マブラヴ グレートパトリオティックウォー 作:Eitoku Inobe
雪が降る、戦線を我らは行く
若い魂が、亡くなった、あの時その場所
傷ついた、老松は、言葉を失う
戦友よ聞こえるか、あの怒りの声が
戦友よ見えるか、怨望の瞳が
-”前線を行く”より抜粋-
死して忠誠を!-俺たちブルードラゴンズ①
1980年12月、ソ連軍が初めて反攻作戦を成功させたウクライナ攻勢から1年が経った。
人類は次なる反撃に備えて力を蓄えており、各所の戦線は一旦落ち着いていた。
それでもBETAとの戦闘は日々続いている。
散発的な少数による攻撃もあれば、連隊や旅団規模の本格攻撃もあった。
されど基本的には数による物量戦であるから適切な兵力と火力さえあれば抑え込める。
それは欧州戦線でもハイヴが多いアフリカ戦線でも僅かにハイヴが残っている中東戦線でも同じだ。
どんな生物であっても火力の前には無力である。
それでもBETAは今もなお地球へ仲間を送り続けている。
月、地球唯一の衛星であるこの天体にはサクロボスコ・ハイヴと呼ばれるBETAのハイヴが存在していた。
現状このハイヴがBETAの落着ユニットを誘導するビーコン代わりの役目を果たしており、今もなお半年に1回程度はBETAの降下ユニットが地球圏に襲来していた。
されど地球にこれ以上ハイヴが増えないのは何故か、理由は簡単である。
地球軌道上に展開した国連宇宙軍が全て阻止しているからだ。
まず宇宙空間に展開した早期警戒衛星がBETAの襲来を察知すると国連軍宇宙司令部のある宇宙ステーションと地上の各国軍の宇宙関連部門に報告が入る。
基本的にBETAの降下ユニットは発見次第即座に迎撃するのが国連が定めた基本方針だ。
「BETA降下ユニット確認、数3」
「3基か、いつもより多いですね」
リチャード・マイヤーズ宇宙軍中佐はオペレーターの報告を聞いてふと呟いた。
「ああ、迎撃に手間取りそうだ……実験用に貰っていたG弾とやらを使え。最低でも2基は持っていくぞ」
アメリカ宇宙軍宇宙作戦軍団司令官、ロバート・トラレス・ヘレス宇宙軍中将は部隊に命令を出した。
マイヤーズ中佐もヘレス中将も元は空軍の出身であり、軍から命令があれば空軍に戻ることもある。
現状宇宙軍と空軍にはそこまでの壁がなく、2つの組織を行ったり来たりする人間も少なくはなかった。
ヘレス中将の命令で新型のG元素使用兵器を備えた
迎撃ミサイルを装填し、ターゲットを入力する。
一通りの準備が終わるとヘレス中将に報告が入った。
「迎撃準備完了しました」
「直ちにミサイル発射、降下ユニットの中央で起爆させろ」
「了解」
ヘレス中将の命令でG弾ミサイルに調整が入り、迎撃可能地点に到達した瞬間ミサイルが発射された。
ミサイルはBETA降下ユニットに向けて飛行し、丁度降下ユニット群の真ん中で起爆した。
禍々しい紫色の爆発が3基の降下ユニットを巻き込み、うち2基を完全に消失させた。
「降下ユニット2基破壊、1基は後部を削り取りましたが依然存続。地球への降下軌道に入りました」
「1基逃したか…!」
マイヤーズ中佐は悔しそうな表情だったがヘレス中将は至って冷静であった。
迎撃が失敗した時の対処法は既に確立されている。
それを見越したかのように1人のオペレーターが「地上には連絡済みです」と報告した。
「後は地球圏内の各軍に任せる。全部隊、後続の有無を確認し警戒を怠るな。G弾の観測班は直ちにデータを地上へ転送せよ」
「了解」
後部が破壊された降下ユニットは中に備えていたBETA何百体か撒き散らしながら地球圏に降下した。
既にこの時点で本来の降下ポイントから大幅にズレており、降下ユニットは旧ルディヤーナー・ハイヴとニューデリーの間に位置する平野に不時着した。
周辺にBETAはおらず、いるのは戦後の治安維持の為に展開していた国連軍の部隊であった。
この時点で周辺に展開する国連軍は後退命令が出ており、旧インドラ・ガンディー国際空港こと国連軍航空基地からは戦術核を搭載した戦術機のF-16がスクランブル発進した。
