お気の毒ですが、あなたは殺処分の対象です   作:うずつるぎ

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第11話 星を砕きて火を求む

 初めてスコープを覗いたその時、アタシはもう一度、この世界に生まれてきた。

 

 

 映る景色が、香る匂いが、撫でる風が、詳細にまで色濃く伝わる。

 トリガーに掛けた指は、半ば無意識に動いた。

 轟音が鼓膜を破って、遠く裸眼では捉えられない距離にある人体模型を、粉々と吹き飛ばす。

 

「素晴らしいな、ヨル・シュミット。お前には狙撃の才能があるらしい」

「あ、ありがとうございます……!」

 

 それが始まり。

 ミスなく成功した10連続の遠距離狙撃。

 衆人の歓声と教官の賛美に、戸惑う身体は甘い中毒に浸された。

 

 

 これといった特徴のない人間だった。

 

 

 父はリーダーシップ。母は技術力。

 尖った才能を持った両親は仕事に忙しくて、中々アタシに構ってくれない。

 もっと傍に居て欲しい。

 才能を以て他者を惹き付ける両親の後ろ姿が、遥か向こうで目を焼き焦がす。

 

 

 やがては──なんだ。才能を活かせば、人の温もりは自然とついて来るものなんだ。

 

 

 そう思うようになるまでに時間は掛からなかった。

 だから、ようやっと飛びぬけた才能を見つけられたことに、アタシは笑みが零れて仕方がなかったのだ。

 

「ヨル。お前と一緒に闘えることを、俺は嬉しく思うぞ」

 

 訓練期間を経て配属されたのは父の部隊だった。

 父は自慢げに笑声を響かせて、仲間の前でアタシの頭を撫でる。

 俯いた顔に、ほんのりと口元が緩む。

 

 ゴツゴツとした手のひらが、とても温かかった。

 

 

 その1か月後に父を射殺した。

 

 

 それはいつもとなんら変わりのない任務だった。

 MCが保全する鉱山の奪還。

 冷たい岩山の感触が、腹這いになった身体をざらざらと伝わる。

 乾いた土の匂いが鼻腔へ流れ込む中で、無心にトリガーを引く。

 

 と、その最中、

 

『水平から斜め45度。北北西に向かって3秒後にトリガーを引け』

 

 誰かの冷声が、頭の中に響いた。

 

 それはアタシの声だった。

 だから、身体は見えない糸で操られたみたいに、自然とライフルを構える。

 何者も居ない空間目掛けて、トリガーを引くことを止められない。

 

 そして、キッカリ3秒後、

 

「……あ、」

 

 タンと、消音が鳴る。

 吸い込まれるように機械兵がスコープ内に現れた。

 空気を切り裂く弾丸は、鋼鉄の頭蓋を貫き──

 

 

──もみ合っていた小麦色の額に、間欠泉の如く血を吹き出した。

 

 

「…………え?」

 

 力なく、大地に崩れて痙攣する父。

 その光景が、スコープ越しにやけにゆったりと映る。

 次第に、トリガーに掛けた指は小刻みに震えた。

 

「な……んで……?」

 

 急速に乾きゆく唇が掠れ声を洩らすも、誰からの返事もない。

 つい先ほどまで聞こえていた妙な声も聞こえない。

 

 遅れて脳波電信を響く、仲間の絶叫。

 途端に、靄のような暗闇がスコープの縁から溢れ出して、

 

 

 意識は、闇に呑み込まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 それが、悪夢の始まり。

 

 アタシに囁く謎の影は、日を追うごとに存在感を増していく。

 

 月に1度だったのが、週に2度、3日に1度。

 任務に参加する度に、妙な声が脳内を響く。

 そして気が付くと、身体は声に従っている。

 

 アタシは敵を撃ち抜くと同時に、必ず仲間を1人殺した。

 

「お前のせいで……俺は──!!」

「……ッ!!」

 

