白黒兄貴は最強を目指す!   作:インビジブルです男

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第5話

翌朝。

昨晩、とてつもなく凄い拾い物をしたダリルは、ウッキウキでベッドから飛び起きた。

様々な身支度を終え、部屋の隅に立て掛けた閻魔刀を左手に持ち、部屋のドアを開ける。

玄関前に歩いて行くと、そこにはアリーゼが居た。

 

アリーゼ

「おはよう、ダリル!」

 

ダリル

「よお、団長!」

 

アリーゼ

「今日はダンジョン攻略ね。準備は出来てる?」

 

ダリル

「ああ!ずっと楽しみだったダンジョン攻略に行けるんだ、昨日で全ての準備を終わらしたぜ!」

 

アリーゼ

「気合十分ね!...その刀は?」

 

「昨日、入団した時には持っていなかったわよね?」

 

ダリルはギクリとする。

 

ダリル

「昨日、夜中に起きてな。外に出て、道中に出会った師匠に貰ったんだ。」

 

「(頼む...バレないでくれよ...!)」

 

ダリルは嘘をつくのが得意だ。

大怪我を負っていても、何食わぬ顔で『大丈夫だ』と言うくらいには得意だし、神でもない限り、その嘘は見抜くことは難しい。

 

アリーゼ

「貴方の師匠は、オラリオにいるのね!」

 

「一度、手合わせしてもらいたいわ!」

 

ダリル

「深夜にどっか旅立ってなけりゃ、この都市にいるはずだ。」

 

「あの人は加減しても強いから、多分勝てるのは猛者(おうじゃ)とかその辺だと思うぜ。」

 

ダリルとアリーゼが話している間に、輝夜、ライラ、リューの3人が起きて、身支度を終わらせて、玄関前に到着する。

 

リュー

「朝から元気ですね。」

 

ライラ

「おはよう、ダリル!今日は初めてのダンジョンだな!気合い入れてくぞ!」

 

輝夜

「ごきげんよう、新人くん。」

 

3人は挨拶をすると、輝夜はダリルの握っている閻魔刀に目を向ける。

 

輝夜

「その刀、昨夜まではお持ちではなかったと思いますが...」

 

ダリルは笑顔を崩さない。

聞かれるのは二回目、さっき言ったことをもう一度言えばいい。

 

ダリル

「昨日遅くに目が覚めてな、気分転換に外に出たら、偶然師匠と出会ったんだ。その時に貰った代物だ。」

 

輝夜

「左様でございますか...師からの授かりものならば、口を挟む余地はありません。」

 

ダリルは内心ホッとするも、それは表情には出さない。

表情を出せば終わり。

昨日ダンジョンに行ったことがバレる。

 

アリーゼ

「皆揃った事だし、行きましょうか!」

 

ダリル

「よっしゃ!いよいよか!」

 

アリーゼ

「今日は10階層まで行きましょうか!」

 

ダリル

「技がどれだけ通用するか、試してやるぜ!」

 

こうして、ダリル、アリーゼ、輝夜、リュー、そしてライラの5人はダンジョンへ向かった。

 


 

ダンジョン10階層。

道中の敵は全てアリーゼと輝夜、リューが片付け、ダリルとライラは戦闘を行うことはなく、全員が無傷の状態だ。

辺りはモノクロの世界で、まるで自分たちだけが色を持っているかのように見える。

 

道中が順調すぎて油断気味のライラとダリルの前に、通常より一回り大きなオークが出現する。

しかも一体だけでなく三体。

強化個体だ。

 

緑色の肌は赤く染まり、武器は2本。

ダリル以外はLv.3以上だが、油断は大敵だ。

 

アリーゼ

「皆下がって!防御を固め...」

 

アリーゼが言葉を言い切る前に、真正面の一体のオークが急接近する。

 

ブォン

 

それと同時に、空間の唸る音が発せられたかと思えば、閻魔刀を抜いたダリルの姿が、アリーゼの目に映る。

Lv.4の彼女ですら、その速度には反応が出来なかった。

だが、かっこよかったのはここまで。

ダリルは既に振り下ろされたオークの棍棒を受け止めきれず、壁に突っ込む。

 

ダリル

「その程度で俺を殺れるなんて、思ってねぇだろうな!」

 

ダリルは瞬時に飛び起き、閻魔刀を一度鞘に戻す。

居合の構えだ。

傷は全て再生され、ダリルの頭からは多少の血が流れただけ。

 

ダリル

Die!(死ねぇっ!)

