ツィーペリア戦記 作:ごまふそば
「ちゃっはー!お兄さんだよ!みんな元気してたよねぇ!昔みたいで懐かしいよね」
なんか邪悪な人形劇みたいな女が来た。
こいつが死んだらトラウマにしかならない。
こいつは、性別も年の長短すらもが曖昧で、何もかもが狂い散らしている。
真性の狂人で、胡乱さ。けれど愛情だけは本物で大型犬じみたパワフルさがある。
「うんうんそれでなるほどそれは素適不敵なお雛様!騎士サマ探すは皆の夢で夢を見るのは楽しくてお兄さんも皆と話すの大好きでした」
死体が蘇って、急にビッタンビッタン跳ねるかのようなパワフルさ。
超巨大なムカデのような毒虫。こいつに関わると人はおかしくなる。
ギラギラとした瞳と鋭い睫毛、何か本質を見抜く毛虫みたいなのが蠢いている。
「それでそれでの?あなたは無敵なお日様で、騎士様知りたく探して彷徨う。きっと古なじみなのよね。分かれたあの子気になり探して胸の内まで彷徨う童のあなたで私」
己を写す鑑のような、存在しない妹が早口で、まくし立ててくるような、胸がふわふわと暖かく
「今名乗るならエルツェリーネ・ミルギュロンドとか、ドラスティーネ・ラウディケロドロンとか?まぁ名前なんてどうでも良いよね古く死に耐えた恐竜の学名みたいなものでして」
異様な言語能力で、あからさまにメタな事を言う。
人狼における狂人。
こいつは狂っている。狂っているが故に世界観を無視した胡乱さをスルーされる、そう言う温かみに保護される心理的無防備の体現で、そうした胡乱な本質を外し感情だけが突き抜けてくる有様は、弱い人を、壊す。
――妹と言う、人生の破壊者。
「なになにどうしたの素敵なお人。なんだか泣きそう可哀想でも大丈夫傍にいるから見ていてあげるの。言葉だけなら特異で得意な嘘吐きでお話すれば元気になるから教えて貴方の好きな赤い鳥の騎士サマのこと教えてよ」
必死が過ぎていつの間にやらレンズの奥にガラス越しの涙まで浮かべて。
「ごめんね!ごめんね!お兄さんいつもいつも自分の事ばかりで人の話を聞くのが苦手でえっとねえっとね話せば分かるって言うからやるのを本気の演技で楽しくてね。■■■ちゃんが大好きで私はそれで」
自分の好きなものを軸にしているようで、自分に軸がない。すぐヘラる。脆い打たれ弱さがある。それは胸の底を打つ響きで何処までも浸透していって。
「うんうん分かったお兄さんったら理解したかな?どうだったかな分からないけれど分かったもんね。あのね答えは簡単よ!赤い鳥のお話は赤い鳥に聞けば良いの!簡単でしょでしょ!素敵よねネットで見たのよ網目の中で網に捕まってもがいてた。きらきら光る赤い羽だけ残されて皆に配られ姿を消した赤いあの子。キザで素敵な駒鳥さん」
思いも寄らない発想をする。謎に頭が回ってて、それで会話のドッヂボールを強制する。しかも腹にいれてくるからな。
まったく腹の立つ。けれども楽しい思い出であろう。
まるで黄金の、何時か冷めた、けど暖かい夢のような。
「じゃあねー素敵なお姫様!騎士様!見つかると良いねえ!頑張ってね!応援してるよお兄さんもあの世とかお墓から!」
死んでんじゃねーよバカ■■■!!
カスみたいな嘘を吐くお姉さんは雑魚。鏡面存在
こいつが一番ヤバい。
ヤバ過ぎて誰も書けなかった再現しようとすることですら許されなかった。
赤い鳥以上に語られざる呪いその者。
あるゲームのプレイヤー全てに傷跡を残した正真正銘の信仰対象。
鍛冶師/墨流しの魔女■■■■■■・■■■■■■。
冷たい夏に鐘は鳴る。死に至る事は稀。
その生きざまを含めてまさに、在りし日に形を有していた予言詞そのものである。
くだんねえ。くだんかよ。件は預言吐いて短命ですぐ死ぬやつ。
件のアリアである。