喜ぼう。それとも、差別を嫌う深雪自身が一科生だ、二科生だなんて議論をするのか?」

 

「それは・・・」

 

士郎の言葉に胸元をきゅっと抑えて深雪は黙った。

 

「それにな。きっと達也は試験にこだわらない実力を示すことになると思うぞ」

 

「・・・それは未来(・・)を見たからですか?」

 

「いや、予感だ。本物の実力者は達也の実力を見逃さない。そんな予感がする。

 

マーリンから送られてくる情報はすでに途絶えている。それは千里眼をもってしてもこの先のことはわからないということ。

 

士郎が介入したせいで未来が変わった可能性もある。これからは一層気を付けなければいけないなと士郎は思った。

 

「士郎」

 

「なんだ?」

 

「在学中深雪のガードを頼む。二科生の教室からじゃ遠いからな」

 

「お兄様は深雪を守ってはくださらないのですか・・・?」

 

「もちろんおれも今まで通り深雪を守るさ。でも深雪の守りは厚くしたい。・・・俺はいつも深雪のことを想っているよ」

 

「想っているだなんて・・・」

 

くねくねと嬉しそうにする深雪に、

 

((何か致命的に思い違いをしているような・・・))

 

と二人は思うのだった。

 

その後深雪は新入生代表の答辞があるので別れ、士郎と達也は学内を回ることにした。

 

「国立魔法大学付属高校・・・各国から選りすぐりを集めたエリート校。ここに所属するだけで一流魔法師として認められることになる」

 

「そんな大それた高校がなぜ一科生だの二科生だの分けるんだろうな」

 

「ここでは何事も実力が全てだ。その証拠がお前の制服にも刻まれているだろう」

 

「俺は自分をエリートなんて思ったことはない。この称号は達也にこそふさわしいと思うんだがな」

 

士郎は肩をすくめて言った。

 

「深雪にも言ったが実技テストがものを言う校風なんだ。ありがたく受け取っておけ。第一、お前はゼロから魔法学を学んだ。それで一高に入れるのだから大したやつだよ」

 

「その成績もぎりぎりだったけどな・・・」

 

これからの授業が大変そうだと肩を落とす士郎。そんな二人に

 

「新入生ですね?何かお困りのことでもありますか?」

 

一人の女子生徒が声をかけてきた。

 

(一科生の先輩か)

 

「いえなんでもありません」

 

「同じく。これから通う校舎を見学していたところです」

 

「そうですか。私は生徒会長を務めています。七草真由美(さえぐさまゆみ)といいます。七草と書いて“さえぐさ”と読みます。よろしくね!」

 

(達也、七草って・・・)

 

(ああ。ナンバーズ。十師族の一員だ)

 

十師族。それはこの世界の魔法師の頂点に位置する者たちのことだ。

 

かく言う達也も四葉なわけだが今は秘匿されている。

 

「会長~!もうリハーサル始まっちゃいますよ!・・・あれ?」

 

栗毛色の小柄な女子生徒が真由美を呼びに来た。

 

「呼びに来てくれたの?あーちゃん」

 

(あーちゃんって)

 

簡略化しすぎだろうと突っ込みを入れたい士郎であったが、

 

「お話し中でしたか?」

 

「いえ、失礼します」

 

「失礼します」

 

距離を取る達也に士郎も合わせた。

 

「巻き込まれたくなかったのか?」

 

士郎が聞くと、

 

「七草先輩は生徒会長だ。二科生の俺と親しげに話してたら反感を買う」

 

「なるほど。じゃあ引き続き校舎を見て回るか」

 

 

 

 

少し時間をつぶして会場入りすると、

 

「前列がブルーム後列がウィード・・・こう見ると差別化が激しいな・・・」

 

そのことに顔をしかめる達也それを知ってか知らずか、

 

「達也、あそこが空いてるぞ」

 

「士郎。お前は・・・」

 

「前列に行け、ってか?そんなのごめんだな」

 

そう言って士郎は後列の一番端の席に座ってしまった。

 

その様子を見て周りがコソコソとし始めて達也は溜息を吐くしかなかった。

 

