人理を照らす、開闢の星・破章〜almighty,grail,war〜   作:札切 龍哦

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その結末がどれほど残酷な物だったとしても…俺は、それを為すと決めたのだ。


マテリアル〜破滅に至ろうとも、為すべき責務を貫いた男〜

クラス:アサシン

 

 

真名:ダグル

 

 

出身地:北欧

 

 

出典:北欧神話、『フンディング殺しのヘルギの歌』

 

 

属性:混沌・中庸

 

 

身長・体重:170cm・66kg

 

 

ステータス:筋力C 耐久C 敏捷B 魔力C 幸運E 宝具A

 

 

クラス別スキル

 

気配遮断:D

 サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。ただし、自らが攻撃態勢に移ると気配遮断は解ける。

 

 

固有スキル

 

歪曲:A

 本来呼び出したクラスが強制的に歪められ、別のクラスの特性を付加された証。引き換えに、元のクラススキルが低下している。

 

 戦乙女である姉の呪詛により霊基を歪められたアサシンの場合は気配遮断が低下してDランクとなっている。

 

 

復讐者:A

 復讐者として、人の恨みと怨念を一身に集める在り方がスキルとなったもの。周囲からの敵意を向けられやすくなるが、向けられた負の感情はただちにアサシンの力へと変わる。

 

 

神への供物:B

 神々への供物を捧げて加護などを得るスキル。アサシンの場合は父を殺した英雄ヘルギを誅すために大神オーディンへと供物を捧げた。

 

 

 供物を捧げるにはある程度の時間を有するがこの儀式を行なえば大神オーディンの加護とステータスの上昇が見込める。また宝具である『大神宣言』をアサシンが使用出来るのはこのスキルに由来する。

 

 

戦乙女の呪い:B++

 義兄ヘルギを自らの手で殺めた事で実姉シグルーンから受けた呪い。恩讐に駆られたシグルーンが吐く呪詛はランサーが持つ運命力を低下させる。

 

 

 ここで言う運命力とは生存のために使われている、幸運の事である。更にこのスキルによって運命力が削り取られたアサシンは最終的に人間から狼へ変貌してしまう。

 

 

 狼に成り果てたアサシンは色濃い神秘を纏い、魔獣としての力を獲得するが、狼化に伴って理性が喪失し魔力消費が大幅に増加してしまう。

 

 

英雄殺し:A

 北欧におけるエッダに語り継がれる、戦乙女シグルーンに愛された英雄ヘルギをその手に掛けた逸話から。サーヴァントに対するダメージを上昇させるのと同時にステータスにブーストがかかる。

 

 この上昇率は対するサーヴァントの格が高ければ高いほど上昇し、大英雄クラスのサーヴァントとなればその能力値は幸運以外が引けを取らないほどにまで強化される。

 

 

宝具

 

『大神宣言 運命選定(グングニル)』

ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:2‐4 最大補足:1人

 

 前もって槍で貫く相手の名を宣言することで、必ず敵を貫く必中の槍。ゲイボルグの原典たる北欧の主神オーディンの槍。ゲイボルグと同じく因果逆転の呪いを持ち、幾度外れようと命中するまで標的を追ってその目標を貫く。

 

 

 幸運判定によって回避できるが、標的の幸運ランクがC以下の場合には必ず急所を捉えて死をもたらす。ただ相手の名を知らない場合、命中率は格段に落ちる。

 

 

 グングニルはドヴェルグの鍛冶イヴァルディの息子達によって作り出された三つの神器のひとつで、三柱の神に品定めされた後に主神オーディンへ渡された。その穂先にはルーン文字が記され、柄はトネリコで作られ

ているとされている。槍を向けた軍勢には勝利をもたらすとされる。

 

 

 アサシンは父を殺した兄婿への復讐のため、復讐を司る神でもあるオーディンに祈りを捧げ、犠牲を捧げることで貸与されたという。

 

 

『大神よ、この勝利を汝に捧ぐ。●●よ、誉に思うがいい。この槍にその心の蔵を貫かれる事を!』

 

 

『大神宣言 英雄選定(グングニル)』

ランク:A 種別:対軍宝具 レンジ:5‐60 最大補足:1人

 

 グングニルの本来の使用法。その呪いを最大限に開放し、渾身の力を以って投擲する。投擲時も因果逆転の呪いは健在で、槍は前もって宣言された相手の心臓を確実に貫く。この場合のグングニルは、運命選定の時とは逆に、幸運ランクが高い者や英雄としての格が高い者ほど必中となる。

