とある田舎でチーム太陽の元リーダー山下太郎が静かに暮らしていた
そこを冷やかしにある子供現れる
展開のため未来から来たカード多いのでそういうの合わない人はすみません
あと名前はハヤトですがGXの隼人は関係ないです
とある片田舎。
寒さの残る春に、カチャカチャと機械をいじる音が聞こえる。
「うーん、もう寿命か? でも新しいの買う余裕もないしな」
ジャージに身を包んだ男性がひとり、古びたデュエルディスクを前に呟いている。
その様子を、少し離れた場所から眺めている少年がいた。腕を組み、不満そうな顔をしている。
「……それ、まだ使えると思ってるの?」
突然声をかけられた男性、太郎は振り返る。
「ハヤトじゃないか。どうした、こんな朝早くに」
「別に。ただ……こんな古いものいじってるのが目に入っただけだよ」
少年はわざとらしく肩をすくめると、デュエルディスクをじろりと見下ろす。
「シティじゃ、そんなのとっくに廃品だよ。もっと新しいやつ、山ほどあるのにさ」
「ここじゃなかなか手に入らなくてな。でも、直してやればまだまだ現役さ」
太郎は飄々とした調子で返しながら、ディスクの端を軽く叩いた。
少年は鼻で笑う。
「こんな田舎でいくらデュエルしても無駄だよ。そもそもちゃんとしたカード持ってるの?」
「デッキならあるさ」
太郎はケースからデッキを取り出した。
「まぁ、シティみたいに恵まれてないのは確かだ。でもな、こんな田舎でも都会に負けないものがあるんだぜ」
「フン……」
少年は鼻で笑いながらも、太郎の言葉にどこか引っかかるものを感じていた。
──-
ハヤトはネオドミノシティの出身である。父はデュエルシステムに強い建築士であり高い評価を受けてきた。母は不幸にも病気で命を落としたが父は忙しい中にも時間を作りデュエルや子供向けDホイールであるDボードを作り練習に付き合うなど頑張って来た。
そんな彼は仕事の都合で一時離れなくてはいけないが父も一人暮らしは容認できないため半年ほどの予定だが共にこの片田舎まで来たのだ。しかし父は忙しく、息子はこのようにDボードでそこら辺を走るだけ。
「もっと強いデュエリストは居ないのかよ」
数少ない学友は当たり前のようにデュエルディスクを持っておらず、体育館に存在する旧型のデュエルフィールドを使うだけ。しかもその強さも
『俺はランドスターの剣士でセットモンスターに攻撃!』
『……僕のセットモンスターはドラグニティ・ファランクス。守備力で勝ってるから反射ダメージを受けてもらうよ』
『なにっうわああ』ライフ4000→3400
『僕のターン。僕はドラグニティ・ドゥクスを召喚してドラグニティ・ガラドボルグをシンクロ召喚。ドラグニティの神槍を装備して───バトル』
『うわあああ!』ライフ3400→0
『凄い! ハヤトまた勝った!』『シンクロ召喚ってすげえや!』『ハヤト君強いし流行りにも詳しいしホント素敵!』
「ここは低レベル過ぎるよ。ドロップアウト組でももう少しマシなデュエルをする」
少ないカード、弱い相手。勉強も既に知っていることばかり。シティ育ちの彼にとってこの田舎は退屈すぎた。
近所の太郎と呼ばれている大人はデュエルディスクを持っていたがきっとその腕も大したことないのだろう。
彼は少し遠くにあるゲームセンターにきていた。古い物ばかりだが、あんな場所よりずっと暇つぶしになる。彼は古いライディングゲームにまたがろうとしたところでカチャンと物が落ちた。
「テメェ! なにしてるんだ!」
奥から出てきたのは見るからにタチの悪そうな連中。落としたものを見ると数枚のカード。前回遊んだ時に置きっぱなしにしていたらしい。
「す、スミマセン」
「謝って済むと……ん? お前デュエルディスク持ってやがんのか」
不味いと思った時にはもう遅かった。
「よしっそのディスク渡したら許してやんよ」
「えっ! これはお父さんから貰ったデュエルデュエルで……」
「ならよぅお前俺とデュエルしな! 俺が勝ったらディスクをよこしな! 代わりにお前が勝ったらこの話はなかったことにしてやんよ」
