本当に励みになります...
これからも何卒、よろしくお願いします。
オッタルの腹パンが直撃し気絶したダリル。
ダリル
「ん...あぁ...」
彼がゆっくりと目を開けると真っ青な空が見える。
背中にはゴツゴツとした感触があり、右を向けば壁がぐちゃぐちゃになった廃墟があった。
ダリル
「あれが都市最強か...!」
痛みが残る腹を気にしながらも、その顔は笑顔。
ダリル
「まだ勝てやしねぇが...絶対にぶっ飛ばしてやるぜ...!」
その独白は誰に聞かせる訳でもない、純粋な誓い。
自分の限界を思い知らされ、なお立ち向かう気概を湛える彼の瞳は、紫にわずかに輝いていた。
ダリル
「
両手撃ち抜いた奴が言っていいセリフではない。
ダリルはふらつきながら立ち上がる。
アリーゼ
「居ない...!なんで帰ってこないの...?」
聞きなれた声がダリルの耳に入ってくる。
遠くまで行った彼を探しに来たのだろう。
ダリルはその声の方向に振り向くと、アリーゼとリューがいた。
アリーゼ
「ダリル!」
アリーゼ達はダリルを視認すると、直ぐに駆け寄ってきた。
隈が付いているため、ダリルが余程長い時間気絶していて、アリーゼ達も長い間探していたのだろう。
アリーゼ
「バカ!どこ行ってたのよアンタは!」
「勝手にどっか行って、しかも血だらけじゃない!」
リュー
「傷は無いようですが...一体何を?」
ダリル
「ああ...ちょっと考え事をしててな。」
アリーゼ
「考え事でそんな顔になるか!」
アリーゼは涙目でそう言う。
考え事で吐血をするわけが無い。
リュー
「考え事...ですか?」
「どう見ても誰かと交戦したような痕跡ですが...」
ダリル
「まあ...ちょっと“都市最強”とやり合ったぜ。」
アリーゼ、リュー
「「はぁぁぁぁぁぁぁぁあ!?」」
廃墟に少女2人の絶叫が響いた。
ダリルが閻魔刀を使い、3人は星屑の庭に到着した。
アストレアが微笑みながらダリル達を迎える。
アストレア
「おかえりなさい。」
「...3人とも随分疲れた顔をしているわね。」
ダリル
「まあ、オッタルのおっさんとやり合ったもんで。」
「1日経っても疲労が抜けきらないぜ。」
アストレア
「え?」
ダリル
「あ、ちゃんと許可は取ったぜ?俺はそこまで非常識じゃねえ。」
アリーゼ
「ほら!勝手に都市最強と喧嘩を!」
ダリル
「仕方ねえだろ?たまたま目の前に俺が超えるべき“最強”が居たんだからよ。」
「こんなチャンスそうそう来ない上に、おっさんも乗り気だったぜ。」
「今度飲みにでも誘おうかね。」
リュー
「本気で命知らずですね...」
ダリル
「腹筋に力入れときゃ勝てたかもなぁ。」
「鳩尾に強烈な一撃を無防備な状態で食らったら、再生が早いとはいえ俺でも気絶はする。」
ダリルは笑いながらそう言う。
確かに、魔人化していた今のダリルならオッタルにもギリギリ勝てたかもしれない。
今のダリルは都市最強に届きうる力を有している事は間違いない。
ダリルとて、自分の力量を見誤るほどのアホではない。
アストレア
「...ステイタスの更新をしましょう。」
「そしたら、何故あなたが途轍もない速度で強くなっているのかがわかるわ。」
ダリル
「ここでいいか?」
アストレア
「ええ。」
ダリル
「あいよ。」
ダリルは気の抜けた返事をすると、黒いロングコートを床に置き、その上にTシャツを置く。
アストレアは慣れた手つきでダリルのステイタスを更新する。
アストレア
「なっ!?」
ダリル
「?」
アストレアは震える手で、人間にも読めるようにしたダリルのステイタスをコピーした羊皮紙を見せる。
【ダリル・クラネル】
Lv.?
力:?
耐久:?
器用:?
敏捷:?
魔力:?
《魔法》
【???】
・???
【???】
・???
《スキル》
【Devil Trigger】
・常時全アビリティに高補正
・自動回復
・強い魔力の探知
・攻撃の命中、回避による魔力回復
・感情が高ぶっている際、魔力がある程度残存している際に任意で魔人化
アストレア
「読めない箇所があるわ...」
「それに、スキルの説明まで変わっている...」
アリーゼ
「ステイタスが...壊れてる!?」
リュー
「まるで、神ですら触れてはいけない領域...」
アストレア
「ダリル、貴方本当に人間なの...?」
全員が顔を真っ青にしてダリルを見る。
ダリル
「ええ...?俺が人間じゃなかったらなんだって言うんだよ。」
「俺が仮に人じゃないなら、俺の愛する弟までもが人じゃないってことになっちまう。」
ダリルはそう言うと、服を着直してロングコートを羽織る。
ダリルの父は生粋のヒューマンだ。
ダリルが化け物なら、同じ父を持つベル・クラネルも化け物。
だが、母親が違う為にダリルが半人半魔の可能性があるというかほぼ確実にそうだ。
ダリルは母を見たことがない。
物心が着く頃には、母は遠い地に旅立ったと父に聞かされていた。
ダリル
「ああ...そうか...そう言う事かよ。」
ダリルは気がついた。
父が異常なのではない、母が異常なのだと。
アストレア
「何か分かったの?」
ダリル
「んー...まあそんなとこだ。」
「俺の親父は普通のヒューマンだったよ。だから、俺のステイタスがおかしい原因は多分お袋にある。」
「まあ、親父も死んじまったし原因聞き出せねえんだけどな。」
ダリルは笑いながらそう言う。
ダリルの父は随分前に死んだ。
それを笑って話すダリル。
だが、その目の奥には確かに悲哀の色があった。
ダリル
「あっ、そうだ!師匠ならなんか知ってるかもしんねえ!」
「この街に居るらしいし、見つけたら聞いてみようぜ!」
ダリルはデカい声でそう言った。
今回はここまでです。
次回は師匠2人の初登場かなぁって思ってます。