 

 

 かのオーディンの神格を色濃く反映した英雄殺し。また誰の名も告げずに放った場合には、より名高い英雄を選

定・優先して追尾・命中する。

 

 

 かつて戦神の寵児であったシグムンド王もまたこの槍に掛かって戦死した。北欧の主神オーディンはこのように加護を与えていた英雄を陥れては、しばしば戦死させることがあった。これは神々の黄昏に備えて自らの宮殿ヴァルハラに多くの英雄を招くためであったといわれる。

 

 

能力:オーディンより授かった大神宣言を駆使した接近戦を得意とし、アサシンのクラス別スキルは最低値でしかないが、それと引き換えに対人戦闘に特化したサーヴァントと言える。

 

 

知名度:☆3

 北欧神話やエッダに精通していれば真名に察する事が出来る知名度。

 

 

解説:北欧神話並びに北欧のエッダの一つである『フンティング殺しのヘルギの歌』に登場する、主人公であると同時に義兄でもあったヘルギを手に掛けた復讐の英雄。

 

 

 北欧の王の一人であるヘグニ王の息子の一人であり、前世においてシグムンドとボルグヒルドの子にしてシグルドの異母兄にあたるフンディング殺しの英雄ヘルギと夫婦であり、共に転生したシグルーンを姉に持っていた。

 

 

 シグルーンとヘルギは再会を果たし合いを交わし合うも父であったヘグニ王は彼女をグランマル王の息子ヘズブロッドと婚約させてしまう。

 

 

 それを嫌ったシグルーンはヘルギにヘズブロッドを倒して欲しいと助けを求め、これを承諾した彼は兄シンフィヨトリらヴォルスング軍と共にグランマル家と隣国の同盟軍に戦を仕掛ける。

 

 

 激戦の末、ヘズブロッドを始めとするグランマルの息子たちと、彼女の父ヘグニや兄弟も含む同盟者たちのことごとくが戦死を遂げてしまう。ダグだけが命を助けられ、ヴォルスング家に忠誠を誓わされるという屈辱を受ける。

 

 

 その後ヘルギとシグルーンは結婚し子も授かるが、ヘグニ一族の唯一の生き残りであり復讐を誓うダグはオーディンに生贄を捧げ、願いを聞き入れたオーディンは彼に自身の槍を貸し与える。

 

 

 彼はフョルトルンドという森の側で義兄ヘルギをその槍で刺し貫き復讐を果たす。だがヘルギを失い深い悲しみに暮れるシグルーンは、夫を殺した実弟をひどくなじり…。

 

 

 「お前の船は順風を受けても動くな。

  お前を乗せた馬は敵に追い迫られても走るな。

  お前の振りかざす剣はなまくらになれ。

  でなければ、頭に噛みつけ。

  森の狼となって、宝も無く、喜びを無く、食物も無く、屍体を食い散らして腹が裂けてしまえ」

 

 

 …と呪いをかけて追放してしまう。シグルーンは死後、ヘルギと共に何度転生しても英雄と戦乙女として出逢い愛し合い続けた。

 

 

人物:白の長髪を後ろで荒々しく束ねた髪形に、琥珀色の鷹を思わせる目つきをした青年。狼の毛皮を使った鎧を纏い、手に大神宣言を握りしめている。

 

 

 本来はオーディンより大神宣言を授かった逸話からランサーとして召喚させる事が多いのだが、義兄でもあったヘルギを手に掛けた逸話が強調された結果アサシンのクラス適性を得て召喚された。

 

 

 召喚された当初は白い毛並みをした狼の姿をしており、狼でありながら槍を口に咥えて戦って見せる事が可能。霊基再臨をすると第二霊基で頭部が狼の姿となった人の姿となり、最終霊基で上記の姿となる。

 

 

 寡黙であると同時に、己が為すと決めた事をどれほどの難題や障害があったとしても決して諦める事無くこれを成し遂げようとする硬骨漢。…その最後がどれほどみじめで、報われない結末であったとしても。

 

 

 生前において彼は自分で言うのもおかしいが幸福な生涯であったと思ってはいた。子供達の幸せを何よりも願った実父であるヘグニ王と兄弟達。そして美しく気高い姉であったシグルーン……彼ら彼女らに囲まれ過ごす日々は、何よりも幸せだったのだ。

