『最後の航海日誌(ログブック)―世界がひっくり返る日―』   作:ペンギンって可愛いですよね

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第四話:「声なき王国」

配信室に沈黙が満ちていた。

ローの告白がもたらした余波は、まだ世界中でうねっている。

誰もが、胸の奥で何かが崩れる音を聞いた。

 

だが、それはまだ始まりにすぎなかった。

世界政府が、最も隠したかった“本当の真実”――

 

ロビンは、でんでん虫の前に静かに立った。

その目は揺れていない。

幼い頃から命を狙われ、歴史と孤独を背負ってきた少女の姿は、もうそこにはなかった。

 

 

「私は、ニコ・ロビン。オハラの生き残りです。

そして、“空白の100年”の真実を知る者です」

 

 

■ 回想:バスターコールの記憶

 

「ロビン、逃げなさい……!」

クローバー博士の声が頭に響く。

図書館が燃える音。友人が倒れる音。

島が――故郷が、音を立てて死んでいく。

 

「なぜ!? どうして本を守っちゃいけないの!? 歴史を知ることが、罪なの!?」

 

ロビンは、8歳のあの日、世界の本性を見た。

それは理不尽という言葉では足りないほど、巨大な悪意だった。

 

 

「オハラが求めたのは、ただ真実だった。

“ポーネグリフ”という古代の石碑に刻まれた、かつての王国の記録。

それを読み解いた彼らが導き出したのは、

世界政府が隠してきた、ひとつの国家の存在だった」

 

 

■ 語られる“空白の100年”

 

「その国の名は――未だ、明かされていない。

けれど私たちはその思想を、“自由”と呼んだ」

 

ロビンの声は、少し震えていた。だが確かだった。

 

「彼らは恐れた。“その思想”が、再び世界を照らすことを。

だから世界政府は、それを滅ぼした。

記録を破壊し、名前すら残さなかった」

 

 

■ ポーネグリフと“Dの一族”

 

「ポーネグリフは、その国が遺した“語られぬ遺言”だった。

そして“D”の名を持つ者たちは――」

 

一瞬、ロビンの目がルフィとローに向けられる。

 

「……その国の意志を継ぐ者」

 

 

世界が、凍りついたように静まり返った。

 

“Dの意志”――

それは偶然ではなく、意図して歴史に散らされた“灯火”だったのだ。

 

 

■ 世界政府が恐れたもの

 

「彼らは、力ではなく、思想で世界を変えようとした。

それは“王”を否定する力。

“支配”を否定し、“共存”と“自由”を謳うものだった」

 

だからこそ、歴史から消された。

 

「けれど、ポーネグリフは残った。

海のどこかに、“その日”のために。

そして今――そのすべてが繋がった」

 

 

■ 麦わらの一味の選択

 

ルフィは、でんでん虫のマイクを掴む。

 

「世界の奴らが、これをどう受け止めるかなんて、知らねぇ。

けどな――俺たちは、全部知って、全部話すって決めたんだ!」

 

「嘘で蓋をされた世界を、俺たちはぶっ壊す!

本当の“自由”ってやつを、見せてやるよ!!」

 

 

■ 世界の反応

 

「ありえない……古代王国が本当に……」

「“D”って、そんな意味が……!?」

「政府はずっと、俺たちを騙してたのか……!」

 

民衆の怒号と涙が、各地で渦巻く。

海軍の拠点では混乱が始まり、新聞社は特別号を刷り上げ続けていた。

 

 

■ 静かに涙を流す者たち

 

ある老婆は、小さくつぶやいた。

 

「……あの子たち、オハラの灯を……継いでくれたんだね」

 

誰もが知るべきだった。

だが誰もが知らされなかった真実。

 

それが、今ここに灯された。

 

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