滅茶苦茶だ。そう思いつつも、逆らっても無理やり取られるだけ。それにこいつらもどうせデュエルの腕は大したことないのだろうと決めて頷いてしまった。
────
「オレ様のターン! トリシューラでダイレクトアタック!」
「うわああ!!」
不良がここまで強いことは彼にとって誤算だった。高価なレアカードに野良試合で得た経験と強力なコンボ。
それらはハヤトの鋭く追い詰めあっという間にライフを削りきった。
「ガハハハ!! オレサマの勝ちだあ!」
「流石ブレンドさん! じゃあデュエルディスクは頂くぜ」
「や、辞めて! 返して!」
「約束しただろう? 負けた奴が悪いんだよ」
そこに人影が飛び込んできた。
「ちょっと待て!」
「ん? 誰だテメエは」
「た、太郎! なんでこんなところに!」
「ああ。子供がゲームセンターで脅されてるって聞いてな。飛ばしてきたんだ」
太郎は普段着のまま肩で息をしながら現れた。
「まあ待て太郎とかいったか? このディスクはデュエルで取引が成立してるんだ。だから首を突っ込まないでもらおうか」
「……なら俺とも賭けデュエルをしないか? ディスクは俺も持っている」
太郎が入口に視線を送る。そこには彼が乗ってきたバイクとデュエルディスクが見えた。
ブレンドは話を聞いてうなずく。
「ふうんわかったお前のデュエルは聞き入れよう。ただし、デュエルのルールは……ライディングデュエル! そして勝ったら……お前の乗ってきたそのDホイールも貰うぜ!」
─────
「待てよ太郎! アイツ本当に強いんだ! 勝てるわけない!」
「まああんまり心配するな。俺はこう見えても……結構凄いんだぜ」
3.2.1
「「ライディングデュエル! アクセラレーション!」」
太郎 LP4000 SP4
VS
ブレンド LP4000 SP4
バイクが加速していく。意外にも先にコーナーにたどり着いたのは太郎だった。
「先行は貰った! 俺は手札からキーメイスを守備表示で召喚!」
キーメイス DEF300
「更にカードを2枚伏せてターンエンドだ」
太郎SP5
ブレンドSP5
「はっなんだその雑魚モンスターは? 俺のターン、俺は氷結界の武士を召喚! 更に氷結界モンスターがいる場合、このモンスターは特殊召喚することができる。こいっ氷結界の伝道師!」
氷結界の武士ATK1800
氷結界の伝道師ATK1000
キーメイスを簡単に倒すアタッカーの登場に不良たちが盛り上がる。しかしそこで太郎も動いた。
「一色即発を発動! このカードは相手がモンスターを出したとき相手フィールドのモンスターの数まで手札からレベル4以下のモンスターを特殊召喚する! 来いっ手を繋ぐ魔人とザリガンを守備表示!」
太郎の手札3枚のうち2枚が弾けるように場に飛び出す。
「さらに手を繋ぐ魔人の効果! 相手はこのモンスターにしか攻撃できず、またこのモンスターの守備力は自分の場の守備モンスターの守備力分アップする!」
キーメイスDEF300
ザリガンDEF700
手を繋ぐ魔人DEF1600→2600
「ほう、あのブラックマジシャンも超える攻撃力……クズにはクズなりのタクティクスがあるということか。ここはカードを2枚伏せてターンエンドする」
太郎SP6
ブレンドSP6
「俺のターン、ドロー! スピードスペル:シフトダウンを発動! このカードは自分のスピードカウンターを6つ減らして2枚ドローする!」
太郎:SP6→0
太郎のDホイールが大きく減速しブレンドとすれ違う。速さが全てではないが、スピードを失うという行為はライディングデュエルにおいて大きなリスクだ。
「スピードカウンターを減らしてまでトローしてきたか。果たして良いカードは引けたかな?」
「俺は……コピックスを守備表示で召喚! そして手を繋ぐ魔人もパワーアップ!」
コピックスDEF500
手を繋ぐ魔人DEF2600→3100
「す、凄い……あのレッド・デーモンズ・ドラゴンも超える守備力になるなんて」