 夜間、月影に溺れたベッドから跳ね起きる。

 暴れ狂う胸に銀髪が揺れて、葉先のように冷や汗を滴った。

 

 それでも──ベッドの上で握り込んだライフルだけは、手放せない。

 

 才能を活かすことこそが、他人の温もりに触れる唯一の方法だから。

 

「アイツは死神だな」

「快楽殺人者の間違いだろ」 

 

 父を殺したのは不幸な事故だ。

 初めはささやかな慰めをくれた仲間たちも、徐々にアタシを見る目に怯えと怨嗟を映すようになった。

 

 果てには、部隊の誰かが、恨みつらみで父の死の真相を話したのだろう。

 憎悪に袖を濡らした母が、包丁の一閃を真っ白な腕に走った。

 

「出て行きなさい……!この人でなしッ!!」

 

 もう、何処にもいられない。

 住処を失った黒猫が、影を項垂れて寄宿舎に入り浸る。

 私は部隊に所属して仲間を撃ち殺しては、また別な部隊を転々とする形で生活をする。

 

 

『死神纏い』

 

 

 いつしか、アタシの悪名は類連合軍中に轟いた。

 ある時からは、部隊に配属された段階で、絶望の目がアタシを見るようになった。

 

「あ、あの、アタシはヨル・シュミットって言います──」

「──喋り掛けんなよ、カスが。オレたちゃ終わりなんだよ」

 

 ぐっと、呼吸を忘れたように胸が痛かった。

 

 アタシだって馬鹿ではない。『死神の囁き』を幾度となく無視した。

 けれど、拒絶する度に『死神の囁き』は禍へと転じる。

 前触れもなくポイントを奇襲された。上空から爆弾を落とされた。身体には絶えず傷が生まれた。

 

 だとしても、アタシは歯を食い縛って『死神の囁き』に抗い続けた。

 

 こんなものさえなければ、アタシはまた、純粋に誰かに役立てるから。

 周りから、もう一度認めてもらえるはずから。

 

 惑溺した心が求めるがままに、戦場に立つ。

 そしてある日──わざと破壊しなかった機械兵の流れ弾が首筋を穿って、アタシは生死の境を彷徨った。

 

「おや、気が付いたかな?狙撃手さん」

 

 

 医務室で目覚めたその時、心はアッサリと『死神の囁き』を受け入れた。

 

 

 他人の役に立ったからなんだというのだ。

 人の温もりは命よりも大切だろうか。

 命の炎が凍てつく感覚に、ぞわりと、鳥肌が立つ。

 

 それからは、積極的に他人との関わりを断った。

 

 これまではどうにか距離を詰めようと四苦八苦した全てを切り捨る。

 淡々と敵と仲間を撃ち殺す。

 温もりに飢餓を訴える心は、奥底で鎖に縛り付けていればよかった。

 

 

 そうしてアタシは、『死神纏い』として冷血のスナイパーを演じ続け、

 

 

「俺は貴様らの隊長ではあるが、一切指示は出さん」

 

 

 ある時、奇妙な部隊に配属された。

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺は俺で勝手に動く。成果も出す。貴様らは貴様らで好き勝手やれば良い。邪魔だけはしてくれるなよ?」

 

 青みのある黒髪を短く逆立た青年が、潮風を浴びて頓狂な言葉を吐き出している。

 

 ギャングのように野性的な髪型の割には、くるりとした可憐な黒と翡翠のオッドアイ。

 美的に整った容姿。

 なのに、繰り出す言葉は鋭く、その眼光は棘のようである。

 

 

 歪んだ鏡像みたいな印象を与える青年──六月一日理人は、可愛い顔に反して、どうにも頭のおかしい奴だった。

 

 

 しかし、アタシにとってはこの上なくやりやすい環境だ。

 隊長の方針に従う。

 これまで通り孤独にスコープを覗く。

 

 けれど1つ、想定外だったことがあるとすれば、

 

