「空想のヒーロー、、、だったのかもしれないね」
「?」
桜が舞い散る季節、とある行事で忙しいなかでの小休憩の時に、その話題は突然浮かび上がった。
「野原少年のことだよ」
「野原の?、、、、まぁ確かにいろいろ現実離れしたやつではありましたね」
雄英高校職員オールマイトと相澤消太が窓の外を眺めながらしんのすけの話に移った。
あの『嵐』のような少年との日々の
「子供の頃に読んでいた絵本のヒーローに彼が重なることがあったんだ」
「絵本?」
「あぁ好きだった絵本の中のヒーロー、、、性格は違うけど強くて優しいその姿は、どこか彼と似てて、、、だからつい野原少年のことを『空想のヒーロー』と口に出してしまった。」
「正直、あいつはそんな幼年教育に相応しい奴ではありませんでしたよ。PTAから苦情が来るキャラクターでしょうアレは」
「手厳しいね相澤くん」
「だけどあいつが、、、いや正確にはあいつが運んできたものは確かにこの世界に存在する」
「あぁそうだね」
しんのすけがこの世界に飛ばされて、その副産物として運ばれてきたものは今やこの世界に広がっている。
絵本の中の存在でしかなかった薬や植物が進んだ科学技術によって解明されてはまた新たな疑問が生まれる。解明と発見、その繰り返しの果てに再び新しいものが生まれる
『キラーサボテン』
根が足のように動き、走る、跳ぶ、避ける、集まる、といった知能的な行動も可能な人食い植物、その速さは車並みの速度、全体が破損しても再生する生命力の高さ、一見すると人類の害悪でしかないがそこは銃や刃物と同じ、使い方によっては様々な用途で利益を出す存在となる。再生の速さから実験のサンプルには困らずこの特性を利用したサポートアイテム作りも計画されており、キラーサボテンからなる果実は高級フルーツと同じ甘さですでに販売が許可されている。一部の上流階級ではキラーサボテンを馬車馬代りにした『乗サボテン』も行われている、そして弱点は水という何かあった時の対処も割と簡単にできる点も踏まえて様々な分野で世界に浸透している。
『アラ子のエメラルド』
世界中の宝石商お墨付きで高額の価値をつけられたエメラルドは主に日本に滞在していたアラ子しか生み出せないため、頭の回る者たちは速攻で売りさばきかなりの儲けを出した。(とある元ヒーローの公安は意地の悪い笑みを浮かべていた)
『動物化ドリンク』
世界を一新させた最も大きな存在、無個性への救済処置を筆頭に今やその存在を知らない者は存在しない、更に副作用が一切ないこと、いざとなれば解除の薬で簡単に戻れることも相まって、すでに一般販売されている国も存在している。当然、個性が増えるような物質なのである程度の規制は設けられてはいるが、それを悪用するものは沢山存在する。だがそれでも無個性だった彼らにとっては夢にまで見た個性も同じ、皆が強い思いを持ってその抑制に励んでいた。
『未知の科学技術』
しんのすけの世界からやってきた彼らは当然 この世界の科学技術とは違うものを使っていた。彼らの本拠地は世界中で発見されてこの世界とは違う科学技術をこの世界の人々は強欲に吸収していった。『モグラロボット』『ユメミーワールド』『熱海サイ子』『スーパーエリートにする装置』『コンニャクローン』まるでコミックのような科学技術はこの世界で現実となって今も世界に衝撃を与え続けている。
「ろくぼすの、、、確か『ブラックスター』だったかな?」
「野原の偽物ですね」
ニセしんのすけことブラックスターはしんのすけとの戦いに敗れたあと拘束されていたのだが、蘇りのヴィランやしんのすけの世界の住人たちとともに消えていった。それは他の者達も同じだったが、彼の衣服から『すべて拠点の情報』が記されたメモが発見されたのだ。
お き み や げ ♡
と追記に書かれていたらしい、そのおかげで動物化ドリンクの工場やキラーサボテンの栽培場所なども手早く押さえられた。
「オリジナルの野原のようにわけのわからないやつでしたね」
「ははは」
2人はそんな雑談を交わしながら、首元のネクタイを引き締める。何故なら今日この日はあの相澤ですら身なりを整えなければならない大事な日だからだ
