『最後の航海日誌(ログブック)―世界がひっくり返る日―』   作:ペンギンって可愛いですよね

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第十話:「“自由”の名の下に」

■ 世界最終戦域:虚の玉座前

 

天を割く轟音とともに、ついにその姿が露わになった。

聖地マリージョアの地下、霧に包まれて存在した“玉座”。

誰も座っていないはずのその玉座に、確かに座る“影”があった。

 

その名を口にした者は、誰も生きて戻らなかった。

 

イム。

 

だが今、その姿が世界中の“でんでん虫”を通して――映されている。

 

「……あれが、“王”だというのか……?」

 

「玉座は空じゃなかった……!」

 

「嘘だったんだ……! 世界政府も、“平等”も……全部!」

 

 

■ イム、姿を見せる

 

その姿は人とは思えぬほど“透明”で、

まるで闇が形をとったようだった。

 

「お前たちは、“正義”を語りすぎた」

その声は、幾重にも重なったように聞こえた。

 

「歴史も、自由も、平等も――全て幻想だ。

お前たちは導かれていればそれでよい。

“この世界”に、“自由”など必要ない」

 

だが、ルフィはまっすぐに言い放った。

 

「だったら、おれがぶっ壊す!!!」

「自由」と「支配」の最終決戦

 

――ルフィ vs イム

 

黒く濁った霧が空を包む。

世界の中心、聖地マリージョアに出現したのは、

虚無をそのまま形にしたような存在――イム。

 

その姿は人の形をしていたが、

どこか曖昧で、輪郭が光に溶けていた。

まるで、概念そのものが歩いているかのように。

 

「“人間”の自由など、滑稽にすぎん」

 

声は無機質で、だが確かに冷たかった。

その言葉に、地面が脈打ち、空が歪む。

 

「お前たちが選びし未来など、数千年かけて私は否定し続けてきた。

愚かな民どもには、“導かれること”こそが救いだ」

 

 

■ ルフィの反応

 

「はっ……」

ルフィは口元を歪め、真っすぐにイムを見据えた。

 

「ずっと誰かの上に立って、“正しさ”を押しつけてきたってワケか……」

 

「そうだ。自由には対価がある。

希望は争いを生み、正義は歪む。

だから私は“管理”した。――それこそが、この世界の平和だ」

 

「……お前は何もわかっちゃいねぇよ」

 

その言葉と同時に、ルフィの体が白く弾ける。

 

ギア5――“解放の戦士”

 

雷光を帯びた弾む体。

周囲の空間すら笑うように歪み、

まるで“世界”そのものが彼のリズムに乗り始める。

 

 

■ イムの能力発動:「記憶支配(アーカイヴ)」

 

「では見せてやろう。お前たちが拒み続けた“管理された世界”を」

 

イムが掌を掲げると、世界の記憶が空に浮かび上がる。

オハラが焼かれ、フレバンスが見捨てられ、アラバスタの戦火が蘇る。

 

「この記録が、再び繰り返されぬためには――

すべてを消すしかない。お前たちを、“記憶ごと”」

 

イムの掌が落ちる。

記憶の幻像が実体を持ち、炎となってルフィを焼こうとする。

 

だが――

 

「おれたちはな!! その中で、ちゃんと生きてきたんだ!!」

 

 

■ 反撃:ルフィの拳、過去を貫く

 

「仲間の声を聞いて、痛みを知って、

それでも前を向いてきたんだよ!!」

 

ルフィが握った拳が、雷をまとい、記憶の業火を突き抜ける。

 

「誰かの都合で、生き方を決められるなんてゴメンだ!!!」

 

ルフィの拳がイムの顔面を貫く――だが、その肉体は霧のように分散した。

 

「肉体など、もはや意味を持たぬ。私は“世界”そのものだ」

 

イムの身体が拡張し、聖地マリージョアを覆い尽くすほどに巨大化していく。

 

「なら――」

 

 

■ 最終解放:ルフィの“意志”

 

「おれの仲間たちが泣いてきた分、

おれは笑って、ぶん殴る!!

この世界の全部を、もう一回、“ひとつなぎ”にするために!!!」

 

ルフィの拳が膨れ上がる。

空を超え、世界を包むような拳――それは“意志”そのものだった。

 

世界中のでんでん虫が、その拳を映す。

 

「ルフィ……!」「行けえええええええ!!!」

「自由のために!!」「世界を取り戻せ!!」

 

その声が集まり、拳を押し出す。

ルフィの一撃は、ついにイムの“核”に到達する。

 

「自由はおれたちのものだああああああああああああ!!!!」

 

破裂音とともに、闇が砕ける。

 

玉座は、崩れ去った。

 

 

■ 世界の終焉、そして始まり

 

イムの最後の声が、かすかに響く。

 

「……なぜ、私は敗れた……?」

 

ルフィは、ただひとこと。

 

「“仲間”がいるからだ」

 

闇が晴れ、光が差し込む。

 

世界は、“支配”ではなく“繋がり”によって――

再び、始まりの時を迎えた。

 

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