「よかったら今度一緒に遊ぼうよ!」

「ごめんなさい。それは、」

「ご飯でもいいよ!!」

 

 

 そこの副隊長もまた、隊長とは真逆の方向で振り切れていたということ。

 

 

 幼さを残したあどけない小顔。

 誰彼構わず振りまく笑顔。

 他人に愛されるだけの条件は整っている子だった。

 

 初めは適当にあしらえども、結局は、異常なしつこさにこちらが折れざるを得ない。

 仕方なく、1度だけ。

 口先からため息を洩らす。

 

 そこからは、泥沼に引き摺り込まれていく感覚だった。

 

「ヨルちゃんってすっごい狙撃が上手だよね!良かったらわたしにも教えてよ!!」

「ヨルちゃんと一緒にいると楽しいなっ!」

「その耳飾り似合ってるね!どこで買ったの???」

 

 まるで、桃色の宇宙を見ている気分にさせてくれるストロベリーブロンドの髪色……アルナ・ミュラーは、孤独人間が心の底で求める言葉を、矢のように急所へ突き刺してくる少女だった。

 

 愛に沈んで、彼女に絆されていく。

 いつの間にか、寂しさの渇きが胸底を再燃していることに気が付かされる。

 

 

 だから、目が向いた。

 アタシと同じように、部隊で孤高を貫く隊長へと。

 

 

 アタシと似た立ち振る舞い。

 どんな人間なのだろう。

 些細な好奇心が手を伸ばす。

 

 その日はアルコールが入っていたせいもあった。

『死神纏い』として間違ったことをしていることは、重々理解している。

 

「──アンタ、随分とこの訓練場が好きなのね」

 

 されど、温もりの飢餓は欲望のままに暴れ出し、手綱を喰い破った。

 

 

 結果だけ言えば、隊長はクソ野郎だった。

 

 

 自分のことだけしか考えていない冷徹人間。

 鏡を見ているようで気分が悪い。

 とにかく、2度と隊長を視界に入れたくないとさえ思った。

 

 なのに、

 

「二度も言わせるなッ!俺は何者にも怯えてなどいないッ!!」

 

 月明かりに溺れた夜、迷い子は、瓦礫に膝を抱えていた。

 

 ローブの胸元に抱き締めるヒートソード。

 鋭く闇を泳ぐ翡翠の義眼。

 けれど、消して消えぬ怯えが、漆黒の瞳には過っていて──あぁ、

 

 

 その晩、アタシは隊長を100%理解できた気がした。

 

 

 彼がどうして強さに固執するのか。

 人からの助けを拒むのか。

 他者を排斥するのか。

 

 それは、アタシとは似て非なる『恐れ』だ。

 隊長はきっと──

 

 

──結局のところ、アタシは隊長に深く同情していたのだ。

 そして同時に、彼に自分を重ねて希望を見出していたのだ。

 

 

 だからこそ、

 

『15秒後に南西の方角から強風が吹く。あそこにポイントを移して水平から32°。アドラの右肩を狙え』

 

 死神の吐息が耳元に囁いたその時、アタシの全身は硬く凍り付いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

──理人が死ぬ。宿敵のアドラの破壊と共に──

 

 それは彼の望みか。

 それともアタシがただ生き足掻きたいだけか。

 冷たい夜風を浴びて、廃ビルの屋上に心が立ち尽くす。

 

「……」

 

 夜闇を澱んだ思考は、雲を掴むように上手く纏まらない。

 が、悪魔に魂を売った身体は、既に深夜のビル群を跳んでいた。

 

 あと3秒。

 スコープ越しに、炎の渦に囲まれた隊長とアドラを眺める。

 アタシは死神の言う通りに照準を移す。

 

 

 狙い定めるは、アドラの右肩。

 ではなく──緋色のポニーテールを結った、後頭部。

 

 

「これで……良いのよ」

 

 死神は風が吹くと言った。

 ならば、この位置でトリガーを引けば、理人が死ぬことはないはずだ。

 

