機動戦士ガンダムSEED COORDINATION   作:笑嘲嗤

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第19話 日常の終わり

 地下都市での生活が始まった。俺は学位を生かして軍の兵器設計局に務めることなった。ロミもMSのヤマト型ナチュラル用MSOSの改良という仕事を請け負って軍で働いている。ラクスは流石に表に出しにくい。だが本人の希望でマンション近くのスーパーでパートについている。お惣菜が美味しいと評判らしい。

 

「ただいまー」

 

「おかえりなさい」

 

 エプロンを着たラクスが出迎えてくれる。俺はバックを渡してすぐに風呂に入り、ロミと三人で夕食を囲む。今日あったこと。御近所のお話。バーベキューに誘われたから楽しみだという他愛もない未来について語らい。和やかに俺たちはすごす。ロミが寝入ったくらいになると、俺とラクスはとくに打ち合わせることもなく互いの部屋に行き交わった。ラクスは着やせするタイプだった。昔ザフトの同僚が貧乳だとか言ってたけど、全くそんなことはない。普通に大きい。まあ誰かに見せてやるつもりもないが。ゴムの消費は他所のご家庭よりもきっと早い方だろう。この日常が以前までの緊張していた日々を忘れさせてくれる。そう思っていた。だけど。現実はやっぱりいつかは追いついてくるのだ。

 

「部品が必要よ」

 

 夕食を食べ終わりロミが真剣な顔でそう言った。

 

「ガンダムのか?整備はここでは出来ない?型落ち機だぞ?」

 

「この間の自爆攻撃で各関節が大きく損傷してしまったわ。あのガンダムは既存のMSシリーズとは規格が違うから部品の流用が出来ないの」

 

「そうは言ってもどうするよ」

 

「だから困ってる。どうすればいいのかしら?」

 

 ロミが本当に困った顔をしている。そんな顔で言われたら仕方がない。

 

「まずはアズラエル知事に相談してみよう。そこからは出たとこ勝負かな」

 

「ありがとうユウ。頼りになるわ」

 

 そう言われると少し照れる。だけどこの子に必要とされるということは、ガンダムが俺を必要としているということだ。それはまた次の争いを呼び込むのだろう。次の戦いでまた俺は傷を負うだろう。もうこれ以上傷つきたくない。だけど進むほかないのだろう。俺は何で行動しているんだろう。運命なのか自由のためか。もうわからなくなっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ラグンヒルも北米大陸に墜ちた。すぐに帝国軍に回収されてワシントンに飛ばされた。だがそこで待機を命じられ、ずっとシミュレーターだけで訓練する日々だった。やっと今日アンサラーが地球に降りてくると聞いて、ザフトレットの制服を着て、空港まで迎えに行った。

 

「お久しぶりです!アンサラー大佐!」

 

「うむ。ご苦労さまだったな。しかし堅苦しい格好だな。ここは地球だぞ。ザフトの制服とはね」

 

 アンサラーはサングラスに灰色のスーツをノーネクタイだった。ラフというべきだろう。それがラグンヒルを苛立ったせる。

 

「ガンダムを討ちに行きましょう!!」

 

「その話だが、まずはここのトップに話をつけてからだ。他人の庭で好き勝手にやるのは良くないからな」

 

 空港からタクシーに乗り、ワシントンの中心部ホワイトハウスに入る。そして受付を通り、一番奥の部屋に通された。

 

「やあディショーン。元気なようだね」

 

「やあルゥ。元気でやっているよ。まあかけてくれ」

 

 アンサラーはソファーに座る。ラグンヒルも座ろうとしたが、ディショーンの傍に居た女に止められた。

 

「失礼でしょう。男同士の話しに女は臨席してはいけません」

 

「なんですかその時代錯誤の考え方!」

 

「すまないウィットモア少佐。うちの若いのが失礼をした。ラグンヒル。君は立っていたまえ」

 

「キャサリン。まあそうきつい言葉を選ばなくてもいい」

 

 ディショーンがキャサリンを注意する。

 

「まあ将軍がそうおっしゃるなら」

 

 そしてキャサリンは近くのコーヒーメイカーからコーヒーを淹れて二人の前に出す。

 

「バニラシロップあるがいるかね?」

 

「もちろんもらおう」

 

 男二人は和やかにコーヒーを楽しみ始める。ラグンヒルはイライラし始めていた。

 

「でだ。ルゥ。ガンダムはどう扱うことになったんだね?」

 