 

 

 ー姉であるシグルーンがフンティング殺しを成し遂げたヘルギと出会うまでは。

 

 

 ヘルギの姿を見た時、ダグルは秘かに納得していた。あの気高く美しい姉上があれ程までに恋焦がれているのだ。その思いは真剣であるのだろうと…。

 

 

 だが、シグルーンの父であるヘグニ王はこれを認めなかった。ヴォルスング一族が敵対している部族である事が原因だったからだ。

 

 

 ヘグニ王がグランマル王の息子ヘズブロッドとの間に婚約を結ばせたのも無理やりと言う訳ではなく、心根の知れた盟友同士での婚約ならば戦火が起こる事がなく、娘を安心して預けられると思った故だったのだ。そんな父の想いをダグルは理解しており、姉であるシグルーンを説得して翻意させようとした……彼女の愛の強さを、誰もが見誤っていた事に気づかぬままに。

 

 

 そしてシグルーンはとうとうヘルギの下に助けを求め、これに応えたヘルギも軍勢を率いてグランマル王とその息子であるヘズブロッドとの戦いに発展してしまう。この時ダグルは父であるヘグニ王と兄弟達と共に盟友を救う為に加勢に赴き…しかして惨敗を喫してしまう。

 

 

 父も兄も弟も……皆命を落としてしまい、残された自分も命を落とそうとしていたのをヘルギの部下達に引きずり出され、彼が意識を失いそうになる中で目にしたのは…自分に向けて申し訳なさそうに目を向けたかと思うと、そのままヘルギの方に幸せそうに微笑みながら顔を向けるシグルーンの姿だった。

 

 

 その後ヴォルスング家に忠誠を誓わせられるという屈辱を受けながら生き永らえされたダグルは、無念の死を遂げた父や兄弟達の仇討ちを決意する一方でヘルギとシグルーンの二人の幸せそうな姿を見て苦悩もしていた。

 

 

 時折ヘルギと二人になって会話をする様になった際、ヘルギは自分に対して謝罪もしてきたからだ。両親や兄妹の命を奪ってしまった事への誠意ある謝罪と、命を奪ってしまった彼らに報いる為にもダグルの姉であるシグルーンを幸せにして見せるのだと…その言葉に一切の嘘偽りがない事をダグルは理解できていた。

 

 

 しかし、理解できたとしても納得は出来なかった。父や兄弟達もシグルーンの幸せを願っていた。なのにそれをぶち壊しておいて…!!北欧において兄弟達の仇を討つ事が名誉により義務付けられていた以上に、彼自身の憤激が彼にとうとう決断させたのだ。

 

 

 そうしてオーディンに生贄を捧げ、願いを聞き届けたオーディンからグングニルを授かったのだが…その際、オーディンはいつになく真剣な表情で問いかけた。

 

 

ー…その道を歩めば、お前の末路は決して誉あるものにはならん。腐肉を漁る獣同然の末路を辿る事になる。それでもよいのか?

 

 

 しかしダグルは答えた。『これが、俺が決めた事なれば』…一切の逡巡もなく、確固たる決意を宿した目でオーディンを射抜きながら。

 

 

 そして…ダグルはその槍を以て、敬愛すらしていた義兄であり父や兄弟達を手に掛けた仇敵でもあったヘルギをその手に掛ける。そうしてその事を知った姉であるシグルーンから詰られ、憎悪と共に呪いを受ける事となった。

 

 

 だが、それから思いもよらぬ事が起こる。ヘルギの死に悲嘆に暮れていたシグルーンだったのだが、ある言葉が投げかけられた。『…実の弟君によくもあの様な事が出来たものだ』と。それは屋敷で働く小間使いの言葉だった。

 

 

 当然シグルーンは怒りを見せて小間使いを詰ったのだが…続いて出た言葉に反論すらできなかった。

 

 

ーだってそうだろうが!!お前がヘグニ王やご兄弟の方々を裏切ってヘルギにすり寄り、家族を悉く切り捨てた!だからこそダグルはその仇を討った!むしろ非があるのは、ダグルにその様な事をさせた貴様の方だろうが!!