ハヤトはすっかり今の状況を忘れデュエルに見入っていた。
「たが、守備力が高いだけのモンスターなどいくらでも勝てる手段がある。オレのターン!」
太郎SP1
ブレンドSP7
「オレはトラップカードのデモンズ・チェーンを発動! 手を繋ぐ魔人の効果を無効にする! これで守備力も失われるぜ!」
「デモンズ・チェーン! あのキングも愛用したカードだ!」
手をつなぐ魔人の力が失われモンスターの結束がバラバラになっていく。
手を繋ぐ魔人DEF3100→1600
「そしてその厄介な能力封じてるうちにご退場願おう。オレはレベル2のチューナーモンスター:氷結界の水影を召喚!」
「オレは武士に水影をチューニング! シンクロ召喚! 吠えろ! 氷結界の虎王ドゥローレン!」
虎の王が大きく吠え、その声に観客はみんな身体をすくめた。
ドゥローレンATK2000
「そして更にこれで終わりじゃねえぞ! オレは永続罠:強化蘇生を発動! 墓地から氷結界の水影を蘇らせる!」
「あっこれは!」
ハヤトが声を上げる。先程自分が倒されたときのあの動きだ。
「さらにぃオレはドゥローレンの効果発動! ドゥローレンはオレの表側のカード……今回は強化蘇生を手札に戻し、攻撃力を500上昇させる!」
強化蘇生が手札に戻り水影のステータスはもとに戻るが水影はそのまま場に残る。
「でた! ブランドさんのバウンズコンボだ!」
ブランドの場に複数のモンスターが並ぶ
ドゥローレンATK2500
水影ATK 1200
伝道師ATK1000
そしてバトルだ! ドゥローレンで手を繋ぐ魔人に攻撃! ブリザード・インパクト!」
ドゥローレンの口から放たれる吹雪が手をつなぐ魔人を見る見る間に凍らせ砕いた。そこで太郎のリバースカードが表向きになる。
「俺はリグレットリボーンを発動! このターン終了まで手を繋ぐ魔人を復活させる!」
手をつなぐ魔人DEF3600
「ちぃっ追撃はできないか……なら俺はカードを1枚伏せてターンエンドだ」
ターンが終わることで手をつなぐ魔人は再び墓地へ戻っていった。
「俺のターンドロー!」
「おっとここでトラップカードを使わせてもらおう。俺は死なばもろともを発動! お互いの手札をデッキに戻し、手札を5枚になるように引く。そしてオレはこれで戻した数×300ダメージのダメージを受ける」
ブランドLP4000→2200
手札を増やしながらダメージを与える超攻撃的なカードに周りが盛り上がる。
「手札から新たに手を繋ぐ魔人を守備表示で召喚してカードを3枚セット。ターンエンドだ」
ブレンドSP8
太郎SP2
「おやおや、せっかく欲しそうな手札をあげたのにずいぶんと消極的なデュエルじゃないか。まるでファイブディーズの……いや待てよ。お前もしや……」
ブランドは片手を顎に当てて何かを考えると、その後大きく頷いた。
「そうだ、思い出したぞ。お前……フフフ……今日オレはあのジャックやクロウを超えた漢になれるってことか。よぉし、オレのターン! 手札から氷結界の番人ブリズドを召喚してチューナーの水影をドゥローレン、ブリズドにチューニング!」
「あ、あのモンスターが来る!」
観客たちがざわめき始める
「氷結界を破りし龍よ今こそ氷の都を貫け! シンクロ召喚氷結界の龍トリシューラ!」
まるで全てが死んだ空間のように音が消える。その強大さににみんなが皆圧倒されているのだ。
トリシューラATK2700
「このカードは召喚成功時相手の場、墓地、手札のカードを除外する! この効果でオレはお前の本命のキーメイスを除外する!」
太郎のキーメイス、墓地の手を繋ぐ魔人、そして手札からは
「やはりズシンだったか。大当たりだぜ」
切り札であるズシンがゲームから除外されていった。
手を繋ぐ魔人DEF3100→2800
「これでお前の唯一の勝ち筋であるズシンは失われた。更にSp-スピード・エナジーを発動! この効果でトリシューラはspカウンターの数×200上昇させる。オレのスピードカウンターは8! 1600追加し攻撃力4300にアップ! あとはじっくり料理するだけだ。行けっトリシューラ! ヤツの手を繋ぐ魔人を粉砕しろ!」