 

その掛け声と同時、ダリルが一瞬にして先程のオークの懐に飛び込んだかと思えば、オークの身体はバラバラに解体された。

その一瞬の内、ダリルは移動と共に無数の斬撃を繰り出し、真空の刃を生み出した上で敵を切り裂いた。

疾走居合だ。

 

アリーゼ

「何あの強さ!?昨日とは格が違うんだけど!?」

 

残り2体のオークも咆哮を上げ、アリーゼ達に突進する。

ダリルはそれを見ると、再生したとはいえ、怪我の反動から多少ふらつくも、閻魔刀を鞘に納め、マグナムを手に取る。

弾薬は装填済み、ハンマーも起こした。

 

ダリル

「俺の仲間に手ぇ出してんじゃねぇぇ!」

 

バァンッ!

 

ダリルが引き金を引くと、弾丸が発射され、それは正確にオークの脳天を撃ち抜き、オークの頭が消し飛んだ。

 

輝夜

「アレが...Lv.1の冒険者だと言うのか!?」

 

ライラ

「火力と速度がLv.1のそれじゃねぇ...」

 

ダリルはマグナムをホルスターに納め、閻魔刀を抜こうとするも、指に力が入らない。

脚の力も抜けた。

先程壁にぶつかった際、頭からぶつかった為、その反動が来たのだ。

再生は傷は癒せるが、脳震盪などの異常は治せない。

そして、ダリルが先程まで異常な力を見せていたのは、アドレナリンと根性、そして閻魔刀入手による、前所有者の記憶の使用。

動けていたのは前者2つのお陰。

普通の人間であれば、既に気絶していてもおかしくは無い。

 

ダリル

「はぁ...はぁ...チッ...体力が先に尽きたかよ...」

 

それでもダリルは立ち上がった。

先程までの力強さは感じられず、閻魔刀を杖にしてようやく立っていられる状態だ。

 

アリーゼ

「ダリル!今助け...」

 

ダリル

「手ぇ出すんじゃねぇ...これは俺の戦いだ...」

 

ダリルは震える手でマグナムを構え、発砲するが、全て外す。

先程までの正確さも無く、手の震えは止まらない。

ダリルの視界はボヤけ、辛うじて敵を捉えられている程。

 

ダリル

「クソっ...ここまでかよ...」

 

ダリルはマグナムを握ったまま倒れる。

限界が来た。

 

オークが近付いてくる音がする。

Lv.4の冒険者が認識できない速度で襲いかかる化け物が、倒れ込んだLv.1の冒険者に近づく。

 

オークが棍棒を高く掲げる。

そして棍棒は、刻一刻とダリルの頭に近付いて行く。

 

アリーゼ

「ダメ!ダリル!」

 

だが、その瞬間。

ダリルの口角が上がる。

 

バァンッ!

 

銃声。

オークの魔石が消し飛び、塵となって消失する。

 

ダリル

「HAHAHA...目が霞んでてもな...近くに来てくれりゃ殺れるんだ...」

 

ダリルは音を聞き、勘で魔石の位置、つまり人間に当たる心臓の部分を撃ったのだ。

だが、これで本当に限界。

ダリルは気を失い、マグナムも手から離れた。

 

ライラ

「す...すげぇ...本当に全部一人でやっちまった...」

 

アリーゼ

「私が動いたことにも気づかなかったあのオークを、Lv.1のダリルが単騎で...」

 

リュー

「彼、本当に何者なんですか...?」

 

輝夜

「武器も凄かったな。遠距離武器も、刀も凄まじい火力だった。」

 

アリーゼはダリルを背負い、輝夜は閻魔刀を拾う。

 

アリーゼ

「じゃあ、帰りましょうか。アストレア様にも、このことを報告しなければ行けないし。」

 

こうして5人は帰路に着いた...




いかがでしたでしょうか。
投票の結果、メインヒロインはアリーゼになりました。
皆様、投票ありがとうございました。
次回もお楽しみに。
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