「ラクス嬢の確保優先。個人的にはガンダムにはあちらこちらで暴れて貰って観察したいところだ」

 

「それは困るよルゥ。帝国軍も面子があるんだ」

 

「八百長でもやってくれればいいし、あるいはブルーコスモス残党を嗾けてやるのもいいだろう」

 

「ふむ。君がそういうということは、あのガンダムは。帝国の国体さえも揺るがしかねないタブーがあるんだな?」

 

「その通りだよディショーン。具体的にはなんのかわからないが、少なくとも今のアコード体制は崩壊するだろうね」

 

 ラグンヒルは戦慄した。ガンダムは反逆の証。それくらいに考えていた。

 

「アンサラー大佐!なんですかそれ?!じゃあ今すぐにガンダムを討たなきゃ!」

 

「まあザフトならそう判断するだろうね。だがナチュラルの我々には関係ないことだ。プランはサーバーがインフラを提供している。安定した経済。秩序ある社会。信頼できる行政サービス。別にそこにアコードはいらない」

 

「何言ってるんですか?!アンサラー大佐はこの世界を壊す気ですか?!」

 

「アコードがいなくなった程度で壊れるほど世界はやわではないよ」

 

「あああなたはそう言う人だった!カーター将軍!今すぐにガンダムを討ちに行ってください!!」

 

 その瞬間空気が凍った。

 

「君は今私に命令したのか?在米帝国軍総司令官であるこのディショーン・カーター中将を?」

 

「だって帝国軍はそのためにあるんでしょう!」

 

「甘ったれるな!!」

 

 ディショーンは立ち上がり、ラグンヒルの顔を思い切り殴った。ラグンヒルは吹っ飛ばされて壁にぶつかって座り込む。

 

「な、殴ったの?!親にもぶたれたことないのに!!」

 

「ここは帝国軍だ!!ザフトとはやり方が違う!!赤服ごときは黙っていろ!!」

 

「女を殴るの?あなたは!!」

 

「修正ですよ」

 

 キャサリンがいつの間にかラグンヒルのそばに来ていた。そしてさらに腹に向かってケリを入れる。

 

「ぐはぁ!!」

 

「帝国軍はザフトの手下ではない!!うぬぼれるなコーディネーターごときが!!」

 

 さらにケリを入れられ続ける。ぐったりとしてラグンヒルは何も言えなくなってしまった。

 

「キャサリン。君もコーディネーターだろう?」

 

「アメリカの財産だったプラント武力で奪った不法移民共とは同胞ではありません」

 

「まあ確かにそうか。ああ。私は運ぶのもめんどくさいのだが」

 

「こちらのドローンに兵舎の部屋まで運ばせます」

 

 やってきたドローンがラグンヒルを抱えて部屋から出ていった。

 

「さて本題に入ろうか。ガンダムはまあ壊せるなら壊してもいいし、様子見に徹するならそうしてもらってもいい」

 

 アンサラーはそう言った。

 

「ルゥ。君の言葉を額面通り受け取る気はないね。ガンダムは我々でも討ち取れないと確信しているな?」

 

「まあね。そこに嘘をつく気はない。だから八百長に徹してやり過ごすのも手だ。だがね。ラクス嬢」

 

「皇帝は取り戻したがっているのだろう?」

 

「殺してくれないか?」

 

「なに?」

 

「もともと殺したくて仕方がないだろうディショーン。特に君はね。あのコンパスにいたのだから」

 

「願ったりかなったりだ。だがねぇわかっているか?大義名分かあるいは武力が背景ないとラクス・クラインを殺すのは難しい。この間は情報が公式に齎される前だったから誤射で済まそうとしたくらいなんだ」

 

「大義名分は流石に用意できない。だが君がラクス嬢を殺してくれたなら、ニュートロン・スタンピーダーをくれてやる。製造法も含めて現物もだ」

 

「……くくく!あははは!!キャサリン!聞いたかな!ルゥは我々に国盗りを唆しているぞ!大逆罪だな!」

 

「ええ!これはいけない人ですね!我々に皇室に弓引けとおっしゃっていますわ!!恐ろしい!ああ、おそろしい!!」

 

 だが二人は笑っている。アンサラーもまたニヤリと笑う。薄暗い陰謀はいま始まる。




ユウが普通にサラリーマンしてラクスが新妻でロミが娘の一般家庭しているのが草

その裏でおっさんたちが陰謀で盛り上がってるのまじでひどい。

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