「今さら誤魔化さなくてもいい。君が最も怪しいのは変わりない」
「あら、ひどい言い草ですね?」
私の言葉にユキは何事もないかの様に微笑む。
その笑みは何も動じておらず、逆に問う側が間違っているのではないかと不安にさせてしまう様な笑み。
だがこのワタシの行動は間違ってない。
「何が酷いだ。君は最初から騙していたのだろう?」
「騙していた?私は黙っていただけですよ。最初に言ったじゃないですか」
ユキは一息つき周りを見る。
皆がユキを見ている。その状況は奇しくも魔女裁判での最後の時と同じ状況だった。
そしてその時と同じ様に彼女は皆に歌う様に告げる。
「私は大魔女の残ったカケラ。ただこの夢の魔法に巻き込まれて姿をもった影法師に、すぎません。つまりはこの魔法に取り込まれたもの。それゆえに、私は『名無しの魔女』の魔法の一部。あなた達に問われれば素直に全て答えますが、あなた達は問わなかったではありませんか、この裁判に何人参加している?とね」
「沈黙は時には嘘を言うのと同じ意味を持つと思うのだけど」
そんなナノカの言葉にユキは首を降る。
「そんなことはありませんよ。それに一応私も参加していることはあなたに伝えています」
「伝えてる?」
「ミリアが吊られた裁判で、貴方が『この三つを頭に入れて今の状況を考えてみると。今処刑されているのは2人、されていないのは10人。計12人の参加者がここにいる』と言った時、『私もいますよ』と言っています」
「そんな嘘、今更言っても・・・」
「…そういえば、言っていたな」
「え?」
ナノカがポカンと驚き私を見る。
すまないナノカ。だが、確かに彼女は『私もいますよ』と言っていたのを覚えている。
そしてその言葉を私は余計な茶々と判断し、ナノカもまた無視をしていた。
「ほら、言っているでしょう?」
やかましい。あんな一言。戯言と判断されても仕方ないだろう!?
記憶の中の私が烈火の如く怒るが、ここで怒っては彼女の思惑に乗ってしまう可能性がある。
奥歯を噛み締めグッと堪える。
そんな私の姿が面白いのかユキは笑みを深め話を進める。
「そうですよ、私は率先してあなた達の味方にはなりませんが同時にそれは『名無しの魔女』側に対しても同じ。中立の立場です。」
あの時と同じ様にユキが皆に語り、裁判を進めていく。
淀みなく語り、場を支配している様に、話を進める。
そんなユキの言葉は、このままだと彼女の言うがままに事態が進行していくかもしれないとも思わせる。
だが、ならば、あの時と同じならば、同じ様に彼女もまた口を挟むのも道理である。
「それは違うよ」
エマの一言がユキの言葉を止めた。
聞き慣れた彼女のその言葉。今までの魔女裁判。全ては彼女の反論によって真実へと進んできた。
その一言目が今、放たれる。
ユキは眉を顰め尋ねる。
「何が違うのですか?エマ?」
ユキは首をかしげる。
そんな彼女にエマは言葉を突きつけた。
「まず最初から違うよ」
「最初から?それは私が中立じゃないとでも?」
「それもだけど、ボクが言いたいの違うこと。」
「違うこと?」
「君は大魔女の残したカケラじゃない。」
「なら私は大魔女本人とでもいうのですか?」
「君は『成り代わりの魔女』だ。ユキちゃんに成り代わった存在だ」
エマはユキの言葉を遮り、次々に言葉を繰り出していく。
「大魔女の残したカケラ、今まで裁判を進行させてくれていた進行役ちゃんは存在する。その子は僕たちの仲間でも敵でも無い。だけど今のユキちゃん...君は違う」
「ほぅ・・・だから何が違うと?」
ユキは先ほどと変わらぬ言葉で返答する。
その姿はいつもと変わらなく見える。だが、その内心はどうかは今の私にはわからない。
「『ただこの夢の魔法に巻き込まれて姿をもった影法師』『この魔法に取り込まれたもの』進行役ちゃんは自分をそう言ったの覚えてる?」