 焼け焦げた白シャツの肩部に固まる照準。

 少しずつずらしていく。

 その度に呼吸が隙間風のごとく不規則に揺れて、スコープに映る十字路の景色が何重にもブレる。

 

 嫌だ。なんで。

 迷いに満ち満ちた思考が、混濁と入り乱れる。

 けれども心の奥底は確かに、死神の声に逆らっていた。

 

 

 夜空に希望の星を見つけられたから、アタシは、彼が生きる未来を望んだのだ。

 

 

「……ごめんなさい、理人」

 

 なればこそ、せめてもの断りを入れる。

 死神の予告時間にトリガーを引く。

 

 身体を吹っ飛ばすリコイル。

 銃弾は強風に曲線を描いた。

 宝石の耳飾りが付いた左耳を貫くと同時に──理人の鎖骨を射抜く。

 

 動悸に酷く揺らぐスコープを覗き続ける。

 彼は顔を顰めながらも、息をしていた。

 安堵の息が、口の端から洩れ出す。

 

 が、困惑に固まる漆黒のフードは、光の刃に切り裂かれた。

 血飛沫が舞い上がって、彼は瀕死の状態で路上に伏す。

 

……どうする。

 このままだと理人は斬り殺される。

 どうやって彼を助ければ良い──

 

 

 再びトリガーへ指を掛けたその時、緋色の触覚が、こちらを振り向いた。

 

 

 右脚には、大きな風穴。

 片耳は抉られ、左肩は深く斬られ、右眼の瞼は軽く切り裂かれ。

 だのに未だ豪鬼のように険しい黄色の瞳が、遥か十字路から、スコープ越しにアタシを射抜く。

 

 

『見つけたぞ』

 

 

 真っ赤な唇が小さく動いて、狩りの意志を確かに伝えた。

 

「……ッ!」

 

 迷わず2弾目を解き放つ。

 アドラは身体をバネのように捻って裕に躱す。

 

 緋色のポニーテールが驚異的な疾走に靡く。

 まるで未来でも見透かしているみたいに、狙撃が当たらない。

 腋の下がぐっしょりと冷え込み──微かに意識が逸れたところで、アタシは気が付く。

 

 

 何か、小さなモノが、隕石のような速度で飛来している。

 

 

「──投擲ッ!?」

 

 気が付くのが遅かった。

 砕け散るスコープの破片。

 瞼に鋭利な熱が走って、思わず呻き声を洩らしながら右眼を抑える。

 

 これ以上、この廃ビルにはいられない。

 距離を取らないと──

 

「──逃がすと思っているのか?陰湿な狙撃手め」

「なっ……」

 

 神々しく月光を浴びたヒートソードが、一角獣のように屋上に影を落とした。

 

「くっ……!」

 

 血に赤く映る右眼を閉ざしつつ、即刻廃ビルを跳び下りる。

 

「私が自由落下に身を任せるはずないだろう?」

 

 大きく距離を取ったはずが、すぐ近くで囁く、夜闇の低声。

 

 落下の冷風に銀髪を逆立てながら振り返る。

 そして目を見開く。

 アドラは廃ビルの外壁を巧みに蹴り飛ばすことで、落下速度に勢いを増していた。

 

「跳び下りたのは悪手だったな」

 

 鋭いヒールの足先は、みるみるうちに迫り──

 

 

「がぁ……ッッ!?!?」

 

 

──苛烈な一撃が、容赦なくアタシの背中を凹ませた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 脊椎を砕き抉るような一撃が、背中の一点に集中して腹部へ響き渡る。

 

 

 その痛烈な衝撃は呼吸の自由を奪い去った。

 身体は路上へと叩き付けられ、舞い上がる土煙が、月面みたいにひび割れた路上を霧に纏う。

 

 痺れはあるが、身体は無事だ。

 痛みに悶え蹲る身体に、手のひらで鞭を打つ。

 立ち上がって、『目的地』へと駆ける。

 