「あの・・・」

 

「ん?」

 

達也が振り向くと、眼鏡をかけた女子生徒が声をかけてきたようだ。

 

「お隣、空いてますか?」

 

「あ、ああ。どうぞ」

 

「ありがとうございます」

 

(こんな状況で隣の席を求めるとは・・・)

 

達也はなんだか申し訳なくなった。

 

「あの、私柴田美月っていいますよろしくお願いします」

 

「司波達也ですこちらこそよろしく」

 

挨拶を済ませるとさらに向こう側に座った赤毛の女子生徒が自己紹介してきた。

 

「私は千葉エリカ!よろしくね司波達也君。それと・・・」

 

エリカは達也の後ろにいる士郎に目を向けた。

 

「ん?ああ、俺は衛宮士郎。この通りブルームだウィードだと気にしない質なんだ。よろしく」

 

「よろしくお願いしますね」

 

「よろしく。衛宮士郎君?」

 

エリカの言葉に士郎はむずがゆそうに、

 

「士郎で構わない。これから一緒に学んでいくんだ。仲よくしていこう」

 

「そういうことなら、よろしく、士郎!」

 

「よろしくお願いしますね?士郎さん」

 

「ああ。よろしく」

 

「司波君もね?」

 

「俺も達也でいいよ。士郎は一科生だが、よろしく頼む」

 

『これより国立魔法大学付属第一高校、入学式を執り行います』

 

先に出会った七草真由美のあいさつの後ついに深雪の番がくる。

 

大勢の新入生の中だというのに穏やかに、しかしはっきりとしたあいさつに達也は満足そうで、それを隣で見ていた士郎も安心したように微笑んだ。

 

 

 

 

 

 

「達也君、ホームルーム覗いていかない?」

 

「いや、妹と士郎と待ち合わせしているんだ」

 

「士郎はわかるけど妹って・・・」

 

「あの、もしかして新入生総代の司波深雪さんですか?」

 

美月が興奮したように言う。

 

「ああ」

 

「へぇ珍しい。双子?」

 

エリカの言葉に首を振って、

 

「いや、よく聞かれるんだが俺が4月生まれで妹は3月生まれなんだ。それにしてもよくわかったね」

 

驚いた様子で問う達也に美月は、

 

「二人のオーラは凛としたところが似ていたので・・・」

 

「ッ!!!」

 

その言葉に達也は危険を覚える。もし自分たちの秘密がばれてしまったらと。

 

「オーラの表情がわかるなんてよほど目がいいんだね」

 

「・・・。」

 

霊子放射光過敏症(りょうしほうしゃこうかびんしょう)・・・これ以上見られるのは危険だ。俺の秘密を――――)

 

「お兄様!」

 

そんな危機感を抱いていた所に深雪の声が掛かった。

 

「お兄様!おまたせいたしました!」

 

「早かったんだね。・・・ん」

 

「こんにちわ。また会いましたね」

 

深雪の後ろにいたのは七草真由美と入学式で司会を務めていた男子生徒だった。

 

そちらに一礼した達也、だが深雪から爆弾発言が浴びせられられる。

 

「ところでお兄様、早速デートですか?」

 

達也は頭が痛そうに目を伏せ、

 

「そんなわけないだろう深雪。この二人はクラスメイトだよ。そんな言い方は失礼だろう」

 

「っ・・・申し訳ありません。司波深雪です」

 

「柴田美月です。よろしくお願いしますね」

 

「私は千葉エリカ!エリカでいいわ。深雪って呼んでいい?」

 

「ええ!どうぞ!」

 

快く快諾する深雪に、実は気さくなタイプ?などと話しかけている。

 

と、

 

「なんでウィードなんかと仲良くするんだ!!!」

 

「ブルームだウィードだ以前に、彼とは友人だからだが?」

 

なんだか剣呑な声が響いてきた。

 

「あれは・・・」

 

「士郎!」

 

どうやら絡まれているのは士郎らしい。

 

「あ、達也、深雪。今そっちに行くから――――」

 

「この・・・!話はまだ終わっていない!!!」

 

「!」

 

ヒュイン、と魔法を発動しようとしたその腕を士郎は掴み、

 

パキン!

