マブラヴ グレートパトリオティックウォー   作:Eitoku Inobe

67 / 73
おお若人諸君、愛おしき友達よ
いつでも航海に、出て行く備えはあるか?
常に待機している、戦う駆逐艦に
戦艦に潜水艦、そして高速の飛行機が
-”おお若人諸君”より抜粋-


総力戦の始まり

-ソ連領 ロシアSFSR レニングラード州 レニングラード市-

1983年5月、ある一隻の艦艇の進水式が執り行われた。

 

1143.7型重航空巡洋艦の一番艦にして最後の艦、”ウリヤノフスク”である。

 

西側及び東側の人々はこの艦級をウリヤノフスク級と呼称し、一般的にはウリヤノフスク級空母と呼ばれる。

 

全長324.6メートル、基準排水量6万トン越え、ソ連初の原子力空母であった。

 

本来なら黒海造船所で建造される予定の”ウリヤノフスク”であるが、当時BETAによって黒海沿岸部の造船所地帯が使えなかった為オジョルニキーゼ名称バルト海造船所で建造された。

 

アドミラル・クズネツォフ”や”ヴァリャーグ”と同じ場所から生まれたソ連のスーパーキャリアーであった。

 

ウリヤノフスク”の艦長、と言っても海上公試の監督官なのだが、これを任ぜられたのは先日少将に昇進したヴィクトル・ゴキナエフ、”ミンスク”、”ヴァリャーグ”とソ連海軍の空母を渡り歩いてきたベテランである。

 

副長は以前まで”アドミラル・クズネツォフ”の副長を務めていたアレクセイ・ヴィセーニン中佐が担当し、政治部長はヴィタリー・チャパコフ中佐が担当する。

 

ウリヤノフスク”の試験が終わり正式に就役するとゴキナエフ少将は”ウリヤノフスク”を旗艦とした海軍航空師団長に任ぜられ、後任の艦長はヴィセーニン中佐が大佐に昇進して務める予定である。

 

彼ら”ウリヤノフスク”の乗組員は式典の一角を占め、進水式でのボトル割りの為ゴキナエフ少将の奥方も出席していた。

 

式典にはソ連海軍総司令官ゴルシコフ元帥、参謀長兼派遣艦隊司令官チェルナヴィン上級大将、政治部長パーヴェル・メドヴェージェフ大将、レニングラード州島委員会第一書記のグレゴリー・ロマノフ、レニングラード軍管区司令官スネトコフ大将、バルト海艦隊司令官イヴァン・カピターネェツ大将、参謀長コンスタンチン・マカロフ中将、太平洋艦隊司令官ウラジーミル・シドロフ大将らレニングラードと海軍の関係者が集まっていた。

 

また一般市民や退役軍人らも参加し、海軍将校や水兵の制服にレニングラード解放記章などを付けている人もいた。

 

「そういえば艦載機の隊長の人選はまだ決まっていないのかね?」

 

ロマノフのスピーチ中にシドロフ大将はゴキナエフ少将に尋ねた。

 

ウリヤノフスク”は艤装設置、海上公試など諸々を終わらせた後に本格的に航空部隊を搭載して離着艦の試験飛行や新型海軍戦術機のテストを行う予定である。

 

その為航空隊用の司令官は当然必要なのだがある理由で今回の進水式には呼ばれていなかった。

 

「決まってはいるのですが……今アフリカ攻勢の前準備で」

 

「ああ、ということはベルグロフ大佐を」

 

ゴキナエフ少将は静かに頷きさらに理由を付け加えた。

 

「もう少し沿岸部掃討が終わらないと召還出来ませんから」

 

ミハイル・ベルグロフ海軍大佐、海軍航空隊出身のエースパイロットであり、現在は”アドミラル・クズネツォフ”にて航空隊の隊長を務めていた。

 

ベルグロフ大佐は海軍戦術機部隊の第一世代であり、ソ連軍の中では早くから名を馳せた有名衛士である。

 

空挺軍からイヴァーノフ中佐のような傑物衛士が現れたように、戦略ロケット軍を除く各軍種間からそういった類のエースは生まれた。

 

地上軍で言えばMi-24VP乗りから衛士になったユーリー・レパダーヴィチ大佐、防空軍のヴィクトル・ベレンコ大佐、マラート・ボロシェンコ中佐、空軍のアナトリー・スコルツコフ大佐、そしてフレツロフ中佐。

 

このベルグロフ大佐もその列に加わるほどの戦果を挙げたソ連邦英雄持ちのエースパイロットである。

 

アフリカや中東では度々目撃された水上移動型の要塞級を一度に単機で8体も撃破した実績があり、早期にスヴォーロフ勲章とクトゥーゾフ勲章が授与された。

 

基本的に海軍機が装備する空対艦ミサイルは要塞級を一撃で粉砕する能力がある為連携して8体はさほど珍しい戦果ではない。

 