「そろそろ行こうか相澤くん」
「えぇオールマイト」
今日は雄英高校卒業式の日
波乱続きの時間を過ごした彼らの旅立ちの日なのだ
ただ一つ 一つだけ何かを望むなら
彼にも見てほしかった
そう思うのだ
「今日であいつらも卒業ですよ、香山先輩」
あちらへ戻った先輩に向けて相澤は天に向かって笑みを浮かべた
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「ヤオモモ先パーーーーイ!!(涙)」
「卒業しちゃヤダーーーーー!!!」
「うぇぇぇぇぇん!」
「もうあの動くたびに揺れる、、、ちくしょう日々の糧が!」
「轟先輩に殺されるぞ」
「いっそ殺されてこい」
「はぁーーーーー我らの尊敬する先輩達が〜〜〜」
今日の卒業式でこの雄英高校を旅立つ彼ら彼女らは後輩たちに囲まれていた。第二ボタンがどうとか記念写真がどうとかでもみくちゃにされており真面目な飯田が注意しまくっている。
「人気だね〜ヤオモモ〜」
「慕ってくれているのはうれしいのですけど、、、やはり複雑ですわ」
耳郎が八百万の隣で彼女を尊敬の眼差しで見つめる後輩たちを見る。確かに自分たちの世代はあらゆるピンチを乗り越えてすでにプロヒーロー顔負けの強さを手に入れた経験豊富すぎる世代ではあるが、八百万の人気は爆豪や轟に匹敵するほど高まっていた。
何故それほど人気になったのか?
彼女は実力も容姿も優れているが何故そこまでま人気が爆上がりしたのか
それは
「ヤオモモセンパーーーい!」
「おいどけ!俺が第二ボタンをもらうんだ!」
「いやなんでヤオモモ先輩の!?」
「男女平等!」
「グローバル!」
「どけどけどけぇーーーー!!!」
「うわ!熱狂的な奴らが突っ込んでくるーーー!」
耳郎が衝撃に備えようと腕をクロスする。隣の八百万はそれを見た瞬間表情を消して耳郎の前に一歩移動する。そして右手を振り上げて
「ぐおっ!」
正面の男子生徒の顔を鷲掴みにして
「「「「ブハッ!」」」」
そのまま振り回して周りの者達をぶっ飛ばした
見目麗しい女性が男性の顔をアイアンクローして人間バットにする光景に周りが衝撃を受けるなか、八百万がアイアンクローしていた男子を床に叩きつける
そして
「今日は私たちの旅立つの日、その熱苦しい顔を近づけるないでくださいませ、下郎」
冷たい女王の瞳で男子生徒もその周りの者たちも一喝した。男子生徒は攻撃も口撃も受けたのに嬉しそうだった。周りの男どももいいな~いいな~と両腕と腰をクネクネと回している。
それは一部の層と性癖に突き刺さる行いだった。
耳郎が死んだ目で八百万のほうを振り向く、そして肝心の八百万は少し間を置いた後に、、、膝から崩れ落ちた
「完全には消えなかったね、、、、、『ネオ』」
「あああああーーーーー!!!」
かつて『スーパーエリートにする装置』によって『クリエティ・ネオ』となった八百万は時折『ネオ』に戻っては悪の女王ムーブをかます存在となっていた。
これこそが彼氏がいるにも関わらず人気な理由、容姿に優れた巨乳美女にそんな事をされては一部の男子達の性癖が破壊されるのは必定、タダでさえ学力最強胸も最強リアルですわ口調のお金持ちお嬢様という濃すぎる個性に『女王様タイプの二重人格』まで加わってしまいもはや盛りすぎの領域に至っていた。
八百万にとっては黒歴史の具現化そのものであり、『ネオ』が出てくるたびに羞恥心で死にそうになってしまう。悲しいことに『ネオ』の状態の方がぶっちゃけ強い、成績がうなぎ登ったという結果が出ておりますます参ってしまった。
「どうして、、、どうして野原さんの世界の方々が消えた時に『ネオ』も消えてくれなかったのですのーーーー!!?」
「ウ~ン、、やっぱり勝手が違ったんじゃないかな」
「あああああーーーー!!これからも私はこんな状態で生きていかなくてはならないのですかーーーー!!?」
縮こまってわんわん泣いてしまう親友にそっと肩に手を置く耳郎は、消えてしまった野原の事を今一度考える
「野原、、、あっちでどうしてるかなー、、、いつかひょっこり現れそうな気もするけど、できれば、、、」