 

「!?」

 

あっさり打ち消して一本背負いを決めて拘束した。

 

「ぐっ!」

 

「校舎内での魔法の不正使用は規律に反するはずだが」

 

「どうしたんですか?」

 

一部始終を見聞きしていた七草真由美がそちらに近寄った。

 

「なにやら自分のグループに入らないかと持ち掛けられて、二科生の友人がいるからと断ったら実力行使されたので、魔法の不適切使用で取り押さえました」

 

「そうですか・・・」

 

士郎の言葉に真由美は悲しそうに目を伏せ、

 

「半蔵君。彼を連行して」

 

「はい。会長」

 

押さえつけられていた男子生徒を半蔵と呼ばれた七草真由美の後ろに控えていた男子生徒が拘束した。

 

「ふう。ブルームだウィードだとくだらない。魔法はそも使い方だろう。達也、深雪、美月、エリカ。見苦しいところを見せちまったな」

 

「いや、相変わらず見事な体術だな」

 

「え!?あの短時間で魔法をキャンセルしながら技をかけたの?」

 

エリカが驚いたように言うと、

 

「ううん・・・士郎さんが相手の手を掴んだ瞬間、魔法式が弾けたような・・・」

 

美月の鋭い指摘に士郎は若干汗を流し、

 

「ま、まぁ手品の類だよ。それより七草先輩。助かりました」

 

「いえ、生徒会長として当然の責務です。本当は風紀委員の仕事だけど・・・ああも見事に現場を押さえちゃったらね?でも!」

 

ビシ!と指を士郎に突き付けて、

 

「今度、詳しく教えてね?」

 

「あはは・・・はい・・・」

 

ガクリと肩を落とす士郎をクスクスと笑いながら深雪が見ていた。

 

 

 

 

司波家地下二階。そこは大きな実地試験場となっており、主に達也がプログラムしたCADの試験に使われたりする。

 

「いくぞ。達也」

 

「ああ」

 

そこに士郎と達也がたっていた。だが瞬間、

 

ドヒュ!

 

「ぐは・・・!」

 

一瞬にして目の前から消えた士郎に吹き飛ばされる達也。

 

「ゲホゴホ・・・相変わらず常識外れのスピードだ」

 

「速いだけじゃなくて相手の視線の動きや最高速に到達するスピードなんか色々あるんだけどな。まぁ言うより慣れだ。今度は達也の番だな」

 

達也は士郎の縮地を会得するべく鍛錬していたのだ。

 

「・・・。」

 

「いい感じだぞ達也。そこの体捌きは・・・」

 

「こうか?」

 

「違う。それじゃ無駄が生じる。もうちょっとこうだな」

 

「む・・・使ったことのない筋肉を使っている気がするな」

 

「当然だ。普段使われない筋肉だからな。ここを鍛えるのは大変だぞ」

 

「鍛えるにはどうしたらいい?」

 

「教えてもいいが・・・私生活に支障がでないか?」

 

心配する士郎だが、

 

「大丈夫だ。いざとなったら自己修復術式を使う」

 

「おいおい・・・」

 

なんとも大人げない行為にさすがの士郎も頭を抱える。

 

「俺は、深雪の守護者(ガーディアン)として誰よりも強くあらねばならない。これもその一環だ」

 

「お前のそれは筋金入りだな。ま、俺が言えたことじゃないか・・・わかった。まず・・・」

 

その後、普段凛として隙を見せない彼が、

 

「お兄様・・・」

 

「深雪・・・済まないが湿布を張ってくれないか?」

 

体がとても痛そうにピクピク痙攣していた。

 

「達也・・・最初から飛ばしすぎだ。言わんこっちゃない」

 

深雪にペタリ、ペタリと湿布を張ってもらっている達也。普段の凛とした彼からは想像もつかない。

 

「普段やらない鍛錬だから興が乗ってな。士郎はどのくらいでできるようになったんだ?」

 