しかし単機だとそうはいかない、その時のベルグロフ大佐のMiG-23Kは152mm無反動砲を2門装備していたがこれを的確に命中させてやっとであった。

 

水上移動型要塞級は大抵の場合触手が増強されるか光線級が固定されている為、光線級は諸撃の散弾で死ぬにしてもそれだけの対空網を掻い潜って8体も撃破したのだ。

 

無論こうしたトップエースはソ連にだけ現れるわけではない。

 

アメリカではF-14で小隊規模の突撃級を単騎で殲滅した者もいるし英国王立海軍やイタリア海軍でも同様のエースはいた。

 

世界中で本来冷戦終結まで眠っていたはずの猛者達が頭角を表し始めたのである。

 

丁度ロマノフのスピーチが終わり、客席から拍手が湧き立った。

 

代わりにロマノフの隣に座っていたゴルシコフ元帥が立ち上がり、壇上に立つ。

 

この時ゴルシコフ元帥は礼服を着用しておりその左胸にはレーニン勲章と赤旗勲章、そして2つのソ連邦英雄の金星が輝いていた。

 

原稿を前にゴルシコフ元帥はスピーチを始めた。

 

「ご機嫌ようソ連海軍の同志水兵、将校の諸君、造船所技師の皆さん、レニングラードの身内なる市民の皆さん。私はこの航空母艦の進水の日を心から待ち望んでいた。”ウリヤノフスク”は我々が望み描いた構想の具現であり、我々ソ連海軍が外来侵略者に対する最強の嚆矢となるからです」

 

総司令官のスピーチをソ連海軍の全将兵は黙って聞いていた。

 

チェルナヴィン上級大将は静かに頷き、ゴキナエフ少将は自身が預かる責任の重大さとその栄誉を噛み締めた。

 

ゴルシコフ元帥は話を続ける。

 

「今より66年前のこのレニングラードにて、同志レーニンとマルクス=レーニン主義の闘士達、革命を望む兵士達、人民が立ち上がり、悪しき時代を打ち払った最初の一撃は水兵達の”アヴローラ”でした。海上から我々の先駆者の手によって革命の時代は切り開かれたのです。それから我々は赤色艦隊として生を受け、ソヴィエトの全構成国と全ての人民を守る使命が与えられました。この使命は苦難の道ばかりで数多くの試練が我らに降り掛かりました……大祖国戦争、アメリカや西側諸国との競争、そしてBETA大戦」

 

特にソ連海軍はこれらの苦難により幾つもの道を諦めてきた。

 

例えばソヴィエツキー・ソユーズ級の建造、これはついぞ叶うことはなかった。

 

しかも大祖国戦争では多くの海軍将校と水兵達が陸上で戦った。

 

セヴァストポリ要塞を固守し、ヴォルガ川からドイツ軍と戦い、時にはスターリングラードに籠って戦い、レニングラードの厳しい冬と飢えを絶え、やがてはオデッサを取り戻した。

 

日米の海軍のような派手な艦隊決戦はついぞやることはなかったが、ソ連海軍はソ連海軍なりに栄光を掴んだ。

 

その後もアメリカに身内に苦難が尽きることはなかったがここまで来た。

 

「困難が続く中でも海軍の将校達は最大限の知恵と精神を以て艦隊を率い、水兵達は己を律し献身的に艦隊を支えてくれた。造船所の技師達は潜水艦、水上艦に空母とあらゆる艦船を造り上げ、我々の艦隊戦力を日夜増強し続けた。ここにいる全将兵、全人民の力の結集がこの”ウリヤノフスク”と言っても過言ではない。66年前の革命的栄光を掴んだ水兵達が繋いだ命脈はここに形となったのだ」

 

インド、中東、アフリカでBETAを封じ込められたのは無論7割近くはアメリカ海軍の力である。

 

彼らが展開する艦隊の規模はソ連海軍を圧倒的に凌駕しており、そこには絶対的な差があった、単独で六百隻艦隊構想とか打ち出してくる国はおかしいのである。

 

それでもソ連海軍は縁の下の力持ちとして国連海軍の中核を担い続けた、果たせる任務は最低限果たし続けてきたのだ。

 

今後もソ連海軍はアメリカ海軍を超えることはないだろうし、やがて東アジアで静かに牙を研ぎ澄ましている紅き龍(PLAN)にも追い越されるだろう。

 

されどソ連海軍は存在し続ける、少なくとも本来の歴史よりは強く赤星を輝かせて。

 

「海軍将兵、造船所の全ての技師、全人民に栄光と勝利あれ、そしてこの”ウリヤノフスク”がBETA大戦勝利の礎にならんことを切に願う」

 

拍手が響き渡り、ゴルシコフ元帥は壇上を降りて席に戻った。

 

