ちょっと最新話当たりは記憶あやふやなので、世界線明らかに違ったらごめんなさい。
「……"土壇場で一番頼れんのは経験からくる勘"、か」
先日のフェブラリーステークスで小原トレーナーが言ったことを森内トレーナーは繰り返していた。
ウマ娘の育て方というのは十人十色で、これが絶対正しいというものはおそらくない。
データ重視なトレーナーは勘などという不明瞭なもの頼りな育成論にいい顔をしないだろうが、森内トレーナーにとっては一理ある言葉だった。
いくら戦術がベストマッチだったとしても、経験の差、つまりは"レベル"が低ければ話にならない。
森内トレーナーはレベルアップのための経験値を積む方法を模索しだす。
もちろん、多くのレースに出走できればそれが一番なのだが、インシルカスラムの体力から考えると調子に乗ってレースを入れまくるのは禁物だ。
となれば、後は練習方法。
もちろん、これまで出会ったダートウマ娘たちはインシルカスラムとの合同練習を快く引き受けてくれるだろうが……
「そこからさらにステップアップしたいところだな。あまり練習したことないウマ娘と練習したい」
森内トレーナーはパソコンを開き、現役ウマ娘のリストを開いて検索にかける。
現役ウマ娘は星の数ほどいるが、インシルカスラムの練習相手となると条件はとても厳しい。
まず、ダートに経験がほとんどない奴は除外。これだけで大半がふるい落とされる。
そして、ダートといえども未勝利戦やPre-OPで苦戦しているようではインシルカスラムの相手にならない。
今のインシルカスラムの実力ならG1級で戦えるほどのダートウマ娘が望ましいが。
……フルセイルサルート、テンカバスター、ガルディアコダンがヒットした。もう会っている。
「ガルディアコダンは地方遠征中だったな、他を当たらないと……」
もう1人2人くらい、誰かいい練習相手がいないものか。
森内トレーナーはため息をついて条件を芝主戦かつダート適性ありに設定した。
「自分でいうのもなんだが訳が分からないことしてるな……芝がメインなのにダート適性のある奴を探してるって」
【検索しています…】
「--合同練習、引き受けてくれて感謝する、北原」
森内トレーナーは中央では後輩格にあたる北原トレーナーに深々と頭を下げた。
もはや誰もが知るオグリキャップを笠松の時から支えてきたあの北原穣である。
「頭上げてくださいよ森内さん。知らない奴から突然ならまだしも、インシーのことはオグリから聞いてます。こっちからお願いしたいくらいですよ」
「そいつは光栄だが、まだインシーは3戦しか走ってないんだぞ?」
「んで3勝してるじゃないスか。しかもG1タイトルまで引っ提げてる。もっと自信持ってくださいよ」
「……そこまで言われちゃあな。インシー担当の俺には、自意識過剰なくらいがちょうどいいのかもしれん」
2人はそれからも他愛のない話をしつつ草原に座り、2人のウマ娘を見守ることにした。
キタハラジョーンズは年齢は森内Tより上なのに中央トレーナーとしては後輩なんだな…