「5年かな。ああ、期待するなよ。俺には鏡写しのような存在がいた。だから5年で身につけられたんだ。達也の感覚は達也にしかわからない。習得には長い時間を要するだろう」

 

「この筋肉痛は早めに卒業したいな・・・」

 

困ったようにうつ伏せになる達也にクスクスと深雪は笑って、

 

「お兄様がこんな弱みを見せるなんて、なんだか可愛いです」

 

「おいおい、仮にも兄に向って可愛いなんて、」

 

「えいっ」

 

「ッ!」

 

ビクリと跳ねる達也。

 

「えいっえいっ」

 

「み、深雪!やめ・・・」

 

深雪が面白がってつつく度にビクンとまな板の上魚のように跳ねる達也。

 

「こらこら深雪。面白いのはわかるけど、本人はそれどころじゃないからな」

 

「あら、ごめんなさい。お兄様」

 

「勘弁してくれ・・・」

 

そんな二人のやり取りに微笑ましいものを感じながら、

 

「さ、今日はここまでにしよう。明日も何かとひと悶着ありそうだしな」

 

「そうだな・・・余力は残しておきたい」

 

すっと服を着て達也も今日はこの程度で終わらせることにした。

 

 

 

 

 

翌朝。

 

「この自己加速術式ってのは油断すると体が千切れそうになるな!」

 

士郎が不慣れな自己加速術式で走っていると傍に来た達也が、

 

「それも慣れだ。士郎は生身で信じられないスピードを出すからな・・・自己加速術式に慣れればもっと応用が利くぞ」

 

「ふふ。士郎もお兄様も熱心ですね」

 

さーっと地面を滑るように移動する深雪は流石のコントロールだった。

 

しばらく走り続けるとこの前の坊主寺に到着する。

 

そして山門を潜ると・・・

 

「やぁ!」

 

「はぁ!」

 

複数人の修行僧が士郎と達也に襲い掛かってきた。

 

「はッ!」

 

「せいッ!」

 

それを予期していたごとく士郎と達也は自然と迎撃に移った。

 

ドカ!バキ!と鈍い音を立てて繰り広げられる鍛錬に深雪は心配そうにする。

 

 

「深雪君」

 

「先生!あれ・・・?」

 

声をかけられたのに誰もいない。そこで振り向いてみると、

 

ぷにっ

 

っと頬をつつかれた。

 

「きゃっ!もう!先生、気配を消して忍び寄らないでください!」

 

「僕は忍びだからねぇ忍び寄るのが性みたいなものなんだけど・・・」

 

「今時、忍者なんて職種はありませんっ」

 

深雪の言葉にチッチッチと指を振り、

 

「忍者じゃなくて僕は由緒正しき忍び。忍術使いだよ」

 

「先生が由緒正しき古式魔法の伝承者なのは存じています。それなのになぜ先生は・・・」

 

はぁ、とため息をつく。

 

「それが第一高の制服かい?」

 

「はい!昨日が入学式でした」

 

「そうかいそうかいいねぇ」

 

「今日は入学のご報告をと存じまして・・・」

 

「真新しい制服が初々しくて・・・」

 

「せ、先生?」

 

「清楚な中にも色香があって!」

 

ワキワキと怪しく動く手。

 

深雪が身を引くと、

 

ビシ!

 

「おい、生臭坊主。少女をいやらしい目で見るんじゃない」

 

士郎のチョップがゴシャ!と八雲の頭部に入った。

 

「ぼ、防御の上からダメージを通すなんて反則なんじゃないかな・・・」

 

「士郎、今のは?」

 

達也が興味津々に聞いてきた。

 

「“浸透勁”だ。鎧や防具の上から内臓系にダメージを通す技だ」

 

「そんな危険な技を僕の頭に打ち込まないでくれるかい!?」

 

「大丈夫。脳細胞が10万個死ぬくらいには抑えた」

 

「10万個って大ごとだよ!」

 

慌ててペタペタと頭を触る八雲を放っておいて、

 

「深雪、大丈夫だったか?」

 

