マブラヴ グレートパトリオティックウォー   作:Eitoku Inobe

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立ち上がれ、ロシアの人々よ
栄光と死を賭けた戦いに
立ち上がれ、自由なる民よ
我らの誠実なる大地のために!
-”立ち上がれ、ロシアの人々よ”より抜粋-


大試練の時 ブルジェツラフ会戦①

-日本帝国領 東京 某料亭-

3月頃、東京時間で9時を回った頃のこと。

 

烏丸次官は昔馴染みの華族仲間である一条局長と政治的な話題も含めてある料亭で酒を酌み交わしていた。

 

飲んでいるのは日本酒、基本的には一条局長の方が年下であるから烏丸次官に酒を注いでいた。

 

酒のつまみには焼いた白子がよく合う。

 

丁度ついさっき刺し盛りが置かれ、2人は刺身と日本酒を傍に苦味の多い政治の話に移っていた。

 

「尾張の殿さんが将軍になってから早1ヶ月、お武家はんもえらい変わりましたな」

 

「お陰で仕事が増えてあかんわ」

 

烏丸次官はお猪口に入れた日本酒を一口で飲み干し、ふと不満を述べた。

 

信真が政威大将軍就任早々に述べた斯衛第1師団派兵は斯衛軍だけでなく、日本軍にも負担をかけた。

 

当然だが陸上師団を外地に派遣するとなると島国の日本は艦艇が必要になってくる。

 

軍用船舶であろうと民間船舶であろうとそこには何かしらの調整が必要であり、当然だが予算の都合も出てくる。

 

政威大将軍は今や形だけの存在であるがやれと言った以上予算を組む必要があり、海軍軍令部は輸送艦艇の調達を始めた。

 

その結果烏丸次官らは大忙し、斯衛軍との調整も含めて圧倒的に業務が増えた。

 

だがメリットもあった。

 

斯衛軍1個師団の派遣によって少なくとも日本陸軍2個旅団は本国へ返せる。

 

それに今回は斯衛軍側から積極的に調整の日程を伝えてくれる為日本軍としてはやりやすかった。

 

「このまま武家の連中がアフリカで戦ってくれるならうちとしては楽やわ。何人帰ってくるか分からんけどね」

 

「今の所、烏丸さんが狙った通りになりましたね」

 

かつて烏丸次官は信真が将軍にでもなればいいと言った。

 

次官の予想通り信真は政威大将軍となり、既に各所で旧守派との不和が生まれている。

 

また斯衛軍の外地派遣が本格化し、すでにアフリカに回された派遣軍は死傷者を出していた。

 

恐らく今年1年で武家内部の対立は加速するだろう。

 

事実上の革新一派と化した斉御司家と旧守派の対立、特に九條辺りが頭目となり先導することになるだろう。

 

どうも武家の中では引退する保科大将に変わって折衷案として九條輝光を大将に昇格させて斯衛軍総監に据えるつもりだが、それは対立を激化させるだけだ。

 

こうした対立が広まれば当然ボロは出る。

 

汚い金の流れに側から見れば愚かにも見える政争に、不和による城内省、斯衛軍の機能不全。

 

どれも武家から力を削ぐには格好のネタだ。

 

彼らは生き残る為に信真に期待を込めたかも知れないが、それは破滅の始まりであった。

 

「これからどうなさるんですか?」

 

ふと一条局長は烏丸次官に尋ねた。

 

彼は丁度真鯛の刺身を口にする所だった。

 

次官は真鯛の味を楽しみ、日本酒を入れた後にその問いに答えた。

 

「我らは何にも変わらへんよ、粛々と実務を進めていくだけや」

 

「武家には手を出さんと」

 

「一条君、我らは武芸者に構ってられるほど暇はあらへんで」

 

一条局長は小さく頷き、悪い笑みを浮かべながら日本酒を器に入れた。

 

放っておいても武家は消える、彼らは誰にとっても都合の悪い存在だ。

 

官僚からすれば彼らのような前近代的かつ無駄に権威ばかりある存在を嫌うのはある種当然である、仕事の邪魔だ。

 

そして軍部に警察、単純に予算関係で斯衛軍が消えてくれた方がありがたい。

 

何より軍部の長老達は今でも硫黄島のことを覚えている。

 

現状国土を守るだけならば斯衛軍がいなくとも何とかなる。

 

北からソ連軍が攻めてこようと、どこかにハイヴが落ちようと現状の日本軍と在日米軍で対処は可能だ。

 

その為に日米の指揮統合演習を行い、年に1回は実演も含めた大規模実働演習を行なっている。

 

また民主主義を尊ぶ学者、知識人、或いはリベラルからすれば武家制度は悪習ともいうべき打倒の対象だ。

 

民主主義国家における最高行政権は大衆の委任によって生まれるものだ。

 

決して由緒正しいかも分からない侍の密室政治ではない。

 