 緋色のポニーテールが、目前を回り込んだ。

 

「逃がさんと言ったはずだ」

 

 艶やかな脹脛が、振り子のように闇を振り上がる。

 

 腕をクロスに構える間もなく、気が付くと、視界が夜空へと落ちて白く点滅した。

 

 

──もはや、逃げ切れない。

 

 

 太もものホルダーからナイフを抜き出す。

 腰を落として迎え撃つ姿勢を見せれば、赤い唇は獰猛と歪んだ。

 アドラは完璧に、こちらの動きを読み切る。

 全身が的確に斬り裂かれて、鋭利な熱を弾けていく。

 

「フッフッフ!どうした!銃がなければ何も出来ないのか!?」

「く……ぅ……!」

 

 辛うじて致命傷は避ける。

 いや、違う。アドラはわざと痛みを与えて楽しんでいる。

 

 全身の切り傷から、流れ出す熱が止まらない。

 黄色い瞳が朦朧と見えて、荒く吐き出す息は夜の冷たさを孕んだ。

 

「どうやら、初撃を外したのは痛かったらしいな」

「……違うッ!!外したのは……アタシの意志よッ!!」

 

 喉奥から叫び上げ、銀色のナイフを闇に振り切る。

 宝石の耳飾りはサッと後ろへ揺れて──瞬間、アタシはアドラに背を向けた。

 

「……馬鹿め」

 

 愚かなる、敵前逃亡。

 ため息が背後に鳴って、横蹴りが大振りに首筋へと迫りくる。

 

 

──訓練通りだ。

 

 

 微かに隙の生まれた顔面へナイフを投擲する。

 勝気な顔が、鬱陶しそうに歪んだ。

 

「チッ……」

 

 舌打ちを無視して目的地へ駆ける。

 重い殴打が、背中を波紋した。

 受け身も取れずに顔から路上へ転がり、ジワリと、血の味が口内を広がる。

 

 

 痛みに表情が歪に力み、けれど──これで良い。舞台は整った。

 

 

 とある廃ビルを前に、アタシは腕を抑えて、小鹿のように足を震わせた。

 

「これでお前との格付けも充分だな。計画の為にも、『規格外』にはご退場願おう」

 

 悠然と構えた剣の切っ先が、目にも止まらぬ速さで迫る。

 

 

──ズンと、重く激しい主張が、腹部を鋭利に貫いた。

 

 

「か……は……ッ……!!」

 

 胸の底に燃える火種が、凍える予感に浸されていく。

 全身の筋肉は、異常にきつく強張っていた。

 

 目と鼻の先に浮かぶ、獰猛な笑み。

 アタシはゆっくりと、視線を落として、

 

 

 戦闘服の赤く滲んだ腹部は、ヒートソードを深々と突き刺していた。

 

 

「終わったな」

 

 夥しい赤が、伸縮する腹部から溢れ出す。

 熱を持った光剣に触れて、焦げた匂いを空へと登らせた。

 瞬く間に目元が霞んで、手足の先から力が抜け落ちていく。

 

 

 それでも──アタシは残りの熱を振り絞って、妖艶なる軍服を強く抱き締める。

 

 

 ぎこちない表情筋を、ニヤリと、引き攣らせてやる。

 

 

「馬鹿、ね……もう、逃げられない……わよ……ッ!!」

 

 ぼやけた視界を確かに映るのは──アドラの後方。

 廃ビルの壁面に扮して、今にも解き放たれようとしている青いレーザー砲。

 

「……ま、まさかッ!!」

 

 路上を落ちる抱き合う影に、黄色い瞳がバッと振り返る。

 

 途端、勝利に満ちた表情は、急速に凍り付いて、

 

「お、お前──ッ!!」

 

 アドラが藻掻き暴れた瞬間、ピカリと、青の奔流が世界を呑み込んだ。




 次回の投稿日は8月25日の月曜日となります。
 それでは、また次話でお会いしましょう!
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