F-16はBETAの降下ユニットを見るなり即座に戦術核を投下してまだハイヴになる前のそれを破壊した。
これが国連で定めた基本戦術である。
軌道上での迎撃に失敗すれば核兵器を用いて即座に破壊し、BETAを殲滅する。
こうして人類は世界にこれ以上BETAが広まることを防いでいた。
今回も爆撃は成功しF-16はニューデリーの空軍基地に帰投する。
されど彼らは気づいていなかった。
破壊された降下ユニットの中にはまだ生き残りがいたことを。
そしてその生き残りは頭脳級のエネルギー供給がなくても少しの間は動けることを。
生き残りがニューデリーを目指して動き始めたことを。
-インド領 ハリヤナ州 ロータク市 国連軍所属大韓民国軍担当地域 派遣軍第126機械化歩兵師団司令部-
韓国軍の海外派兵はベトナム戦争の頃よりずっと続いている外貨獲得の為の手段である。
朝鮮戦争による南北の分断と初期の最貧国から立ち直るにはどうしても金が必要だった。
韓国は漢江の奇跡を代表するように、凄まじい速度で復興と経済成長を遂げた。
例えば首都ソウルの中心部を流れる清渓川も初期はスラム街が立ち並んでいたり、何故かワニが住んでいたりという有様であった。*1
されど今は整備が整い、清渓高架道路を代表するように近代化が進んでいる。
このような発展にはどうしても金が必要であり、当時貧しかった韓国国民は出稼ぎとして西ドイツに出向いて鉱山で働いたり、アメリカのベトナム戦争に日本と共に派兵したりと様々な手段で外貨を獲得した。*2
今ではそのような外貨獲得の必要性は大分減ったが、それでも派兵は続いている。
この第126機械化歩兵師団もその一部隊だ。
本国に残る第26機械化歩兵師団を母体に首都機械化歩兵師団、第20機械化歩兵師団らの部隊を合わせた派遣師団であり、師団長はイ・テシン陸軍少将が務めている。
イ・テシンは韓国陸軍士官学校ではなく総合学校を卒業したタイプの将校であり、現在国軍の主流であるハナフェのメンバーではなかった。
性格は真面目そのもの、自他共に厳しい性格であるが部下思いで参謀や下士官兵に至るまで多くの人に慕われていた。
一方生真面目で融通が効かない性格の為何か腹に一物置いている野心の人からすれば煩わしい人間であった。
妻と息子がおり、息子は今年大学に進学した。
軍人としては軍団参謀長や教育参謀次長、師団長などを務め上げ、派遣軍には自ら志願して参加した。
イ・テシンはいつも通り報告書を読んだ後、本国の新聞を取り寄せて合間の時間に読んでいた。
今回の新聞は新しく就任した韓国大統領、チョン・ドファン*3についてだ。
チョン・ドファン、元は陸軍の将校で数ヶ月前に大将に昇進したばかりであった。
それが今では辞任したチェ・ギュハ前大統領に変わって大統領の職についている。
正直な話イ・テシンは軍人は政治とは距離を置くべきだと考える人間で、チョン・ドファンやハナフェの行動にはかなり批判的であった。
されど彼は12月12日、全ての始まりである現場にいなかったのでどうしようもなかった。
ただ黙って己の職務に徹するしかなかった。
「司令官、失礼します」
ドアを3回ノックする音が聞こえイ・テシンは「入れ」と入室を許可した。
ドアを開け1人の大佐が入ってくる。
名前はカン・ドンチャン、第126機械化歩兵師団の作戦参謀である。
「何があった」
「前線部隊から妙な報告です、BETAとの戦闘があったと」
カン・ドンチャン大佐の報告書を受け取り、イ・テシンは少し中身を読んだ。
確かに直近1時間で前線の部隊が数度BETAと交戦したと記載されている。
「ルディヤーナー・ハイヴのBETAはとっくにエネルギー切れで死滅しているはずだが……まさか12時間前に落下したやつか?」
「ですが熱核処理が施されたはずです、ですので恐らく僅かな残敵と思われますが……」
イ・テシンは不安を覚えた。
明らかに放っておいてはいけない、そんな気がしたのだ。
「念の為戦術機偵察隊を展開して周辺を調査しろ。もしかしたら大隊単位で生きているかもしれない」