それから予定通り進水式は執り行われた。

 

ゴキナエフ少将夫人が船体に叩きつけたボトルは綺麗に割れ、”ウリヤノフスク”は革命の海へと無事に入水した。

 

本来なら生まれることのなかった原子力空母”ウリヤノフスク”、これから太平洋で数奇な戦績を重ねることになるのだがそれは遠い未来の話。

 

 

 

 

 

6月に入りアメリカ主導の国連軍によるアフリカ攻勢、評決の日(Verdict Day)作戦が実行された。

 

戦闘地域には米ソ合同の国連宇宙軍による軌道爆撃が叩き込まれ、国連空軍による手厚い航空支援の下、大規模な地上反撃作戦が始まった。

 

現地のアフリカ諸国は元より、一部ソ連軍に加えて英仏独中日韓にその他の多国籍義勇兵など様々な国の混成部隊がBETAと対決した。

 

十分な火力の投射と1年近く用意してきた大規模な陸上戦力によって攻勢は順調に進んでいた。

 

BETAも各所で抵抗を続けていたが戦線を突破されて各所で包囲殲滅された。

 

攻勢が始まってから15日、既に1つのハイヴが孤立し包囲されつつあった。

 

これを受けてアメリカ・アフリカ統合軍司令部はソ連宇宙軍に”ポーリュス”を用いた発射口と周辺の掃討を要請した。

 

ソ連軍が本作戦に動員している”ポーリュス”は2基、そのうちの”ポーリュス2”がハイヴ内を焼いた。

 

事前準備を終えると待機していた攻略専用の戦術機部隊が内部に突入し掃討戦を開始した。

 

この間にも国連軍全体の作戦は続いている。

 

とは言っても殆どの戦線で国連軍が優勢を保っており、そうではない地域も前進は出来ていた。

 

斯衛軍であっても。

 

攻勢作戦であるから斯衛軍の死傷者も通常よりも増大しており、前線と後方を絶えず輸送車が往来した。

 

作戦が開始して18日、この頃になると斯衛軍にも問題が出始めていた。

 

砲弾の備蓄が底をつき始めたのだ。

 

「このままでは我が軍の弾薬は後1週間のうちに底をつきます!」

 

「本国からの補給は」

 

斯衛軍派遣軍司令官の山城大将は司令部の参謀らに尋ねた。

 

そこで兵站参謀がバツの悪そうな表情を浮かべながら答えた。

 

「……本国からの直近の補給を入れて後1週間です……」

 

「は?」

 

「……砲撃のペースを減少させても2週間持つかどうか……」

 

山城大将は珍しく顔を強張らせ頭を抱えた。

 

よく考えれば足りないのは当然だ、そもそも3年少し前まで斯衛軍は外地派遣すら碌にやっていなかった。

 

そんな中で大規模野戦軍を外地に派遣し地上作戦をやれと言われたら武器弾薬類の備蓄はどうなるか、自身も含め誰も深く考えていなかった。

 

いや、今までの2個師団4個戦術機連隊の規模でなら恐らく足りたのだ。

 

それを2個師団増強し、BETAとの正面戦闘に投入したからこういう状況に直面している。

 

全ては兵を預かる自分達の責任である、本国に帰ったら切腹も視野に入れねば。

 

「溝渕中佐」

 

「はい!」

 

山城大将は正規の日本帝国軍との連絡将校を呼び出した。

 

「今すぐ日本軍の司令部に向かって榴弾砲の物資割譲を頼みに行け、山城興正が頭を下げて頼むと」

 

「はい…!しかしっこのことが本国に知れたら…」

 

「その時は私が腹を切る、それで終い、君らへの責任は何もないよ。急げ!」

 

「了解…!」

 

溝渕中佐は敬礼して指揮所を後にした。

 

指揮所の中にはどんよりとした空気が漂っている。

 

「直ちに本国に更に物資を追加で更に送るよう要請しろ!今の状況、日本軍に割譲をしてもらっていること全てのことを伝えるんだ!それで総監部より責任の問ただしあればこの山城が腹を切って猊下にお詫び申し上げるとも付け加えてな!」

 

「了解…!」

 

この間より前線に展開される斯衛軍の支援砲撃は若干減少した。

 

それでも国連宇宙軍が対地支援を続け、斯衛軍以外の戦術機も航空支援で訪れる為全体で見ればそれほど苦境には陥っていなかった。

 

とはいっても砲撃の減少は前線部隊からすれば厳しいものである。

 

「おい!砲撃はどうした!?」

 

「今ので終了です!!攻撃せよと大隊本部より通達がありました!」

 

「あれっぽっちで突っ込めってのか!?」

 

歩兵小隊の中尉は斯衛軍用の三三式装甲車の裏に隠れながら通信兵に問い詰めた。

 