トリシューラATK4300
手をつなぐ魔人ATK2800
トリシューラから放たれた光が手をつなぐ魔人にぶつかる。仲間の結束の力は更なる力に貫かれ破壊された。
「まだだ! トラップカード! 奇跡の残照! このターン戦闘によって破壊されたモンスターを墓地から特殊召喚する」
「また手をつなぐ魔人。バカの一つ覚えだな! 手をつなぐ魔人で耐えてズシンで勝つ。確かに強力なコンボだが、タネが割れてちゃ怖くねぇんだよ!」
太郎SP 3
ブレンドSP 10
「たしかに俺にはズシンもキーメイスも居なくなった……。だけどそれで全部終わったわけじゃない。俺にはまだデッキが残っている! 俺のターン! ドロー! ……俺はリバースカード、無謀な欲張りを発動! カードを2枚ドローする!」
発動したのはドローを封じる代わりに2枚の手札を得るカード。ハヤトにはこのターンで決めるという覚悟が見えた。
「マグネッツ1号を攻撃表示で召喚!」
マグネッツ1号ATK1000
「駄目だ太郎! 攻撃表示じゃ」
「いいや、これでいい! 俺はトラップカードオープン! スノーマンエフェクト! このカードは自分フィールド上のモンスターの攻撃力を与えるカード! この効果でマグネッツ1号をパワーアップだ!」
手を繋ぐ魔人ATK1000
ザリガンATK600
コピックスATK600
TOTAL 2200
マグネッツ1号ATK1000→3200
「ほう、なかなかやるな。だがオレを倒すには足らん! トリシューラを倒せてもまだオレには水影、伝道師と強化蘇生と罠が残っている。返しでまた2体目のトリシューラを見せてやんよ」
ニヤリとブランドが笑い、ハヤトが青ざめる。無意識のうちに強力なシンクロモンスターの2体目が出る可能性を忘れていたのだ。
「……それはどうかな? 俺は手札を1枚捨て共闘を発動! このカードは相手モンスターのステータスを捨てたカードと同じになる! 俺の捨てたカードは攻撃力100のトライアングラー! よって攻撃力を100に変更!」
「なんだと! 俺のトリシューラが!」
トリシューラATK2700→100
「マグネッツ1号でトリシューラに攻撃! マグネットォ……ブレードォ!」
トリシューラATK100
マグネッツ1号ATK3200
ブランドLP2200→0
「す、凄い……あんなカードで勝てるなんて」
ハヤトが興奮するように言った。ありふれたカード、貧弱なステータス、シンクロすらいないデッキ。そんな寄せ集めで勝ったのだ。
「フッ流石だな。5Dsを追い詰めたチーム太陽のリーダーなだけある」
ブランドは腕組みをしながら言った
「えっ太郎ってあのキングやクロウもいたっていう伝説のチームと戦ったことあるの!?」
「ふうん? そうか、小僧くらいの歳だと5Dsというよりキングとクロウって認識なのか。いいか? 伝説のチーム5Dsってのはだなぁ……」
二人が話し始めたのを見て太郎は安心した。デュエルの結果を反故にするような奴は一定数いる。いかにして逃げるかを考えていたのだ。
「デュエルでみんながわかり合える世界か……」
太朗は遠い日々を思い出していた。田舎から出て、友達と苦労して大会に挑んだこと。そこで出会った強者たち、そして声援を送る観客たち。
どんな人とも俺たちはデュエルで繋がれることがわかった。
その力を、少しでも誰かに伝えられたのなら──きっと、それで十分だ。
昼と夜が交わる空に、夕陽と一番星が同じ空に並んでいた
なーにっかなーなーにっかなー
今回はこれ! スノーマンエフェクト!
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで、そのモンスター以外の自分フィールドのモンスターの元々の攻撃力の合計分アップする。
このカードを発動するターン、対象のモンスターは直接攻撃できない。
いい感じのカードが見つからなくて10期という未来からやってきたカードなんだ!