「了解」
命令を受け取ったカン・ドンチャン大佐と入れ替わりの形で情報参謀のコ・スンファン大佐が急いで入ってきた。
「忠誠!」
「どうした大佐」
「隣接する日本軍第48旅団より救援要請です…!現在48旅団はBETAの大部隊と交戦状態にあり至急応援をとのことです」
その報告を聞いてイ・テシンは立ち上がった。
不安が的中してしまった、最悪なことになったと顔が強張る。
「コ大佐、直ちに増援を送ると伝えろ」
「了解!」
コ・スンファン大佐は再び急いで作戦室の方へ走って行った。
イ・テシンも執務室を後にし早歩きで作戦室へ向かう。
作戦室にはカン・ドンチャン大佐やコ・スンファン大佐を含めた4、5人だけが待機していた。
「誰かもう一度空軍に連絡して戦術機の1個中隊を日本軍の担当地域に展開するよう命じろ。カン大佐、現状即座に動ける陸軍部隊はあるか」
すぐに待機していたウン・ホサン少佐が動き、カン・ドンチャン大佐は部隊を読み上げた。
「今すぐですと第25戦車大隊と109機械化歩兵大隊です」
「ではその二つを直ちに日本軍部隊に合流させろ。我々も直ちに視察へ向かう。カン大佐は私と共に来い」
「了解…!」
事態を聞きつけて何人かの参謀達が戻って来た。
先に作戦室にいた同僚に話を聞き、状況を把握する。
「参謀長、師団全隊を戦闘配置に付かせ警戒レベルを引き上げろ。各旅団の戦車大隊は緊急展開戦力として待機、私が命令を出した25以外は動かすな」
「了解!直ちに招集をかけます」
師団参謀長パク・ギテ准将は敬礼し、まず師団を構成する第76機械化歩兵旅団、第62機械化歩兵旅団、第26機械化歩兵旅団、そして師団野砲団に連絡を取った。
その間にイ・テシンは執務室に戻って自身のジャンパーと弾薬ベルトと拳銃の入ったホルスターを巻き付けた。
まずは対応中の部隊に向かわねば何が起こっているか分からない。
イ・テシンにとって忙しい戦争の日々が始まった。
日本陸軍第48旅団、千僧駐屯地に司令部を構える第3師団を基に外地派遣の為に設立した機械化歩兵旅団である。
4個機械化大隊に1個機甲大隊、そして1個砲兵大隊を備えた戦闘団であり、統合任務部隊として日本空軍の戦術機1個大隊が指揮下にあった。
旅団長は静岡出身の後藤一樹准将で参謀長は井高始大佐が務めていた。
司令部はロータクより68キロ先のジンドに構えており、近くの野戦病院には負傷した歩兵達が担ぎ込まれていた。
イ・テシンはUH-1Aの移動指揮所でジンドまで高速で向かって旅団司令部のヘリポートに駐機した。
イ・テシンは軍帽に少将を示す2つ星が取り付けられており、ジャンパーの肩章にも同様に少将の階級章がついている。
「イ・テシン司令官閣下でいらっしゃいますか!自分が通訳の音川大尉であります!」
「私がイ・テシン少将だ、司令部まで案内してくれ!」
「分かりました!」
音川大尉は韓国語で了承し2人を旅団司令部まで案内した。
大尉は日本陸軍の迷彩1型、別名三五式迷彩服と呼ばれる日本陸軍特有の迷彩服を着込んでいた。
司令部内では緊迫した空気が流れており、皆余裕がなさそうだった。
「旅団長、イ少将をお連れしました!」
「おお、そうか。自分が旅団長の後藤准将であります」
「師団長イ・テシン少将です。状況を教えてください」
2人は敬礼し、挨拶と話した内容を音川大尉がそれぞれ日本語と韓国語に訳した。
後藤准将は2人に作戦室の地図を見せた。
「現在、我が旅団は降下ユニットから展開したと思われるBETA2万4,000体の攻撃を受けています。辛うじて防いでいますがこのままでは長く持ちません」
「国連軍への救援要請は?」
「出しましたが何分転換期ですので24時間以内には主力部隊を展開すると言われました」
現在国連軍は主力部隊をアフリカ戦線、中東戦線に転換しており、リベリオン・セイバー作戦を実施した時よりも戦力は減っていた。
その為緊急で部隊を展開しても再招集と移動に24時間掛かってしまう。
現在、米空軍の戦術機部隊が火消しの為に参戦しているがまだ苦しい状況は続いていた。
