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インシルカスラムの入院からしばらく経ち、そろそろ外の景色がどういうものだったか忘れそうになったころ。
看護師がインシルカスラムの病室に入ってきた。
その手には小さめの封筒が2枚。どうやら診察などではないらしい。
「インシーさん、お手紙が届いてます。これは……」
看護師が持っている封筒をあちこち眺め回す。
外から見た封筒はあまり馴染みのないデザインの郵便物だ。
「英語で送り主が書かれてますね。海外にお友達がいらっしゃるんですか?」
「あー、アイツらだな」
海外にお友達、と言われてインシルカスラムにはピンとくるものがあった。
「多分そうだね。ちょうだい」
インシルカスラムが封筒を受け取ると、封筒には1通ずつ予想通り、見覚えのある名前が。
From:Unveil
From:Highest Fellow
「あの2人にもアタシがケガしたこと、伝わってんのかな」
きっと励ましてくれるに違いない、と信じてインシルカスラムはまずアンベールから来た封を開ける。
「Dear Incy.
(インシーへ。)
A few days ago,I heard that you broke your leg in Tokyo Daisyoten. I was very sad to hear that.
(数日前にあなたが東京大賞典で骨折したと聞いたわ。残念だったわね……)
I have only played against you once, but I know how strong you are.
(1度しか一緒に走ってないけど、あなたの強さはよく知っているつもり。)
I'm going to meet you again in December. Then please show me you're well again.
(また12月に会いに行くわ。その時はもう1度元気な姿を見せてちょうだい。)
All the best. Unveil.
(それじゃあまた。アンベールより。)
PS.If you get a letter from Fellow, please don't take it too seriously.
(追伸:フェローからも手紙が来ると思うけど、あまり真に受けないで。)
Because she probably just wrote it in the heat of the moment.
(どうせ勢いで書いただろうから。)」
友人宛にしてはややフォーマルな手紙に添えられた追伸にインシルカスラムは吹き出してしまった。
同じアメリカ出身のウマ娘とはいえ、アンベールはフロリダ州の東海岸、ハイエストフェローはカリフォルニア州の西海岸で活躍している。
案外、2人が直接会うことは少なく、一緒の席で話し合いながら書いた、というわけではないようだ。
が、ハイエストフェローがどういう手紙を書くかはアンベールにとって大体予想がつくらしい。
「そっか、アンベール、また会いに来てくれるんだな」
続いて、インシルカスラムはどうせ勢いで書いてる、と言われたハイエストフェローからの手紙を開ける。
フロリダよりお気持ちお察しいたします。
森内トレーナーはインシーが病弱なウマ娘であることを知っていながら、無理な連闘させた結果、骨折させてしまいました。 あなたの意見は?
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トレーナー失格だ!クビにしろ!
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ペナルティを受けるべきだ!
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事情があったなら仕方がないのでは?
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トレーナーは何も悪くない!