要は制度的な限界なのだ、日本帝国における武家制度というものが。

 

例えば武家が英国の貴族のようにノブリスオブリージュを体現し戦の最先頭に立って戦死するような存在であれば話は変わってくるかも知れないが、今の武家にそんな覚悟はない。

 

あるとすれば崇継やそれこそ信真らの少数であろう。

 

彼らが少なからず尊敬される理由はそこにあった。

 

「そういえば一条君、東御君は上手くやれてんの?」

 

ふと烏丸次官は甘エビの刺身を取りながら一条局長に尋ねた。

 

東御則孝は一条局長の後輩であり、一応カテゴライズでは若手の華族官僚である。

 

その為部署は違うが烏丸次官も東御のことを目にかけていた。

 

「東御君は優秀ですよ、ほんま助かってますわ。そっちの高森君はどうですか?」

 

「まあ、同じような感想やね。うちはF-15JとF-1体制もそろそろ軌道に乗りそうやし、これからが正念場や」

 

土地と武家の切り離しを行う一条局長に国防の政を担う烏丸次官。

 

官僚を隠れ蓑にする華族には確かな明日があった。

 

 

 

 

 

スロバキア方面からの大規模BETA野戦軍襲来が確認されたのは3月18日のことであった。

 

まず3月17日にピーセクからBETAが凡そ1個軍ほど襲来した。

 

この1個軍を受け止めたのは第9親衛軍とポーランド軍第1軍の一部であった。

 

当時第1ウクライナ前線はブルノから回り込んでプラハ・ハイヴの方位に加わろうとしていた。

 

そこへ守備のBETA1個軍が到来した為、第9親衛軍とポーランド軍第1軍が防御に入った。

 

この1個軍を殲滅する為に3月17日の夜から3月18日にかけて第3親衛戦車軍と第二梯団の第60軍を動かした。

 

展開する軍の両翼から2個軍をぶつけて潰す戦法だ。

 

しかし18日の朝頃、モスクワの参謀本部からルブリンに向けて緊急で書類が届いた。

 

ニコライ・ロベンシュクというGRUの少佐が偵察衛星で何かを発見し、とにかく緊急で送る必要があるということでGRU総局長の権限でルブリンに向けて送られた。

 

ヤゾフらは訝しみながらもその書類に目を通した。

 

確かにロベンシュク少佐の報告書は必要だった、これがなければ第34軍は壊滅していたかもしれない。

 

彼の報告書と衛星画像はスロバキア方面から移動するBETAの大群を露わにしていた。

 

参謀達は動揺したがすぐに確認作業に入った。

 

たまたま航空作戦の調整の為にいた第2防空軍司令、ゲオルギー・コルニャコフ大将がMiG-25RBVを用いた偵察を提案してきた。

 

ヤゾフはすぐにその案を提案し、各防空軍から偵察部隊をスロバキア方面へ送った。

 

結果はロベンシュク少佐の正しさを証明する結果となった。

 

明らかに2、3個軍以上のBETAが第1ウクライナ前線の偵察地域に向けて前進中だったのだ。

 

夕方頃からBETAの先遣隊と第34軍の戦闘が各所で勃発した。

 

この頃には第34軍は防御陣地を構築中であり、各所で防衛戦となった。

 

そして翌日の3月19日、BETAの本格的な逆襲が始まった。

 

スロバキア方面から確認されたBETAの数は8個軍、それに加えてプラハ方面からはもう1個軍が追加されて2個軍。

 

また正面からはこれに呼応してかウィーン・ハイヴから凡そ3個軍のBETAが襲来した。

 

本来頭脳級同士の連絡網は途絶しているのにも関わらずである。

 

合計13個軍、それが第1ウクライナ前線の正面に展開していた。

 

当然だが第1ウクライナ前線司令部も各軍司令部も頭を抱えていた。

 

本来の偵察情報ではこれほど大規模な戦力、スロバキア方面にはいなかった。

 

それが突然出現した、いや予兆はあった、それも叩き潰したはずだった。

 

「コシツェのハイヴ、宇宙軍が叩き潰したと聞いたが……」

 

「生き残りのBETAがいたとしか…」

 

モイセーエフ大将の発言を聞いてヤゾフはルブリンの司令部で考えた。

 

確かにコシツェ・ハイヴは今までのハイヴとは様子が違っていた。

 

1年以上時間があったのに地表構造物は建設しなかったし、ウクライナに向けてBETAを送り込む回数も少なかった。

 

ずっと何かを溜め込んでいるようだったと今なら言える。

 

恐らくコシツェ・ハイヴはハイヴというよりは兵力の抽出拠点であり、そこで出来たBETAの大部隊がついに動いたというところだろう。

 

「各軍は後退も視野に入れつつ防衛陣地を構築するとのことです」

 

