ウマ娘 ブラス・トレーサー   作:takapon960

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G1でないレースはナレ死ならぬナレ勝で流します。
全日本ジュニア優駿はしっかり書き込みますのでお待ちください…


第14話

インシルカスラムは過酷な練習には耐えられない。

 

だからといって楽なトレーニングだけに甘んじる必要もない。

 

森内トレーナーはトレーニングの負荷や量を上げつつ、オーバーワークや故障につながらないラインを慎重に見極めていく。

 

そうすればインシルカスラムは……

 

許される限り、成長できる。

 

 

「インシルカスラム独走!後続全く追いつけずにゴール版を駆け抜けた!」

 

Pre-OPのカトレア賞で、インシルカスラムは相変わらず余裕の走りで1着を取る。これで2戦2勝だ。

 

そろそろインシルカスラムの走りに対策を考える者も出てきただろうが、対策以前の圧勝だった。

 

「やったよトレーナー!アタシどんどん速くなってる!」

 

「いいぞ!1600mでのやり方はつかんだか?」

 

「アタシを誰だと思ってんだー?もうバッチリだっての!」

 

インシルカスラムは森内トレーナーと息ピッタリのハイタッチ。

 

傍から見ても、インシルカスラムには森内トレーナー、そう認められつつある。

 

「そうだ、トレーナー!アタシも2連勝したことだしー?」

 

「たまには一緒にトレーニング以外のことしようよ!」

 

これは、インシルカスラムからおでかけの誘いだ。

 

ダートは全日本ジュニア優駿まではPre-OPが最高階級だ。

 

Pre-OPを含め2連勝したインシルカスラムがG1に出るにはまだ実績が足りない、なんてことはないだろう。

 

「(芝のジュニアでG2をとったようなもの、なら大快挙だ。ご褒美くらいはいいだろう)」

 

「構わないが、そういえばインシーのオフの趣味はあまり知らないな」

 

レースで才覚を表してきたことばかりに気を取られて、インシルカスラムのプライベートはあまり聞いてこなかった。

 

せっかくのお誘いだ、担当ウマ娘の好きなものくらい知っておいても損はない。

 

 

「……意外だな」

 

トレーナー室にインシルカスラムが持ち込んだものに森内トレーナーは目を丸くする。

 

持ち込んだものはゲーム機、コントローラー2つ、そしていくつかのゲームソフト。

 

よく見れば、全て2人での対戦・協力プレイが可能なゲームだ。

 

「だろー?アタシ意外とゲーマーなんだ!」

 

予想通りの反応をされてインシルカスラムは嬉しそうな反応だ。

 

担当して数か月の森内トレーナーですらインシルカスラムはやんちゃ、猪突猛進のお手本みたいな印象を抱いていた。

 

というかあった人は誰もがそんな印象を抱くだろう。

 

外ではしゃぎまくれるような遊びが趣味なのかと思っていたらまさかのインドア派とは。

 

「もちろん、外で遊ぶのも好きなんだけど、アタシ小さいころ風邪とか引きがちでじっとしてなきゃいけないこと多かったからさ」

 

「何もできないのホント退屈で退屈で!いっっっちばん嫌い!勉強してるほうがずっとマシ!」

 

インシルカスラムはコントローラーを叩きつけんばかりに過去一嫌そうなアピールをする。

 

どうやら、インシルカスラムに退屈、何もさせない、じっとさせる、というのはタブー中のタブーのようだ。

 

間違っても暇にさせてはいけない。森内トレーナーは頭に叩き込む。

 

「それで、外に出られないから勉強に飽きたらゲームを遊んでいたってことか」

 

悲しい幼少期だったんだな、外でもたくさん遊びたかっただろうに、と言おうとして森内トレーナーは言葉を飲み込む。

 

インシルカスラムが幼少期のころの同情なんて求めているだろうか?

 

インシルカスラムが今求めていることは、一緒に楽しくゲームを遊ぶことだけだ。

 

「そ!操作の忙しいアクションも好きだけど、一番好きなのはパズル!ずっと考えられてヒマじゃない!」

 

「パズルか、俺も頭の柔らかさで担当に後れを取るわけにはいかないな、対戦しよう!」

 

「よっしゃ!ボコボコに負かしてやるから覚悟しとけー!」




インシーの一番好きなゲームをもっと詳しく言うと「1990年前後に流行ったパズルゲーム」。
つまりテ〇リスです。
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