「こちらから戦車大隊と機械化歩兵大隊を1個づつ派兵しました。部隊配置は旅団長の指揮に任せます」
「ありがとうございます…!」
日本帝国と韓国、植民地時代の記憶から歴史認識を巡る問題は軍人政権になった後も消えた訳ではなかった。
されど前線で肩を並べて戦う軍人同士の仲はそこまで悪くなかった。
何せ日韓の中将以上の人間は同じ大日本帝国軍にいた記憶があるし、各兵科、やっている訓練は殆ど同じ内容であるから辛い記憶の共有が出来て愚痴大会で仲を深めることが出来た。
「旅団長、この際BETAを殲滅する為により綿密な連絡を取りたい。こちらから連絡要員の参謀を派遣しますのでそちら側からも何人か借りたい」
「分かりました、受け入れ準備をしましょう。井高、ここは水木に任せてイ少将の司令部に行ってくれ。音川と城橋を連れて行け」
「了解!」
イ・テシンの提案に後藤准将は特に嫌がることもなく了承し、速やかに人員を選んだ。
後藤准将はとにかく勝ちが好きな人間である。
ここで日本の矜持だ軍のプライドだと言って指揮調整を嫌がり、連携が取れず負けるよりは勝つ方が遥かに良かった。
誰だって負けたくはない。
「では我々はこれで失礼します。連絡員は私達について来てください」
軽く頭を下げてイ・テシンとカン・ドンチャン大佐は旅団の作戦室を後にした。
道中歩きながらふとイ・テシンは大佐に呟いた。
「カン大佐、指揮所に戻ったら直ちに戦車大隊を展開してBETAの側面から殴り込ませよう。戦術機部隊も戦車隊の背後につける」
「了解…!」
「48旅団が持たせてくれている間に側面から殴り込んで援護する。24時間で残党を全てすり潰すぞ」
イ・テシンの決意は堅かった。
BETAを生かして返さない、これは軍人の基本方針である。
UH-1Aはロータク市の師団司令部に戻り、直ちに作戦室に入った。
市街地では待機中だった師団の各部隊が移動を開始し、有事に備えてあちこちに防御陣地が構築されていた。
K1やM48が市街地を移動し、KM900は前線へ向けて急行する。
これから決して少なくはない韓国の若者がBETAとの戦いで死ぬ。
UH-1Aの中でイ・テシンはそんな将兵に敬礼を送り、作戦室に入った。
作戦室には既に全ての参謀と旅団以上の部隊指揮官が集まっていた。
「忠誠!」
「忠誠、各隊報告を」
イ・テシンはすぐに報告を求めた。
後ろでは音川大尉が連絡要員として作戦室に入った井高大佐達の挨拶を訳していた。
「第26機械化歩兵、62機械化歩兵、76機械化歩兵旅団、戦闘準備整いました。現在戦車大隊を中心に機甲部隊がBETA右側面へ攻撃をかける為移動を開始中です」
ウン・ホサン少佐は簡潔に状況を説明した。
イ・テシンは壁に貼り付けられた地図を見て、より正確な作戦を練った。
「1個大隊は送ったが……第48旅団は持つだろうか」
「しかしこれ以上部隊を送るわけには、側面攻撃の衝撃力がなくなります」
カン・ドンチャン大佐は提言し、それを聞きつけた井高大佐が2人に提案した。
韓国語と日本語は時折同じような音の単語がある。
その為学習していなくてもなんとなく分かることが稀にあった。
「では師団の砲火力を援護としてつけてください。我が旅団の砲火力と合わされば少しはマシになります」
井高大佐の発言を音川大尉が急いで翻訳した。
それを聞いたイ・テシンは待機していた師団野砲団長のユ・ヒジョン大佐に尋ねた。
「野砲団長、何門か第48旅団に分けてはやれないか」
「お任せください、我が野砲団なら師団と旅団の面倒くらい見れます」
ユ・ヒュジョン大佐は自信を持って断言した。
これで不安要素はなくなった。
「井高大佐、旅団長に我が師団の野砲部隊の支援も使うよう伝えてください。戦術機の状況はどうだ」
「空軍の飛行隊は命令を受けた1個中隊が日本軍と合流し現在戦闘中。主力は師団と共にいます」
「よし、では事前に伝えた通り正面でBETAの攻勢を食い止めるのは日本軍第48旅団を派遣部隊に任せる。我が第126機械化歩兵師団は全戦力を持って側面からBETAに殴り込みを掛け、挟撃、もしくは旅団の負担を減らす」