彼らは斯衛軍第1師団隷下の三三式装甲車付の機械化歩兵小隊であり、現在は最前線の位置にいた。

 

既に小隊員の何人かは負傷し3名が戦死した、このまま突撃すれば最悪半分はやられるかも知れない。

 

それでも突撃の命あらば従うしかない、通信兵は顔を強張らせながら頷き、中尉は覚悟を決めた。

 

「総員着剣!対戦車兵は可能な限り大型BETAに火力を集中しろ!」

 

中尉が自身の小銃に銃剣をつけるとその上空を2機の戦術機が飛び去った。

 

斯衛軍の”瑞鶴”だ。

 

2機の瑞鶴はMk.82無誘導爆弾を投下して前線のBETAを粉砕する。

 

残りを突撃砲と近接用長刀で薙ぎ払い、後続の突撃級群も殲滅する。

 

『こちら斯衛軍戦術機部隊、斑鳩崇継中尉だ!前線は切り開いた!我に続けッ!』

 

広域放送で崇継が兵を鼓舞し、進んで前線へ突き進む。

 

「今の聞いたな!?斑鳩中尉に続くぞ!!」

 

中尉を先頭に崇継に鼓舞された歩兵小隊は心配することなく前進した。

 

各所では戦術機部隊がそれ相応の犠牲と共に戦線を切り開き、その後に陸上部隊が後に続いた。

 

こうして斯衛軍の攻勢自体は上手く行っていた。

 

攻勢開始から19日後には日本軍から渋々備蓄弾薬が分け与えられ、砲撃のペースも回復しつつあった。

 

前線の問題は若干だが解決の兆しを見せていたが、本国だとそうはいかない。

 

派遣軍司令部からの報告を聞いた信真は激怒し、元枢府全体に響き渡るほどの怒声と共に輝光を呼ぶよう命じた。

 

呼び出された輝光は当然事情を知っている為頭を下げてまず謝罪した。

 

そこへ信真の盛大な飛び蹴りが叩き込まれる。

 

「この戯け!!戯け共!!みんなしてたばかりおって!!こん戯け共は!!」

 

「申し訳ございません…!本国の予備を解禁し派遣軍に展開します!」

 

「輝光!その前にあの戯け!!季弘を切れ!!あの外道を殺してまえ!」

 

「ハッ!中条少将は解任いたします!直ちに後任も当てますのでどうかお納め下さい…!」

 

輝光は頭を下げひたすらに謝った、これに関しては前任者達の問題であろうと自身も斯衛軍の将官であり今は総監なのだから相応の責任がある。

 

引責辞任も辞さぬ構えだった。

 

されど信真の怒りは輝光に当たりはすれど一番は総監部の兵站局にあった。

 

「輝光、おみゃー何か思い違いをしてるようだの、俺は殺せと言うとるんじゃ。局長から蹴飛ばすなんぞ甘すぎるわ!」

 

「猊下、いくらなんでもそれは…!」

 

「あの野郎、俺の言ったことわやにやがって…!!ささっと首を刎ねてまえ」

 

信真に関しては斯衛軍の予備役動員を始めた頃からこうなると予想していた。

 

斯衛軍の武器弾薬はお粗末、本当に一度戦ったらそれっきり程度の備蓄しかない。

 

であるから増強の間、日本軍から弾薬を一部貰い受けることは止むを得ないと考え、季弘ら兵站局に命じた。

 

それをあろう事か季弘ら兵站局は日本軍に頭を下げて弾薬を貰いたくないというプライドを優先して弾薬割譲の話を有耶無耶にした。

 

結果今回の事態が発生し、今更になって日本軍に頭を下げることになった、斯衛軍移管の話が出ているこの状況で。

 

「輝光、早ようせい」

 

その鋭い眼光と静かな威圧に輝光は折れた。

 

報告が上がったその日のうちに兵站局長中条季弘少将は解任の末軍から更迭された。

 

それだけではなく兵站副局長や兵站局の課長や班長らも何人か解任された。

 

季弘の更迭から僅か1日後、中条家邸宅で季弘が謎の不審死を遂げていることが判明したが人々は薄々理由を知りながら決して口にすることはなかった。

 

 

 

 

-日本帝国領 東京 市ヶ谷 国防省本庁舎-

「クソッ!!何で今更になって弾薬を寄越せって言ってくるんだ!!」

 

統合参謀会議後方計画部長、千代谷憲司海軍少将は怒りに任せて机に拳を叩きつけた。

 

「落ち着きなさいな、ほら」

 

少将を宥めるように斉藤大将は用意したコーヒーを彼の前に置いた。

 

正直千代谷少将の気持ちは痛いほど分かる、自分がもし同じ立場だったら同じように怒るだろう。

 

そもそも斯衛軍が予備役を総動員し外地に派遣するとなった時諸々の弾薬をどうするのかはこちらから質問したことがある。

 