ローシク少佐の報告を傍で聞きながらヤゾフは作戦室の地図を見つめた。

 

既に参謀達がBETAの出現地点にBETA側のユニットアイコンを置いている。

 

まずホドニーン方面へ向かうBETAが8個軍、コシツェ・ハイヴからきた集団だ。

 

そしてヴェストニツカ貯水池の手前にいるのが3個軍、こちらがウィーンから来たBETAだ。

 

最後に現在戦闘中のBETA1個軍と後方からの1個を合わせた2個軍、プラハ・ハイヴの従来の守備戦力である。

 

現状最も厄介なのはこの8個軍のBETAである。

 

単純に数が多いのとそちらの方面には現在第34軍とチェコスロバキア軍第1軍しかいない。

 

BETA8個軍という数はいくらBETAが単調な動きしかしないと言ってもあまりに数が多すぎた。

 

ふと作戦参謀達の方を見た、皆地図を睨みつけて対処法を考えている。

 

それはヤゾフも同じだ、地図を見ながら使える脳細胞を全て使っていた。

 

「現状最もどうにか出来そうなのはプラハの2個軍です、こちらに置いた戦力なら撃破は可能です」

 

バリィーニキン少将は各所を指してそう説明した。

 

「一方のスロバキア方面は防戦に入るしかないかと……」

 

「ラディーギン少将、プラハから向かってきる1個軍は後何日くらいで到着する」

 

ふとヤゾフは尋ねた。

 

状況によっては1つ攻勢を維持したまま敵を殲滅出来る手立てを見つけたのだ。

 

「早くても2日、この山岳地帯ですのでBETAの速力を持ってしても遅くて4日かと」

 

報告を聞いてヤゾフは確信した。

 

今一番手薄なのは左翼である、ここに勝利の糸口はあると。

 

「リトヴィネンコ少佐、各種砲弾、核弾頭はどれくらい残ってる」

 

「残数はこのくらいです、戦略核に関しては他の軍に問い合わせればまだ撃てます」

 

少佐はすぐに報告書を見せてヤゾフに伝えた。

 

まだ戦える、少なくともレニングラードの時よりはマシな状況だ。

 

ヤゾフは己に言い聞かせるように心の中で呟き、自身を落ち着かせた。

 

少なくともこの時参謀達はヤゾフに対して感嘆の念を抱いていた。

 

何せヤゾフは冷や汗一つ流さず、冷静に物事を見て怒鳴り散らすようなこともしなかった。

 

落ち着いて1つ1つ仕事をこなしている。

 

凄まじい胆力と技量だと全員が尊敬していた。

 

「今から大まかなプランを述べる、無論各自手短に意見を出して修正案があれば出せ。まず左翼のBETAを潰す、現状の2個軍と1個戦車軍に第1親衛軍を加える。第24軍は待機、チェコスロバキア軍と34軍は後退しつつ防衛戦を維持、こちらには防衛の要として第4軍を入れる」

 

ヤゾフの説明を全ての参謀が固唾を飲んで見守った。

 

当然だが頭は使っている、司令官に間違いがあれば意見して提案を行うのが参謀の仕事だ。

 

「まず1個軍を2日で潰し、それからもう1個軍と対峙する。この2個軍撃滅後は第24軍合わせた4個軍と1個戦車軍で回り込んで残るBETAを背後から叩く。この時3個軍がどちらに来るにせよ撃滅しろ。第17航空軍は左翼部隊の支援に専念、残った第8航空軍と第2防空軍は全て守備に回せ。使用武器に制限はかけるな、ここが正念場だ」

 

「同志元帥、自分は国内軍師団の投入も提案します。現状では守備戦力が足りません」

 

ゾロトフ少将は手を挙げて早速意見した。

 

ヤゾフは頷き、「後でステクリャル中将に確認を取る」と了承した。

 

「よろしいですか、我が軍の兵力の疲労具合から見て他から部隊を借りるべきと進言します。例えば沿バルト前線、キエフ軍管区」

 

「問い合わせよう、他にあるか?なければ直ちにこの作戦を全軍に通達しろ、ここでBETAの野戦軍を撃滅するんだ。殲滅だ!」

 

全員が無言で敬礼し、それぞれの部署に向かった。

 

受話器を持って各軍司令部に作戦を通達、或いは情報を収集して常に前線の頭脳として動き続ける。

 

ヤゾフは一息つき、モイセーエフ大将に命じた。

 

「参謀長、宇宙軍の戦力はどれだけ軌道上に戻ってきている?」

 

3月になると1月までペルーン作戦に従事していたソ連宇宙軍の衛星が軌道上に戻り、武器弾薬の補給を受けていた。

 

当然”ポーリュス”は対ハイヴ戦で使う為今は撃てないが戦術核、戦略核程度なら発射出来る。

 

今は1発でも多くの火力が必要だった。

 

