梁山泊の同門者 黒崎相介   作:rOOd

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疑いをかけられた時、自分のはらわたを見せる。

口に出せば簡単だが、現実はそういかない。
なぜならば、疑いには二つの因果がある。

一つは利益、もう一つは猜疑心。

前者で疑うのは強き者の性。
後者で疑うのは弱き者の性。

一部を除き、ほとんどの人間は後者である。
それゆえに人は他者にはらわたを見せない。
弱き者には選択肢を判断ができぬと知っている。

そして、その選択を強き者に譲り、責任を押し
付けるのが弱き者の性。
そうなれば、その先は破滅のみ。

もし、疑いをかけられたのならば、相手と向き
合い、話し合うこと。
どれだけ長い時間をかけても話し合いするのが
人と人が分かり合う唯一の手段だ。


BATTLE 14 梁山泊での修行 下編 

       【陽春 夕暮れ】

 

       [奈良 霊山]

 

「どこだ・・・・・・どこだ・・・・・・隕石鉱山」

 

 香坂しぐれは黒崎相介との決闘で敗北・・・・・・

正確には中断だが、しぐれは相介の仕事の邪魔を

した後ろめたさから彼と同じ武器を手に入れて再

戦を申し込もうと考え、奈良の飛鳥三輪山にある

と言っていた隕石鉱を探しまわっていた。

 

「くそ・・・・・・反応がない」

 

 古典的な地下鉱山の探し方であるダウジングロ

ッドやペンデュラムを使って探すこと半日・・・・・・

収穫はゼロだった。

 

「あきらめるな・・・・・・必ず相介と再戦する・・・」

 

 ボクはそのまま薄暗い山奥へと歩き出した。

 

 その後、香坂しぐれの姿を見た者は誰もいない

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー            

       【陽春 夜中】

 

       [梁山泊 中庭]

 

「うむ、今日はこれくらいにしとくか」

「・・・ハァハァ、あ・・・ありがとうございます」

 

 ほ、ほんとに45キロメートルのフルマラソン

をやらされた〜〜。

 死ぬ〜!初日からハード過ぎだぞ〜〜〜。

 

「そ、そうちゃん大丈夫?」

 

 オレはオドオドして心配する兼一に満面の笑み

で痩せ我慢を見せた。

 

「ふっ、これでも“妙手”。お前よりは頑丈だよ」

「そう、ともかく無事でよかった」

「安心しろ、兼一はオレの数十倍、いや数百倍の

 頑丈のみを手に入れるから」

「なんで強さじゃないの!?」

 

 オレたちが和気あいあいとしていると咳払いを

した岬越寺先生は兼一に声をかけた。

 

「あ〜、兼一くん」

「は、はい!岬越寺先生!?」

「今日の君の修行は無しとする」

「え?」

 

 岬越寺先生の意外な言葉でキョトンとする兼一

 岬越寺先生はこの後、梁山泊で緊急会議を開く

ので君の修行の時間が取れないと説明した。

 兼一は嬉しさと不思議さが入り混じった表情で

頷き、今度はオレに声をかける。

 

「相介くん」

「はい」

「君はこの後、何か用事があるかい?」

「いえ、特には」

「それならば、我々の緊急会議に参加してくれな

 いか」

 

 岬越寺先生ギラッと睨見つけるような目線を送

るので察したオレは頷く。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

       [梁山泊 母屋]      

 

 兼一は帰った後、オレは神妙な顔の皆さんの前

に正座していた。

 数秒の沈黙の後で岬越寺先生が口を開いた。

 

「さて、相介くん」

「なんでしょうか、岬越寺先生」

「もう隠し事はよそう。君のすべてを話してくれ

 るかい」

 

 敵意を感じない穏やかな表情の岬越寺先生を見

て、これはもうはらわたを見せるしかないと観念

したオレは答えれることのは答えようと決めた。

 今度は長老がゴホンと咳払いして聴いてきた。

 

「まず、相介くん。お主は“達人”じゃな。しかも

 儂らと同等の実力を持っておるな」

「はい、おっしゃる通りです」

「・・・・・・もう一度問いたい。お主の目的は?」

 

 オレは森林のような静かさを纏う長老の言葉に

真摯に答えた。

 

「・・・・・・兼一が心配だから梁山泊に入門した。

 ただそれだけです」

 

 長老はオレの答えに嘘偽りはないと察したのか

“うむ、わかった”と言って頷いた。

 次に、岬越寺先生が昨晩の決闘について聴いて

きた。

 

