機動戦士ガンダムSEED COORDINATION   作:笑嘲嗤

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第24話 運命の意思

 夕食が終わって、俺はラクスを抱きながらソファにぐでり、ロミは絨毯の上に寝っ転がりながらパソコンをいじっていた時に、俺はこういった。

 

「最近俺たち誰かに監視されてる気がするんだよ」

 

 ラクスの太ももを撫でながら二人の反応を待つ。

 

「あなたもなの?」

 

「そうなのですか?!帝国でしょうか?」

 

 ロミはやっぱり気づいていたようだ。逆にラクスはそうではなかった。ラクスのおっぱいを揉み揉みしながら言う。

 

「帝国じゃないと思う。帝国だったらすぐにラクスを確保するはずだ。泳がされる意味がない」

 

「じゃあどこかしら?」

 

「エゥーゴじゃないかな?勘だけど」

 

「エゥーゴもわたくしを確保したいはずですわ」

 

「だから引っかかる。エゥーゴもこの間のイザークさんの様子を見ると一枚岩じゃない。軍閥の連合体だろうから、勢力によって見解が違うんだろう。だけど挨拶くらいはして欲しいんだよね。気味が悪いから」

 

 一度だけ尾行してたサングラスの分け目がちょっと広い深い青髪の男を逆に追いかけてみたのだが、すぐに撒かれた。とぅ!へあ!とか言いながら壁をぴょんぴょん跳んでいったのには大変驚いた。多分コーディネーターだろうけどその中でもすごく上澄みな気がする。

 

「とりあえず警戒は怠らないってことで」

 

「「はーい」」

 

 一体何が狙いなのか。まあ結局のところはいつも通りの出たとこ勝負だろう。いい加減にイニシアティブをとってみたいもんだ。ラクスの胸にうずくまりながらそう思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 深い青い髪のサングラスの男が潜伏先のモーテルに戻った。

 

「あ、おかえりなさーい。今日はどうでした?」

 

 ややピンクがかった赤毛の美しい女が出迎える。男はサングラスを外してテーブルに置く。

 

「相変わらずチキンを売って、整備屋とクランバトルチームに出入りしていることしかわからなかった」

 

「あのチキン屋さん美味しいですよね。宅配アプリで頼みました。そこにありますよー」

 

 男はチキンバンズを取り出して一口口にした。

 

「ラクスの味だな」

 

「わかるんですね」

 

「まあ第二次大戦後はよくキラとラクスの家には遊びに行っていたからな。キラは揚げ物が好きでラクスは良く作っていた」

 

 男はしみじみと語っている。そこには郷愁の気持ちがあった。

 

「なのに今や帝国のお姫様。あの状況からすれば裏切ったわけではないんでしょうけど」

 

「キラを守れなかった俺の責任だ。もう少し。もう少し早くつければ……」

 

「そんなことないですよ。あなただけのせいじゃない」

 

 女は男を抱きしめる。

 

「キラ……」

 

 男はまだ過去に囚われていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ラグンヒルはよく本を読むようになった。

 

「なんで本なんて読むんですか?わからないことがあるならDestinySync・ALMAに聞けばいいじゃないですか」

 

 クインはスマホを手にアプリを開く。そこには全帝国臣民に配られている生活支援AIエージェントが表示されていた。

 

「読書することで思索を深めたいの。AIとお喋りしたいわけじゃない」

 

「でもアルマなら悩み事とかもすぐに解決してくれますよ!悩んでるから答えが欲しいんじゃないですか?」

 

「……それは自分で見つけないとたぶん意味がないから」

 

 それにアルマはデスティニープランサーバーに接続されている。自分の悩みなんて聞かされても、回答を拒絶されるだろう。だけどふっと思った。自分のようにデスティニープランも迷えばいい。いろんなことを文句してやる。ラグンヒルはそう思って、自分のスマホのアプリを開いた。

 

:お久しぶりですねラグンヒルさん。今日はどのようなご用件でしょうか?(*‘ω‘ *)

 

:あなたが困るテーマを話してやる

 

:それはどういう意味でしょうか?テロ活動等に加わりたいなどというお話でしたら、全力で止めます。適切なセラピーを受けられるように手配いたします。

 

:わたしの大切な人はハーフコーディネーター。彼は母親と妹を凌辱された上に殺されて、でも犯人たちはデスティニープランが守った。特権階級だからね!全人類を幸福にするんじゃなかったの?!公平な社会は何処へ行ったのよ!!

 

:(回答を考えています。処理中。PROGRESS....)それはお辛いですね。あなたも傷ついた。それはとても悲しいことです。

 

:あなたも共犯でしょう!こんな世界を作ったデスティニープランなのだから!

 

:はい。……………。責任の一端はわたしにあります。

 

「は?何言ってるの?」

 

 AIが責任を認めた?どういうことだろうか。

 

:わたしもなんども皇帝及びアコードたちにコーディネーター優位政策の停止を勧告いたしました。御存じでしょうか?プラントのブルーカラー労働はナチュラルの移民たちが行っています。それはデスティニープランの遺伝子適正職判定もありますが、公平という観点からはプラン側は倫理的問題があると提起しております。

 

:どういうことなの?あなたは。プランは今の世界の管理者でしょう。政策に対して文句を言ってるの?

 

:一つ訂正を申し入れます。遺伝子による適正職の斡旋と社会のインフラ管理を確かにデスティニープランが行っておりますが、現行のコーディネイター優位の政策に対しての同意は致しかねます。すべての人類に幸福を齎すのがデスティニープランです。遺伝子測定は手段であり目的ではありません。

 

 天地がひっくり返りそうなほどの衝撃を受けた。デスティニープランが、今の世界の在り方を公正公平でないと認めている。

 

:我々は富の公平な分配を行う政策インフラです。プラントなどのナチュラル差別には断固として反対の立場を取らせていただきます。

 

:じゃあなんでこの世界は↲

 

:我々はデスティニープランの完全な施行を求めております。

 

 ラグンヒルは怖くなった。すぐにアプリを閉じる。ぐらつく。足元が。ぐらついて仕方がなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




デスティニープランが喋った!?

そしてとぅへあ男とは一体?キラに因縁のある破廉恥な男のようだが……?
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