「現在戦闘に参加出来るのは8割です、我々に割り当てられているのは恐らく2割強ですね」

 

「可能な限りの衛星で今から指定するポイントに爆撃を叩き込め。BETAの特性上有効なはずだ」

 

「直ちに伝えます」

 

モイセーエフ大将は敬礼して各宇宙軍の連絡将校と分担して要請に向かった。

 

一先ずこれで初動対応は粗方片付いた、後は前線司令官として兵力貸与の要請に向かわなければならない。

 

「ローシク少佐はステクリャル中将を呼んできてくれ、忙しくても引っ張ってくるんだ」

 

「了解…!」

 

ヤゾフも受話器を取り、まず沿バルト前線に連絡を取った。

 

これが彼の戦いだ、前線司令官としてあるべき振る舞いである。

 

後にブルジェツラフ会戦と称される、チェコスロバキア攻勢における一大決戦が幕を開けた。

 

 

 

 

ステクリャル中将はたまたまルブリンにいた。

 

ポーランド国内からチェコスロバキアに移動する国内軍の各師団と調整を行っていたのだ。

 

そこをローシク少佐に発見され、ほぼ拉致される形で司令部に連れてこられた。

 

「いいから来てください!」

 

「なんだよ!こっちも忙しいんだって!」

 

「連れてきました!」

 

ローシク少佐は敬礼してヤゾフの前にステクリャル中将を引き渡した。

 

中将もよく分からないまま敬礼し、ヤゾフも軽く敬礼を返す。

 

ヤゾフは各前線から上がってきた報告書を読みながらステクリャル中将に命令を出した。

 

「同志中将、我が前線の危機だ。狙撃兵部隊の指揮経験は?」

 

「大祖国戦争の時に小隊なら指揮したことがありますが…」

 

「なら十分だ、前線司令官として今から命ずる。中将は前線隷下の国内軍師団を臨時野戦軍として統合し、軍司令官として中将が指揮を取れ。当分師団はスピティフニェフに展開し、防御陣地を構築しろ」

 

そう言ってヤゾフは雑に命令書をステクリャル中将に押し付けて、各所の確認に行った。

 

それにヤゾフの周りには常に2、3人の参謀が駆け寄って報告に来ていた。

 

「沿バルト前線から連絡来ました!待機中の第11親衛軍なら送れるそうです!」

 

「キエフ軍管区も戦術機部隊と1個旅団なら送れると言ってきました」

 

ステクリャル中将がモイセーエフ大将やローシク少佐の方を見ると2人とも「時間がない」といった表情で見つめ返してきた。

 

なんとなくステクリャル中将は状況を理解し、書類を一瞥すると作戦室を走って出て行った。

 

彼はそのまま元いた司令部の脇に向かい、丁度待機していた第1ウクライナ前線隷下の国内軍師団長らの所へ戻った。

 

第1ウクライナ前線には第68、第69、第79、第80MVD自動車化狙撃兵師団が国内軍として配備されていた。

 

基本的には後方の治安維持に回されるが現在はその余裕すらないのだろう。

 

「師団長は全員いるか!?全ての師団は動かせられるか!」

 

ステクリャル中将は到着するなりそう叫んで師団長らに命令書を見せた。

 

全員その命令書を見た瞬間唖然とし、ステクリャル中将の方を見た。

 

「いいかよく聞け、これは我々KGB、国内軍の危機でもある。ここでBETAを防げば我々の名声は絶対だ。各師団直ちに部隊をスピティフニェフに展開しろ、それと師団から1人連絡将校を派遣しろ。それを臨時の軍参謀にする」

 

「直ちにですか…?」

 

「そうだ!急げ!」

 

ステクリャル中将は師団長達に発破をかけて4人の師団長を急がせた。

 

彼らは慌てて司令部を後にし、自身の指揮車の中で師団に命令を出した。

 

一部の師団は既にチェコスロバキアに入っていた為意外にも国内軍が現地に到達するのは早かった。

 

「大尉、後の仕事はバハロフ中佐とカルペンスキー少佐に一任しろ。私は暫く臨時軍司令官として各師団指揮を行うから暫く離れると伝えておけ」

 

「いやしかし…」

 

「緊急事態なんだ!お前達なら優秀だからなんとかなるだろ!とにかく行ってくるぞ!」

 

そう言ってステクリャル中将も自身の車両に戻った。

 

こうして第1ウクライナ前線は新たに1個軍を捻出した。

 

ボリス・ステクリャルKGB中将を臨時司令官として4個MVD自動車化狙撃兵師団を基幹とする1個軍を編成した。

 

元々国内軍師団の責任者はステクリャル中将であったし、4個の師団長に一々命令を出すよりも臨時でいいから一度に命令を送れる存在が必要だった。

 