「そうですね。それが?」
「基本ルールではこう書いてた。この裁判に置いて、『名無しの魔女』は参加者の1人に『魔女』は成り代わる事ができる。」
エマは一呼吸をついてから、ユキに宣告した
「なら、この『魔法(裁判)』に取り込まれた進行役ちゃんに成り代われるよね」
「・・・そんな事ができるなら何故私はあなた達にその事を伝えなかったのでしょう?ワタシが含まれていない前提で裁判中話を進めていたのはいつも見ていたのに」
「それは君が今さっき言ったよ。それはボク達が進行役ちゃんに問わなかったから」
「参加者が13人だとエマ達に伝えれば、エマ達が勝てるのに?」
「進行役ちゃんは中立だ。それは君が言ったじゃないか」
「・・・」
「だから、君は前回進行役ちゃんに成り代わった。そういえば前回の裁判でユキちゃん最後以外一切喋っていなかったけど、それは注目されない様にしたの?それとも進行役ちゃんに成り切ろうとしたの?」
「喋ってましたよ。ココを吊る時に皆さんと一緒に同意しました。」
「そっか。それで同意したあと、最後に制限時間の嘘をついて、投票をおかしな事にした」
「・・・」
「違うかな?『成り代わりの魔女』ちゃん」
エマはそう告げる。
シンと裁判所が静まり返る。
エマがユキに突きつけた答え。それは私が日中立てていた仮説と同じものであった。
そもそも私の仮説のスタートは日中の牢屋敷に『ユキ』または『メルル』が潜んでいると認識した時だ。
牢屋敷で眠るとその夢の中で裁判が行われる。ならばそれは同じく牢屋敷で潜んでいる彼女も含まれるのではないだろうか?
そしてもしそうならば、隠れた13人目がいるのではないのか?
それが裁判の記憶がない私が考えていた仮説だ。
そしてどうやらその仮説は正解らしい。
クスクス。クスクスと楽しそうな笑い声が聞こえる。
裁判所の中心で、ユキは楽しそうに笑っている。
まるで悪戯が見つかった子供の様なその笑みは邪気を全く感じない。
だが邪気はなくても私たちを騙していた事には変わりない。
そんな彼女は口を開く。
「確かに私は成り代わられていましたよエマ」
今のエマの推理を認める発言。
これが推理小説ならばここからが犯人の自白が始まるのだろう。
だが、そうはならない。
それがわかっているのだろう。エマはまだ表情を緩めていない。
「認めやがったな?」
アリサの静かな怒りが灯った声が響く。
明らかな怒りを感じるその声を微風の様に流しながらユキは口を開いた。
「ええ、前回の裁判でエマの言う様な事が行われたのでしょうね」
まるで他人事の様なユキの言葉。
そんな言葉に皆が反応する。
「ずいぶんと余裕そうね♡」
「あなたが壊した私の尊厳。ツケは払ってもらうわ」
「おじさんも流石に怒ってるよ!」
「ミリアちゃんがここまで怒ってるの珍しいね」
「さ〜て。覚悟はできてるんだろうなぁ」
「わたくし達の乙女の尊厳ぶち壊しやがったんですのよ?覚悟はよろしくて?」
粗相をして、黄色い悪夢を見る羽目になった6人…いやマーゴ、エマ、ミリア以外の3人がゆっくりと席から移動しようとする。動こうとするその姿にはゆらりと怒りが可視化できそうなほど、ゆらめいている気がした。
だがユキは余裕そうに首を降る。
「あら?私は『名無しの魔女』ではありませんよ?」
その態度、流石に図々しすぎるぞユキ
全く周りを意に介していないその言葉とその姿にゆらめいていた怒りに火がつくのも当然であった。
「あぁ?自白したのに何言ってんの?」
ココがユキを睨みつける。
見当違いな事を言われたとまた揶揄っているのだとココは認識したのだろう。今にも怒りが爆発しそうなのが一眼見てわかる。
だが、ユキの今の言葉は間違ってはいないのだ。
