ウマ娘 ブラス・トレーサー   作:takapon960

150 / 166
ここでおさらい。
アメリカ本国ではダートが主流。2人はアメリカで有名ウマ娘。
つまりは観客席がこうなります。


第141話

ーーー130ーーー

 

インシルカスラムはハイエストフェローと仲良く手をつなぎながら中京レース場のパドックに出る。

 

それほど大きくない観客席には、去年以上に多種多様な、つまりは日本人とアメリカ人で埋め尽くされていた。

 

どうやら去年以上に、わざわざ2人のアメリカウマ娘のために、海を越えて何万人というアメリカ人ファンが中京レース場に駆け付けてくれたらしい。

 

「Hang in there everyone!(みんな気合入れろ!)」

 

「Incy! "SLAM" the champ of last year!(インシー!去年のチャンピオンなんか"叩きのめせ"ー!)」

 

「今年のチャンピオンズカップもお前のモンだフェロー!」

 

「先行逃げ切りなんて全部差し切っちまえアンベール!」

 

そして、観客席のファンたちは自分やウマ娘たちの国籍になど囚われない。

 

思い思いに、自分の"推し"となったウマ娘を、そしてチャンピオンズカップに挑む全員を応援していた。

 

パドック中ずっと、インシルカスラムとハイエストフェローは仲良く手をつなぎながら歩いてきて、その2、3歩後ろをアンベールがついてきていた。

 

しかし、ゲート前まで近づいた時。

 

インシルカスラムとハイエストフェローはほぼ同時にお互いの手を振り払った。

 

そして、ハイエストフェローの方から、インシルカスラムを挑発的に手招きする。

 

「C'mon, Incy! Try'n defeat me with your front run!(来いよインシー!お前の逃げで私を打ち負かしてみろ!)」

 

もちろん、売られたケンカを買わないわけにはいられない。

 

「Sure, bring it again, Fellow!(ああ、もう1回かかって来いよ、フェロー!)」

 

 

するとその時。

 

インシーの後頭部に、指が突き付けられた。

 

もしこれが拳銃だったなら、振り向く暇もなく、インシルカスラムは頭を撃ち抜かれている。

 

そして、インシルカスラムの後ろにいるウマ娘は1人しかいない。

 

インシルカスラムが振り向くと、アンベールがインシルカスラムだけでなく、ハイエストフェローにも指で作った拳銃の人差し指を突き付けていた。

 

さながら二丁拳銃で2人を足止めしているかのようだ。

 

「You wanna run away from me, don't you?(あなたたち、私から逃げたいんでしょう?)」

 

インシルカスラムの全身がゾクッ、と震える。

 

去年、アンベールと戦った時は負けているのだ。

 

一応、差しウマ娘対策はしてあるが、一般的な対策で易々と勝てるほど、アンベールは甘い敵ではないだろう。

 

アンベールは指で作った銃を上に向けた。

 

「BANG!」とでも言ったつもりだろうか。

 

「It will never come true(その願い、絶対に叶わないでしょうね)」

 

「I, I won't let that happen!(さ、させるかよ!)」

 

ハイエストフェローにとっても、アンベールのマークと最終直線での速度は怖いのだろう。

 

多少ビビっていることが分かりながらも強がって返している。

 

「Shoot me if you can!(撃てるものなら撃ってみな!)」

 

そして、インシルカスラムもまたアンベールの手を払いのけて言い放ち、相手に物怖じしない精神を見せつけた。

 

 

やがて、全員のゲートインが完了する。

 

「各ウマ娘、ゲートイン完了……」

 

「They're in the gate......」

 

観客席が静まり返り、日米両方のアナウンスの合図のみが流れ。

 

ガコン、とゲートが開いた。

 

「スタートです!」「And, they're off!」




「C'mon! Try'n defeat me!」
「You wanna run away from me, don't you?」
は2人の決めセリフにしたい。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。