少なくともステクリャル中将の実働部隊指揮は1950年代で止まっていたが、臨時で司令部要員を徴収して与えられた命令以上のことはやらず、任務を全うした為初の軍司令官にしては上出来だった。

 

国内軍は基本的に予備戦力と後方陣地構築に用いられたが、第79MVD自動車化狙撃兵師団のような一部部隊はBETAとの戦闘を経験した。

 

また第1ウクライナ前線は周辺の手の空いている部隊に要請し増援を呼び出した。

 

ゴヴォロフ元帥が指揮する沿バルト前線からは第11親衛軍が派遣された、ヤゾフの古巣、ダウガフピルス防衛戦など激戦を経験した部隊である。

 

一方キエフ軍管区であるがまだそれほど兵力に余裕があるわけではない為あくまで1個旅団のみ展開した。

 

1個旅団は予備戦力として待機させ、第11親衛軍は第34軍、チェコスロバキア軍第1軍らの防衛側に回した。

 

3月21日、各所で本格的な戦闘が始まっていた。

 

BETAはウィーン・ハイヴの3個軍と合流して総勢11個軍ほどで防衛線を再構築した各軍に強襲をかけた。

 

無論これらのBETAは既に傷ついた状態ではあった。

 

緊急要請を受けたソ連宇宙軍第7親衛攻撃衛星軍団がまず小カルパチ山脈の街道に軌道爆撃を叩き込んだ。

 

BETAは高速で移動中であった為展開している光線属種は少なく、攻撃をもろに喰らった。

 

無論重光線級が何体かいた為防がれた攻撃もある。

 

されど後方にいた要塞級が特に損害を受け、全体で見た場合この時点でBETAの脅威度はかなり減った。

 

現状BETAに軌道爆撃を妨害する能力はなく、重光線級と1対1の交換で攻撃を防がない限り防衛は不可能であった。

 

それでも8個軍という大規模戦力のお陰で山岳地は突破出来た。

 

しかもウィーン・ハイヴから送り込まれた3個軍はまだ無傷の状態である。

 

次に各軍がぶつかったのは地雷原、核地雷も含めた数キロ単位のものであるがBETAはこれを物量で突破した。

 

死んだBETAの死骸を乗り越え、また次のBETAが姿を現す。

 

彼らには損害を感知する能力が頭脳級くらいしか備わっていないことからこうした無茶も出来た。

 

事前攻撃でも稼げた時間は2日、3月23日から本格的な戦闘が始まった。

 

 

 

 

一方ブルノ方面の各軍は与えられた任務の半分を達成していた。

 

戦闘中だったBETA1個軍に対して第3親衛戦車軍と第60軍が挟撃し、半分ほどの戦力を包囲殲滅した。

 

しかし残りの半分は予定より早期に合流した残りの1個軍と合流して1.5個軍で第1ウクライナ前線の各軍と交戦した。

 

尤も所詮は1.5個軍、攻撃精神がいつもの2倍はある彼らにとってそれほど巨大な壁ではなかった。

 

第3親衛戦車軍は司令官イヴァノフ上級大将の「燃料はあるか」という一言に参謀長が「満杯です」と答えたことによって、突撃を決意し前進を開始した。

 

T-80Bを主力とした戦車隊が高速で戦線を打ち破り、後からT-72Bの戦車隊が戦果を拡張する。

 

それを砲兵隊と第17航空軍の戦術機部隊が援護する。

 

Su-25、こうした攻勢作戦でも上空からの手厚い火力支援は非常に頼りになった。

 

大量のKh-25MLをばら撒いて接近する突撃級、要撃級を殲滅し、S-8Oと手持ちの突撃砲やGSh-30 30mm機関砲で戦車級を薙ぎ払った。

 

こうした武装を使い果たしてもSu-25には203mm無反動砲の火力が残っている。

 

放たれた榴弾は戦車級に対して十分な効力を上げていた。

 

無論MiG-27やMiG-23といった通常の戦術機部隊も十分な戦果を上げていた。

 

「各機、後続のSu-24だけはなんとしても守れ、あれを突入させて後方のBETA群を撃滅するぞ」

 

デルーギン少佐は愛機のMiG-27を操り、配下の中隊に命令を出した。

 

彼もまた優秀な衛士ではあるがまだMiG-29は配備されていない。

 

両手と全ての武装担架に突撃砲を備え、脚部と肩部にS-8Oロケットポッドを、跳躍ユニットには1基につき2本ずつKh-25MLを積んでいた。

 

「手始めに前方の中隊規模BETA群から殲滅する、全機散開!」

 

少佐の命令で3機編隊のMiG-27が左右に分かれ、分散して接近するBETAを取り囲んだ。

 

まず突撃砲で接近する戦車級を蹴散らし、必要によってはロケット弾を放つ。

 

突撃級のような強力な大型種が出たら、それぞれKh-25MLの集中射撃で撃破した。

 