「ココ。私は自白してませんよ?」
「は?たった今。前回の裁判で騙した〜って言ったじゃん」
「そうですね。でも私は騙すなんて事してませんよ?」
「は?」
「先ほどの話は前回の裁判の事ですね」
「だからそう言って…」
「なら、今回は『名無しの魔女』は誰に成り代わったのでしょう?」
「あぁ?....あ」
ココの怒りが萎んでいく。
怒りで頭に血が昇っていたのが覚めていっているのだろう。
冷静になればわかる。冷静にならなくてもわかる事だ。
この裁判は前の裁判で怪しい行動をした人物がいて、次の裁判の時にそれを言っても意味はない。
前回ユキの偽証に今気がついても、次の裁判になれば『名無しの魔女』は別の人間に成り代わっている可能性があるからだ。
なにせ、前回ハンナが吊られた事で、基本ルール(9)は適用される様になった。
基本ルール(9)『成り代わった事がある人物に再び成り代わる事はできない。ただし成り代わり先がない場合、成り代わることは可能である』
つまり、今『名無しの魔女』が成り代われる人物は、今まで成り代わってきた人物。
ノア、アリサ、アンアン、そしてユキ。
この4人の中のいずれかとなっているのだ。
「はーい」
「はい。ノアなんでしょう?」
ノアが手を上げ、ユキはまるで学校の先生の様にどうぞとジェスチャーを送った。
ノアが喋り始める。
「今回成り代わられてるのがノア達かもしれないって事?」
「そうですね」
「なら、今度はこの4人の中から誰がおねしょするか決めなきゃって事だよね?」
「そうですね」
「おぉ〜」
「お〜ですね」
のほほんとのんびりしたユキとノアの会話が進んでいく。
まるでおばあちゃんと孫の様なゆったりとした会話。
その会話は突如、破られた。
「そんなわけあるか!『成り代わりの魔女』はユキ、お前だ!我輩達ではない!」
アンアンの必死な叫び声が響く。
それはそうだ、もう吊られない状況から吊られる状況に変わったのだ冷静になれるわけがない。
必死なアンアンを宥める様にユキは囁く。
「酷い事を言うのですね」
「その分酷い事を前回したのはお前だろう!?」
「それは『名無しの魔女』。前回の私は成り代わられていただけで私は騙してません」
「だとしてもお前だ!」
「その言葉、貴方自身に言えますか?」
「ぐ…」
アンアンの言葉が詰まる。
それはそうだろう。何故なら成り代わられたアンアンはミリアをおねしょさせたのだから。
「でも今回もユキさんが『名無しの魔女』に成り代わられてる可能性高くありません?」
「あら?私を疑っているのですか?シェリー」
「はい!それはもう!」
「何故です?確かに前回あなた達は成り代わられた私に騙されていましたが、そのせいですか?」
「それもありますが、可能性の話です。もし今回あなたが13人目だと判明してなかった場合あなたが吊られる可能性は0に近い。その可能性が低い対象に成り代わる可能性は高いと思いますね!」
「それは可能性の話ですよ。その裏をかいて別の候補に成り代わっているかもしれません。」
シェリーに対してユキはそう語る。
その声に今度はマーゴが答えた。
「さらにその裏をかいてって…そうなると千日手、考えても無駄ね」
「ですね〜シェリーちゃんもそう思います」
「宝生マーゴ、なに月代ユキの味方をしているの。どっちの味方?」
「ナノカちゃん、わたしはどっちもの味方であり、どっちもの敵よ?」
「・・・・」
「そんな怖い顔しないでちょうだい。だってもう勝利は決まっているのだから。ナノカちゃんならわかるでしょ」
そう言われたナノカは不服そうにしながらも頷く。
ナノカが不服そうな顔をするのもわかるが、マーゴの言い分は理解できる、
そう、もう勝負はついているのだ。
「それはどう言う事ですの?」
