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ハイエストフェローの字は、丁寧なアルファベットで書かれたアンベールの手紙と比べて、いかにも書き殴りました、といった字だった。
「Hello Incy.
(よう、インシー。)
I heard your bad news, that sucks.
(残念なニュースを聞いたぜ、マジで最悪だったな。)
But I know you won't let this beat you!
(けどな、私の知ってるインシーは、こんなところで折れるような奴じゃねえ!)
I'll see you this December, and you better have a lot of good news for me, okay?
(また12月に会いに行くぜ。その時はいっぱい良いニュースを聞かせてくれる、だろ?)
You've got this!
(頑張れよ!)
Your best friend & best rival, Highest Fellow.
(お前の最高の友人で最高のライバル、ハイエストフェローより)」
「確かに勢いで書いてるなコレ……」
何とか汚い字を読み切ったインシルカスラムは手紙をよく見る。
ただのA4のコピー用紙だ。しかもおそらく太字のマジックかなんかで書いている。
アンベールはちゃんとレターセットを使って万年筆で鮮やかに書いているというのに。
「まあ、そういうのもフェローらしいか。待ってろよフェロー。両手じゃ数えきれないくらい、いいニュース持って行ってやる!」
ふと、そこでインシルカスラムはあることに気づいた。
2人とも12月に来日する、と書いているのだ。
相談しながら書いたわけではないのに。
どうして2人合わせて同じ月に来るのか?インシルカスラムに会うだけならいつでもいいだろう。
「……チャンピオンズカップか!?」
そう、2人はまたしても日本のチャンピオンズカップに出走しに来るのだろう。
おそらくは、インシルカスラムをもう一度ブッ倒すために。
「おいおい、アタシ2連戦したから骨折したんだぞー?」
「東京大賞典は外せないし、だからってこの挑戦受けないわけにもいかないし……!」
東京大賞典は未だ記録がない。リベンジとして挑戦しなければ、現役を続行した意味がないといっても過言ではない。
しかし、2人がせっかく来てくれたのに挑戦をかわすようなスルースキルもインシルカスラムにはない。
おそらく2人もがっかりするだろう。
だからといってどっちも出たらどうなるかは痛感したばかり。
インシルカスラムは悩みに悩んだ挙句……
「……後にしよ」
結論を出さないまま、手紙を棚にしまい込んだ。
まだ1月だ。あとでじっくり考えればいい。
いつかは決めないといけないけど、今は治療に集中!
森内トレーナーはインシーが病弱なウマ娘であることを知っていながら、無理な連闘させた結果、骨折させてしまいました。 あなたの意見は?
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トレーナー失格だ!クビにしろ!
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ペナルティを受けるべきだ!
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事情があったなら仕方がないのでは?
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トレーナーは何も悪くない!