ある日の朝、友人から笑え無い話をされた『俺』の話。

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知人からのリクエストでなろうに投稿していた作品ですが、リクエストした者とは別の知人からの勧めでこちらにも掲載させて頂きます。


第1話

 

「幼馴染からNTR報告動画が送られてきたんだけど、どうしたらいいと思う?」

 

 朝のHRが始まる少し前、友人の日新からそう相談された。

 ちなみに先の台詞で教室内の空気が凍っているが、俺も日新も特に気にせず会話を続ける。

 

「え? お前東洋さんと付き合ってなかった?」

 

 東洋さんは国内産業のどこかしらに必ず名前が伺える東洋グループの社長の娘で、こんな公立校に通っていることが間違っているとしか言えないお嬢様だ。

 当然そんな人と交際しているなんて知られたら普通の生活は望めなくなる。

 なので、偶々それを知った俺は友人の幸せのために黙っていた

 思わずその秘密を口走ってしまい後悔するが、しかし日新は怒る素振りもなくああと流した。

 

「先月18歳になったからその日に籍を入れたぞ」

 

 先程とは違う温度を伴ってシンと音が静まった。

 

「え? 誕生日にか?」

「ああ。お前が来る前にな」

「言えよ」

「すまんな。

 先方から時期が来るまで誰にも言わないでくれって頼まれてな」

「ならしょうがねえか」

 

 ついうっかりで漏らしていい話じゃないし、それについては納得した。 

 その話を聞いて何食わぬ顔で教室にいた件の幼馴染がガタガタと椅子を蹴倒す音が響いたが、しかし日新は気付く素振りもなく嬉しそうに笑う。

 

「いやぁ、最初は社長令嬢と交際するなんてどこの漫画かよって現実味が無かったけどさ、御両親から「娘を末永く宜しく」なんて頭を下げられたら腹を括るしかないじゃん」

「だな」

 

 実際の所、日新は東洋さんと並んでなんでこんな公立の普通校に通って居るのか分からんぐらい頭が良い。

 本人曰く、「親の脛を齧るんだから、高校までは近場の一番学費の安い所で十分」だそうだ。

 まあ、就活で相手が見るのは大抵は大学と資格だけだろうし、頭の良い日新が言うのだから間違っちゃいないのだろう。

 

「で、そんなお前は実際のところ、幼馴染とはなんかあったのか?」

「いや。アイツは古馴染みの友人でそれ以上何も無いし恋愛感情とか微塵も無かった」

 

 強がりでもなんでもない文字通りの無関心極まりない言葉に後ろで固まっていた件の幼馴染が机に頭をダイブさせたらしいゴンッという音を響かせたが、しかし日新は気にした様子もないから俺も気にせずそもそもの疑問を尋ねる。

 

「なんで俺に相談してんだ?」

 

 勘違いで被害を受けたと言うなら、然るべきところに出ればいいだけだろうに。

 確か、わいせつ罪にそういうのに適用出来るのあったよな?

 じゃなくても幼馴染はまだ学生だから相手が同年代でも普通に淫行罪でしょっぴけるし。

 

「実はさ、相手がこの学校の用務員と教頭だったんだよ」

 

 流石に今のはドン引きした。

 

「えぇ…?

 用務員って確か校長の親類だったよな?」

「ああ。

 だから警察とか教育委員会動かしたらお義父さんも黙ってないだろうし、最悪廃校処分まで行くっぽいから迷っててさ」

 

 確かに愛娘が通わせている学校が淫行教師が音頭取りしているなんて知ったら、俺が社長の立場なら容赦なんてせず社会的に抹殺するな。

 

 後ろで幼馴染が顔色を青を通り越して真っ白にしているが日新は気付きさえしない。

 

 と、こうなったら行き着くとこまで行ったほうが本人の為だろうと思い、改めてこっちから質問してみる。

 

「因みに動画の感想は?」

「お前は仲のいい女友達がセクシー女優になったって聞いてその映像見るか?」

「見ねえよ。

 ただの拷問じゃねえか」

「そういう事」

 

 バタンッと大きな音を立てて幼馴染が教室から逃げ出した。

 因みに立ち聞きしていたクラスメイト達は大半はなんとも言えない表情で廊下を見る者と教師陣の腐り様に侮蔑の感情を顕にするかの二極化している。

 今後の身の振り方を考えて荷物を纏め出す者も居るが、それはごく数人だけ。

 

「何だ今の音?」

 

 流石に今の音は聞こえたらしく不思議そうに辺りを見回す日新。

 

「その幼馴染が逃げた音だよ」

「えぇ…?」

 

 心底理解出来ないと言いたげに日新は眉を顰める。

 

「あんな動画送った翌日に学校に来れたのか?」

「お前が黙るか引きこもるって楽観してたんじゃね?

 じゃなきゃ用務員室が目的だったとか」

「ああ、成程」

 

 そう頷いた日新の顔からは感情は見えない。

 

「なんか、幼馴染なのに冷たいな」

「やったこと考えてみろよ。

 第一、幼馴染は免罪符にならないだろ?」

 

 付き合ってもいない男に自分のNTRエロ動画送りつけるような相手をどう思うか…。

 

「普通に縁切るな」

 

 幼馴染だとかは関係なく、不快な思いをさせられたなら距離を取るのが正しい判断だろう。

 

「ともあれ、学校潰されるのは面倒くさいけど放置されても気持ち悪いし、教頭が絡んでるなら他にも居そうだから教師共は潰して欲しいな」

「分かった。

 お義父さんにはマスコミに圧力掛ける方向で頼んでみる」

 

 言うが早いかスマホを操作し始める日新。

 と、無いとは思うか心配になったから聞いておく。

 

「東洋さんは心配しなくて平気か?」

「学生に変装した護衛が3人居るらしいからむしろ邪魔になる」

「さよか」

 

 どこのマンガだよと変な笑いが浮かぶままに窓の外に視線を向けると、用務員のオッサンがでっぷりした腹をタプタプ揺らしながら学校から逃げようとしているのが目に入った。

 が、校門を出た直後に黒服のSPっぽい人に蹴り倒されて何処かに引きずられていってしまう。

 

「まあいいか」

 

 今日は授業無くなるだろうから勉強は家でやろうと俺は引き出しに入れた教科書を鞄に詰め直す作業に入った。

 




リクエストした知人に見せた結果…

「NTR()()幼馴染()ザマァされるのを読みたかったんじゃねえ!!」

とキレられました。

そもそもNTRが本気で嫌いな俺に頼むなや。

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