耳郎は一人の友達のことを思い浮かべて後ろにある校舎に目を向けた
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「『格闘技術団体』『人体研究機関』『動物化ドリンク検証隊』『全面サポートアイテムシステムテストプレイヤー』『Iアイランド』こんなところかな」
「いろいろなところから声かけられたね〜」
「けっ!」
教室で緑谷が自分のこれからについて麗日と爆豪に話をしていた。
史上初の無個性ヒーローとして緑谷は社会に飛び出す。初めての試みではあるが、その雄姿にあらゆる企業が声をかけた、格闘技術の重要性、サポートアイテムの新しい組み合わせ、動物化ドリンクの最善的な使い方、これからの可能性を増やすためにあらゆる検証と実験が行われる。緑谷はその先駆者としてこれから忙しい日々を送ることになるのだろう。
「残されたしんちゃんの映像を全部頭に入るくらい見て、人間の力で出来ることを真似してみたけど、やっぱりしんちゃんにはまだまだ程遠い」
「才能の塊だったんだって強くなるたんびに思うよね」
「はっ!俺はいずれ爆破なしでもあいつに勝ってやるよ」
彼らはしんのすけとの再会を疑っていない、いずれまた会えると、語り合えると信じ続けている。
「いつか、また、、、」
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「ツユちゃん」
「あら、ボニーちゃん」
そこは雄英高校の屋上だった。しんのすけは暇なときにここに来てはボーッとしたり昼寝していたりしていたのを2人はよく覚えている。時期に卒業式が始まるので、ボニーは蛙吹を探していたのだが、もしかしたら屋上かもと思い来てみれば、案の定蛙吹が屋上でヨーヨーを回していた。
「私達も卒業ね」
「えぇ、、、とても楽しい日々でした」
「私もよ」
「クイナシ、、、と言いたいんですが」
「そうね、、、一つだけ、心残りがあるとすれば」
二人が思い浮かべるのは一人の男の子、そして初恋の男の子、彼は別の世界へ帰ってしまった。出来ることなら目と目を合わせた別れをしたかった。いや 望むならあの時の約束を果たしたかった。
「でもいずれしんちゃんは来るわ」
「!」
蛙吹はブンブンと派手にヨーヨーを回しながら笑みを浮かべる。彼がくれたもの、彼が与えてくれたもの、そんな彼の全てを忘れないように、記憶からほんの少しでも霞ませないように
「しんちゃんなんだもの」
「YES!ソウデスネ!」
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「あ!梅雨ちゃん遅ーーい!」
芦戸が遅れてきた蛙吹に笑いながら抱きつく
「ごめんなさい、今日で見納めかと思うと校舎を見ておきたくて」
「うぅ!そんな事言われるともう涙が出てくる〜(涙)」
そんなふうにはしゃいでいると、いつもいつもいつもA組に絡んでくるあの男がやってきた
「おやおやおや卒業の日にずいぶんのんびりしているじゃないかA組〜これは社会にでてそうそう蹴落とされるような呑気さをあらわにしたようなものだねA組〜」
「おう物間」
「これも見納めかと思うと少し寂しいな」
「そうか?」
そうやっていつもの小者ムーヴをかます物間だったのだが
「おいなんか臭くないか物間?」
「香水だバカ!」
鉄哲が物間がつけている香水に苦言を漏らした
「晴れ舞台だから身なりを整えて当然!まぁそこんところがさつそうなA組には関係ない話かもしれないがねぇ〜」
「「「なんだとー!」」」
いつものペースで言い合いが行われる
と思ったその時
「匂いが何って?」
「「「「「「「「「「ヒュ!!!」」」」」」」」」」
その瞬間 全員が『怒気』を感じた。彼ら彼女らは完全に忘れていた。『匂い』のワードでこの世界にご降臨される憤怒の化身がこの場にいたことを
『フロッピー・スタンピード』
蛙吹梅雨が一定の条件を満たした時にご降臨される憤怒の化身、過去にしんのすけから受けた女として耐えられない衝撃の影響で時折姿を現すようになったダークサイドの蛙吹梅雨、この状態の蛙吹梅雨は野生完全開放状態でバカ強い、轟や爆豪相手にタイマンで勝ったこともあるくらい強い