「はい、お兄様!士郎が助けてくれましたので」

 

「すまない。殲滅スピードが士郎のほうが早くてな・・・守護者失格だな」

 

謙遜する達也に深雪は、

 

「いいえ!お兄様はいつも私を守ってくれています!今回は・・・」

 

「そうだな。あと一歩遅ければ達也が止めに入っていたと思うぞ。今回はたまたまだ」

 

「その一歩が遠いんだがな・・・とにかく、礼を言う」

 

「なに。これくらいなんてことない。さて・・・」

 

くいくいとアクションして、

 

「師匠ともどもかかってこい。今度は魔法も使うぞ」

 

「ほう、僕と達也君を?それはちょっと慢心しすぎじゃないのかな・・・!」

 

背を向けた体勢からの掌底を軽く受け流し、

 

「俺に魔法は効かない。正当な判断です」

 

「――――ッ!!」

 

挟み込むようにして達也が攻撃を仕掛けるも、

 

「達也。攻撃の瞬間だけ殺気が出ているぞ。普段の冷静沈着なお前を思い出せ」

 

すかさず八雲の腕と絡めるように双方の腕を絡み取り、八雲には肘を、達也には遠心力の乗った後ろ回し蹴りを見舞った。

 

二人とも紙一重で避けたが、

 

「ふぅッ!」

 

「なに・・・!?ぐあ!」

 

「ぐは!」

 

ねじれるように八雲と達也は吹き飛ばされた。

 

「お兄様!先生!」

 

「くっ・・・」

 

「げほ・・・確かに忍術を使って止めたはずなんだけどねぇ」

 

「俺に魔法は通じないと言ったでしょう。あんまり余裕かましてると、痛い目みますよ」

 

「ここまで言われちゃあね。・・・行こうか、達也君!」

 

「はい!」

 

その後師弟そろって動けなくなるまで鍛錬は続いた。

 

「はぁ・・・はぁ・・・」

 

「はぁ、これでも腕には自信があるのだけどねぇ」

 

地面に寝転がって荒い息を吐く二人に、

 

「戦術の幅の問題ですよ。二人ともいい線行ってます」

 

こちらも余裕とまではいかなかったのか汗を流す士郎。

 

「なぁ達也。魔法で汗を蒸発させることってできるのか?」

 

流石に気になったのだろう。士郎はそんな問いかけをした。

 

「はぁ・・・少し違うが、酷暑・発汗時、汗の水分と成分を皮膚と衣類から空中へ発散させる魔法がある」

 

「おお、便利そうだな。それ教えてくれ」

 

汗に困らなければ洗濯も楽そうだと思う士郎。

 

「汗を皮膚と衣類から発散させる魔法?そんな基礎的なことが知りたいのかい?」

 

「ええまぁ。俺の魔術はそんなに便利じゃないので」

 

「魔法無効化に強力な身体強化魔法・・・どれを取っても君は一流だと思うがねぇ」

 

「俺のは二流ですよ。一流との差は・・・こんなものじゃない」

 

士郎は自分の手を見つめ、強く握った。

 

「士郎・・・?」

 

何か思いつめたような表情の士郎を心配げに見つめる深雪。達也も何かを見透かすような視線を向けていた。

 

「っと。俺のことはここまで。深雪、朝食作ってきたんだろ?みんなで食べよう」

 

「は、はい!先生も一緒にいかがですか?」

 

「じゃあご相伴にあやからせてもらおうかな」

 

「今日は何が食べられるのか楽しみだよ」

 

「まぁ、お兄様ったら、食いしん坊キャラのようですよ」

 

「深雪はメキメキと力をつけているからな。俺も楽しみだ」

 

そうして鍛錬の後にはおいしい食事が披露されるのであった。




今回はここまで。うーむ話があんまり進んでない気がするぞう。

士郎は無事に一科生として合格!理論などのペーパーテストは危なかったのは言わない約束です。すべては泉の精霊のおかげ。

次回は森崎たちとのやりとりですかね。士郎が投影で戦うのずいぶん先になりそうだなぁ…

ということで次回!
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