それに対する総監部の返答は問題なし、ただ一言それだけであった。

 

今更になって弾薬がないので下さいは土下座をされても困るとしか言いようがない。

 

「…すいません」

 

「それで現状どうなってる」

 

「…村井さんの計らいで一先ず予備弾薬を貸与しているそうです。その辺を米軍が上手いこと調整してくれてるそうですが……」

 

「やれやれ、結局米軍頼りか、武家が聞いて呆れるな」

 

斉藤大将は皮肉を述べ、近いうちの日米会談を思い出して気が重くなった。

 

必ずアメリカ側のカウンターパートナーから「あれは何?」と言われることだろう。

 

「我々とて弾薬には限りがあります、74年から増強してるとはいえ……第一斯衛軍の面倒まで見る予定で兵站なんて組んでませんよ」

 

「分かってる、君らには悪いが兵站計画の再策定を任せる。辛い任務だろうがなんとかやってくれ、弾薬を増築するようになんとか我々も取り計らうから」

 

「……分かりました、こりゃみんな三徹ですよ」

 

千代谷少将はコーヒーを飲みながら皮肉を漏らした。

 

「それで斯衛軍以外の戦況はどうだ?我々が押されてるならそう堂々と文句も言えんぞ」

 

「その点については問題ありません、我が軍の攻勢は順調そのものです」

 

統参会議運用部長、坂城和樹陸軍少将は自信を持って報告した。

 

陸空軍の統合運用は問題なし、多国籍軍として他国との連携も順調、インドや中東の経験が活きている。

 

もしこれで全てが上手くいっていないようだったら斯衛軍の相手などしていられなかった。

 

統合司令部と前線将兵の働きのお陰である。

 

「しかし斯衛にまで弾薬をくれてやるとなると我々の弾薬備蓄にも少し変更が出てきます」

 

統参会議国防計画部長木原淳一空軍少将は若干不満げに斉藤大将へ漏らした。

 

千代谷少将もそうだと何度も頷いている。

 

通称51大綱と呼ばれる日本帝国の防衛計画大綱から準備した備蓄弾薬の量だと本国に貯めてあるものを斯衛軍の為に一部捻出しなければならない。

 

もはや可能性は低いが仮に日本帝国本土にBETAが着陸、或いは侵攻してきた場合に各所の阻止戦闘において不都合が生まれる恐れもあった。

 

「その点は国防相や次官らと協議する、こうなった以上生産の拡張は確定だろう。誰だって我々が斯衛軍の面倒まで見ることになるとは思わないからな」

 

「これならなんで前の大戦で取り潰されてないんですかね……うんざりしますよほんと……」

 

千代谷少将の世代になると前大戦ではまだ士官候補生か一般人であり、あの頃の事情にさほど明るくなかった。

 

とは言っても所詮尉官、しかも始まりの方の階級だった斉藤大将もそれほど強くは言えない。

 

ただ苦労していることだけは間違いなかった。

 

「おや、皆お揃いのようやね」

 

「烏丸さん、戻られましたか」

 

ドアを開けて烏丸議員と高森秘書官が部屋に入ってきた。

 

坂城少将が横にズレて席を開け、「ありがとね」と一言述べて烏丸議員が座る。

 

「コーヒー淹れますね」

 

「うん、ありがとうね。砂糖も入れてくれる?今日はちょっと甘い方の気分やわ」

 

「分かりました」

 

オーダーを聞いた平野少佐が烏丸議員用のコーヒーを用意する。

 

その間に議員は先ほどまで出席していた会議の詳細を彼らに話した。

 

「弾薬の件やけど予算は城内省の方削ってうちに回されることになったわ、だから安心して必要分を書いてな」

 

「そうですか……分かりました」

 

「正直これには首相もドン引きやったわ、あんだけ意気揚々とお侍さん方が行きはるんやから大筒分くらい自弁してるとみんな思うとったわ」

 

だが政治サイドからすればこれは好機であった、今進めている法案の可決がかなり優位に進められる。

 

斯衛軍は武器弾薬類すら日本軍に依存して戦争行動を続けているのだから独立させておく必要がない、そういう理由を作れる。

 

彼らからボロを出してくれたお陰でこちらとしてはやり易いことこの上ない。

 

「それでお侍さんとの打ち合わせはどうなったん?」

 

「打ち合わせも何も…向こうの担当者は全滅に近しい状態ですよ。局長は更迭の上次の日死んでるし、副局長や課長レベルもごろごろ飛んだんで向こうのカウンターパートは大佐とか中佐の人間です。ほぼ一方的にこちらの言うこと聞かせるだけですよ」

 

「うわ、えげつな」

 

これには用意してもらったコーヒーを飲んでいた烏丸議員も苦笑いである。

 

