ぼ喜多派のすべての人に捧げます。
甘くて、苦しい。そんな“恋の一歩手前”のおはなし。

ライブの帰り道。
2人きりの帰り道。
これは、恋人じゃない2人の、“恋のような”ひととき。

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第1話

ライブが終わった帰り道。先輩たちはSTARRYに残って、店長さん達と話してた。

だから…だから今は……私とひとりちゃんだけ………

2人だけの時間……とても大切な…2人だけの………

 

 

『き、喜多ちゃん?…えっ、えっとな、なにか、わ、私に落ち度でも…!!??』

 

慌てて私を…私だけを見つめてくれる…前はそれだけで満足できた……でも……でも今は…もっと…!!

 

『ううん、なんでもないの…ごめんね?ひとりちゃん。』

 

『そ、そうですか?それならいいんですけど……あ、あのなにか私にで、出来ることがあれば…!!』

 

 

本当に健気で…本当に愛おしい……でもこの気持ちを……この想いを口にしたらきっと……きっと、壊れてしまう……結束バンドも………私とひとりちゃんの関係も……だから、……

だから私は………

 

 

『ありがとう、ひとりちゃん!

でも本当に大丈夫!ライブでちょっと疲れただけだから!

 

『そ、そうですか、…良かった…!』

 

 

私を…本当に心配してくれてる……!

ごめんなさい…ひとりちゃん………本当はこんなこと…

思うべきじゃないのは分かってる………それでも……

それでも私は………!

今は……今はまだ言えないけど、それでも…これくらいは……

 

私はひとりちゃんの手を握る。ステージの上でギターをかき鳴らす大好きな手を……

 

 

『えっ、き、喜多ちゃん…!?い、いったい、な、なにを!?』

 

 

『え~っ?駄目〜?私今日すごく頑張ったから、ご・褒・美欲しいな〜?』

 

 

『〜〜〜ッッぅぅぅう、わ、分かりました!!』

 

 

ひ、ひとりちゃんが恋人握りを!!??どういう意味なの!?!?そういう意味でいいの!!?いいのよね!?!?ひとりちゃん!!!

……ううん、駄目駄目!ひとりちゃんのことだから絶対、絶対…!そんな意味は………ない……の……?

 

 

『こ、これで!喜多ちゃんになにか返せるなら!』

 

 

そう…そうよね……ひとりちゃんのことだのもの……私を……気遣っている……だけ………

 

 

『えっと、き、喜多ちゃん…?あのなにかお気に召さないことでも…?』

 

 

『ううん、なんでもないの!それにしても〜?恋人握りなんて!ひとりちゃんだいたーん!』

 

 

『〜〜〜ッッッ!!!す、すみません、い、いますぐにやめますので!!』

 

 

『駄〜目!せっかくひとりちゃんが勇気出してしてくれたんだから!駅に着くまでこのまま!ねっ?お願い、ひとりちゃん!』

 

 

『〜〜〜ッッッ!!!わ、分かりました、き、喜多ちゃんがそう言うのなら……』

 

 

うん、今はこれでいい。私が…私の自己満足でこの関係を壊したくなんてない………だから………だからこのひとりちゃんへの想いは……私の心に閉まっておこう………そう今はまだ…………今だけは…ね?

 

 

 

 


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