 

 

 そう涙を流しながら訴えた小間使い…の身体を借りたオーディンの怒声に対し、シグルーンは頭を鈍器で殴られたかのように衝撃を受けた。そして同時に、シグルーンは自分が取り返しのつかない事をしたと今更ながらに気づいたのである。愛の為に実の両親を、兄弟達を裏切り…そして残されたただ一人の弟にあのような事をさせてしまったのは他ならぬ自分自身なのだと。

 

 

 そしてシグルーンは森に向かって駆けだした。今更どうしようもない事は分かっている、でも…せめてあの様な言葉をかけてしまった事を償いたい。その思いだけでシグルーンは必死に森中を探して…そして見つけてしまう。

 

 

ー地面に突き立てられた槍の穂先に飛び込むようにして死に絶えた、白い毛並みの狼の亡骸を。

 

 

 それを見て…シグルーンは再び悲嘆の叫びをあげる事となる。愛する人を殺された事に我を忘れ、どうして彼を殺す事になったのかという事を忘れ果て、残されたただ一人の弟に惨い呪いをかけてしまった、己を責めたてる様に…。

 

 

 アサシン自身、己の成した事に一切の後悔を持ってはいない。しかしその一方であの様な結末を辿らせた事には悔いを感じており、コロッセウム特異点に召喚され、聖杯が賞品となっているのを知ると『姉であるシグルーンと義兄であるヘルギが血筋などに囚われる事のない場所で、幸せになってほしい』という願いを叶えようと参戦を決意。

 

 

 リッカと対面した際には、霊基に無理をさせる事で獣人形態になって戦闘を開始。大神宣言を駆使しての戦いでリッカを苦戦させるも惜敗。その後シグルーンがリッカ達に協力している事を知ると、姉が望んで助力をしているマスターならばと協力を承諾した。

 

 

 …最も、楽園カルデアでは姉であるシグルーンと顔を合わせないように行動し、それがリッカにとってはやきもきする事に。

 

 

マスターとしての対応:基本的にマスターに従う事を良しとするサーヴァントであり、サーヴァントを道具のように見る魔術師であってもその指示に従う事に異論はない。

 

 

人物関係

 

 

シグルーン(アナザーガタックさん):自身にとって敬愛する肉親であり…家族を切り捨てて愛する男の下に奔った人。しかしそれ以上に彼女の事を姉として慕ってもおり、その果てに呪いをかけられたとしても一切の禍根はない。とは言え、顔を合わせるのは良くないと思っているのか意図的に顔を合わせないように行動している。

 

 

 一方のシグルーンにしても愛するヘルギの命を奪った事に怒りを持ってはいたものの、彼がなぜその様な所業に手を染めたのかを理解した後には、彼にその様な所業をさせてしまった己自身を恥じる様に…。

 

 

『…悪いがマスターよ、俺を姉上と合わせようとするのは遠慮させてほしい。何故、だと?…それくらいわかるのではないか?俺は幾ら父上や兄弟達の仇とはいえ、姉上の愛した義兄…ヘルギ殿をその手に掛けたのだ。姉上とて二度と会いたくないと思っている筈だと思うぞ?…そう言う訳だ。諦めてくれると…『家族だからこそ、蟠りを捨てないと駄目だよ!!』……やれやれ、我がマスターは妙な所で頑固者だな』

 

 

シグルーン『ダグル…嘗ての我が兄弟、そしてヘルギを殺した仇…ですが、今となっては後悔をしています。そもそも彼がヘルギを殺したのは、ヘルギと結ばれたいがために私が肉親を切り捨ててしまったからこそその仇を討とうとしたという事…それも分からずあの様な事を。私は…私の方こそダグルに、弟に取り返しのつかない事をしてしまった』

 

 

ヘルギ:アサシンの親兄弟を手に掛けた仇であり、姉であるシグルーンが愛し、またシグルーンを愛した義兄。

 

 

 ヘルギ自身はアサシンの心の闇を察しており、その為二人きりになった際には親兄弟を手に掛けた事を心から謝罪し、同時に彼らの死を無駄にしない為にもシグルーンを幸せにすると誓いを立てた。

 

 

 また、シグルーンが助力を願い出た際には、ヘグニ王らが協力をするはずなのに肉親を手に掛けて本当にいいのかと、再三にわたって問いかけてもいた。

 

 

オーディン:アサシンに対してグングニルを貸し与えた北欧の主神。その際、彼の痛切なまでの決意を感じ取ってもおりシグルーンがダグルに呪いをかけて追放した際にはいつになく怒りを見せ、小間使いを介して彼女の所業を詰った。




ふかやんさん、ありがとうございました!
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