ウマ娘 ブラス・トレーサー   作:takapon960

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この話を書くためにUnlimited Impact繰り返し聞きました。


第20話

ファンサービスの一環でもあるレース後のウイニングライブは、ダートレースならすべてUnlimited Impactという曲になる。

 

ダートでしか見れないG1ウイニングライブ、ということもあってかレースは見ないがウイニングライブは見てみる、という観客も見かけられる。

 

ステージは金網や鉄骨に脚立、複数のテレビといった装飾が目立ち、まるで工事現場をどうにかライブステージに改装したような荒々しさを感じさせる。

 

同時期のホープフルステークス後のライブで行われる、豪華絢爛な中央のステージから全方位にライブをするSpecial Recordとは明らかにテーマが違う。

 

トレーナー2人は最前列を予約して、森内トレーナーは赤、藤正トレーナーは青の、担当ウマ娘のテーマカラーにしたサイリウムを準備して待機する。

 

照明が消えた。夜なこともあり、隣すら見えない暗闇になる。

 

しばらくすると、砂嵐のテレビが映り、メロディーが始まった。

 

スモークからだんだんと明るくなっていき、3人のシルエットでしか映らないウマ娘が前に出てくる。

 

そして、一気にバッ、と青白い照明が付き。

 

シルエットだったインシルカスラムとフルセイルサルート、そして3着のウマ娘が観客席に手を伸ばして、初めてとは思えないほど手慣れた振付を始めた。

 

後ろには惜しくも4着以下となったバックダンサーも同じく慣れた感じで踊っている。

 

どいつもこいつもレース直後の砂を落とさず、汚れたままの格好でのライブだったが、みんなむしろその姿を誇らしそうにしていた。

 

どうやら、汎用ライブ衣装への着替えは全員断ったようだ。

 

「視界全部奪うような 打ち付けるスコールの中でも♪」

 

3人が三角形のようなフォーメーションを取り、まずはセンターのインシルカスラムから歌いだす。

 

「きっと攫われ流れるのは 言い訳と迷いだけよ♪」

 

続けてセンターが入れ替わり、フルセイルサルートが歌う。

 

「ぬかるんだ現状に足をとられて 陰鬱な空気が喉塞いでも――♪」

 

「すげえ……自分の担当をG1ライブに立たせるのってこんな気持ちなんスね……」

 

オレンジ色に変わった照明を浴びながら、藤正トレーナーはフルセイルサルートをG1ライブの主役級に立たせた瞬間を見て感動に圧倒されていた。

 

「センターに立たせたときはもっと感動するぞ。藤正、お前なら近いうちにわかるかもな」

 

「へっ、インシーが邪魔してくるんでしょどうせ」

 

「もちろん」

 

「この声は絶やせないでしょう この足は止まらないでしょう♪」

 

Bメロに入り、インシルカスラムとフルセイルサルートが向かい合いながら同時に歌う。

 

出会って数秒でいがみ合うような2人も、この瞬間は楽しそうに笑っていた。

 

「いのちのかぎり!♪」

 

照明が一気に明るくなり、メロディーがサビに入る。

 

「どうか全力で射抜いてよ 瞳で私を♪」

 

「焼き付けていこう それは約束の進化系♪」

 

「傷を痛がって投げ出す程度の想いじゃない♪」

 

「君は目撃者だよ♪」

 

 

「Yes…Unlimited Impact!♪」

 

「見せてあげる Evolution♪」

 

最後に、フルセイルサルートは片手を、インシルカスラムは両手を突き上げ。

 

観客に向けてグッと握った。

 

「Go Ahead! 未来 DAYS!♪」




これにて第1章「艦隊襲来(全日本ジュニア優駿編)」は終了になります!
次回よりクラシック級、そして第2章「ワンチャンスのクラシック(ジャパンダートダービー編)」が始まります!

コメントいただければ泣いて喜びます!ぜひお願いいたします!
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