参謀達は頷いた。
井高大佐達も音川大尉から内容を聞いて小さく頷いていた。
旅団が受ける負担は相当のものだろうが、他に方法はない。
むしろ後24時間ほど戦線を持たせれば国連軍の主力部隊が到着するのだから勝利は近い。
大佐も遠方にいる後藤准将と同じく覚悟を決めていた。
ここで耐えなければ日本陸軍のプライドに関わる。
国連軍の一員として役割を果たさなければ、何もしない武家の連中に負けた負けたと指を指されるのはごめんだ。
「後24時間すれば国連軍の部隊が到着する。だがそれまでに戦車でBETAの首を吹っ飛ばしてやろう、これ以上奴らに人類の領土を踏み荒らさせるな」
全員が敬礼した。
カン・ドンチャン大佐が前に立ち「我々皆、死して忠誠を果たす覚悟です」とイ・テシンに伝えた。
それを聞いた心優しいし団長はこう返した。
「なら全員に通達しろ、生きて守れ」
イ・テシンは必ず勝って帰る覚悟を決め、参謀達に敬礼を返した。
前線ではひたすら厳しい防衛線を強いられていた。
前線の歩兵部隊はひたすら防御陣地を用いてBETAの襲来を防いでいる。
106mmや対BETAミサイルを積んだ
特に
正面装甲がそこまで強力ではない要撃級程度なら装甲は抜けたし、回り込んで砲を叩き込めばダメージは与えられた。
その隙を作る為に上空では日本空軍の戦術機が奮戦している。
F-4EJ改、日本では一部の衛士が撃震と呼んでいる日本のF-4だ。
F-4の導入時期、世界の戦局は今より圧倒的に悪かった為日本への納入も遅れるのではないかという不安があった。
されどそこは工業大国アメリカ、戦術機を大増産しちゃんと契約分を納入し、日本は後にF-4のライセンス生産権も購入した。
斯衛軍がF-4を瑞鶴として運用出来るのもこのライセンス契約があればこそだ。
後に日本は韓国同様に新型のF-15も購入し、一部部隊では既に運用が始まっている。
F-4EJ改は突撃砲をばら撒きながら脚部のM151 ハイドラロケット砲で埋め合わせを行った。
その頃には機動防御として戦車隊も合流し始めた。
されどBETAはお構いなしに突撃し、第48旅団はジリジリと後退して行った。
後退戦の援護で砲兵大隊の155mm自走榴弾砲が火力を投射し、前線の突撃級と周囲の中型と小型BETAを抹殺した。
後退し陣地を再構築するもBETAはすぐに追いついて突撃を開始する。
そこへ救援が訪れた。
韓国空軍のF-4ES ”ピース・フェザントⅡ”である。
補給中の日本軍機に変わって突撃砲で梯団に穴を開け、突撃級の群れにMk.82の227kg爆弾を叩き込んだ。
前衛が崩れ、そこへ第48旅団の通常火力と補給を終えた日本空軍のF-4EJ改が合流して要撃級や要塞級を優先して排除し、周辺にいる戦車級を押し潰した。
接近する戦車級にはF-4ESが持ってきたナパーム弾で焼き殺す。
これで少しは時間を稼ぐことが出来た。
その頃には他の前線に韓国陸軍第109機械化歩兵大隊が到着し、KM900やKAFV40/50が前線に加わった。
車両から降りた韓国陸軍の歩兵達は日本陸軍歩兵と同じ塹壕に入り、共に戦った。
これで第48旅団は5個機械化大隊での防衛が可能となり、少しはマシになった。
と言っても旅団で2万体以上のBETAを防いでいる訳だから苦しいことに変わりはなくなったが。
後藤准将は第25戦車大隊を温存し、反撃の時の要として使用することを決定した。
何せこの第25戦車大隊は現在韓国陸軍で最新鋭のK1戦車を有した戦車大隊である。
性能で言えばやはり三四式よりも攻めの戦車としては強力で、頼もしい機甲戦力だ。*5
こうして第48旅団は会敵から5時間近く、BETAの攻勢を抑え続けていた。
そして側面からは韓国陸軍第126機械化歩兵師団が攻撃に入る。
いよいよBETAと日韓連合軍の決戦が始まろうとしていた。
つづくかも
ちなみにブルードラゴンってのはWargame:Red Dragonにおける日韓連合デッキです、みんなもRTSをやろう!