「おや、久しぶりだね、五いや、六年前かな」
「……そうだな、貴様のせいで焦凍の活躍が」
「勝手に責任転嫁しないでくれるかな、君たちのそれはあくまで家族間の問題だ。外部からは口出しできないからね、手を貸す義理もない、ただまぁ、親が子供と仲が悪いというのはね、もうそれだけで虐待みたいなものなんだよ、家族はいなきゃいけないものじゃないけれど、いたら嬉しいものであるべきなんだ。僕はそう思うよ。少なくとも家族が唯一の拠り所だった僕としてはね」
「……」
「それはそれとして、そちらは?」
「冬美、なんでここに」
「焦凍が心配で、あっ!焦凍の姉の冬美ですいつもの弟がお世話になってます」
「……ふ〜ん」
憑いてるね、しかも被害者と加害者が両立している。
「あの、何か見えるんですか?」
「いやなにも…ただまぁ、人は嫌なことがあったらどんどん逃げていいんだけれど、目を逸らしているだけじゃ、逃げたことにはならないんだよ。君が君達が現状をよしとしている限り、外からは手出しができないんだから」
〈蟹〉か阿良々木先輩の中ではマシな方か、美味しは美味しいんだけどねぇ食べづらいのが問題だ。
「……あの!焦凍のことお願いします!」
「うん、考えておくよ」
『両者、体育祭トップクラスの成績!!まさしく両雄並び立ち、今!!古明地対轟!!』
『START!!』
「揺れてるね」
「なにが!」
「さっきの話だよ君は目を逸らしているだけ逃げれていない、まぁ目を逸らした先に少なからずの拠り所があるなら、逃げ切れなかった人よりはましか、」
「……黙れ!」
「ずいぶんとせっかちだねぇ…さっきも思ったけど、大丈夫なの?そんなに使って」
迫ってくる氷塊を猫の身体能力で避ける。氷があれば立体的な動きもできるからね、後は被害者であり加害者である冬美ちゃんの依頼だけど、使わせなきゃだめだね。
『避ける!避ける!瞬時に生成される氷塊を類な身体能力で避けていく!柔らかい動きからして猫か?』
既に会場の大半が凍りついている。もう少しかな。
「いい加減当たれ!」
「軸がぶれてきたね、限界かな?」
「ち!」
「個性だって身体機能だ限界がある。瞬時に氷を生成できるほどの冷気だ、いわばそれは低体温症に近い、でもそれって左側を使えば済む話だろ?」
「テメェになにがわかる!親父か?」
「確かに話したけど違うよ、これは君のお姉さんからだ。君は目を逸らしているだけ、そのせいで知らず知らずのうちに加害者になっているようだね。でもたった一度の過ちも許されないというのでは、人生は窮屈過ぎる、だから逃げてもいいんだ」
まぁ轟くんのこれは本人だけでどうにかできることでもないのだけど。家族の問題というのは家族にしか解決できないからねぇ
「勝つんだろ?このままでいいのかい?」
「なんでそこまで!」
「……自分の才能を信じられないと一流にはなれない。努力できなくなったときに、支えとなる軸がなくなるからね。頑張るだけの人は、頑張れなくなったときに挫折する、さて、相手を父親を見返すだけの君に何が残るんだい?」
たった一度の失敗すら許されない、そんなことはないけどそれが通用するのは、学生までだ、それに学生であろうと取り返しのつかないことはたくさんある。
「……」
「言い方を変えよう、右だけで周りに取り返しのつかない被害が出た場合君はどうするんだい?」
「なんで、敵に塩を送るようなことを」
「取り返しのつかない失敗はすることがある、まだ取り返せるうちにね、さて、もう少し前のほうが意味としてはよかったかな四の奥義 柳緑花紅」
『ついに使った炎!だが虚しくも敗退!勝者!古明地出久!』
家族の問題、つばさキャット少し、つばさファミリーで深く、つばさタイガーでようやく、3回にわたり最後は羽川自身の手で終わらせた問題。轟くんの話はまだ続きます