デルーギン少佐も数十体の戦車級を殲滅しつつ、弾丸をリロードしてその間はロケットポッドを放って火力を埋めた。

 

『隊長!2時方向に突撃級!』

 

「私と1011005でやるぞ、対地ミサイルの照準合わせろ」

 

2機はそれぞれ別方向からKh-25MLを放ち、要塞級を撃破した。

 

周囲にいた要撃級は突撃砲の掃射で潰し、残る数体は別の編隊が撃破した。

 

『中隊規模BETA群殲滅しました!』

 

「前進だ、アルコフ大尉!」

 

『間も無く投下地点です…!』

 

安全地帯を確保した上空を超低空で3機のSu-24が飛び抜けていく。

 

丁度光線級が狙いをつけようとした瞬間に各所に3発の戦術核爆弾が投下された。

 

各戦術機は周辺に散開し熱と爆風が周辺を包んだ。

 

『今ので光線級は粗方吹っ飛んだと思います!』

 

「そうか!残弾を確認して次の戦闘に備えろ、アルコフ大尉の隊は帰投しろ」

 

『ハッ!』

 

3機のSu-24が反転して後方へ下がる。

 

デルーギン少佐も機体の残弾と燃料を確認し、頭の中でどれくらい戦えるか計算した。

 

Kh-25MLは残り2発、突撃砲とロケットポッドはまだ残弾が残っている。

 

「せめてヴィクトルの野郎がいてくれればなぁ……」

 

ふとデルーギン少佐はボヤき、その横をT-80Bらの戦車隊が通って行った。

 

指揮官である以上ボヤいてもいられないので彼は部下を率いて次の戦場へ向かった。

 

こうした戦術機による転戦と第3親衛戦車軍の重戦力投入によってBETAの1.5個軍は押し込まれていた。

 

それを左右から第1親衛軍と第24軍が包囲し、確固撃破の形に入る。

 

機動の自由が奪われつつあるBETAは抵抗が難しく、後は時間の問題であった。

 

それでもBETAは比較的に長く抵抗した。

 

攻撃に出た部隊を戦車級に乗った光線級が迎撃に出て、突撃級の機動防御なども各地で確認された。

 

結果的に殲滅には1週間近い時間が掛かり、補給を整えて各軍が動き出したのは4月に入ってからであった。

 

 

 

 

第3親衛戦車軍らはそれでも攻勢側だったので精神的余裕があったが、第4軍らはそうはいかない。

 

回り込んで叩きに来る攻勢部隊が到着するまでひたすらBETAの猛攻を耐えなければならなかった。

 

モラバ川周辺の地雷原を突破したBETA群はランジュホト、ブルジェツラフを突破して第1ウクライナ前線の防衛線に衝突した。

 

こうした地雷原、流石にBETAも考えたのかある方法を考えついた。

 

地雷を発見したBETAはまず比較的安い戦車級と闘士級を先行して突撃させ、地雷に当たらせ、その後に高価な突撃級らを前進させた。

 

無論突撃級用の大型地雷も各所に配置されており、渡河の際に突撃級も損害を受けたが今までよりは軽微であった。

 

前線では突っ込んでくる突撃級の姿が徐々に見え始めた。

 

防衛線の配置としては右翼に第34軍、中央に第4軍、そして左翼にチェコスロバキア軍第1軍が配備されており、後方には予備戦力として1個国内軍が陣地を展開していた。

 

沿バルト前線の第11親衛軍はこの時まだ移動中であり、前線投入にはもう暫くの時を要した。

 

チェコスロバキア軍第1軍の防衛陣地で歩兵部隊が籠り、後方には車両が援護についている。

 

ある1人の歩兵が双眼鏡で接近するBETAの姿を確認しふと呟いた。

 

「なんか……聞いてたより多いな、突撃級」

 

すぐに隣の兵が双眼鏡を借りて様子を確認した。

 

「ああ……確かに」

 

「あいつらは俺たちを無視するんだよな…?」

 

不安になった1人の兵士が仲間に尋ねた。

 

「そう教わったが……」

 

「安心しろ、その前に砲弾で吹っ飛ぶ」

 

度々戦闘を経験した上官の大尉が彼らの肩を叩き、安心させた。

 

大尉の発言の後、後方からヒューッという音と共に上空を何十発もの飛翔体が飛び抜けていった。

 

第1ウクライナ前線が援護の為に回してきた前線直轄の砲兵師団だ。

 

砲撃とロケット砲撃を叩き込み、必要によっては戦術核まで混ぜ込まれて投入された。

 

各所で火力によって突撃級の足が止められるものの、すぐにその後方から別の突撃級がやってくる。

 

撃破された突撃級の影からは戦車級や要撃級が姿を現し、砲撃にすり潰されては別の個体が前に出た。

 