ハンナが疑問の声を上げる
「今ゲームに参加しているのは7人。その内魔女に成り代わられていた事がある人は4人。つまり4人の成り代わり候補がいて、そして今、城ケ崎ノアのおかげと月代ユキが現れたので、4票今回の裁判で使える票があるわ」
「つまり?」
「今回二人に二票ずつ入れて、成り代わり候補を二人吊る事ができる。次の日は3人投票できるから、1人魔女候補を釣る事ができる。そうすれば全ての魔女候補を釣る事ができるわ」
「・・・それはおねしょをしてしまう被害者が増えるという事では?」
「そこはもうしょうがないわ。でももう隠れて参加している人間がいない以上、しっかりと票管理して、間違えず一人一人魔女候補を投票していけば確実に勝てる」
「ここまでくると、話し合いや裁判というより機械的な感じがしますわ」
そんなハンナのぼやきに、マーゴではなくユキが頷いた。
「それでもその方法なら魔女を釣る事ができますよハンナ。この方法は今までやってきたように、成り代わり候補を絞って『名無しの魔女』を追い詰める、という事ですねナノカ」
「ーーー正解よ」
ユキに話を締め括られたせいなのか、不服そうにしながらもナノカは頷いた。
確かにその通りだ。
その考えなら一人一人候補を吊っていけば最終的に『名無しの魔女』を吊る事ができるだろう。もう参加人数詐欺もない。時間制限を偽られることも一度知った後なら対策もできる。
そう、ユキのトリックを解いた時点で既に勝利しているのだ。
だから、今からは、今後の投票先を機械的に決めていけばいい。
間違っていない。正しい方法だ。
だが、そんな私の機械的で正しい方法は、叶わなかった。
何故ならば、そんな私の考えは、一人のナルシストに止められたからだ。
「勝つならもっと美しく勝ちたい・・・そう思わないかい?」
ナルシスト・・・蓮見レイアはまた皆の視線を集めた事に充実感を得た表情をしながら言葉を紡ぐ。
こうなってしまっては彼女は語り終えるまで梃子でも動かない。
それを皆も知っているのだろう、皆思い思いの表情をしながらも黙りレイアの次のセリフを待つ。
続きを期待された舞台俳優はさらに言葉を紡いでいく。
「そんな機械的な方法ではなく、今日ここで『名無しの魔女』君との決着をつけた方がよりクライマックスとして美しいとわたしは思うよ」
抽象的なそのセリフ。そんなセリフにミリアは質問を投げかける。
「でもレイアちゃん。候補者4人のだれが『名無しの魔女』なのか見当もつかない以上、おじさんもやりたくないけれど機械的に一人一人吊っていく方法しかないんじゃないかな」
「確かにその方法なら確実に勝てる・・・だがもっと衝撃的、情熱的に締めくくった方が勝敗も美しく彩られると思うんだ」
「勝敗を彩る?」
「だって今回の舞台は、『名無しの魔女』君が僕達に勝ちたいという思いから生まれたものだ。そんな熱い心から生まれた舞台が機械的に終わったら、寂しいだろう?せっかくの大勝負なんだ。もっと盛り上がりたいのさ」
「それは…その考えは分からなくもないけど」
「だから、推理小説のクライマックスの様なこの状況。名探偵が犯人を追い詰める様に、犯人が最後にしてしまったミスを指摘して終わらせるべきだと私は思う」
「ミス…?」
レイアの言葉にミリアが、そしてユキが眉を顰めた。
レイアの言う、犯人が最後にしてしまったミス。
それがなんなのか、私にはわかっていた。
今回の裁判が始まり、言葉に出そうなほど違和感があった言動。
それをレイアも気がついていたのだろう。
レイアはそんなユキの姿を見て満足した様に大げさにジェスチャーをして言った。
「そうミスさ…君は役に徹する事ができていなかった」
確信を持ったレイアの口からでた言葉。
「役?」