「相介くん、昨晩しぐれと決闘をしたのかね?」

「はい、オレから決闘を申し込みました」

「なぜ、彼女と決闘を?」

 

 オレは自分に疑いを持ったしぐれさんの説得す

るにはそれしかないと言うと梁山泊の皆さんの顔

が苦笑いに変わってウンウンと頷いた。

 逆鬼さんが“そんで、しぐれに勝ったのか”と問

われたのでこう答えた。

 

「勝ったというか、アクシデントで決闘を中断し

 ました」

「アクシデント?」

 

 うーん、どうする・・・・・・。

 まあ誤魔化すと後々面倒になるよな。

 それにオレのことをある程度知ってもらった方

がいいか。

 

「そのことを話す前に逆鬼さん、オレをどう感じ

 ています?」

「・・・・・・まず、“力”の底が見えねぇ。少なくとも

 俺はそう感じるな」

 

 正解。現時点、“力”だけならばオレはあなたた

ちよりも上だ。

 そう、武術の世界は自分と他人の実力の差を見

抜くことができなければその先にあるのは“死”の

みだからな。

 オレは逆鬼さんの答えにこう返した。

 

「オレとあなたたちの違いは気功術です」

 

 オレの言葉で首を傾げた馬さんはオレに疑問を

ぶつけた。

 

「気功術?そんなの、おいちゃんたちも極めてい

 るネ。相介となにが違うカ!?」

「なら、今からオレの全力の“剣気”をお見せしま

 す。それでお判りなると思います」

 

 そう言ってオレは剣気を解き放した次の瞬間!

 速やかに立ち上がった長老たちは臨戦状態へ。

 

「これがオレの剣気です」

「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・」」」」」

 

 数秒の沈黙の後、長老が最初に口を開いた。

 

「ほほお〜、とんでもない気あたりじゃ。お主が

 想像絶する修羅場をくぐり抜けてきたかがよく

 理解したわい」

「長老のおっしゃる通りです。我々でもこれほど

 の気を放つことはできない」

「まったくネ、最近の子はどうなってるカ。簡単

 マスタークラスに到達するだけはなく超人へと

 昇華するとはネ」

「ケッ、こりゃ〜俺らも浮かうかとしてられねえ

 な、アパチャイ」 

「アパッ!?アパチャイつよくなるよ!ぜったい

 よ」

 

 オレは障子の隙間から覗いていた風林寺をチラ

ッと見たら、腰をぬかしていた。

 

「(これが黒崎さんの本気・・・・・・)」

 

 馬さんの言う通りですわ。

 あの方は達人などではありません。

 この気迫は超人。

 そう、超人の域へと昇華しています。

 どうやって!?

 一体どうやってお爺さまと同等の力を!?

 

 私が戸惑っている中、お爺さまが一呼吸して黒

崎さんに質問しました。

 

「そうちゃん、お主の流派・・・・・・・・・弥勒流という

 古流剣術について教えてもらえんかのう」

 

 長老はヒゲを撫でる岬越寺先生をチラッと見て

再びオレに目線を合わせる。

 

「弥勒流・・・・・・このワシですら聞いたことがない

 流派。できれば詳しく教えてほしいのう」

「はい、弥勒流についてご説明します」

 

 梁山泊の皆さんは座り直し、弥勒流の話を耳を

立てる。

 弥勒流の源流、『魔女の国』の歴史と滅亡、魔

女たちによる隠蔽などを事細かく話し終えた時

皆さんは驚愕の表情で口を閉ざしてしまった。

 数秒の沈黙の後、岬越寺先生が尋ねた。

 

「黒崎くん、せっかくだから弥勒の技を見せてく

 れないか」

「・・・・・・分かりました。えー皆さん、中庭に移動

 をお願いします」

 

 オレと皆さんは中庭に移動し、オレは異空間収

納ボックスを開けて『空月』を取り出した。

 

「・・・・・・黒崎くん、君は“魔法使い”なのかい?」

「正確に言えば“魔導騎士”ですかね」

 

 梁山泊の皆さんは信じられないものを見たいう

目でオレを凝視する。

 当然か。超常を見せつけられたんだからな。

 

「それではお見せします。弥勒の御業を」

 

 オレはそう言うとあの夜の決闘と同じように浮

遊させた『空月』は横軸の高速回転して次に縦軸

の高速回転により直径10メートルの重力の渦を

形成した。

 

「弥勒流古剣術 綺の太刀・・・・・・“有量円月”」

 

ーto be continuedー

 




次回 正義ではなく仁義。
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