雑かもしれませんがどうぞ
シャーレオフィスにて先生はサオリ達とある生徒に関して話していた。
「トウカ姉さんについて?」
「“うん、彼女についていろいろ聞きたくなってね”」
「そうか、でも私達でいいのか?こういうのは本人に聞いたほうがいいと思うが」
「“家族である君達からみたトウカがどんなのかを知りたいんだよ”」
「そうですねぇ、トウカ姉さんは普段は優しいんですけど…怒らせると怖いんですよね」
ナニカを思い出したのかヒヨリは顔を青ざめた。
「あ~トッちゃんが私たちの前で初めて本気で怒った時の話ね」
アツコはその日を懐かしむ様な表情でう頷く
「“本気で怒った時?”」
「ああ、あの日私たちの新たな始まりの日でもあるんだ」
「“…ナギサが言ってたあの事件のことかい?良ければそのことを教えてくれないか、トリニティでも聞いたけど当事者である君たちがどうだったかは聞けてないんだ”」
「いいよ、先生…それじゃぁ何処からか話そうかな?」
その日、ベアトリーチェは絶望を味わった。崇高へ至るために忘れられたアリウス自治区を支配し子供たちを搾取し、ロイヤルブラッドを使って色彩を呼び寄せるはずだった。しかし今、その計画は野望とともに潰えた。
なぜか分からない、ただ目の前のミスを犯したサオリに対して、強めの「教育」を行っただけである。そのせいでサオリは大けがを負ったが命にかかわるものではないのでどうでもいいと思っていた。しかし次の瞬間自身の顔に熱と衝撃が襲った。
「ト…トウ、カ」
「アツコ、ミサキ、ヒヨリ、アズサ…サオリをよろしく」
「ねぇ、なにするつもり!」
「やめろ!犬死するだけだ!」
「大丈夫、ちょっとあいつを…」
「肉骨粉にするだけだから」
後に彼女たちが見たトウカの姿は少女ではなく昔拾った絵本で出たドラゴンの様だったという。
「チィ、子供ごときが大人に歯向かうというのですか!」
「歯向かう?違うよ、これは決闘」
「私対アリウスの負の歴史の決闘、私はこの悲しみの連鎖にあなたへの勝利をもって終止符を打つ」
「戯言をッ!身の程を教えて差し上げましょう!」
そうして異形の怪物へと成り果てたベアトリーチェ、しかしトウカは動じるどころか余裕の表情を見せる。
「だから?遺言はそれでいい?それじゃ、いくよ!」
拳を更に燃え上がらせた彼女は一瞬で間合いに入り拳を叩き込む、その一撃の余波でベアトリーチェは吹き飛び、バシリカのステンドグラスを割って飛んで行った。
それで許さず追撃を与えるトウカ、ベアトリーチェも触手やレーザーで反撃を試みるもそれらはすべて燃やされ、レーザーを受けても傷一つ負わないので苛立ちを増していく。
「ならこれはどうでしょう」
「何⁉」
ベアトリーチェはサオリの看病をしながら戦いを見ていたアツコ達にレーザーを放った。
それを受け止めようと彼女達の前に立ち受け止める。
「ヌグググググ」
「トウカ!」
「トッちゃん!」
「「トウカ姉さん!」」
「おのれぇぇぇ、一度ならず二度も!絶対に許さない!」
「(私は負けていられない!)」
「(みんながこれ以上苦しんでほしくない!)」
「(それに何より…)」
あいつに負けてなんかいられない!
その気持ちに応えるかのように、彼女の力がどんどん増していく。さらには彼女の背後で見守るように半透明なドラゴンたちが現れる。そのうちの一体がトウカに話しかける。
『我らの意思を、歴史を、力を受け継ぎし者よ、我らの力を受け取れ!』
そうして消えていくドラゴンたち、さらに力が沸き上がっていくのを感じたトウカはレーザーを打ち消した。
「何ッ!」
「これ以上…」
「私の家族を!傷つけるなぁぁぁ!」
彼女がベアトリーチェにカチ上げるように放った拳はベアトリーチェを貫き、そのまま炎が焼き尽くし、天高く上る。そしてどんどん上空へ伸びていきバジリカの天井も貫きついにはカタコンベを突き抜けた。
その日、トリニティの古い霊園で巨大な火柱が上がった。
「ってことがあったんだよ」
「”そのあとは?“」
「そのあとは駆け付けた正実や救護騎士団、シスターフットに保護されて今に至るって感じだよ」
「人間生きてれば良いこともあるんですねぇ」
「あの件以降、もとアリウスだった子たちはみんなトウカを英雄視してるって訳」
「いろいろそのあともあったけどねぇ」
「そのあとは先生も知るトウカ姉さんになりますねぇ」
「“みんな、話してくれてありがとう”」
話し終えた後、シャーレオフィスにトウカがやってきた。
「おはようみんな、何話してたの?」
「あの日の話をしてたんだよ」
「辞めてよ~恥ずかしいんだから、今でも英雄扱いされてるんだよ」
「いいじゃん、英雄様」
「そうだね英雄様」
「そうだな、英雄様」
「あぁ、英雄様」
「えへへ、英雄様顔が真っ赤っかですね」
「“よっ英雄様!”」
「みんな何なのー!」
この日一番の大声がD.U.地区に響き渡った。
キヴォトスの某所そこに黒服とマエストロがいた。
「ふむ、困りましたねぇ」
「お前が困るなど珍しいな」
「えぇ、王堂トウカのことで少し」
「ベアトリーチェを屠った生徒のことか」
「それが彼女の神秘は我々すら観測できない…いや、観測してもそれがなんなのか解析不能なものですので」
「お前が少し前まで興味を持っていた小鳥遊ホシノは『暁のホルス』だったがあれほどの神秘を持っているのになぜ何も観測できないのか、興味はあるがベアトリーチェの二の舞にはなりたくない、芸術家としても気になるがな」
「私も同感です、小鳥遊ホシノがキヴォトス最大の神秘と思っていましたが、まさかあれほどの力を宿す存在がいたとは、ククク実に興味深いです!」
「…しかしその力の正体が何かが分かるものがあればよいのですが、我々の力ではどうしようもありませんね」
神秘の研究者として王堂トウカの存在は非常に魅力的であった。しかし、研究しようにも先生がそれを許さないだろうし、本人に接触しようにも万が一ベアトリーチェの元仲間とバレればどんな目に合うのか考えたくもないのである。
そうして誰もいない路地を歩く二人は一冊のオレンジ色の表紙の本を見つける。
「おや?この本は?」
「ここに本が落ちていることに疑問はあるが、関係のないだろう」
「しかし、状態があまりにもよすぎますし、何かを感じます…おそらくはオーパーツの類でしょうか?」
「言われてみればそうだな、しかしなぜ何だ?」
「フム…」
その本のタイトルはこう書かれていた。
ボルシャックの書と
王堂トウカ
年齢 17歳
学年 三年
誕生日 5月30日(DM-01の発売日)
トリニティ自警団所属
趣味 決闘
武器種 SMG (武器名 デュエルNEX)
太陽のようなデザインをしたオレンジ髪の少女
アリウス出身でアツコの従妹、普段は心優しいが仲間や家族をきずつっ蹴られると手が付けられない程怒る。その怒りや悲しみを拳に乗せて放つ一撃を耐えられる生徒はいない。
「ボルシャック」の超獣の神秘を有している。超獣世界由来のためかゲマトリアには鑑定不可能だった。