それでもなお気が付かないユキに対して、レイアは突如、新たな役者を舞台に挙げるためにその人物に手を伸ばした。
まさか彼女が自身のソロパートに新たな人物を挙げるとは思わず、驚き少し嫉妬する。
誘われた役者はレイアの手を取り新たに舞台に上がる。
「さて、名探偵。真実を教えてくれるかい?」
舞台に上がった名探偵。
エマは目を瞑り、何かを決心したかの様に目を見開きユキに向かって言葉を突きつけた。
「ユキちゃん…君は最後の最後に成り代われなかったんだ」
諭す様な、教える様なエマの言葉、その言葉を聞いても理解できないユキはエマに尋ねる。
「成り代われなかった?何を言っているのですか?」
そんな彼女にエマは言葉を続ける
「君は、昨日のユキちゃんに今日なりきれなかったんだ」
「なりきれなかった?」
疑問の声を挙げるユキ。
そんなユキに対してエマはゆっくりと指を向ける。
ああ知っている。私はこの光景を見た記憶がある。
今まで過去に見てきた私のいない裁判で、いつも最後に彼女はそれを、その行動をして来た。
そんな行動。エマが犯人を指差しながら彼女はガラスが割れた様な衝撃と共にユキにミスを突きつけた。
「ユキちゃん。なんで前回成り代わられていたのに前回のことを覚えているの?」
「ーーーーー」
ユキの返事はない。
だがそれはエマの次の言葉を待っているわけではない。
彼女は明らかに次の言葉を詰まらせていた。
そんな彼女にエマは言葉を投げかけ続ける。
「君はさっきアンアンちゃんの『ユキ。前回の投票内容を教えられるか?』って質問にこう答えたよね。『はい。教えられます』って。それはどうして?」
「それは・・・」
「前回の投票内容。それを知っているってことは、前回の内容が頭に入っているってこと。成り代わられた場合、成り代わられた時の記憶は持っていない。それはノアちゃんもアリサちゃんもアンアンちゃんも同じだったよ」
「ーーー私がそれを知っていたのは、この裁判の進行を司る存在だから。だからその投票数を確認できるのですよ」
ユキはエマに投げかけられる言葉にはっきりと答えた。
ああ、確かに。進行役が持つ力を知っているのは進行役になったものだけだ。
その力があると言われた時、それを確かめる手段は私たちにはない。それが嘘か誠かは分からない。
ーーーだが、もうそんなこと問題ではないのだ。
「なるほどーーーーなら、なんでさっきボクの質問に答えられたの?」
「ーーーえ?」
「前回喋ってた。ココちゃんの時に同意してたって言ってたけど。それをなんで知っているの?」
「ーーーーっ」
ユキは二つのミスを犯していた。
一つはアンアンへの返答。もう一つはエマへの返答。
『だから、君は前回進行役ちゃんに成り代わった。そう言えばあの前回の裁判でユキちゃん最後以外一切喋っていたなかったけど、それは注目されない様にしたの?それとも進行役ちゃんに成り切ろうとしたの?』
この質問に対してユキの正解はただ一つ
『知らないですね』
これ以外の返答はあり得なかった。
今でもユキは、ごねて誤魔化すことは可能かもしれない。
だがそうだったとしても、彼女をまず今日吊る事に否定的な意見を挙げる人物は今この場には誰一人いないはずだ。
だが、それにしてもだ。
このエマのやり方。いつもの彼女らしくない。これではまるで…
「まるで…ヒロのようですね」
ポツリとユキはつぶやく。
「・・・ちょっと真似してみたんだ。どうかな?」
エマはユキに伺う様に見た。
その答えを、ユキは、今日一番の微笑みと共に答えた
「100点です。真似も…推理も」
そう言って彼女はポケットから端末を取り出し掲げる。
端末の画面はすでに投票ボタンが表示されており
「ここまでお膳立てさせられて。負けを認めないのは美しくありませんね」
その言葉と共にユキはボタンを押した。