ウマ娘 ブラス・トレーサー   作:takapon960

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彼らの協力条件は?


第98話

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「査問会議の結果はもう聞いています。森内さん、1月末にはトレーナー資格を剝奪されることが決まったそうですね」

 

打出トレーナーは不本意そうに首を横に振った。

 

「ああ。俺自身も、至極当然の結果だと受け止めている」

 

森内トレーナーも打出トレーナーと同じように首を横に振る。

 

仮に立場が逆で森内トレーナーが追及する側だとしたら、森内トレーナーだってそのトレーナーの資格は剥奪すべきだ、言うだろう。

 

だから、現時点では追及されている森内トレーナーの資格は剥奪されるべきだ、と誰しもが思っている。

 

 

「でも、俺たちに、『今までお世話になりました』って言いに来たわけじゃなさそうですね」

 

藤正トレーナーは、ニヤリとした笑みを返した。

 

森内トレーナーは強く頷く。

 

つまり、トレーナー資格を剝奪されることが決まって、それを至極当然だと思っているが。

 

しかし、トレーナー資格は、剝奪されたくない。

 

そのために、藤正トレーナー、打出トレーナー、小原トレーナーに協力を仰ぎに来たのだ。

 

何とわがままで、自分勝手で、意味の分からないことを言っているのだろうか、と思うが。

 

「別れの言葉を言えない理由は2つ。俺がインシーの担当を続けたいから。そして」

 

「--インシーが、俺の担当であり続けたい、と言ったから」

 

「トレーナーは途中で変更が認められてます。森内さん、あなたがいなくなったら、僕がインシーの面倒見てやるっていったらどうします?」

 

続いて打出トレーナーがその温和な表情を崩して真顔で言ったが。

 

「インシーは他のトレーナーに乗り換えるのは嫌だと言ったぞ。そして」

 

「インシーのトレーナーもまた俺だけだ。お前たちを含め、他の誰にも任せられん」

 

 

その言葉を聞いて、小原トレーナーは目を閉じて、腕を組む。

 

「……お前、インシーをスカウトしたとき、なんていったか覚えてるか?」

 

インシルカスラムをスカウトしたのは2年前のことだ。

 

それでも、森内トレーナーはその言葉をまだ深く胸に刻んでいた。

 

「本人(インシルカスラム)とお前たち(3人のトレーナーたち)に『俺しか担当できる奴はいない』って言わせることをする」

 

一字一句間違えずに繰り返した森内トレーナーに、小原トレーナーはフッ、と軽い笑みで強面をわずかに崩した。

 

「--言われてんじゃねえか。大した野郎だぜ」

 

インシルカスラムは、"森内トレーナーしか、自分を担当できる奴はいない"と確かに病院ではっきり言ったのだ。

 

「ハハッ、森内さん、担当に似て頑固になってきたんじゃないスか?」

 

「試すのはもう十分でしょう。さすが森内さん。あなたこそ漢の中の漢です」

 

藤正トレーナーと打出トレーナーはガッツポーズで協力姿勢を示した。

 

「俺たち自身、そして俺たちの伝手頼って、資格剥奪の撤回を掛け合ってやる」

 

「森内、お前はURAにいるべきトレーナー、そしてこれからもインシーの担当トレーナーでいるべきだぜ」

 

小原トレーナーは今度は森内トレーナーの頬ではなく、肩を力強く叩いた。

 

これだけの協力者が集まれば、きっと森内トレーナーは、トレーナーを続けることができるかもしれない。

 

「皆、ありがとう……!この恩は、インシーがシニア級のレースで1着を取ることで返させてもらう」

 

「うわ、最後の最後で締まらねえこと言いましたねえ」

 

「恩を挑発で返す人初めて見ましたよ。もちろん、受けて立ちましょう」

 

「そいつは受け取れねえぜ。シニア級のレースの1着はテンカのモンだからな」

 




お互いに、「自分の担当はたった1人だけだ」と言っているなら。
協力してやらないわけにはいかない。

森内トレーナーはインシーが病弱なウマ娘であることを知っていながら、無理な連闘させた結果、骨折させてしまいました。 あなたの意見は?

  • トレーナー失格だ!クビにしろ!
  • ペナルティを受けるべきだ!
  • 事情があったなら仕方がないのでは?
  • トレーナーは何も悪くない!
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