「こんな4、50年昔のソ連軍みたいな光景を日本で見れるとは思いませんでしたよ。まあ感想を言っていても始まらないので、我々としてはなんとか前線に補給を途切れさせないようにするだけなんですが」*1

 

斉藤大将は煩わしそうに述べた。

 

政治サイドにとっては交渉の材料となっても実務サイドからすれば迷惑極まりない。

 

「このままアフリカ攻勢自体は上手く行くといいんですがね……」

 

それは斉藤大将の本音であり、ここにいる全員が願っていることだった。

 

 

 

 

 

-チェコスロバキア人民共和国領 トルナヴァ市 ソ連空軍仮設飛行場-

第306独立親衛戦闘航空連隊は以前から予定されていたMiG-29の受領を5月中に終え、以降ずっと訓練に励んでいた。

 

いつBETAが現れるか分からない為機種転換訓練は短期間で、それも実戦形式の戦闘を混ぜて行われた。

 

こうした軍教育は有事ということもあって若干の粗雑さが目立ったがそこはソ連クオリティである。

 

それでも受領した衛士達は6月にはある程度動かせるようになり、機体の特性も掴んできた。

 

7月に入り、チェコスロバキア内の気温はそれなりに上がった。

 

とは言っても7月におけるトルナヴァの最高気温は28度が精々で半袖の軍用シャツを着ていれば丁度いい度合いだった。

 

第306独立親衛戦闘航空連隊の日課はまず起床して朝食を取り、準備体操、それから各飛行中隊ごとに飛行訓練を行い、午前か午後のどちらかはシミュレータによる訓練を行なった。

 

これを少なくとも1ヶ月以上は続けており、後もう1ヶ月すれば練度的には問題がなくなるだろう。

 

フレツロフ中佐は格納庫にズラッと並ぶMiG-29を見ながら感慨深そうに呟いた。

 

「29も一気に増えたなあ……すごいもんだわ」

 

「27機のMiG-29ですから、こうもなりますよ」

 

隣にいたルヴィロヴァ大尉はコップに入った水を片手にそう述べた。

 

彼女も新たにMiG-29を受領した側の人間であり、機種転換訓練では割と早期にMiG-29に慣れていた。

 

とはいえMiG-29に乗りながら武装は慣れ親しんだものを使っている。

 

GSh-6-30がマウントされたシールド、場合によっては火炎放射器やGSh-30-2の連結砲など。

 

こう見ると元々彼女は多種多様な武装をかなり上手く使えるし相当器用な衛士だ。

 

「大尉はまだシールド兵装を使う気か?」

 

「ええ、連隊長もどうですか?便利ですよ結構」

 

「便利なのは分かるんだが……機動力がなあ」

 

「大尉!ちょっと来てください!」

 

格納庫通路の向こう側からデルーギン少佐の連隊に属する女性衛士がルヴィロヴァ大尉を呼んだ。

 

彼女は一応フレツロフ中佐の方を見て判断を仰いだ。

 

「行ってやれ」

 

「はい」

 

ルヴィロヴァ大尉は敬礼して衛士の方へ向かい、1人なったフレツロフ中佐は少し歩いて自身のMiG-29に乗り込んだ。

 

整備の為にコックピットは開けてあり、モニター越しではない景色が見えた。

 

彼女の言う通りシールド兵装戦闘時のオプションとして有効だ、多くの衛士がシールド兵装でBETAを撃破している

 

「お前聞いてやがったのか」

 

突然話しかけてきたモースク1に対してフレツロフ中佐は呆れたという感じで返した。

 

私はどこにでもいて、どこにもいないからな

 

「お前聞いたぞ、俺の動きをベースに随分勉強したんだってな。もっと他にエースがいるだろ、ベレンコ大佐とかセルガーコフ大佐とか」

 

フレツロフ中佐より出撃回数が多く、彼よりも多くのBETAを打ち倒した衛士はそれなりにいる。

 

1対1の演習をやったら勝てないと思える衛士もいるし時と場合によっては自身の連隊に属する部隊長たちがそうだ。

 

それでもモースク1は今のところフレツロフ中佐だけに声をかけている。

 

君の腕と君の運命に私は興味がある。統計的に見ても君はBETAの強力な個体を引き寄せる力がある、だから私は君の機体からこの戦争の終焉を見届けるのが最良だと判断した

 

「最悪な運命だが、運命なんて非科学的なこと言うんだな」

 

統計で導き出された結果だ、それと一つ忠告しよう。人と話す時はコックピットの中だろうと密閉した方がいい

 

急に意味の分からないことを言い出したな、壊れたのか?などと思いつつフレツロフ中佐はコックピットから外を覗き込んだ。

 

するとそこには1人の男が聞き耳を立てていた。

 

「メデツィーニン……」

 