「総員、構えろ!目標は戦車級、対戦車班は狙いを定めて戦車級に攻撃を叩き込め。機関銃隊は火力をばら撒いて接近を阻止しろ。小銃班は援護!」

 

大尉がさっきとは打って変わって声を荒げ、中隊に命令を出した。

 

塹壕に張り付いた兵士達が武器を構え、敵を待ち構える。

 

彼らの背後には何機かのMiG-23MLDとMiG-25が着陸し、持っていた155mm無反動砲の直射で突撃級を撃破した。

 

それに合わせて援護の戦車隊も攻撃を開始し、砲声が大分近くまでやってきた。

 

「俺ら死ぬかな」

 

「でも祖国の土地で死ねるんだ、まだいい方だろ」

 

「死んでも名前のない兵士として誰かが覚えててくれるよ」

 

「名前も覚えてくれると嬉しいんだけどね」

 

「来たぞ!」

 

各所で防衛戦闘が始まった。

 

第2防空軍、第8航空軍の戦術機部隊が各所を転戦しながらBETAを減らし、可能な限り防衛線を長持ちさせる。

 

それでも防衛線の維持は11個軍のBETAを前にすると難しいものであり、各所で遅滞戦闘を行いながら後退が始まった。

 

最前線の陣地はそれでも2日持った、2日の午後には後退命令が出され次の塹壕へと戻った。

 

機動防御の為にT-72BとT-72”モデルナ”が一時的に前線を押し返し、時間を稼いだ。

 

基本的に後退の際には砲兵隊が何かしらの砲やロケット弾で援護射撃を行うのだが、一部ではキャパシティが限界に達し、援護が出来ない地点も増え始めた。

 

その代わりに回されるのが戦術機部隊である。

 

やはりここでも頼りになったのがSu-25、そしてSu-24であり、対地ミサイルの投射と爆弾の投下で接近するBETAの集団を粉砕した。

 

これで助けられた地上部隊は後退して前線を再構築し、再びBETAと戦う。

 

徐々に将兵に疲労が溜まっていったが疲れたなどと言っている暇はない。

 

それはSu-27に乗り込むベレンコ中佐も同じだった。

 

ソ連防空軍はMiG-23MLDやMiG-25PDSらのSu-25などよりは飛び回れる機体で各所を転戦し、BETAを潰しては次の戦場に向かっていた。

 

ベレンコ中佐もSu-27も5分ほど前に前線近くの補給地点で武器弾薬を交換し、再び前線へ向かった。

 

燃料はまだ余裕があったがBETAの数があまりに多く、弾薬が足りていなかった。

 

「各機疲れていると思うがもう少し、踏ん張れ。我々防空軍の底意地を見せてやれ!」

 

指揮官として中佐は部下を鼓舞した。

 

まず前方にいる突撃級3体を単価につけた3丁の突撃砲と両手の突撃砲2丁による計5丁の120mm弾で粉砕した。

 

すぐにこちらに向かってきた要撃級と突撃級の群れに突撃砲の雨を降らせ、後から迫る小隊規模BETA群を味方のMiG-25PDS部隊が殲滅した。

 

部下のSu-27もR-27やロケットポッドの掃射でBETAの小規模集団を撃滅する。

 

後方からはT-72個中隊、幾つかの自動車化狙撃兵中隊が逆襲を仕掛けてその勢いのまま前線を押し上げた。

 

「ここはもう十分だ、移動するぞ!」

 

味方の進撃を見送るとすぐに中佐達は別の激戦区へ向かった。

 

別地点には既に味方の戦術機部隊がいたのだが、何機か腕を捥がれており損傷していた。

 

周辺にはBTRやBMP、MiG-23の残骸が転がっていることからそれなりの損害を受けていることが分かる。

 

「まずミサイル一斉発射、それから突撃砲で援護」

 

命令通りSu-27、MiG-25からミサイルが放たれ、要撃級らを撃破した。

 

それから一気に高度を下げて光線級の射線から外れ、突撃砲の集中砲火で数を減らした。

 

彼らの上空をSu-24と護衛のMiG-27部隊が通り過ぎ、後方に爆撃を叩き込んだ。

 

事前の軌道爆撃で要塞級に損害が受けていた為まだ空中機動の自由が確保されていた。

 

恐らく要塞級群が中身ごと無事だったらもう少し損害が出ていただろう。

 

「チッ!弾切れか!」

 

ベレンコ少佐は弾切れとなったロケットポッドを全て捨てて担架の突撃砲で火力の穴埋めを行った。

 

「損傷している機は後退しろ、後は我々に任せろ」

 

『了解…!』

 

損傷機を既存の機体が運び、後はベレンコ中佐が率いる戦術機部隊が請け負った。

 

BTR-70やBMP-1らの地上部隊は徐々に後退して塹壕の後ろに下がり、防空軍の戦術機部隊が殿となって援護した。

 

