呉爾羅✕駕瞑羅 -二大怪獣最終聖戦-   作:izuminnー3305

1 / 3

イリスとの激戦の後、ガメラは飛び立った。

災いを齎す大きな影、ギャオスの群れに向かって。

だが、その日、ガメラは人類の犯した大罪と出会った。そう、科学の罪と。


ー燃える京都から離れた場所から見ていた記者の言葉ー


第一話:あの日の夜

 1999年の夜の京都。イリスとの死闘を繰り広げ、満身創痍となったガメラは炎に包まれ瓦礫と化した京都駅の中で降り頻る雨の中で夜空に向かって吠えた。

 

 そして傷が癒えない中で地球に生きる生命(いのち)を守る為に空へと飛び立った。

 

 一方、自衛隊は日本列島に近づくハイパー・ギャオスの群れを迎撃する為に陸海空のあらゆる部隊を九州の鹿児島へ集結させた。

 

 だが、人類はおろかガメラですら知らなかった。マナの消費で起こった見えない環境変化、それは地上だけでなく海中でも起こっていた。

 

 屋久島沖の海底である物が目覚めていた。それは人類の科学が生み出した大罪、そして“かつての戦争(太平洋戦争)”で死んで行った多くの人々の怨念(さけび)を体に宿した存在が。

 

 身勝手な人類が自分達が犯した大罪を負の過去を忘れ、地球の為に戦おうとする彼らとそんな彼らに味方をするガメラに強い憎しみと怒りを抱く。不完全ではあるが、その物はいつか来るであろ決戦の為の狼煙を上げる為に海面へと向かった。

 

⬛︎

 

 夜の大空を先行として鹿児島基地から飛び立った二機のF-15JD改が屋久島に向かって飛行していた。

 

「本部、こちらトレバー1。まもなくトレバー2と共にギャオスとの接敵地点に着く、どうぞ」

 

 前部座席に座る男性空自パイロットが英語で無線を使って報告すると鹿児島基地の管制室の女性空自オペレーターがレーダーを見ながら英語で返した。

 

「了解、トレバー1。こちらのレーダーではギャオスの群れは屋久島の東南から迫って来ている。地上部隊の報告では京都から飛び立ったガメラがまもなく、そちらと合流するとの事です。ガメラと共に本隊との合流まで時間を稼いで下さい。どうぞ」

「了解、本部。トレバー1、アウト」

「本部、アウト。ご武運を」

「ありがとう、本部」

 

 そして通信を終えたトレバー1のパイロットは隣を飛行するトレバー2の前部座席の男性パイロットに向かって通信をする。

 

「トレバー2、通信は聞いたな?本隊の到着までは我々とガメラだけだ。もし危険と判断したら戦線を離脱して構わん」

 

 日本語でトレバー1がそう言うとトレバー2はサムズアップをする。

 

「了解、トレバー1。ですが日本の危機を前にして逃げるわけにはいきませんから」

「そっか。頼もしいよ」

 

 などと通信をしていると機体下の厚い雲を破って飛行形態のガメラが二機の間に割って入る様に現れる。

 

 パイロット達は現れたガメラに向かって軽く頷く、そして目の前の雲の中から夥しい数のハイパー・ギャオスの大群が鳴き声を上げながら現れる。

 

 パイロット達はその光景に息を呑んだが、覚悟を決めた眼差しで一呼吸をして上げていたヘルメットのバイザーを下ろし、操縦レバーを強く握りながら武装解除を行なった。

 

 人類とガメラが空中でハイパー・ギャオスの大群と衝突しそうになった時、突然、下から青白い光が放たれた。

 

⬛︎

 

 トレバー1のパイロットはすぐに下の異変に気付いた。

 

「回避!回避ぃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ‼」

 

 トレバー1のパイロットは大声で言いながらトレバー2とガメラは緊急回避を行い、青白い光線をかわした。

 

 青白い光線は再び下から放たれ、今度はハイパー・ギャオスの大群を直撃した。そして青白い光線を受けたハイパー・ギャオス達は悲鳴に近い鳴き声を発しながらバタバタと体を燃やしながら落下して行き、ほどなくしてハイパー・ギャオスの大群はほぼ殲滅され、残った数体のハイパー・ギャオスは散り散りとなって日本列島を離れって行った。

 

「一体何なんだ⁉今のは!まさか別な怪獣が?」

 

 トレバー2が別怪獣の存在を疑っているとガメラは下に向かって吠えると急降下し青白い光線が放たれた地点へと向かった。

 

 太陽が昇っている時とは違って夜は暗く不気味な静けさが辺りを支配していた。急降下したガメラは夜の海に向かってプラズマ火球を連発した。

 

 プラズマ火球によって轟音と水飛沫が上がると突然、青白い光線が海中から放たれガメラを襲った。だがガメラは素早い動きで回避しながら再び海中に向かってプラズマ火球を何発も発射して光線を放つ物に向かって応戦する。

 

 一方、先行していた二機のF-15JD改はガメラの援護の為に急降下して海中に向かって20mmバルカン砲を発射する。

 

「一体何が海中に居るんだ?」

 

 トレバー2がそう言っていると青白い光線がトレバー2の機体に青白い光線が襲う。だが、その瞬間、ガメラが庇った。そしてガメラも体力の限界間際に渾身のプラズマ火球を発射する。

 

 一方で火球を受けた青白い光線の元も不完全な状態ではあったが、渾身の光線を放ちガメラを落とした。共に海中に没したガメラと青白い光線の元は沈む中でお互いの姿を確認しあった。

 

 一方は人類を守る使命を持った陽の怪獣、もう一方は人類を滅ぼす憎悪を持った陰の怪獣、この出会いが後の地球最大の決戦へと突き進む事となる。

 

 ガメラとそして人類が最後に戦う相手、その怪獣の名は“ゴジラ”。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。