「なるほど、お前がモースクの扱いが上手いのはそういうことか。そりゃ音声入力で意思疎通出来ればあそこまでのコンビネーションになるわな」

 

メデツィーニン少佐は全ての疑問が解けたような声音で喋っていた。

 

「というか気づいたのなら手伝え、こいつの存在を上に報告するぞ」

 

「言ったところでお前の二の舞になるのは勘弁だよ、2人でもこいつに雲隠れされたらおしまいだ」

 

「そっかぁ」

 

逆にフレツロフ中佐は希望が打ち壊されたような表情をしていた。

 

ロディオン・メデツィーニン少佐、君のことは知っている。災難なパイロットだ、君が現役だったら最初に声をかけたのは君かもしれない

 

「それはどうも、で、我々を見届けて何が目的だ?戦争が終わった後お前は何をする」

 

メデツィーニン少佐はモースク1に尋ねた。

 

こう言った類の存在に不信感を覚えないほど彼は純粋ではない。

 

今は牙を隠しているだけかもしれない、そういう不安があった。

 

戦争が終わった後も見届けるだけだ。私の原型となった2つのハイヴ、それを破壊した人類がこの先どうなっていくのか興味がある

 

「それは本心か?」

 

プログラムに心はない、好奇心という欲求は存在してもだ

 

微妙な空気感が彼らの間に流れる。

 

「ああ……こいつどうする…?」

 

「放置するしかないだろう、無論精一杯利用してな」

 

モースク1の存在を知る人間は2人となった。

 

メデツィーニン少佐がモースク1のことを知覚した結果後に1人の命を救うことになるのだがそれはまた別の話。

 

 

 

 

 

8月を迎えた。

 

アフリカ攻勢は今まさに激戦の中にあった。

 

国連軍は2ヶ所のハイヴを制圧し、内部の頭脳級を完全に破壊した。

 

しかしアフリカのBETAはただやられるわけではなかった。

 

数百万規模の大部隊による反撃作戦を実行し、各所でBETAと国連軍の押し合いが発生していた。

 

当然これを押し返す為に国連軍はそれ相応の火力を発揮した。

 

各所で宇宙軍による軌道爆撃が叩き込まれ、水中からも潜水艦隊による核攻撃が行われた。

 

反撃部隊の撃滅には1ヶ月は掛かるとしながらもここまでは国連軍司令部の想定範囲内であった。

 

むしろ同時に5つのハイヴを攻め落とすのだからこれくらいあるのが普通である。

 

アフリカ大陸で戦闘が繰り広げられている中、欧州のソ連軍は現状存在する3つのハイヴの監視に当たっていた。

 

1つはベルリン・ハイヴ、度重なる核攻撃で一切の動きを見せていないが頭脳級は健在であり、稀に戦車級などが顔を出しては撃破されている。

 

もう1つはザグレブ・ハイヴ、こちらも最近は動きを鈍化させつつあった。

 

以前はゴリツィアなどスロベニア方面から攻撃を仕掛けていたが最近では襲撃がぴたりと止んだ。

 

ボスニア・ヘルツェゴビナに展開していた部隊もクロアチア内に撤退し、守りの姿勢に入っていた。

 

一方のブダペスト・ハイヴはまだ活発な方で1週間に数度は第1ウクライナ前線か第2ウクライナ前線が展開する地域のどちらかに攻撃を仕掛けていた。

 

それでも規模は大きくて連隊程度、以前の師団規模で動くBETAの姿はなかった。

 

故に今がチャンスだった、物資を運搬し兵員を集め、攻勢の準備をする。

 

ウィーン・ハイヴ陥落から3ヶ月、ソ連軍はひたすらに準備をしてきた。

 

各戦闘航空連隊にMiG-29、Su-27といった最新戦術機を導入して訓練し、地上軍にも増援の車両を配備した。

 

「第25親衛自動車化狙撃兵師団のT-64、BMP-2の配備完了しました。これで当面の車両輸送は第4軍分のものになります」

 

ローシク少佐は報告書を片手にヤゾフに状況を伝えた。

 

「敷き直した鉄道網、上手く機能しているようだな」

 

「はい、流石は鉄道旅団と言ったところです。建築大隊のおかげで仮ですがある程度兵舎と司令部用の建物も建設出来てますし、兵站拠点も設置済みです」

 

次の攻勢はウィーン・ハイヴ以上の野戦決戦となる、むしろそうさせる。

 

ハイヴの中に籠らせるのではなく、外に引き摺り出して叩く、これが一番ソ連軍が得意とする戦い方だ。

 

一方のBETA側もある程度は野戦決戦を主眼としたBETAの配置と新型の開発を行っていた。

 

彼らはウィーン・ハイヴの状況を観察していた、故に要塞式戦闘では勝ちきれないことが分かっていた。

 

であれば可能性がある正面決戦に出るしかない。

 