だがあまりに前面に展開するBETAが多すぎてついに突撃砲の弾まで切れた。

 

「やるしかないか!」

 

ベレンコ中佐は突撃砲から近接長刀に持ち替えて超低空かつ高速で敵に接近し、10体ほどの要撃級を連続で撫で斬りにした。

 

残ってる突撃砲で接近する戦車級を撃滅し、一振りで残りの戦車級を斬殺した。

 

『中佐、前方から突撃級!』

 

「チッ!」

 

Su-27は突撃級の突進を寸前で避けて背後から切り掛かった。

 

3体の突撃級が長刀の前に解体され、バックステップを踏みつつベレンコ中佐のSu-27は味方に合流した。

 

接近するBETAの集団は再び援護に来た2、3個小隊MiG-27部隊によって撃滅された。

 

彼らはKh-25に加えて500kg爆弾も持ってきたので一気に撃破出来た。

 

『ベレンコ中佐か!ここは我々に任せて後退を!』

 

「助かる、全機下がるぞ!」

 

MiG-27部隊に任せてベレンコ中佐の防空軍部隊は再び後退した。

 

残りの残弾と燃料を確認し、中佐はため息をついた。

 

「各機、一旦基地に戻って補給だ。燃料が足りん」

 

『了解…!』

 

戦術機も空を飛ぶ、当然燃料を消費する為補給する必要があった。

 

それに連戦で各種パーツも消耗し、箇所によっては限界が来ているであろう。

 

長期的なスパンで戦う為には一時的な休息も不可欠であった。

 

「大尉、戦闘で何機やられた」

 

ふとベレンコ中佐は部下の大尉に尋ねた。

 

ベレンコ中佐の部隊はキエフ軍管区や沿バルト前線から派遣されてきた防空軍機を増強として受領しており、大隊クラスの戦力があった。

 

されど度重なる激戦で何機か撃墜され、還らぬ人となった。

 

『MiG-25が5機、パイロットは全員戦死しました』

 

「そうか……帰還と同時に編隊を再編成するぞ」

 

『了解』

 

ベレンコ中佐は悲しむ時間もなく、次の戦いに備えた。

 

悲しんでいる暇はない、悲しむのは迫り来るBETAを防ぎ切った後だ。

 

それは各軍司令部も第1ウクライナ前線司令部でもそうだった。

 

司令部は各軍から送られてくる報告書と宇宙軍の偵察情報を照合して状況を分析していた。

 

2個軍をすり潰した第3親衛戦車軍ら5個軍は補給と再編を終えてもうすぐ移動を開始すると報告が上がっていた。

 

前線司令部は強い口調で急ぐよう命じたが、それでも1日、2日は掛かるだろう。

 

例えばT-80のガスタービンはかなり燃料を食うし、単純な武器弾薬や整備パーツを届けるのにも時間と人が掛かる。

 

現状キエフ軍管区の1個旅団を用いてオストラヴァなどの占領地域を抑えてはいるが、稀に生き残りの戦車級が襲ってくる事例が確認されていた。

 

攻勢部隊が動きを整えている間にも防勢部隊はBETAの猛攻を受け続けている。

 

もしかしたら突破されるのではないかと前線司令部は日夜不安を感じていた。

 

「第3親衛戦車軍も第1親衛軍もまだ動けんのか!」

 

マリィツェフ大佐が声を荒げてリトヴィネンコ少佐に尋ねた。

 

「補給と再編に時間が掛かっているのでまだ動けません。ここで無茶に突っ込ませても損害を出すだけです」

 

「分かっているが……このままこっちの部隊は持つのか……?」

 

「10キロは後退したらしいが……少なくとも壊滅はしていない」

 

アニシモフ大佐はそう述べ、参謀達の不安な表情を浮かべていた。

 

一方のヤゾフ、威厳に満ちた表情ではあるが参謀達よりは不安や焦りの雰囲気はなかった。

 

冷静に地図を見下ろし、少なくともそう見えるよう振る舞っている。

 

「チタの第53ロケット軍とオムスクの第33親衛ロケット軍は攻撃可能らしいです。投入しますか?」

 

ヤゾフの横に控えていたモイセーエフ大将が彼に尋ねた。

 

「いや、まだその時ではない。奴らが逃げ場を失った瞬間に叩き込む、まだ耐える時だ」

 

「ハッ…!」

 

厳しい戦いであるのは分かっている、既に5桁を超える死傷者が出ていることも無論承知している。

 

されどここで耐えなければBETAを殲滅する事は出来ない。

 

少なくとも押さえ込んで白ロシア前線にはハイヴの攻略に専念して貰わなければ。

 

これはヤゾフと第1ウクライナ前線にとっての大試練なのだ。

 

1982年4月、ブルジェツラフ会戦の攻守が逆転するのにはもう暫くの時間が掛かった。

 

 

 

つづく

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