「、、、、、、何でもないです」
物間は賢い選択をした。さすがに卒業式の日に鮮血で染まるのは嫌だったからだ。
「、、、、、、、、、、そう」
蛙吹は変わらず無表情のままその怒気を引っ込めた
全員が一斉にふぅーーーーーーっと肺の中の空気を全て吐き出して安堵した
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今日彼らは卒業を迎える
過酷な時代に生まれそして勝利を勝ち取った世代
そんな彼らももう大人となる
社会に出てプロの一人として旅立つ
先生たちは笑顔でこちらを見ていた
後輩たちは少し寂しそうな顔でこちらを見ていた
校長から卒業賞状を受け取る
代表の飯田が声を上げる
そして
後ろで爆発が起こった
まだまだ騒ぎ足りない彼らにとっては興奮の材料だった
その爆破をコピーした物間も負けじと爆破を起こす
最後まで雄英高校は雄英高校なのだから
みんなが笑う
みんなが騒ぐ
今だけは彼らもただの子供なのだから
『電脳シネマねんど忍者クレヨン連合見参!!』
「「「「「「「はっ?」」」」」」」
突然マイク越しの声がその場に響いた
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!そんな音を出しながら『それ』は空中を覆う、巨大な影が雄英高校を、いや、街そのものを包み込む
真上に突然巨大なUFOが現れたのだ
全員がわけも分からず困惑していると、とある声が耳に入った。それは悲鳴のような声でこちらに近づいてくる。おそらく真上のUFOから誰かが落下してきているのだろう
そして最初に動いたのは蛙吹だった
「ボニーちゃん!角を!」
「は!はい!」
蛙吹がボニーの角に乗って空を舞う、ボニーも自身の角に乗って空に上がる。
「ウワーーー」
それは距離があるためまだよく聞こえないが、2人にはその声が誰のものなのかすぐに分かった。
ずっと思っていた
ずっと焦がれていた
ずっとずっとずーーーーーーっと会いたかった
心臓の動機が収まらない、顔の熱さが高まり続ける、幸福感が止まらない、やがてその姿をはっきり視認した瞬間、角の速さが上がり
落下していた『しんのすけ』にたどり着いた
「しんちゃん!」
「しんちゃんサン!」
「「やっと会えた!!!!」」
「おぉ!2人ともお久しぶりぶり〜」
角という限定された足場で器用に立って抱きつくのは流石であるがすぐに状況を理解してバランスを取るしんのすけもやはり凄い
「でもどうして急に!?あのUFOは何!!?」
「しんちゃんサン!が乗ってきたのですか!?」
「あぁうん、ちょっとむかしこらしめた悪くてダメな大人たちがチームを作ったらしくて〜」
すると
「ななな!なんですかあの少女2人はーーーー!」
「あぁ確かサキちゃんが言ってた2人にね、ふふふ♡」
「ネネちゃん凄いザマァっていう顔をしてる」
「あぁーーもう!なんでしんのすけに関わるとこうも誘拐されたり巻き込まれたり誘拐されたりするんだーーー!」
「すごく今更」
「ていうかあの人達なんであんなことをしたの!?錯乱して放り出すとか!そりゃいい年来いて色仕掛けはきついかな〜とは思ったけど!」
「あの人達ママとパパのセクシーポーズを見てすんごい怯えてたね、なんなら口を押さえて吐きそうな人もいた」
「ゲッチュー♡」
「「「「「「「アンアン!」」」」」」」
どうやら何かが起こって何かが会って何かが爆発して何かが走り出して何かが始まるらしい、2人はそう思った。結局、感動の再会も吹き飛ばしてしまうものなのだ
だって彼は『嵐』を呼ぶ男なのだから
「いろいろ話したいこともあるけど、、、これ終わったら遊びに行こっか、今度こそ」
「えぇ!」
「YES!」
そしていつも楽しく笑う最強の存在はいつも通りの自分を絶やさず曲げず振れずに走り続ける
大切な人たちと共に
「じゃあそういうことで〜」
これによりヒロアカイレギュラーズを完結とします
自分にとっては生まれて初めての挑戦でした
楽しんでいただけたのなら幸いです
ここまで見てくださり誠にありがとうございました