その一手が動こうとしていた。

 

クロアチアのザグレブ・ハイヴから約168キロメートル離れたナシツェという街がある。

 

1週間ほど前にBETAから奪還され、街の跡地には自動車化狙撃兵大隊の根拠地が設置されていた。

 

各所に仮組のテントが置かれ、車両が並び、定期的にBRDM-2が偵察任務に向かう。

 

大隊の兵士達は各所に展開して警戒任務に当たり、大多数は後方でカードゲームなどをして時間を潰していた。

 

「喉乾いたな…」

 

「水汲みに行こう、給水車が来てるんだ」

 

2人の兵士がAK-74を背負って水筒を手にし、立ち上がった。

 

彼らが来ているのはこの年より配備が始まったヴェーナンカ(アフガンカ)と呼ばれる新型野戦服を着ており、腰に弾薬ベルトを巻き、帽子としてピロトカを被っている。

 

片割れは口髭を生やして威厳をつけ、もう片方は如何にもソ連の若者らしい顔つきをしていた。

 

「しかし暑いな、地元とは大違いだ」

 

「もうちょい涼しくてもいいんだがな、寒すぎるのも考えものだけど」

 

2人はあまりの暑さにヴェーナンカの袖を捲り、ピロトカを脱いで髪を整えた。

 

その瞬間口髭を生やした方の兵士が何かに気づいた。

 

「…なんか今揺れなかったか?」

 

「多分気のせいだよ、ほら、あれのせいだ」

 

すぐ近くの道路をBMP-1が3輌ほど通っていく。

 

「あれのせいか」

 

口髭の兵士はそう納得しようとしたがまた何度か揺れた、しかもさっきより揺れが大きい。

 

「やっぱり揺れたよ」

 

「そうかなぁ……まあ大丈夫だろう」

 

もう1人にそう促されて口髭の兵士は気にせず給水の列に並んだ。

 

だが彼は気づいていたのだ、BETAの異常に。

 

次にこの異常に気づくのはソ連宇宙軍の偵察衛星部隊である。

 

宇宙ステーション勤務でザグレブ・ハイヴ周辺を監視していた兵士が急いで上級司令部に報告を入れ、その報告はすぐに各前線司令部に画像付きで伝達された。

 

その頃チェコスロバキア内の第1ウクライナ前線司令部ではヤゾフやモイセーエフ大将、バリィーニキン少将、ゾロトフ少将らが黒茶を飲みながら次の作戦を考えていた。

 

そこへ血相を変えたアニシモフ中佐が司令部に飛び込んでくる。

 

「同志元帥!!緊急事態です!!」

 

その一言と共に彼は1枚の報告書をヤゾフに手渡した。

 

ヤゾフは黒茶の入ったティーカップを置き報告書を軽く一瞥する。

 

その僅か1秒後に彼も同じように顔色を変えてすぐに司令部の各員に命令を出した。

 

「今すぐ空軍と防空軍の司令官に連絡しろ!動ける戦術機部隊は全て飛ばせと!!我々が直轄で持ってる部隊も同様だ!!地上軍も一部部隊を武装して待機させろ!!」

 

「りょっ了解!」

 

「同志元帥、何があったのですか?」

 

状況がまだ分かっていないモイセーエフ大将はヤゾフに尋ねた。

 

彼は報告書をモイセーエフ大将に渡し直接状況を伝えた。

 

「大変なことになった…!ザグレブ・ハイヴが”()()()”!」

 

「えっ!?」

 

最初その一言を聞いた時はザグレブ・ハイヴの部隊が攻勢をかけてきたと思っていた。

 

だがそれは違う、むしろザグレブ・ハイヴの戦力はハンガリー方面へと撤退しつつある。

 

()()()()()()()()()()()()()()”。

 

「どういう訳か分からん…!だが確かに動いてる、報告書に書いてあるだろう。動いてるんだ…!”()()()()()()()()()()()()”!」

 

送られてきた宇宙軍からの報告書には確かに”()()”が載っていた。

 

ハイヴの上部構造が丸ごと浮き上がり、その周りに4本ほどの巨大な手足がある。

 

そしてかつてザグレブ・ハイヴがあった場所には何も残っておらず、巨大な大穴が開いていた。

 

文字通りハイヴが動いたのだ。

 

本来地底に根を張り、動かないはずのハイヴが頭脳級ごと巨大な移動素体を形成して動いている。

 

後にそれは城塞(ハイヴ)級と呼称され、地球上で最初で最後の動くハイヴとなった。

 

BETAは大地を削り取り己の肉体に改変し、ついに自らの巣穴を移動させるようになったのだ。

 

例え大使命を果たせずとも自らが生き残る為に。

 

ソ連軍によるハイヴ追跡戦が始まった。

 

 

 

つづく

*1
もっと酷かったトゥハよ

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。