「しかし、なんだい?轟くん」
「悪いなよ呼び出しちまって」
「いいよ、それくらいならね、本題は?」
「お前、オールマイトと何か関係があるよな」
「なんでそう思ったんだい?」
「俺の父親がエンデヴァーってのは知ってるよな?」
「まぁ……それくらいはねぇ」
「万年No.2ヒーローだ。お前がNo.1ヒーローの何かを持っているなら俺は、尚更勝たなきゃいけねぇ」
ああ、確かに僕の個性の大半はパワー系、強化系とも取れるでも全く関係はない。僕がトップヒーローと関わりを持ち始めたのは五年前、いやそろそろ六年前かな。
「ヒーローとして破竹の勢いで名を馳せたが、それだけに生ける伝説オールマイトが目障りで仕方なかったらしい。自分ではオールマイトを超えられねぇ。親父は次の策に出た。個性婚、知っているよな?」
個性婚、さらなる強力な個性を求めて強固性同士を結婚させるというものだ。なるほど、成功したわけだ。
「“超常”が起きてから第二~第三世代間で問題になったやつだ。自分の“個性”をより強化して継がせるためだけに配偶者を選び結婚を強いる。もう理解したみたいだな。論理の欠落した前時代的発想。実績と金だけはある男だ。親父は母の親族を丸め込み、母の”個性”を手に入れた。俺をオールマイト以上のヒーローに育て上げることで自分の欲求を満たすってこった。うっとうしい…………!そんな屑の道具にならねぇ!…………記憶の中の母はいつも泣いていて……『お前の左側が醜い』と、母は俺に煮え湯を浴びせた」
恐怖と精神汚染からくる事故か、けどそれと轟くん自身の個性は関係ない、というよりまだわからないのか。
「ざっと話したが、俺がお前に突っかかんのは見返すためだ。クソ親父の”個性”なんざなくったって………いや……使わずに”一番になる”ことでヤツを完全否定する」
「それを僕に言ってなんになるんだい?それを聞いた僕は何をすればいいんだい?自己完結したいだけならほかを当たってくれ、それといつまで目を逸らしているんだい?障害物競走の時も、騎馬戦の時も左を使えば追いつけたはずだ、逃げずにヒーローになるという選択をしたんだ、我儘はこの先通らないよ」
まったく、だからなんだと言うんだ、それで人が死んだのか?取り返しのつかないことご起きたのか?少なくともこのままじゃ轟くんは加害者になっていくばかりだ。被害者面をした我儘なヒーロー、取り返しがつかないことになってようやく気づくのかね。